SR先生への質問と回答
すばらしい解説という一方で内容がやや専門的で難しいためか、このtweetsにはたくさんのリプライがついていて、先生が回答しているものもある。そのいくつかをピックアップしよう。
Q:これやべえのはこれが底じゃないってことだよね?
A:そのとおり。でもそれはほかのクラブも一緒。だからFFPを緩和しようという動きがある。
Q:複雑なとこもあって理解が追いつかない! ところでこれと別で心配なのはKSEが心配しなきゃならない保有クラブはAFCだけじゃないってこと。
A:いいポイントだね。アーセナルへのローンというのはKSEにとっては、おそらく資産を守ることの一環でしかないのだよね。
Q:ほかのスポーツビジネスと比べてアーセナルがやっていることってどうなんだろ。オーナーだってもっと投資して補強もできただろうし。
A:ほかのクラブだってそんなにうまいことやっているとは思えないけど。でもKSEはもっと投資はできただろうとは思う。期待はしていない。
Q:クロンキがウスマノフから買ったときの£500Mの借金をアーセナルの会計にぶっこまないか心配。
A:その可能性はある。
Q:ほかのクラブも同じだと云うけど、アーセナルの財政はいつも疑問があるような。
A:それはほんとだよ。すべてのクラブが同じような状況にいる。
Q:スイス先生よう、なんでこんなときにおれたちに追い打ちをかけるんだい?
A:ごめんよ。でもわたしだってみんなと同じなんだぜ。
さすがグーナーのSR先生である。ナフリスペクト。
おれの理解
ぼくもちょっと理解があやしいが。
要するにアーセナルはローンの借り換えをやって、支払う利子分が下がる(可能性がある)と。KSEが金利を下げればという条件つきのようだけれど。それと、支払い期限が伸びて利子以外の元本のほうも毎年の支払う額が下がる。
支払う総額では増えるのかもしれないが、いまこの状況で短期的なソリューションがほしいアーセナルにはありがたい施策となる。そんな感じ?
ただし、この解説の後半で説明されているように、アーセナルはこのコロナ騒ぎがなくても財政はかなり悪化していて、そこにマッチデイ・TV・コマーシャルでの大きな収入減があり、さらなるダメッジになっており、その額があまりに大きすぎて、それに比べればKSEのローンで得られる利益なんて微々たるものだという。
ここからの2シーズンで£184Mの収入源とか、実現したらまじやべえです。
Government set to allow fans back at Premier League games next season
まあ、昨日のニュースでは英国政府がPL試合に観客を入れることを承認したとかいうので、そこまでにはならないはずだけれど。でもJリーグみたいに人数が制限される可能性は当然あるでしょう。50%しか席をつかえなければ収入も半分。無観客よりはマシだろうが、それもでかい。
以前twitterで、アーセナルがなぜにそんなに金がないのか理由がわからないというひとを見かけて、どこかの時点でアーセナルのファイナンスについてはまとめて何か書こうと思っていたのだけど、今回のこれでだいぶ説明されているな。
さらなる財政悪化をどう乗り切るか
アーセナルはNLDで敗けたおかげで、ELにたどり着くこともかなり難しくなった。
たらればながら、仮にレスターとToTに連勝していれば、いまアーセナルは55ポインツでGDによっては6位にいた可能性がある。そうなれば、たとえば残り3試合でリヴァプールを残していたとしても、ELは現実味があったかもしれない。この2試合はそれほど大きかった。
ヨーロピアンコンペティションがクラブ収益に決定的な差になるというのは、この解説でも指摘されているとおりで、CLを3シーズン逃し、今シーズンはさらにELも逃すとあっては財政的にはまさに目も当てられない状況である。
夏の補強には、まったく悲観的にならざるを得ないが、
金がない → 補強ができない → チームが強化できない → 弱体化 → 金を稼げない → (以下ループ)
という、この悪循環はどこかで断ち切らねばならない。
ELがないならないでそれを最大限活かさないと。
それにしても、エジルにどうしても退団してもらいたい理由はよくわかったよねー。
おわり
アーセナルのマネジメントの話題が出るたびに落胆するのはフロントの無能無策ぶりです。
コスパの悪いちぐはぐな選手補強、選手との契約延長や放出が下手すぎ、入場料収入への依存体質等々。
フロントの能力が改善しない限り、第2第3のエジルが登場する可能性が高いでしょう。
エジルをスケープゴートにして済む問題じゃないと思います。