※おしらせ:今回はトーキングポインツのコーナーはおやすみします。
アルテタに反論する。深刻なのはゴールよりチャンスクリエイションである
アルテタが試合後に「I don’t know what else we can do.」と述べた件。
選手がゴールを取れないのだからもう打つ手がない? いやいや、少なくともそれはやるべきことをすべてやってから云うべきことばでしょう。
シティやリヴァプールのようなチームが良質のチャンスを量産し、それでもゴールが生まれない、そういうときにマネジャーがこういうのならまだ理解できる。
でもいまの状況でアルテタがこういうことを云うのは、ぼくは非常に納得がいかない。
アルテタは最近のたくさんのクロスのことでもわりとポジティヴぽく語っているが(※ちなみにクロスの数は今回が44、ウォルヴズで35だった)、彼が有効だと信じるクロスボールを多用する戦術自体がそもそもアーセナルのセットアップやアタッカーズのプロファイルに合っているのかは大いに議論の余地がある。われわれにはジルーもキャロルもフェライーニもいないのだし。オバメヤンはアーセナルで3度しかヘッダーでゴールを決めていないとか。
あんなクリエイティヴィティの欠落した予測可能な攻撃で、数の少ないチャンスで、それでゴールをたくさん決めろなんて、さすがに選手たちには酷だろう。
アルテタは持続可能性についてよく話すが、チャンスを継続して生み出すことができなければ結局ゴールも継続して生まれない。まぐれのゴールに頼ったところでふつうは持続しない。
ゴールが決まらないのはチャンスがないからだし、チャンスがないのはチャンスを生み出すストラクチャ(とふさわしい選手)がないからで、そのストラクチャを自分がつくっているという責任と自覚をアルテタはどこに忘れてきてしまったのか。
この一連の負のサイクルのなかで、最後の決定力(エンドプロダクト)みたいなものをことさらに指摘することは、マネジャーとして悪手だと思う。たとえそれが正しかったとしても。ただでさえ自信喪失のスパイラルに陥っているオバメヤンやラカゼットのような選手たちに、追い打ちをかける必要はあるだろうか? ほかの選手たちだってきっと感心しないだろう。
彼がここで発信すべきメッセージは、「ゴールが必要」「エンドプロダクトが必要」じゃなくて「(ゴールがうまれる)より多くの、より良いチャンスが必要」そしてその「良いチャンスがうまれる仕組み(ストラクチャ)をつくる」だろう。いま選手を取り替えることはできないのだし。そうすれば自ずとゴールは生まれると。それが自分の最大のタスクだと。チャレンジだと。そう云ってもらわないと、ぼくはファンとして納得できない。
この発言はtwitterやredditなどでも議論になっていたが、ぼくが知るかぎりでは、アルテタが公の場でこういった失言めいたことを云うのはおそらく初めてだ。こんなときだからとはいえ、少しショックである。
ケガをした選手の扱いに見る、アルテタの経験不足
アルテタの悪手という意味ではもうひとつある。パーティの件だ。
彼はケガから復帰したばかりで、また試合中にやってしまった。それが同じ箇所だというのだから、この試合での彼の起用は早すぎた疑いがある。
もっともそれに関してグーナードクター氏が云うには、アーセナルのメディカルチームはかなり優秀だということなので、彼らの判断が間違えていたというよりは、アンラッキーのほうが事実に近いのかもしれないが。ああいう結果になり残念なことだ。
パーティの件で試合後に話題になっているのは、彼の時期尚早だったかもしれない起用のことよりも、試合中のあるシーンだ。
プレス会見でもツッコまれているが、ちょうど2点めの失点の直前、負傷したパーティが歩いてピッチを出ようとするところをアルテタが押し戻したところ。バズっていたので映像を観たひともいるかもしれない。
そのときに、ちょうど2 v 4のカウンターになって(もしそこにパーティがいても3 v 4だった)あせったアルテタは負傷を訴えてピッチから出ようとしていたパーティを押し戻す。だがもうカウンターアタックには間に合わずパーティも一時は走りだそうとするもののすぐ諦めた。
なんというシーンだろう。
パーティはピッチ上で倒れてレフェリーに試合を止めるようアピールすべきだったという意見もあるが、それはそれとして。
アルテタが負傷を訴える選手にプレイを続行させようとした。無理やり。アーセナルのマネジャーが。これはショッキングだ。
ここで思い出すのはもちろん先日のウォルヴズでのダヴィド・ルイス。彼はラウル・ヒメネスと衝突し自身も頭を切った。10分も試合が中断するほどの大きな事故だった。だがアルテタはそのときルイスを下げなかった。頭をひどくぶつけた選手をすぐに下げなかったことで、試合後には非難する声もあったが、アルテタはメディカルスタッフを含め自分たちの判断は間違えていなかったと自己弁護した。
ぼくがこれらのことで、なんというかわずかながら不快感のようなものをおぼえるのは、それが医療的に正しい/正しくないというよりも、彼の人間性みたいなものがとっさの場面で垣間見えてしまったことだと感じている。大げさに云えば。
