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ポストBrexitを見据え戦略的青田買いをするアーセナル。ジョージ・ルイスの獲得を発表

Brexitに適応するアーセナルのアカデミー戦略

アーセナルのアカデミー戦略は、もちろん若く無名のプロスペクトを安く買い育てファーストチームに入れる/あるいは高く売るということで、そこは以前とは変わりないだろうが、近年はよりファーストチームに近い若い選手に注目しているように見える。

それは、マテオ・ゲンドゥージやガブリエル・マルチネーリの成功あってこそだろう。

それぞれフランスの2部、ブラジルの4部から来た彼らがすぐにファーストチームでプレイできるかどうか、完全に期待されて獲得されたわけではなかっただろうが、結局ファーストシーズンからシニアスクワッドに入り、予想外の活躍をした。

とくにプロ契約のために18才の誕生日を待って獲得が発表されたマルチネーリは、当初U-23からスタートすると見られていたが、プリシーズンでファーストチームでプレイできるクオリティを示し、今シーズン十分すぎるほどの活躍を見せた。クラブのゴールオブザシーズン(チェルシーのアレ)まで取ったのだから大成功と云えるだろう。今シーズンの彼の際立った活躍ぶりは、停滞するチームのなかで唯一の光明といってもいいくらいである。

またゲンドゥージはあんなことになってしまい成功というとやや語弊はあるかもしれないが、獲得したときの何倍もの金額で売却することができれば、それもまたアカデミー戦略にとっては成功である。各種情報によれば、チェンバレンやイウォビに匹敵する規模の売却が見込まれているのだから、財政難のクラブにとってはありがたくないはずがない。

今回獲得が発表されたルイス、立て続けに報道されているアキノーラ、ディンゼイもまたそのような展開が期待されているはずだ。KJ案件でもなし、この3人にかかった金額などたかが知れているだろう。しらんけども。※ちなみにディンゼイのエイジェントはサカやネルソン、エンケティア(バロガンも)らと同じELITE PROJECT GROUP LIMITEDである。

ビジネス的にはロウリスクで(ゲンドゥージやマルチネーリは云うほど安くはないが)、当たれば恩恵は非常に大きい。

それともうひとつ、この年代に注目している理由として、ぼくは恥ずかしながら知らなかったのだが、例のUKがEUを抜けるBrexitによって、PLは16才から18才の海外の選手とサインすることはできなくなるのだそうで。

以下、The Athleticの記事より。

(この一連の若い選手の獲得)これはペア・メルテザッカーとタレントID部門の長であるリー・ヘロン(Lee Herron)によって主導されている。そして、クラブアカデミーに関するアーセナルの新しいリクルートメントストラテジは、EU法によって変更を余儀なくされることになる。

アーセナルはもう何年ものあいだ、セスク・ファブレガス、ヘクタ・ベレリン、セルジ・グナブリといったミッドティーンを外国から連れてくることができる法律の恩恵を受けてきた。だがそういった取引はもうすぐできなくなる。

ブレグジットの移行期間が12月31日に終了すれば、アーセナルとその他PLクラブは、もはやEU/EEA(EU+欧州経済領域)にいる16-18才の選手とはサインができなくなるのだ。

なんと。つまり今後はもっともっと若い年代か、あるいは若くても18才以上の選手にフォーカスせざるを得なくなるということ。

もしかしたらこれはヨーロッパのほかのリーグのクラブに対して、われらには大きなディスアドヴァンテッジになってしまうかもしれない。アーセナルのようなクラブにとってはとても残念なことだ。だが仕方がない。適応していくしかないだろう。

おまけ:バロガンはどうなるのか?

アカデミーの選手たちはもうプリシーズンに入っている。

アカデミー戦略といえば、当然高評価の選手をこれからというときに手放したくないはずだが、全員に公平にチャンスを与えるのは難しい。そうなればキープできない選手も出てくる。

いまU-23スクワッドのなかで、もっとも去就が注目されているひとりがFWのフォラリン・バロガンだろう。多くのファンにU-23のなかではもっとも将来有望と思われているストライカーだ。

7月に19才になったばかりの彼には、エンケティア、ネルソン、ウィロック、サカらのアカデミー選手の足跡をたどってもらいたいが、どうも新たなチャレンジを求めているようでもある。先月には退団を匂わせるインスタポストもあった。

