スコットランドの新聞が、アーセナルの3度めのオファーを報じているようだ。もちろんセルティックのヤングLB、キーラン・ティアニーに対してである。
Sunday Post: Having had two bids rejected for Tierney, #AFC third bid of 20m plus 5m in add-ons will see them matching Celtic’s valuation for the player.https://t.co/dScSmqO7WH pic.twitter.com/Df4oBRzXC1
— Arsènic™ (@MrArsenicTM) June 30, 2019
オファー内容は£20M+5Mのアドオンボーナスということで、これでセルティックが求めていたと云われる£25Mに限りなく近づいたことになる。
アーセナルのこれまでのオファーは£15M、19Mと来ていたので、今回はわりと本気で決めるつもりがあるオファーなのではないだろうか。
これがもし受け入れられれば、アーセナルの夏の最初のサインになるかもしれない。
今年も幾度となく噂に振り回されてきたが、さすがにこれは発表が楽しみと云いたい(←何度騙されても懲りないひと)。
モンレアルとコラシナツ。どちらを売却すべきか?
さて、LBの補強、しかもレギュラークラスが決まったとなると、既存選手の放出はおそらく免れないだろう。
もちろんナチョ・モンレアルとセアド・コラシナツのことだ。“La Cabra”そして“The Tank”。在籍期間は違えどアーセナルのファンに愛されるふたりのカルトヒーロー(笑い)たち。
アーセナルは今回どちらを手放すべきだろうか。
これが考えてみると、どちらの選手も一長一短あり、甲乙つけがたい面がある。じつは簡単に決められそうもないような気がしている。
ファイナンスとスポーツ、両面から少し検討してみたい。
財政的メリット
アーセナルはNet補強予算£45Mのうち、これで半分以上をティアニーに費やすことになる。まだまだ補強したいポジションを残しているし、ただでさえ逼迫しているのだから、この穴埋めは当然必須だ。
そういう意味では、より若く市場価値の高いコラシナツを売るほうが合理性があるのは云うまでもない。
TMでふたりの情報を比べてみよう。
年齢 | 残り契約 | 評価額 | |
モンレアル | 33 | 2019.6 (*2020?) | €8M (2018.12時点) |
コラシナツ | 26 | 2022.6 | €20M (2019.1時点) |
評価額はふたりとも半年前(冬)時点までしか掲載されていないので、もちろん現在がこれと同じとは限らない。
モンレアルの契約については、以前に誰かが指摘していたようにおそらくアーセナルはすでに1年延長オプションを行使しているはずだ(そうじゃなきゃ今日で退団)。つまり残り契約1年。
実際に彼らをいま売ると、モンレアルの移籍金は€3-4M程度、コラシナツは€15-20M程度になるのではないかという説がある。なかなかリアルな数字ではないだろうか。
また、給与の額がモンレアルが週£70K、コラシナツが週100Kということで、給与総額の抑制という意味でもコラシナツを放出したほうがクラブにはよりメリットがある。ちなみにコラシナツはフリーエイジェントでの獲得で、移籍金がかからない分だけサラリーがかなり高いと云われていた。
いずれにせよ、ティアニーで散財した分を補うには、コラシナツを売ったほうがはるかに意味がある。
ティアニーが来てなおどちらもキープという選択肢もなくはないが、給与まで総合的に考えると、サードの選手としてはふたりともコストが高すぎる。いまのアーセナルには選ぶのが難しいオプションかもしれない。
スポーツ面での評価
フットボール的観点からこのふたりを評価することは、ファイナンス方面から比べるよりもじつはもっと難しい。
まずモンレアルは、LB、LWB、LCBと左サイドで守備的な役割ならどこでもこなせるヴァーサティリティがある。とくにフィットしているときは3CBのLCBで基本的にレギュラーで、それなりに安定したプレイを見せていた。
ヴェンゲルさんが20年ぶりにバック3を採用した17-18シーズン以降はとくに、アーセナルの左サイドは攻守でこのひとにだいぶ救われてきた感がある。
しかしながら、モンレアルの最大の難点は33才という加齢による運動性能の落ち込みで、PLでプレイするFBとしてはすでに終わった選手という評価をするひともいる。
個人的にはまあそこまでは云う必要はないとしても、少なくともアスリートとしてのピークは過ぎたというのなら、それは間違いないだろう。
一方のコラシナツは現在26才ということで、一般的にはいままさにフットボーラーとしてピーク年齢にある。スピードやフィジカルといった運動性能も含めて、おそらくもっとも充実した時期にあると云えるだろう。
ただ彼の問題は、モンレアルと逆にヴァーサティリティに欠けること。
一番痛いのは、守備的な選手であるはずなのに肝心の守備が弱く、事実上バック4でLBができないことだ(少なくともエメリには信用されていない)。
かといって、ウインガーとして左サイドの攻撃をリードできるかといえば、そんなこともなく、現状ではLWBでしかプレイできないという使いにくさがある。モンレアルとはなんというか対象的なプロファイルで、No.10ポジションで自由を与えないと輝けないエジルのようなピーキーさ。
とくにLBを安心して任せられないことはバック4フォーメイションを好むエメリにとっては致命的で、コラシナツを使うときは否応なくバック3を採用しなければならない状況がある。
