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エメリファーストシーズンの守備と攻撃。エメリは支持に値するコーチか?【18-19シーズンレヴュー的ななにか】

今年は1年みっちりエメリとアーセナルを観ていたので、ちゃんとシーズンを総括するレヴュー記事を書きたいと思っていたのだが、結局こんな結末ですっかりモチヴェーションが落ちてしまっていた。

そんなとき、データを交えて示唆に富んだシーズンレヴュー記事を見つけてしまって、今回はそれをざっと紹介したいと思う。ぼくが書くべきだったことの多くはすでにここに書かれていた。

ここでピックアップされている数字は、現状のアーセナルについて、すべてのファンが知っておくべき知識でもあると思う。

ひとまずポイント部分だけをざっと訳してみよう。興味が向いたらぜひオリジナル記事を読まれてください。



ま、いつものかたのブログエントリなんですけどね。

ぼくのブログでも引き合いに出す頻度がかなり高くお世話になっている@7amkickoff氏。

彼は去年まで世界のグーナー御用達ブログ「Arseblog」で”By Numbers”という、数字で試合を振り返るシリーズ記事を担当していたひと(ちなみに後任のScott Willis氏にもとってもお世話になってる。一方的に)。

彼のブログはよくチェックさせてもらっているけど、データが駆使され、考え方はいつも示唆に富んでいて、コメント欄でかわされる議論もレヴェルが高い。彼の考え方にはこのブログもかなりインスピレーションをもらっていると思う。

その記事というのはこちら。「“たった1年でエメリ・アウトなんてどうして云える?”」というタイトルで、アーセナルのこの1年の守備と攻撃をデータとともに振り返っている。

“How can anyone be Emery Out after just one season?”

先に云っておくと、このタイトル、ダブルクォーテーションがついてることからもわかるとおり、慎重派の意見「1年で見限るとかおかしいやろ! エメリはタフな仕事をやっているのだから実力が出せるまでまだまだ時間が必要だ」に懐疑的な立場であることを表している。

では、なぜウナイ・エメリは早くも懐疑的に見られているのか。この記事をざっと要約していこう。

アーセナル2018-19シーズンレヴュー

※彼はシーズンレヴューだとは書いていない。便宜上ぼくがそういう見出しをつけただけである。

移籍について

11/12シーズンから18/19シーズンまでのアーセナル移籍にまつわる金額。Spent(青)は獲得に要した移籍金、Sold(赤)は選手の売却による収入、Net(黄)はSpentからSoldを引いたものでその年の選手獲得に正味で費やした金額。

今シーズン、クラブが実質的に費やした移籍コスト(Net Spent)は、£67Mでクラブ史上3番めに高いものとなった。

ヴェンゲルのラストシーズンである17/18シーズンには、チェンバレン、ウォルコット、ジルーらを売り£141Mもの売却益があり、このおかげでオバメヤン、ラカゼット、ミキタリアン(サンチェスとのスワップでTMによると£30M相当の取引)、マヴロパノスを買った。これはワンシーズンで移籍に費やした金額としては過去最大となっている。

守備の大惨事

失点に結びついたペナルティ、オウンゴールとエラーの数。

15/16シーズンは、ポリスマン(コクラン)が復帰し、シーズンに12ポインツ分は稼ぐと云われたチェフが加入、エジルとサンチェスが無双したシーズン。

このシーズン、アーセナルが相手に与えたペナルティはたった1、OGも3、失点につながる個人エラーは5しかなかった(合計9)。

一方16/17シーズンにジャカとムスタフィを£77Mで買うと、それが15に増える。17/18、18/19はそれぞれ20。

失点数。

このやらかし具合なら失点数の推移も驚きではないが、驚きはその割合で、15/16の25%が昨シーズンと今シーズンはほとんど40%に達している。

失点に対するエラーの割合。

エラーとずさんな守備で、ビッグチャンスを喰らいまくる

青がビッグチャンス。赤が被ビッグチャンス。黄がその差。

「ビッグチャンス」というのは、GKと一対一になったり、とても近い位置からのシュートチャンスがあったり、かなり高い確率でゴールとなるチャンスのこと。

15/16シーズンは味方のビッグチャンスと敵のビッグチャンスには大きな差があったのに、18/19にはほとんど差がなくなっている(86 v 84で2差)。

被ビッグチャンスについては、この4年でずっと悪化している。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