何が云いたいのかといえば、このふたつの事案で共通しているのは、負傷者に対する扱いの慎重さで、(皮肉にもアルテタ自身が述べていることだが)選手の安全や保全、健康といったことをなによりも最優先するならば、どちらも反対の行動を取っていなければおかしいのではないかということだ。
あまつさえ復帰あけで、試合中とはいえ、負傷したと訴える選手をピッチに押し戻すなんてありえないし、頭をしたたか打った選手はやはりすぐに下げるべきだったのではないか。
ぼくがいまこの苦しいときに、ファンとしてもっともやりたくないのがミケル・アルテタの人間性を疑うことだ。マネジャーとかコーチとかフットボーラーとか以前に、彼は人間として非常に尊敬すべきすばらしい存在である。そのことが彼を自分の愛するクラブ、アーセナルのマネジャーとして信頼する重要な根拠にもなっている。そこが少し揺らぐようではないか。このふたつの事案は。
どちらもとっさの対応だったというのが、なおのこと、そう思わせられる。
もっとも、彼は最近まで選手だったので、あくまで選手側の気持ちに立っての判断だったという見方はできる。自分だったらもっとプレイしたい、自分だったら多少ケガをしてもチームを助けたい。そういう思いがあっての行動だったと。
そっちだったらまだいいのだけど、でもマネジャーが本来取るべき対応としては、こういったことはやはりあまり褒められたものではない。アルテタのようなひとならばこそ、選手を慎重に大切に取り扱ってほしいと思う。
ルイスのときにも同じことを書いたが、今回もまたとっさの判断で、彼のマネジャーとしての経験不足が露呈したように感じたものである。
ということで、この試合に敗けたことでぼくはほんとうに死にたくなったが、時間がたってだんだん苦痛も和らいできた。忘れるっていうのは人間の素晴らしい機能ですね。
あとこんなのも多少なぐさめになったりしている。
Funny how this time last season United and Spurs were on the same points as us, just gets exaggerated a lot more since it’s Arsenal pic.twitter.com/Cn5yifPUTU
— Luis🦋 (@afcIuis) December 7, 2020
去年のPL11試合の時点で、マンUとスパッズがいまのわれらとまったく同じポインツだったとゆう。。
最近はアルテタの去就についてもさすがにメディアなどでも、取り沙汰されることが増えてきたが、オーンステインが云うにはほぼ安泰だそうである。アーセナルは長期でアルテタのやることを見ているということ。Mirrorだかは「Project Arteta」なんて書いてた。要するにアルテタ自身がプロジェクトそのものだということである。解任なんてない。
ぼくは今年はもうPLは残留を目指すんでいんじゃないかと思えてきた。実際そういう位置にいるし、いまのチームではおそらくは今後も劇的な変化は望めまい。メンタルヘルスのためにもそうする。諦念である(今回なんか仏教笑)。
来シーズンは完全にヨーロッパのない状態でフレッシュスタート。アーセナルは来年夏にはかなりモデルチェンジすることはほとんど決まっている。いまと全然違うチームになって、きっとタイトルを争うよ。
COYGです。
兄貴、まだあと27試合もありますせ。おれたち、いったいどうすればいいんすか。
試合の後、この苦しみから逃れるには、もうアーセナルから解脱するしかないとさえ思ってしまいましたよ。
あんなやり方のteamに手も足も出ず負けるなんて。
ハリーとソニーにやられほうだい。ハリーのほうなんてほんとクズすぎ。大嫌い。
シュートで終われないことにつきますね、失点はどちらもベジェのクロスの失敗からのカウンター。あれをシュートで終わらせてたら絶対に負けてない。
今のチームを別のマネージャーが見たら勝て…
ELもノックアウトラウンド1回戦で粉砕とか普通にありそう。
モデルチェンジ大賛成です。いっそプレミアとELのメンバーとりかえてほしい。
今回トーマスを押し戻したことが話題になっておますが、言及されているルイスを下げなかった一件から僕も同じようなことを考えていました。
人間性を少し疑う意見と一致してるかはわかりませんが、どちらかというとアルテタの性質の頑固さです。
ゲンドゥージはじめ、規律に逆らった選手には徹底した厳しい態度をとりますし、恐らく戦術にしても同じなのでは?と思います。
それは柔軟性というよりも、本来自分がこのプランでいく、と考えたら多少のリスクがあって、それがもしかしたら小さいリスク(怪我しないかも、逆に出しておけば勝てるかも失点しないかも)である場合、自分のプラン通りにことを運ばせようとするのではないかと。
なんだかマキャベリズムみたいですが、監督にはそういう冷酷さというか実行力は必要かもしれないので良し悪しですね。
まあ初の監督でとにかく気合が入っていて、自分のプラン通りにやるぞ、そのかたちで勝つぞという思いが強すぎるのかもしれません。知りませんが笑
そういった所がもう少し良い意味でやわらかくなり、選手も我々も魅了する存在になってほしいですね。
いずれにしても、人間性を完全に疑うのではなく、やる気の空回りという見方で、もう少し見守っていたいと思います。
でも、今みたいな試合を見るのはきついっすね…
次のバーンリーは、言い訳できないホンマの正念場だと思います!