戦術的な意図でバック3を使うのならともかく、選手のプロファイルによって使うシステムが限定されるというのは、けして望ましいことではない。
エメリのようなたびたびシステムを変更してくるマネージャーにとってはなおさら、使い勝手の極めて悪い選手と云わざるを得ない。
ということで、財政的な観点ではどちらを売ったほうがいいかあきらかなのに対し、スポーツ的な観点ではかなり比べるのが難しいと云える。
移籍の噂
モンレアルについての移籍ゴシップはとんと聞かない。去年あたりまではスペインクラブからの引き合いの噂がいくつかあったような。
いずれにせよ、移籍するにしてもとくに争奪戦みたいになることもないだろう。
オサスナのユース出身ということでオサスナに復帰するのかもしれないし(ちょうどラ・リーガ2から今年昇格)、マラガ(リーガ2)の可能性もあるんだろうか。
さっぱりわからないが、トップリーグから下れば現役でまだ十分プレイできると思うので、アーセナルが放出に本気なら移籍先には困らないような気はする。
コラシナツもここまでたくさん移籍の噂がある選手ではないが、彼の件で一番騒がれたのは、一ヶ月ほど前のバルセロナがジョルディ・アルバの控えに彼を狙っているというゴシップ。なんでもアルバのバックアップ7人のLB候補のうちのひとりだそうで、べつに名前を挙げてもらわなくても結構ですと云いたくなるようなクソどうでもいいゴシップだった。
ググっても、モンレアルと同様、彼を欲しがっているクラブのことよりは、アーセナルが彼らを売りたがっているというニュースばかりがヒットする。
一時シャルケが彼を欲しがっているというニュースはあったが、アーセナルが要求するであろう£20Mあたりは予算外というように伝えられていたはず。
いざ売ろうとすれば、じつはモンレアルよりコラシナツのほうが移籍先を見つけるのに苦労するのかもしれない。
投票所
問おう。キーラン・ティアニーがアーセナルに来たとき(まだわからんけども)、あなたなら、ナチョ・モンレアル、セアド・コラシナツ、どちらの選手を売却しますか?
ティアニーが来て手放すならどっち?
— Mr. Arsenal Chan (‘3’)/” (@NewArsenalShirt) June 30, 2019
Twitterなんてやってねえぞというかたは、コメントで。
Tweetから2時間くらいたって見たら、けっこう接戦ですゾ。
売却したいのはコラシナツ
売却できそうなのはモンレアル
ティアニーを獲得できれば、一年モンレアルを控えにして、来シーズン改めて若手の控えLSBを獲得する
しかし、コラシナツが売れるのかという問題がある
他リーグならエース級の給料の守備難LSBを移籍金を払ってまで欲しがるかは微妙
コラシナツが減給を飲むか、相当安い移籍金にしないと難しいのでは
投稿いつもありがとうございます。
Twitterも見てるんですが、こっちでコメントします。
放出するのはコラシナツで!
守備に難がある上に攻撃でも輝くのはかなり限られたシチュエーションだけに思えるからです。
(なんの裏付けもないが、イウォビとセットの時だけしか彼がサイドを深くえぐるシーンを見た覚えがないため)
さらにいうと、彼の相手を抱え込んだりする守備も、来シーズンVARが採用されるにあたっては好ましくないと思ってます(その点はソクラティスも同じだと思うが・・・)。
売れるといいですけどね・・・
モンレアル派です。
出れば活躍する印象がありますが、年々怪我のリスクが高まっていると思います。
ティアニーが手術後らしいですし、モンレアルに無理をさせて左SB全滅というアーセナルあるあるが起きそうな気が…
コラシナツ!守備の特訓しよ!ワンビサカみたいな上手くなるかも!
初めまして。
議論の席に着いていないようで申し訳ありませんが、私はどちらも売る必要はないかと思います。
アーセナルの財政を圧迫しているのは一部の高給取りですから、彼らを放出したところでそれほど財政面のメリットは大きくないと思います。
そして、エメリが3バックと4バックを併用する可能性を考えると、スポーツ面でもモンレアルは3バックのCB、コラシナツはWBとして、ティアニーが加入してもなお有効なオプションになると思います。
それでもどちらかを選ぶなら、ナイルズが左のWBとしてプレーできると仮定してコラシナツですかね。
いくら評価が高いとはいえ、イングランド初挑戦のティアニーでLBは安泰と考えるのは危険だと思いますが。
コラシナツ。
そもそもエメリは4231がメインでプランBが433、Cが3バックの監督なんでWBしか出来ないコラシナツはプランC上のスタメンに過ぎずメインとプランBだとベンチ外でしょう。
エメリの手腕に懐疑的な意見出てますが就任1年目でプランCの3バックをメインにCLを争ってヨーロッパリーグ決勝まで導いた手腕は相当だと思いますよ。
両方キープで・・・エジルかな?
両方キープかな。モンレアル残しても、ユースに人材いない時点ですぐ新たに取らなきゃならないし。高い控えだけど限られた場面でしか使えない2人を状況に応じて使い分ける感じで。
両方キープですね。モンレアルをバックアッパーとし、コラシナツは来年の今頃、”守備センスが開花してリーグ屈指のLCBになれたねー”というレビューになるような、能力開花訓練を実施し、ケガと1年目のフィットを考えてローテーションするティアニーと、お互い競わせる、みたいな。
ティアニー結構怪我多いみたいなので悩ましいですが売却可能であればコラシナツですかね。正直給与に見合う選手とは思えないので。