以前にオーンステインが報じたように、彼は来年6月で契約が切れるため、この夏アーセナルから退団が濃厚と見られていたようだが(ブレントフォードから£5mのオファーは断った)、しかし最近は少し見られ方も変わってきたように感じる。

おとといのバード氏はこんなtweetをしていた。

バロガンはファーストチームでチャンスを得るに値するとても才能ある選手だ。もし彼のファーストチームへの昇格を認めるならば、新契約にサインするかもしれない。しかし現状では、シーズン終盤になってもファーストチームトレイニングに参加することすら検討されていなかった。

バロガンはチームでチャンスがないのが不満だという指摘はこれまでもされていたが、このタイミングでもまだアーセナルにその気があるなら(ファーストチームへ入れるなら)キープできる可能性があるという。

そう、問題はどうも各所で高評価なわりには、クラブが彼をファーストチームへステップアップさせる気があるのか、いまいちわからないのだ。

これについてはエメリもアルテタも同じで、すでに彼はしばらくユースチームのなかでは目覚ましい実績を残しているにも関わらず、これまでファーストチームのヘッドコーチにはなぜか冷淡に扱われている。

ちなみに彼のスタッツは以下のようなもの。バケモノか。

  • 18/19シーズン アーセナルU-18 P19 G25 A4
  • 19/20シーズン アーセナルU-23 P15 G10 A4

シニアスクワッドにはラカゼットもエンケティアもマルチネーリもいて、ストライカーが必要なかったというのはあるだろうが、ほかのU-23選手が何人もファーストチームのトレイニングに参加しているのに、なぜか彼が呼ばれないのかがわからない。

アティチュード問題が指摘されているのは見たことがないが(ぼくが知らないだけかも)それ以外に理由があるようにも思えない。

アルテタはサカの新契約交渉をしていた時期に、サカとバロガンのキープについてこんなふうに語っていた。

アルテタ:わたしはクラブが彼らをキープしようと努力しているのを知っているので心配はしていない。すぐにいい知らせがあるといいね。

クラブはわたしの意見も、彼らとの取り組みをどれだけ好きかも知っている。彼らとの将来の計画も。

彼らはとてもコミットしているし、前進していくために正しい合意が両パーティで得られることを願っている。彼らキッズにはグレイトな未来があると思うから。

うーん、なのになぜ。アルテタのバロガンだけに関するコメントは記憶にないけどあったのかな。気になる。

今年のCLはセミファイナルに、アーセナルのファーストチームに定着できず移籍していったふたりがいるということで(セルジ・グナブリとジェフ・レイヌ・アデレイド)、またしてもアーセナル的にはクラブのプロスペクトを見る目が懐疑的に見られやすいタイミングでもある。

ぼくはバロガンのプレイをハイライト動画以外でちゃんと観たことがないので、いまのアーセナルがどれだけ彼の扱いを間違えているのかわからない。が、いずれにせよほかのU-23選手と比べると何だか不自然に冷遇されているようにも感じる。

この夏にでかいオファーが来るならまだしも、こんなときなんだから契約更新に全力を尽くせばいいのにと思わずにいられない。

ラカゼットが移籍する可能性もあるようだから、そこでリプレイスメントを取るかどうかも注目かもしれない。エンケティアがステップアップして、バックアップにバロガン。それでいいような?

どうなるか見てみるしかありませんな。



おわり

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3 Comments on “ポストBrexitを見据え戦略的青田買いをするアーセナル。ジョージ・ルイスの獲得を発表

  1. 才能があってもチャンスが無ければ芽は出ないですから、
    トップチームでぜひ使えるようになってほしいですね。
    個人的にはバロガンを見てみたいです。ンケティアのセンターはイマイチフィットしなかったので

  2. し、知らん。誰やこの人達は。。w
    さすがarsenal change everything。実にマニアックなネタで。

    しかしアキノラ君は意外と面白そう。
    いかにも下部リーグっていう映像ながら、あのスピードとタックルは普通じゃない感じがする。
    ボールテクニックやパスもなかなか。

    大柄でパスが上手いDMFとか、超絶なテクニシャンで運動量のあるIHとか、いわゆる王道な路線から少し外した選手ほど面白い。
    カンテやマトゥイディみたいな渋い選手になってくれないかな、なんて思う。

  3. ティム・アキノーラとジョナサン・ディンゼイのプレイ動画見ましたが、近いうちにしれっとトップチームのバックアッパーに定着しても不思議ではない印象を受けました。可能性はあると。

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