長文失礼しました。
COYG
はじめてコメントさせていただくのですが、もう負けることに慣れてしまって怒りも感じなくなりました。
「2失点で済んでよかったね」と思ったぐらいだから重症ですね。。
可能性の低いクロスに頼り切った戦い方って今のアーセナルには余りにもマッチしてない…。
せめてクロスはグラウンダーを徹底させるとかするならまだ理解出来るんですけどね。
アルテタの経験不足は、伸び代と取ることもできるので、柔軟性を見せて欲しいです。
ELとPLのレベルは違うのは分かるんですけど、ELで結果残してもPLで使ってもらえないのなら、若い選手はどんどん出て行くと思います。
今世界中で若い選手が台頭している現状を見ているでしょうし。
アルテタのトーマス押し返しのせいでアーセナルに来たいと思う選手は減ったでしょう。はあ…
草草草草草ァ!優秀な優秀なミケル君。
監督の戦術はそれなりに理にかなっているので、選手側にも問題があるように見ています。
中央で受けれる回数が少ないのが攻撃の不調の原因なのに、ここしばらく改善されていないので。
29分頃のサカに繋いだ中央での攻撃とサイドバックの裏へのボールの使い分けが
このチームの攻め方なのですが、やろうとしてるのはウィリアンくらいですかね。
あとは今の状況だとサイドにオーバを置いた方が選択肢が増えると思ってます。
4231でクロス連打はなぁ…しかも10番は全く機能しないラカ
ここまで勝てないとアルテタの求心力もそろそろ限界でしょうな
AFTVもアルテタアウト叫び出しましたし
そうですね、敢えて今期はトップ4を狙わず、改革の時だ、と割り切るしかないと思います。でも、ゴールシーンを喜ぶスペシャルワンと、審判に執拗にアピールするハリケーンの姿を見ると本当にむかつくんですが・・・。ノーロンだけは、魂を出し尽くしてほしいのですが。オーバのトップはプランBでのみ有効だと証明できたので、さっさとウィングに戻してティアニーやサカとのリンクを思い出してほしいし、なんなら3バックに戻しても良い。ジャカも良くなかったですね。求めるレベルが高くなればなるほど、片足だけしか使えないのは致命的。あー、パーテイ使うべきではなかったな、結局。もう木曜にバロガンのハットトリックを夢想して慰みます。バーンリーではメンバーも戦略もそうとっかえだ。COYG
よそで書いたことをここでも。
チーム全体が低調な中で、特定の選手を批判することが公平公正だとは思わんが、右の守備。
ベジェリンとホールディング。
ソンのゴールが one-to-hundred shot だった?だからソンがすごい?それをゆるしたあの二人も大概すごいけどね。あれだけワイドオープンで打たせたらミラクルだって起きるだろ。ゆー・きゃん・うぉーく・おん・うぉーたー。少しでもよせてれば one-to-thousand になったんじゃないのか?あの二人、あのシーンで何にも、何にも、何にもしてなかった。糞エヴラの “Nothing”が聞こえてくる。
足が速いだけで守備力0、いやマイナスのフルバックに、カウンター耐性0、いやマイナスの超絶鈍足センターハーフ。この試合だけの話じゃない。
ケインが受けてソンが左を爆走する。そんなのその辺のカエルだって知ってることだろう。1週間どんな対策を講じていたのか?あの二人はお互いに話し合ったりしないのか?ヴィラに決められた3点、いや4点はすべてこちらの右サイドを蹂躙された形だった。何でこの二人がディーセントな選手みたいに言われてるのか意味が解らん。
グリーリッシュはスーパーだった。マディソンはスーパーだった。ソンはスーパーだった。トラオレはスーパーだった。ザハはスーパーだった。リシャリルソンはスーパーだった。毎回同じ。止めるのがDFの仕事だろうに。ジャカにプレスをかけてベジェリンとホールディングのサイドを突く。その辺のモグラでもきっとそうする。
と、言いつつ、彼らのことを応援してます。ずっと在籍してくれてる選手達だからね。ミケルのこともサポートしたい。
