プレミアリーグのトップクラブも「ビッグ6」などと呼ばれすっかり群雄割拠の乱世となっているが、世が世ならアーセナルとマンUの2強がリーグの覇権を競いあっていた時代もあったことはご存知のとおり。
いまでは両チームとも競争力ではやや落ちぶれてしまったものの、18-19シーズン終盤のこのタイミングで奇しくも両クラブにとってシーズンを決す可能性のある戦いの相手がお互いにマンUでありアーセナルであるのはおもしろい。
来季のCL出場を賭けた宿命のライヴァルとの6ポインター。ゴクリ。
しかも、昨日スパッズがセインツに敗けた(まさにToT)ことによって、トップ4争いに片足をツッコんでいた彼らがついにこの団子状態に仲良く加わることになり、4位どころかより高みを目指せるようになったのだから否が応でも盛り上がろうというものだ。
ここしばらくビッグゲイムのときにやっているように、プレヴューエントリ前半はコメント集、後半は試合展望でお送りしよう。しばらくお付き合いください。
エメリの試合前コメント
試合前のプレスカンファレンスがなかったのか(どういうときに開催されないんだろう?)、公式サイトにはインタヴューとしてコメントが掲載されている。
エメリ:日曜は(マンUのこれまでと)似たものになるかもしれない。彼らには(故障者が多く)似た選手を使うだろうし、(PSGでは)いい試合をやった。だがわたしたちもいいプレイをしているし、たくさんのチャンスもつくってきた。
すでにビッグチームとは戦っているし、われわれが彼ら相手にもファイトできることやバトルできることは見せてきた。(前回のFAカップでマンUに)敗けたがそれも現実だ。
日曜には、より効率的になれるように、われわれはいくつか違う戦術と個人の取り組みをやらなければならない。
フレッシュな選手が必要だ。エナジーのある選手。クオリティやコンビネイションが必要で、ベンチからスタートになってもあとからピッチにビッグパフォーマンスをもたらせる選手が必要だ。
これは決定的な試合じゃない。わたしたちは一貫性を保つ道にいる。38試合のなかで、マンチェスター・ユナイテッドであろうがほかのチームであろうが、バトルはバトル。お互いにそれが重要なのは3ポインツのためだ。
決定的だとは思わない。しかし日曜にはトップ4でフィニッシュできる可能性を掴むために、プッシュできるところを見せる必要がある。
チームに余計なプレッシャーを与えないようにするためか、エメリはこの試合が決定的ではないという。
たしかにポイントのうえでは、この試合が万が一敗けてさえまだ決定的じゃないという意見もある。くわしくは後述しよう。
だが、この試合を「シーズンを決める決定的な試合」と位置づけるものたちは、それがポイントだけの問題ではなく、その後のチームに与える心理的な影響を考えている。ネガティヴ・インパクトを考えている。ぼくもそのひとりだ。
この試合を終えればリーグもあと8試合しかないなかで、ここで気分がアガるか下がるか。これがいかに重要か。しかも相手が相手だけにその振り幅はでかい。勝てば天国負ければ地獄(これなんだっけ?)。
そしてアーセナルはとりわけ気分に影響されやすい。流されやすい。リーダー不在と批判されつづけてきたこともそれに由来するし、なにより悪すぎるアウェイレコードがいい証拠である。
シーズンのなかでもっと早いタイミングなら、仮にここで結果が出なかったとしても、いい試合をやったならそれがポジティヴに作用することはあるだろう。
だが、いまはもう時間がない。バウンスバックといっても、その時間も限られているのだ。
この試合はとにかく結果が大きい。
金曜日に語ったというコメントが『Telegraph』に掲載されていた。
エメリ:今朝何人かの選手たちと話した。わたしは、彼らの大きなポジティヴエナジーでわたしを助けてほしい。ある選手はわたしよりも(エナジーが)悪かった。わたしよりももっと低かった。だからわたしは彼にこう云ったんだ。「わたしよりキミのほうがもっと悲しいのなら、明日また話そう」と。
わたしはポジティヴエナジーを持って選手たちの話しを聴きたい。わたしは彼らがこう云ってくれるのを聴きたいんだ。「日曜にはぼくらがやってやりますよ」とね。
われわれのターゲットはCLで簡単じゃないことはわかっている。難しいことはわかっているがふたつの可能性がある。選手たちが楽観的でいられるようにする責任がある。ポジティヴスピリットでやれる。ポジティヴエナジーを見つけたい。
ユナイテッドがとてもうまくやっていることもわかっている。もっとも重要なことはレンヌでの敗戦から立ち直るキャパシティだ。まずはサポーターたちとホームステディアムが一緒になって大きなアトモスフィアをつくってくれるだろう。
ポジティヴ・エナジーを連発しているなあ。
エナジーが今回のキモと考えているっぽいから、レンヌからかなり選手を変えるのだろうか?
