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アーセナルのオーナー企業が出資? アーセナルの巨額損失とKSEローンのゆくえ

アーセナルの負債と赤字転落とCOVID-19のインパクト

負債については、アーセナルにはこれまでの選手契約で生じたものもある。これは2019年5月の時点で£77Mあり、ほかのクラブがアーセナルに対して持つ総額は£53Mに達する。しかし、これは昨夏の£140Mにも及ぶ大金を使ったため(ペペ、サリバ、ティエニーその他)もっと増えているはずである。

ファンによっては、このKSEのローンが選手補強を加速させることを望んでいるかもしれない。だが、それはいわゆる「軍資金」にはなりそうにない。それはこのチャレンジングな期間を乗り切るための資金として使われることが濃厚だ。COVID-19によって、収入には劇的インパクトとなっているので。

KSEのローンが援助となるのはわずかだろう。アーセナルの補強予算はヨーロピアン試合への出場(CLかEL)により依存している。ミケル・アルテタは云っていた「2-3の異なるシナリオを計画している。それ次第だ。多くなるか、少なくなるか、それともなにもできないか」。

パンデミック前の2019年ですら、アーセナルは2002年以来初めてという損失を出していた。事実、彼らの税引前£32Mの損失は、ガナーズにとってはPLで彼らより多く損失を出しているクラブは4つしかないというほど最悪の財政パフォーマンスだった。

ロックダウン前にしていたわたしの計算ではアーセナルの2019/20の利益はわずか£4M。収入は増える見込みだが、それはおもに新しいスポンサーディールによるものであり、ELの早期敗退でマイナスが生じている。高い選手償却(給与は横ばいと予想)にも関わらず、選手売却での利益は£40Mかその程度。

しかし、これがCOVID-19の影響でアーセナルの2019/20の収入は£37Mも減ることに。マッチデイ収入で£13M、TV収入で£19M、コマーシャルで£6M。2020/21も似たようなものになるはずで、わたしの見立てでは、収入では£89M(1月まで無観客の場合)、あるいは£147M(シーズン全体で無観客の場合)が減る。

これが合理的な説明かどうか、検討するのにたくさんの要素もある。こういった数字を元に仮定をしてみた。ただ、とても明解なことは、これは確かな科学ではないにせよ、「経験に基づいた憶測」だということだ。

(エミレーツで)試合ごとに平均£3.2Mのマッチデイ収入があるとすると、2019/20にアーセナルはPLリスタート後のホームゲイム4試合が無観客だったことで£13Mを失うことになる。2020/21には、仮に2020年内すべてが無観客だとすると£45Mの損失、シーズン全体なら£96Mまで増える。

いくつかのメディアのリポートによれば、PLはもし無観客の試合になれば、TV放送事業者に£330Mの払い戻しが発生するという。わたしの計算モデルでは、アーセナルはこのうち£19Mを負担することになり(マンUはQ3の会計で£20Mを負担するとアナウンス)、2020/21も同じか、あるいはもっと高くなる可能性もある。

ロックダウンはコマーシャル収入の落ち込みにもなりそうだ。スポンサーの露出が減るし、商品売上も下がる。この3ヶ月で20%ほどがカットされると考えられ、それで2019/20は£6Mの収入減となる。もし15%カットになり、プリシーズンツアーも行わないなら、2020/21は£26Mものコマーシャル収入減になるはずだ。

こういったことに対応するために、アーセナルの選手たちは来年12.5%の給与カットに合意している(EL出場で7.5%に、CL出場でゼロに削減される条件)。またシニアエグゼクティヴも給与の1/3をカットすることを受け入れている。つまりEL出場でカットされる給与は£17M。ヨーロッパがなければ£29Mになる。

いい換えれば、給与カットから節約できる金額は、アーセナルの収入減を埋めるには程遠いものである。

これらを総合すると、アーセナルはこの2シーズンで£126Mという巨額の収入減に直面することになる(19/20で£37M+20/21で£89M)。これも1月から観客が通常どおりに戻ることを前提とした予想だが。

もし来シーズンもすべて無観客で行われるなら、アーセナルの2年の収入減は、さらに巨額の£184Mとなる(19/20で£37M+20/21で£147M)。KSEのローンで節約できるのは、年間でせいぜい£20M。クラブがどれだけのチャレンジを強いられるかを示している。

まとめ:KSEのローンはパンデミック対応

したがって、この負債の再構築は、パンデミックによる問題に対処するため、クラブのキャッシュフロウ問題を和らげるためのものである。通常では、毎年この時期にはシーズンチケットが支払われ、キャッシュバランスはブーストされるが、現状ではそのようになっていないのは明らかである。

パンデミックがなければ、クロンキがアーセナルの負債について再構築をやったかどうかは疑わしい。だが公平に云えば、新しい株式/資本を注入するほどは魅力的ではないにせよ、単に高額の融資を保証した以上のことはした。買い手市場ではあったが、彼はクラブの株式を売却する可能性だってあったのだ。

残念なことに、KSEはまだローンの詳細は明らかにしていないので、この分析の多くは推測の域を出ない。わたしたちに正確なことがわかるのは、アーセナルが20/21の会計を発表したあとになる(通常は2022年2月)。今年のリポートのなかにバランスシートのイヴェントが含まれるかもしれないけれど。

まとめると、KSEのローンはおそらくアーセナルにとって、毎年の支払い(金利と負債)が下がるということではポジディヴなものになるし、債務元利払いもなくすことができる。しかし、ファンが見たがっている補強資金に追加されるものではなさそうである。

書いていて意味わからんところもあるね。ごめんね。元のtweetで確かめよう。

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One Commnet on “アーセナルのオーナー企業が出資? アーセナルの巨額損失とKSEローンのゆくえ

  1. アーセナルのマネジメントの話題が出るたびに落胆するのはフロントの無能無策ぶりです。
    コスパの悪いちぐはぐな選手補強、選手との契約延長や放出が下手すぎ、入場料収入への依存体質等々。
    フロントの能力が改善しない限り、第2第3のエジルが登場する可能性が高いでしょう。
    エジルをスケープゴートにして済む問題じゃないと思います。

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