14 Comments on “エメリファーストシーズンの守備と攻撃。エメリは支持に値するコーチか?【18-19シーズンレヴュー的ななにか】

  1. 更新ご苦労様です。

    興味深いデータです。ご指摘の内容にも概ね同意です。少なくても絶対的な評価では今季のエメリは抜群の仕事をしたと言えないのでしょう。そしてご指摘の通りエメリの評価も来シーズンで決定的に決まります。

    だからこそ今夏のアーセナルが何をするか?ですよ。どうすればこの状況を改善できるかの答えがエメリにあるかどうかです。あるのならクラブ一丸となって実行するのみ。それがどれだけ困難でも実行するのみ!です。

    フロントはエメリが全てを解決してくれると考えていたかもしれません。しかしながら各種データはそれを否定します。監督を変えただけでは何も解決しないとクラブ全体が気付いたのなら・・・意味のある失敗だったと言えるでしょう。

  2. アーセナルの監督になるまでエメリが率いていたチームの試合を全く見たことがなかったのですが実績やフロントへのスピーチなどからもっとレパートリーを持った監督だと思っていました。でも蓋を開けてみればサイドバックとウイングバックからのグラウンダークロスしかパターンがなく、ボールは持てないカウンターもできない非常に中途半端なチームになっていました。特にウイングバックによる攻撃を対策されて以降は1試合に何回か転がってくるチャンス(のようなもの)をオーバメヤンかラカゼットが決めくれるのを祈るだけの試合展開で見ていて全くおもしろくないサッカーでした。
    また気になったのが大量得点する試合がほとんどなかったことです。ベンゲルさんのころはハマった時は大量得点して勝負を決めてしまって若手を試せる試合が何試合かあったと思うんですが、レベルが上がったとはいえ本来は大差をつけてもおかしくないボトム10のチームに苦戦しギリギリで勝ち越しという試合をやりすぎたせいでエンケティアやウィロックなどにチャンスを与えられず、結局怪我人が出ても使える選手がおらずスタメンが出突っ張りになりパフォーマンスを落としてしまいました。
    あまりにベンゲルに慣れすぎたアーセナルを再建するためには来季のエメリの試合内容が悪く取り返しがつかないことになるために途中解任を決断するくらいの度胸があってほしいです。もちろんエメリが納得のいく試合運びをしてくれればなんの文句もないですが

  3. いつも楽しくblog拝見させて頂いてます。

    個人的には守備のタスクや攻撃の決まり事のせいで今までのような自由なアイデアのある攻撃が出来なかったのかなと思ってます。それでもシーズン序盤はサイドからの攻撃は上手くハマってたのですがベジェリンの怪我とコラシナツの攻撃のアイデアの乏しさがばれ、そこにホールディングの怪我から守備も崩壊していった感じがします、、コシエルニーの復帰やナイルズがフィットして何とか持ち直しましたがシーズン終盤は攻撃の手詰まり感と守備の崩壊でそれこそ2TOP頼みになってしまってましたね。。

    ジャカ放出は個人的には賛成です。エジルムヒタリアンのどちらかも放出してムスタフィとコラシナツかモンレアルも放出して新しいLBとCBと攻撃的なMFも獲得してほしいですね。

  4. 相手チームとしては、今のアーセナルは対策を立てやすいチームなんだなと痛感した最終戦でした。守備では、中央に人員を集めて縦パスのコースを切ってサイドに追いやれば、精度の低いクロスしか入ってこない。攻撃では、早めにクロスやロングボールを放り込めば、マークにつききれないディフェンダーしかいない。

    エメリは相手への対策を怠らない監督のようですが、相手の対策をどのように打ち破るのかについては手が回っていなかった印象を受けました。皆さまのご指摘の通り、2年目はエメリの深化と進化と真価が問われるシーズンとなると思います。

  5. こういったデータがまとまって載っているサイトを知っていらしたら教えてくださると嬉しいです。お願いします。

  6. 前半戦の連勝は運が良かったというのはもっともなんだけど、運と決定力だけで勝った訳でなくゴールに至るBCが1試合に2,3回は作れていたのが大きいと思います。
    そのBCを作り出していたのはコラシナツとベジェリンのSBが多かったのも事実で、後半戦に勝てないどころかチャンスすら作れないのはベジェリンの離脱によるSBのクオリティ不足が原因ではないでしょうか。
    シティなんてペップが来てからディフェンスライン全補強してますから、エメリにもちょっとは補強してあげないと可哀想。言い方は悪いけどリヒトシュタイナーは補強にはなってなかったので。

  7. フロントが・・・とか、選手のクオリティが・・・とか同情する気持ちはある
    ただ、「フットボールから楽しみが奪われてしまっている。ウナイ・エメリと彼の選手たちによって無理やり排除されてしまったみたいだ」
    この点だけで解任していいと思う。

    極端に言えばモウリーニョが来てEL優勝したとしても
    満足するグーナーなんてグーナーじゃないでしょ?