あと、エメリが「自分を助けてほしい」ということを話すのはこれが初めてではないか? いつもはチームを助けるという云い方をするので。ちょっち珍しい。
オレ・グンナー・スールシャールのコメント「何の問題もない」
このひとが来てマンUはほんとにガラリと変わった。まさにスールシャールがプレイしていた時代を想起させる彼らの勝負強さは尋常じゃない。
PSGの試合後のコメント?から。
スールシャール:(トップ4争いにフォーカスすることに)何の問題もない。
(CLで)クオーターファイナルに進んだが、こういったことはときにマン・ユナイテッドに期待されるものだ。
しかしそれが起きたことだったし最後には祝えた。あんなふうに試合に勝つときにそれは起きる。
しかしそれでも、問題はないよ。われわれはアーセナルと戦う。あらためてチームを臨戦態勢にするにはファンタスティックな試合になる。
試合に入っていくとき、いつも取る決断は同じだ。
まず彼らのアプローチを検討し、彼らのシステムを考え、何が予想できないかを考える。彼らはたくさんの変更を行うからね。
そして、誰がフィットしているか見ていき、相手と同じようにこちらもどのようなアプローチをしたいか見ていく。
また違った種類のシステムになるかもしれないし、あるいはカウンターアタックゲイムをやるか。やり方はいくつもある。
しかし現状ではもちろんかつてないほどフィットネスの問題がある。シフトに入れる何人かの選手たちが戻ってきている。
(PSGは)フィジカルには一番キツいもののひとつになった。おそらくは、この試合とアーセナルとのカップゲイムがこれまでの2大ヤバかった試合だろうね。
スールシャールになってから、アーセナルと戦った試合はアレだけか。あんなのねえ。本気じゃねえし。
ナチョ・モンレアルのコメント「マンUとのライヴァリーはアーセナルに来る前から知っている」
おれたちのラ・カブラ。公式サイトのインタヴューに応えていた。
モンレアル:ここに来る前にも両者の歴史については知っていたよ。お互いの間にあるライヴァル関係も知ってたかな。でもアーセナルの試合はヤバいくらい観ていたし、マンチェスター・ユナイテッドもだ。だからどっちのクラブも巨大で、世界中に多くのファンがいることを知っていた。
このふたつのクラブはたぶん世界でもっとも大きなクラブで、ぼくはいまここにいてアーセナルでプレイしていることがハッピーだよ。OTでもエミレイツでもマンUとの試合は楽しんでる。アメイズィングな試合とアメイズィングなアトモスフィア。まじナイスだね。
違うコンペティション(※FAカップ)ではホームで敗けているけど、今回はPLでぼくらのターゲットはシーズン最初からトップ4フィニッシュして、来年CLに出ることだ。
ぼくらの目標を達成するチャンスがあり、まずは日曜だ。ぼくらはFAカップのことは忘れてプレイするし、そのつぎの試合でもあらためて3ポインツ取ることに集中する。そうすれば目標に近づいていける。
まだ9試合がある。シーズン終了までほんとうにタフになるだろう。そしてチェルシーのことも忘れてはいけないね。現時点では3つのクラブがひとつの席を争っている。しかし週末に3ポインツ取れるならぼくらには完璧だ。
このインタヴューを受けているときには、4つのクラブでトップ4を争うことになるなんて想像もしてなかったんでしょうなあ。
コメント集は以上。追って、試合の展望エントリをアップします。
ToTのおかげで1/3が2/4になりましたね笑
やったぜ(*^^*)