試合の論点
アーセナル vs チェルシーのトーキングポインツ。
ハイライン、ユニットでのプレッシング、守備のオーガナイズ
この試合の序盤でアーセナルが見せたチームとしての進歩は、目覚ましいものがあった。
この戦術解説の動画でも説明されているように、ディフェンスラインがとても高くコンパクトなため相手のビルドアップ時にボールを奪う場所を限定しやすく、それがとてもハマっていた。
ボーンマスでもそうだったが、アーセナルが狙った場所でボールを奪うというシーンというのはほんとうに久しぶりに見た気がする。むしろずっとこれをやられる側だった。
上から下までがコンパクトなため、ボールを奪いやすく、ボールを奪えば今度はパスの距離が短く正確なパスができる。右サイドのエジル、トレイラ、AMNのボール運びはかなり印象的だった。
前半45分間のアーセナルのパスアキュラシーは87%だが、序盤に限ればもっともっと高い数字だったろう。アウェイチームはほぼ何もできず、われわれが試合を完全にコントロールしていたと云っていいパフォーマンスだった。前半34分に選手を交代するという、彼らを異例のサブに追い込んだのもそれゆえだ。
しかしジョルジーニョが入りチェルシーがバック3からバック4にシステム変更をしてからは、じりじりとボールを持たれはじめるように。
しかしそこでもアーセナルに大きな脅威にはならなかった。4-4-2で守備ブロックをつくりパスコースを遮断。オバメヤンもネルソンもかなり守備のフォロウに積極的で、中央エリアを厚くナロウに守ったときサイドエリアに侵入されても彼らの守備貢献がかなりあった。
ただ、残念だったのはやはりフィットネスで、終盤に向けてはボールを持たれて苦しい時間がつづいた。試合後は個人エラーばかりがクロースアップされているが、90分で見れば、ボスが云うようにチェルシーほどには高いレヴェルでアグレッシヴさを維持できなかった。
戦術解説はこちらも。
Tactical analysis: Arsenal 1 Chelsea 2 – The Coaches’ Voice
まあいずれにせよ、アーセナルが進歩すべきところを進歩させたのは、今後に向けて大きなポジティヴポイントだろう。
個人エラーズ・コスト・アス・アゲイン
非常に高くつきましたなあ。
83分の最初の失点はあきらかすぎるGKのミステイク。FKからのクロスに飛び込むがボールを触ることができず。飛んできたボールとグローヴには少し距離があるように見えるので、エラーの見た目のインパクトがすごい。
そして87分の失点はおれたちのシュコドラン・ムスタフィのエラーによるところが大きいと考えられている。アルテタが意思決定(decision making)に言及しているのは彼のエラーも念頭にあってのことだと思われる。
上記の戦術解説の動画にもそのシーンが出てくるが、カウンターでムスタフィが相手FWに詰めるのではなく、ルイスと一緒になって後ろに下がっていくところ。ゲンドゥージが手を上げて「なんだよそれ!」と走りながら抗議しているのがちょっと笑える(※笑えない)。もちろんゴール前であっさり相手FWに交わされてシュートを打たせたのもギルティだろう。
ムスタフィはまあともかく、レノは重要なセイヴを連発し、今年はチーム内で唯一気を吐く救世主のような存在でもあったのでこのエラーの失望は大きい。ただ、試合後にはそのこともクロースアップされているが、彼はそもそもやらかし屋でもあること。
7 – Bernd Leno has made seven errors directly leading to an opposition goal in the Premier League since the beginning of last season, the most of any player. Howler. pic.twitter.com/DSCYWYFrqW
— OptaJoe (@OptaJoe) December 29, 2019
昨シーズンからの「ゴールに結びつくエラー」は7つでPLトップという。今年は現時点で2つ。
ただ、これに関しては擁護する声もある。ディフェンスはCBやGKだけでやるわけじゃない。その前のディフェンスのほうがより重要であると。このブログではおなじみの7amkickoff氏の一連のツイート。スレッド以下も。
Just some clarification on Leno’s 2018/19 errors stat:
Leno was 6th is total saves with 105 last season.
He was 1st in errors leading to a goal with 5 however, keepers are often saddled with this stat. Begovic also had 5 errors, de Gea had 4, Pickford 4, and Alisson 3.
— 7amkickoff (@7amkickoff) December 30, 2019
レノは昨シーズンの失点エラーは5でトップだったが、ベゴヴィッチだって5、デ・ヘア、ピックフォードは4で、アリソンだって3つやっている。
アーセナルはとくにGK以外もミスをやりまくっている。そのせいで多大なプレッシャーがある。等々。ちなみにスタッツからするとレノのセイヴィングxGはまあ「平均並」といったところらしい。
ぼくもレノのことは全然心配していない。一時的にメンタルは落ちるだろうが、そんなことはプロのGKなら誰だって経験することだろう。
問題はムスタフィだ。ムスタフィを使わねばならなくなった状況というべきか。
87分のゴールを導いた彼のプレイは置いておいても、彼が入ってからチェンバースよりも深いポジションを取った(ポジションを上げられなかった)という指摘がある。
Notice how assertive Chambers was in the 1st image we were agressive as a unit. The 2nd image is 5mins after Mustafi’s arrival, at HT I thought the coaches would’ve corrected that.