  8. ミッドテーブルとトップチームの違いは、選手層の厚さと、その厚さと能力がもたらす複数のバリエーションにあると思うのです。最後はコラシナツとナイルズの放り込みと、トップ2の個人技以外に代替策がなかったEL決勝がエメリの限界だとしたら、ファンペルシやサンチェスの1トップの意外性を試したり、中盤の創造性・連動性(ロシツキ、カソルラ)やファイナルサードにこだわったベンゲルの人を信じる強さ(それが仇にもなったが)がもたらす美しくも儚いフットボールが消滅し、マンC・リバプール・ToTには全く及ばない、ミッドテーブル固定化して終わる未来が濃厚な気がします。若手の将来は見ていて本当にたのしいのですけど、マンC・リバプールと伍するチームに早く戻ってほしい、願いはただそれだけです。

  9. 初めてコメントします。
    再現性のないゴールが多いというのは自分もずっと思っていました。少しストライカー2人に頼りすぎてしまっているなと。この2人が調子落としてしまった時勝つのは難しいと思ってました。EL決勝も2人がいつもの活躍できなくて負けてしまいました(2人だけのせいではないと思いますが、、)。この変どうにかしないと継続して勝ち続けるのは厳しいと思いますが、どうなるんでしょうかね、、

  10. 2回目のコメントです。
    ELの結果を経て、今はただただ来期の構想に思いを馳せるのみです。
    4-0から4-4にされたり、青田買いと揶揄されても若手を使っていたアーセナルが好きでした。
    そんな気持ちも込めて、来期のフォーメーションを。
            ラカ
    ネルソン  スミスロウ  イウォビ
       トレイラ  チェンバース(賭け)
    新戦力  ロブ  パパスタ  ベジェリン
            レノ
    オーバメヤンは中堅以下のアウェイとEL決勝まで先発
    エジルはどこかにサラリー半分負担レンタルでさようなら
    ムスタフィ―はケガ少ないのでバックアッパーとしてキープ(仕方なし)
    ナイルズはCMFとして使い育てる
    ジャカ、君が来てから中盤にスピードと華麗さが無くなった、さようなら。
    コラシナツ、エルネニー、ムヒタリアン、さようなら移籍金よろしく、コシエルニーありがとうさようなら。
    両SB(右は若手)、とにかく高身長DMF、ドリブル出来るウイング(フレイザーはいらない)獲得してください。
    ビエリク戻してみてください。

  11. こうしてデータでまとめていただきますと、今シーズンってなんだったのだろうとおもってしまいます。なにぶん、流されるたちなんで。
    ただ、サッカー素人でグーナー歴もうすぐ20年になりそうなあたしの個人的な意見を言わせていただけば、なんか選手や監督はやりにくい時代になったなと思ってしまいます。全部データデータって感じで。数字やグラフで視覚的に対比することってすごくわかりやすいしいいことだとも思います。ただ、ファンはほとんどの試合を見ていて、みんなそれぞれの見方や意見があって、一番大事なのは個人の印象なんじゃないかなと。データはいいのかもしれませんが、ムスタフィやジャカってすごい印象悪い。あたしとしては、ミキやオバメヤンも悪いです。ツートップはよかったかもですが、それでも勝てなかったのは、誰がラストパス出すのってことだとも思います。あたしの印象は、エメリはいい監督ですが、プレッシャーは感じてほしいですね。
    オバメヤン買いたいってクラブがあるなら、売ったほうがいいと思います、この先、売値が上がることはないでしょうし。ラカゼットはキャプテンっすからね。コシも出たいのですかね、さみしいけどこれがfootball。リバプールやシティが強いのはわかりますが、ファンにはなれません、グーナーなんで。
    このオフは、いろいろあってほしいですが、夢が見れる魅力的なチームになってもらいたいです。

  12. このエントリこの時期に再度読ませてもらぃました。まさかこのスカッドで悪化するなんて…。
    あの後ろからのパス回しからの失点とかもう見てられない。選手はあれしかするなと言われて路頭に迷っているようにすら見える。あんな点のとられ方ってベンゲル時代には見たような記憶はありません。
    もっとシンプルなフットボールできないのだろうか。

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