前回はまともに書けなくてごめんなさい。お昼にラーメン食べてたのでつい勢いで。
はあ。それにしてもハートブレイクから回復するのに1日かかってしまった。いまやっと起きたことを冷静に考えられる。
アーセナルはサウサンプトンに負けた。無敗は更新ならず。
相手は今季リーグでたった1勝しかしていなかった降格候補で、しかも終わってみればそんな相手に3失点と目も当てられぬ結果に。
レギュラーふたりがサスペンションというディフェンダー危機で、ここを乗り切ればなんとかなるかもという淡い期待はあっけなく裏切られた。さすがプレミアリーグというべきか。
いまでもレヴューを書くモチヴェイションはあまりわかないが、あとでこの試合のことを思い返すときもあるかもしれないのでざっと書いておこうと思う。
Southampton 3-2 Arsenal: Austin winner ends Arsenal’s unbeaten run
ティング
最大の驚きはジャカ。コラシナツが使えなかったのでもうオプションはなかったということか。LB起用がここに至る伏線になっていたわけだ。
昔ジャカをCBで使えって誰かがいってたけど(誰だよ)、実際やってみてあんまりうまくいかなかったねえ。
現時点で彼の最大の長所は、ファイナルサードへのパスなのだから、ポジションが一段深くなったらそれだけ彼の良さが減ってしまう。
そしてアーセナルがもっとも恐れていたことのひとつであるベレリンのけが。さらなるディフェンダーの離脱。
CBは次からムスティとパパが帰ってくると思ったら今度はRBだよ。もちろんコラシナツが抜けたLBも。
だましだましやってきたツケがここへ来て見事に回ってきている。
マッチスタッツ
66%ボールを支配しながらシュートは互角、SoTは倍近く打たれている。
BetweenThePostsより。両チームのxGの低さに注目。予想された得点に対し、サウサンプトンは約3倍、アーセナルは約2倍得点したことに。
ラッキーというのか、拍子抜けというのか。あんまり簡単にゴールを決まるので奇妙な感じはあった。
ボスの試合後のみことば
試合後のプレスカンファレンスより。チームセレクションとか今回ばかりはボスの過失も少しは含まれると思うぞ。
(無敗が終わりました……)
エメリ:負ける可能性はあったし、負けた。90分で見ればファーストハーフとセカンドハーフで違う問題があった。セカンドハーフには試合をコントロールできるようになったし、相手よりたくさんチャンスもつくった。トランジションもコントロールした。しかしほんのささいなアクションで彼らはゴールした。得点に値したがね。彼らは大きなモチヴェイションを持っていたしサポーターの後押しもあった。われわれは以前プレイしたのととても似たような感じだったが、結果は違った。
(ディフェンダーが足りない……)
彼らはよくやったと思う。コシエルニが90分プレイできたことは彼にはとてもいいニュースだ。肉体的に90分プレイができた。ほかのプレイヤー、ジャカなんかもとてもよくプレイしたし、リヒトシュタイナーもだ。つくられたチャンスはわずかだったが、効率がよかった。こちらは2ゴール以上のチャンスがあったが、得点できなかった。それが差になったのかもしれない。90分試合をコントロールしたのは相手よりもわれわれのほうだ。ディーテイルを進歩させつづける必要がある。なぜなら3度もチャンスを決められたのだから。
(ベレリンのけが……)
明日まで待たねばならない。ベレリンは小さなけがで、たぶん何週間かアウトになる。ソクラティスは戻るし、ムスタフィとコラシナツも。コシエルニはつぎの試合でもプレイできることはうれしいニュースだ。結果はよくなかったが、彼らが復帰することは重要だ。
(1月に補強……)
いまはわからない。いつもは1月にはあまり可能性がないからだよ。しかし補強になるような選手がもしいれば。でもわれわれが考慮するのはいいパフォーマンスでわれわれを助けてくれる選手だけだ。1月はそういう理由でよくない。しかしいずれにせよ見ていくことにはなるだろう。そしてクラブが1月に動く。われわれは若い選手たちを使って取り組みをつづけていて、彼らの進捗を見るためにもチャンスを与えていく必要がある。大きな要求があるし、ピッチの上でもスクワッドのなかでもハイレヴェルが必要だ。
(補強資金はあるんでしょうか……)
簡単じゃない。たくさんの予算があるとは思えないね。だって補強の可能性はかなりあるというわけではないから。クラブが動くのは相当のハイレヴェルかいまいる戦力よりもいい選手がいたらに限られる。
(3失点です……)
相手にチャンスをつくらせ過ぎないように進歩する必要があるのはたしかだ。この試合を分析することだけが、失点についてのほんとうの意見になる。わたしたちはたくさんのゴールをしている。ゴール数ではリーグ2位だ。しかしたくさんの失点もしている。少なくともわれわれが望むところ以上にはね。
(敗戦のあとに早いバウンスバック……)
もしわたしたちが今日のように勝てなければ、トップ4には入れない。ほかのチームは勝っているんだ。自分たちのやり方でチームをビルドアップさせていく必要がある。目標はトップ4だが、ほかのチームはレヴェルが高いので難しいことはわかっている。自分たちに厳しくありたい。22戦無敗で負けていなかったが、テーブル上では5位に過ぎない。ほかのチームがとてもうまくやっているからだ。
この調子ではトップ4フィニッシュが難しいと、エメリも認めている。
しかし、8月以来負け無しというフォームで4位にも入れないとかどんだけと思っていたら、どうも今シーズンはエメリのいうとおりかなりのハイレヴェルなトップ4争いになっているようだ。このブログでもおなじみのスコット・ウィリス氏のツイートによれば。
Arsenal are on pace for 76 points and missing out on the top 4. That would be good enough for 4th in 8 (with a tie in the ninth) of the last 10 seasons. It would have been good enough for 3rd, 6 of 10 times and good enough for 2nd 2 of 10 times.