The 3rd image is how we were in the second half, the team dropped off and Musti is deepest..#afc pic.twitter.com/mCFayrciR3— Gilles (@_Grimanditweets) December 29, 2019
まあこの場合はよりアグレッシヴにプレイしようとしたチェンバースを褒めるべきかもしれない。
しかし、いずれにせよムスタフィのパフォーマンスはチームのなかのネガティヴ要因になってしまった。
ムスタフィはアーセナルに来て以来ずっと批判を受けてきて、本来の彼はもっと優秀な選手だと主張するひともたまにいる。しかし、こういった致命的エラーをたびたびやってしまうことがアーセナルをどれだけ傷つけてきただろう。
この10年で最悪のサインだという意見もあるムスティ。CBを補強すればまた戦力外(ベンチ外)になるだろうが、彼を本気でほしがるクラブがない以上、お荷物としてクラブに残り続けるのだろうか。
非常にポジティブな前半と、圧倒され続けた後半。終わったときは天国と地獄だなと感じました。
ただ、冷静に考えると引き分けくらいが妥当かなと思います。後半はほとんど押されっぱなしで、ボール獲っても跳ね返すだけで、キープしたり、ラインを押し上げる時間があまりにも少なかった。確かに全員が集中力高く跳ね返し続けてましたけど、いつやられてもおかしくないとは思ってました。上下動を頻繁に強いられたサカは結局ガス欠で2失点目のシーンで追いかけられなかったですしね。
レノについて。去年からずっと見てますけど、やはり彼は空中のボールに対する反応が課題ですね。新しいGKコーチと一緒に改善してドイツNTでもテアシュテーゲンと競り合うような人材に育ってほしいですね。
トレイラとAMNはアルテタに代わって劇的に改善が見えますね。出ていくとか言わないでほしい。。
2019年は昨シーズン含めてかなり低調で、もやもやした試合ばっかりでしたが、戦える若手が出てきたことが唯一の希望でしたね。まずは勝利が欲しい。来年もCOYG
中2日でも使われない何かがぺぺにあるんでしょうね。コーチが変わっても重用されるジャカと対照的です。怪我人がポジションで被ってしまったというのはあるのでしょうけど選手層の薄さがモロに出てしまいました。足がつっても何とか戻ろうとしていたサカが可哀想で…
アルテタ就任の時期とファクスチャ、それにけが人の状況が、悪い方向に出なければいいな、と。それだけが少し心配です。
やってることはようやくまともになったので、早く彼にまともな状態のチームを与えたい。
ぺぺ獲得にはなんの不満もないのですが、夏の予算が少しでも残ってれば…という状況ですね。
Come On You Leno
頑張れ、レノ
痛恨のミスってうずくまり動けないレノに誰も声かけなかったのは皆あまりにショックだったからですかね?
お疲れ様です。
今シーズンは残留さえしてくれればいいですよ。
来シーズンは結構やれると思っています。
しかしトレイラをアンカーで使わなかったエメリ はホントやべーヤツでしたね。
悔しい試合でした。
選手から闘う姿勢が凄く感じられたし、だからこそ勝って欲しかった。
試合後にbooの大合唱がなかったことが、この試合の内容を象徴してると思います。
来年は飛躍の一年になりますように
前半30分あたりまでは、少し引いてパスコースを切るプレスが効いてたと思う(ちょうど先日jackさんが言ってたんで感心した)。プレスの開始位置が下がってコンパクトになってたし、奪ったボールを速く動かす判断もよかった。
しかしジョルジーニョが入って狭いパスコースを通されるようになると、劣勢の中で安易なロングフィードが増えてペースを失ったと思う。もっと足元で正確につないで欲しかった。
たった2試合でこれだけ改善したという見方が多い中で、アルテタが不足な点として組織よりもフィジカル面を指摘してるのは興味深い。たしかに劣勢の中で長い距離をスプリントする選手もいなかったし、サカやムスタフィの守備はソフトだった。特に左SBがあのままではマズイ。
二失点目はムスタフィがあそこでエイブラハムをフリーにしてしまっててカウンター食らわないようにイエローもらってでも止めるぐらいの積極性が必要でしたよね。チェンバースが積極的な守備をしてエイブラハムに仕事させてなかっただけに交代で入ったムスタフィの消極的な対応が目についてしまった印象。あと交代で言うとエジルウィロックは理想の交代ですよね。今のエジルは替えが効かないけど90分プレイするのは無理なので周りが走れなくなる中ウィロックの運動量がチームの助けになると思います。成長にもつながるし セバーヨスが戻ってきたらどういう選択になるんでしょうか