頑張れ。
ここ最近、湧いているしょうもないスパッズサポ?の対応よろしくお願いします
まあ時間がかかるっていうのはこういう事だけど。
後半DMFがけっこう下がってたのが気になった。
戦術というよりも、DMFがCBのクサビを信頼しきれてない感じがする。
しかしあれだとラカにボールを当ててもリターンが受けられないし、ラカがボールロストしたら最初のプレスに行く選手がいない。
だから効果とリスクを考えると、ラカに当てるという選択肢がなくなってしまう。ように見える。
あれは本当は、CBから直接ラカに強いグランダーを当てるべきだと思う。
あらかじめDMFをラカに寄せておいて、「ラカの落としを前を向いて受ける→サイドに振る」なら、相手がポジション修正する前にクロスが上がると思う。
それにはまずCBからのパスが通らないとムリだし、ロストしたときのプレスも一切手を抜けない。
2CBの攻撃が難しいのは最初から分かってた事だと思う。
それでもファンは攻撃に舵を切ることを望み、アルテタもそれで勢いがつくと判断したんだろう。
始めたのなら、腹をくくらなければ。
フットボールは「ボタンを押せば気持ちよくしてくれる機械」ではないのだから。
監督経験無い未熟な人に背負わせすぎたのが全てよ。だからあれほど未経験の監督なんてやめとけと…。そんな監督未経験の人を長い目で見てるほどの余裕なんてこのクラブにないと思うけど。知らんぞ来季チャンピオンシップ行きになっても。
とりあえずアルテタがパーティを押し戻した件について。
チェンさんの思う通りのところもあると思いますしアルテタのチャンスについてなどの試合内容のコメントにも同じように思ったりもしてます。
パーティの件もあくまで一応の可能性として書こうかなと。
一応アルテタが押す前からパーティはピッチに戻る素振りを見せてたかなと。ぎりぎりですが。アルテタが戻るように口で指示してそれに応えようと動いたのか自主的な動きだったのか分からないですが。
でも動きだけ見てるとパーティが自主的に戻ろうと動き出そうとしているようにも見える。それを後押しするように押しているようにも見れなくもない。タイミング微妙ですが。ちょっとパーティの動きが迷いながらの動きにも見えたからそれを後押しするようにも見ようと思うことも。アルテタのコメントの「彼がポジションを離れたときに状況の重心が変わったことを彼がわかっていなかったと思った。」もこの迷いながらピッチに戻ろうとした部分に関連しているとも取れなくもない。状況が変わったのはトーマスが既にピッチ外に出た後だし。といってもアルテタのこのコメントもちょっとシチュエーションがどの部分なのかごちゃまぜなのか分からないところもあるんで何とも言えないのですが。
あとパーティもピッチの外に出てもピッチ内にすぐ戻れる位置には留まってるんですよね。いつでも戻れる態勢というか。そういうのもパーティの状態をアルテタに見誤らせた要因にもなったかな。
でもそれでも押すのは、というのもあるかもしれないし冷静さや優先順位と言われるとそれもそうとも思えます。
優先順位。あのカウンターはヤバい、失点するとダメージが大きすぎる、そっちが上になってしまった部分はやはり否定はできないかな。
1失点目については誰かも書いてますがベジェリンの対応はまずかったかと。マーク受け渡し指示しておいて自分はソンのマーク行かないのかと。。。たぶん自分で気づいて方向転換しようとしたと思いますけど。
ヴィラ戦の失点のときもそうでしたが、ベジェリンが裏取られてホールディングがカバーにサイドに出たときに、ベジェリンはそのホールディングが空けたスペースをカバーしにいくんだけど、それがとりあえずCBが居るべきそれっぽい場所に行くだけということがあって良くない場合があるんですよね。
それでもアルテタ就任直後の状況を思い出すと進んでる部分もあるのだと思うしこういう機会に修正していって欲しいですね。