— Scott Willis (@oh_that_crab) December 17, 2018
アーセナルは(シーズン終了後には)76ポインツ取れるペイスだが、(このままでは)トップ4入りはできない。
過去10シーズンでは、このポインツなら8シーズンで4位以内でフィニッシュできた(1シーズンは4位タイなのでそれを入れると9シーズン)し、6シーズンでは3位、2シーズンは2位に入れたのに。
PLの上位争いがいかに厳しいかって話しですな。
ちなみに「プロジェクト84」では、少しぐらいポイントを落としてもトップ4フィニッシュは余裕なんていっていたが、どうも今年はトップ4に入るには84ポインツに向けて多くの取りこぼしが許されないと。アウェイとはいえ19位クラブに3失点して負けてる場合じゃない。
この試合で大事な3ポインツを失ったので、また借金状態に。
巻き返しを図るには、トップ6チーム(トップ4チーム)でポイントを奪っていかないと。彼ら上位チームがなかなか取りこぼさない状況では、直接対決でこちらの貯金を増やしつつ、トップ4チームの足を直接引っ張るのだ。
試合の論点
いつ起きてもおかしくはなかった敗戦
いつもの7amkickoff氏が、この試合の展開は典型的な今季のアーセナルのものであるとして特徴をざっくりまとめていた。
- アーセナルのスロウスタート
- 敵の戦略的ファウル
- ディフェンシヴ・エラー
- エジルの怠慢
- ハーフタイムでの変化
- ラカゼットがスタートしない
- アーセナルはxG以上の結果(ラッキーゴール)
- アーセナルがボックス外から得点
なかでも、失点につながったディフェンシヴ・エラーがぼくは気になった。
1失点目はベレリンが簡単なクロスを上げさせたのがまずギルティ。コシエルニとジャカで相手FWを挟んでいながらドンピシャのヘッダーを許しているのもギルティ。
2失点目はサイドを変えただけで状況はかなり似ている。あの位置からプレッシャーもなくクロスを上げさせたのもギルティだし、ゴール前でコシエルニとリヒトシュタイナーが相手FWを挟んでいるが、またしてもヘッダーを許す。
3失点目はもちろんクロスボールに対するレノの飛び出しの判断ミス。
3失点はどれも似た状況での失点だったため、試合後のプレス会見でエメリがジャカ、リヒトシュタイナー、コシエルニらディフェンス陣をたたえていることはたしかに納得しにくい。とくに、復帰したばかりのこのタイミングでは彼に何か文句をつけることは憚られるが、この試合で失点に関するコシエルニの過失は少なくないだろう。
果たして彼のマッチフィットネスや試合勘といったものは、PLのアウェイゲームに耐えられるものだったのだろうか。
17試合が終わり、これで23失点となった。これは1試合で平均1.35失点になるので、このままディフェンスが改善されないようだと昨シーズンに引き続き50以上の失点(51.4)を記録することになる。
モウリーニョのように選手を批判することが何かの解決になるとは思えないが、エメリのコメントは確かに試合中にディフェンスの問題が見えていたのかどうか不安にさせられる。
もっとも改めて試合のハイライトを見ると、オバメヤンがチャンスを何度か外しているので、あのゴールのいくつかが入っていれば状況はまったく変わっていた可能性はある。何度かあったチャンスで彼が1点でも入れていれば、ぼくらは試合後に23戦無敗だと浮かれていたかもしれないのだ。
結局、これはよく選手たちが敗戦後にいうことばだが、この試合結果をウェイクアップコールだと思わねばならない。
久しぶりに負けたからといって何かが特別なわけでもなく、試合内容はとても既視感のあるものだった。結果的にたまたま相手が得点し、たまたまわれわれが相手を上回る得点ができなかったと。
得点を特定の選手に頼っていれば、守備がなかなか改善されない状況では、そういうことがいつ起きてもおかしくはなかった。
レギュラーが戻ってくるCB問題はひとまずいいとして、ベレリンを失った右サイドが痛い。
そして今後、仮にトレイラやジャカといった替えの効かない選手がけがをしたらと考えると恐ろしいものがある。
苦しいチーム事情で、今後エメリにはますます難しい舵取りが求められるが、まわりをよく見て、どうか最良の選択をしていってほしい。
以上。
イングスにことごとくコシエルニが裏を取られた二失点という感じでした。
中盤の守備がトレイラのお陰で安定しだしたのに対して、サウサンプトンはサイドからのクロスで直接脆弱なアーセナルのCBと勝負してきましたね。
3点目のレノの判断は責められないでしょう。相手にはクロスとシュートの選択肢があり、レノはシュートを読んだ。結果、クロスが来た。二択を外したのは不幸ですが、二択で失点するようになったのは相手によるインターセプトが原因です。