なんにせよ次は勝ちたいですね、伝統の一戦に COYG
あけましておめでとうございます。
悔しすぎて今だにこの敗戦を引きずってます。もう帰ってきましたが初詣中すら頭を駆け巡って何回もため息吐きました。いやぁ、、、と気づかず声を出してたかもw
めちゃくちゃ良い試合でしたよね。前半なんて感動もの。全員最高。特にラカゼット、ホントにチームの為に頑張る良い選手。ムスタフィも急遽にしては前半は良かった。チェンバースは可哀想。
ボーンマス戦も思ったんですが交代の遅さが気になったんでそこは経験が必要なんでしょうね。後半早々からサカが限界きてたんで何かしらの決断はしてほしかったなと思いました。
悔しすぎてどうしようもないですが同時にポジティブ要素しかない上にソレが溢れてるんでワクワク。AMN見てもわかるように若手が伸びそうですし仮にCL逃しても未来は明るくなったんじゃないかと思います。
という訳で今年もブログ楽しみしてます。
このブログ的には強いて云えばGK。あいつ£70M?もしたくせに全然セイヴできないんだとか。レノの3倍やぞ。しらんけど。
今日もポロリしますように。なむなむ。
バイエルンのボアテングがアーセナルってまじっすか?
色々思ったことあるけど長くなりすぎるので自重(それでもたぶん長くなる。そして割と異質な意見かも。)
今のメンバーを考えるとよくやったと思う。
でも前半の出来を見ると悔しいですね…
守備陣形整ってたのは感動(笑)
でも後半早々部分的にその陣形が崩れてたし、それが崩れたときにどうするかというのはまだ選手の中にないんじゃないかな。
以前のままになりがちになる。
不用意に釣りだされたり(相手の意図もあったかも)、ネルソンが50分過ぎにはもう戻れなくなってた。
1人でもパフォーマンスが欠けると全体に影響を及ぼし広がる。そんな印象。
フィジカル、スタミナは課題ですね。
ペペはネルソンほど守備をできないという判断なのかな。トレーニングで姿勢を見せないと信頼しきれないというというアルテタの発言はそういうところかもしれない。
選手交代について。
ひとつでもバランスが崩れるとやられる、そんな印象もあったからか交代も難しいと思う時間帯が長かった。
でも個人的には、異質だと思うけどこの試合のことだけを考えるなら、早い段階でラカに代えてペペを入れて欲しかった。
ラカは献身性はあったけど前半からフィジカル、パフォーマンスが足りなかった。
守備不安なんでトップで。でもそれだとオーバが納得せんかな。
ネルソンも後半早々バテてたのでそこへとも思ったが、やはりまだ守備の信頼がないんだろう。
あのタイミングでのネルソン→ペペはそういうことなのかな、と。
サカがエジル交代前には足つってたので代えれないかと思ったがそこも選択肢(信頼)がなかったのかな。
個人的にはウィロックをそこで使えないかとも思ったが、
でもウィロックはエジルとあの時間帯で交代するのは決まってたのかな。
この試合のことだけを考えるとエジルはフルでもよかったと思えたのでもどかしかった。
ウィロックは守備でハードワークしきれていない印象。
最近はサボること多いし、この日も大事なところで姿勢を見せれてないところがあった。
プレシーズンの頃はもっとハードワークしてた印象なのでよけい惜しい。
若手の中ではンケティアに次いで期待してたのだが。
補強について。
CBもだけど、
ティアニーが戻るまで両SBをベジュ、ナイルズ、チェンバース(、+コラシナツ?)で乗り切れんかと思っていたけど長すぎるな。
チェンバースはCBメイン起用も考えたいかもだしケガしたしでやばい…
あと、イウォビの穴を埋めるようなサイドの人材が欲しい。
個人的にはオバラカ同時起用はネガティブな印象なので。(この試合はその改善にだいぶ驚いたが)
まぁでも若手で年齢を考えるといい人材はいるし長い目で我慢の時期なのかもしれない。
また長々と書いてしまった…
ネガティブなこと書いてしまったけど、基本的には期待しているんです(笑)
近い将来気持ちいい試合を見せてくれるとそう信じてます。
ついでになんか新しいこともやってくれるとおもしろいなぁ、とか思ったり。
セバージョス使えるならどう使われるか楽しみ。
なんなら形だけサイドに置いても、とか。さすがにないか(笑)
ゲンドゥージのムスタフィへのおい!の後
ダッシュしなかったのはいかがなものか
僕はジョルジーニョへの2枚目のイエローより
失点時にトレイラをなぎ倒していたことの方が気になる