そしてまずはお断りと。。
このニュースを伝えているベルジャンメディア『HLN』によると。
アンデルレヒトの21才MF、Albert Sambi Lokonga(アルバート・サンビ・ロコンガ)にアーセナルが最初のオファーを行った。そして断られた。ボーナスを含めて€15M。アンデルレヒトは、ドイツやフランスからも関心を持たれているロコンガについて、この夏の移籍は避けられないものと観ているが、クラブ間の競争で価格上昇を見越して、少なくとも€20Mの移籍金を望んでいるということ。
アーセナルでは、ロコンガをダイナミックでテクニックのある選手と評価。アルテタが彼の獲得を望んでおり、チームを進歩させるための理想的なCMの補強だと考えている。彼がアーセナルに来るなら、トマス・フェルマーレン以来ふたりめのベルジャン選手になる。。。
ロコンガは、つい最近アーセナルの本気ターゲットとして名前が出てきたばかりで、アーセナルのファンも彼がどんな選手なのかくわしく知っているというひとはそれほどいないのではないだろうか。
今回は、アーセナルが狙っているというロコンガの選手プロファイルと、その他のもろもろについてざっくり書いてみよう。
Who is ロコンガ?
基本的な情報をTMより。
名前: Albert Mboyo Sambi Lokonga
誕生日: Oct 22, 1999
年齢: 21
身長: 1,83 m
国籍: Belgium/DR Congo
ポジション: midfield – Central Midfield
足: right
エイジェント: Stirr Associates
所属クラブ: RSC Anderlecht
残り契約: Jun 30, 2023
いま21才で、8月に22才に。アーセナルでいうと、ネルソン・ウィロック・エンケティアと同年代。
TMに記録されているクラブ歴はアンデルレヒトのみで、いわゆる生え抜き選手。2018年1月にトップチームへ。
現在はベルジャンNTに招集されているが、まだデビューはしていない模様である。
現在のMVは€10.8m。
後述するように、アンデルレヒトでは21才でキャプテンを務めているということ。
ベルジャンフットボールエキスパートに訊くロコンガ「ボールプログレッションが彼の最大の長所」
数日前に、アーセナルと彼がリンクされ始めたということで、彼をスカウティングするmediumの記事が話題になっていた。
#4 In the process, we trust: Belgium football expert on Albert Lokonga, Data Visualisations: Albert…
ここから少し紹介したい。リスペクト。
まず、ベルギーのフットボールに精通しているというデータアナリストに彼の評判について質問している。
(アルバート・サンビ・ロコンガのバックグラウンドは?)
サンビ・ロコンガはベルジャン生まれでコンゴの血統もある。彼の兄弟Paul-José M’Pokuはプロフットボーラーだね。スタンダール・リエージュでプレイしているよ。Lokongaは母方の姓、Mpokuは父方のものだ。
(彼のプレイングスタイルと強みは?)
彼はボールをよく前に運ぶタイプだ(good ball progressor)。何人も相手がいても、相手サードの深くにボールをパスできる能力がある。またオウンハーフでボールを奪い返すことも得意だし、ピッチの高いところまでボールを届けることもできる。アンデルレヒトではおもに「No.6 + No.8」だ。その両方の興味深いコンビネイションがある。
彼のストロングポインツは、パス、ヴィジョン、戦術眼、テクニック、プレッシャーのなかでのボールキープ。
(弱みは?)
ハイインテンシティプレスには苦しむかも。彼はときに、No.6としては守備が十分ハードじゃないとか、No.8としてはリアルなB2Bになるにはボールを持ちすぎるような傾向が見受けられる。
意思決定でもそそっかしいときがある。また感情をコントロールする必要もあるね。若さの輝きが垣間見えるのはいい。でもやりすぎてはいけない。彼の問題は大きさが十分じゃないことだが、それは経験でなんとかなるだろう。
(21才でクラブのキャプテンは珍しい。どうしてそうなったの?)
彼は年齢からしてもとても大人びている。彼のフットボールインテリジェンスは、彼があの年齢でキャプテンシーを獲得した重要な要素だよ。
(彼に似ているPLの選手はいる?)
ある意味で、彼はSander Bergeにとても似ているが、ロコンガのほうがもっといいパスがあるね。Bergeはもっとプレッシャーのなかでのボールキープはできるけれど。わたしにとってはロコンガは、ボールを前進させることが最大の長所だ。彼ほど、パスと自分で運ぶのと、どちらでも同じくらいにボールを前進させられる選手はそんなにたくさんいない。
(彼はPLやアーセナルで成功できそう? すぐにそのレヴェルでプレイできる?)
私見では、彼はPLですぐスターターとして考えるべきじゃない。彼はリーグのインテンシティに適応する時間が必要だ。でも、もし彼に時間を与えるなら、長期では彼はうまくやれると確信している。
興味深い。でもいきなり戦力として期待しちゃダメなのか。
さて、このmediumの記事はこのあとに彼のパフォーマンスについてタッチマップなどで考察を行っている。ここではポインツだけピックアップしよう。くわしくは元記事をごらんあれ。
- ジャカとポジショニングが似ており、あまり上がらない。カウンターに備えてポジションは深い位置をキープ
- パスはシンプルで、周囲の選手をよく使ってボールを前進させる
- 彼の守備アクションの多くはディフェンスの前で行われる(※アタッキングサードとオウンサード)。高い位置での守備アクションも多い。いまのマネジャーたちが求めているMFにおけるユニークなスキルセットがある
- ボールを前進させることが長所で、ピッチの深い位置からもボールを運べる生産性がある。前方へのパスについては、中央よりもウィンガーに出すものが多い
以上。
ロコンガはボールを持っても前進できるし、パスでもボールを前進させられる。いいね。両方で素晴らしいとなると、パトリック・ヴィエラのような選手をちょっと思い出す。あとディアビとか。CMにはボールを持ってぐいぐい進んでいってほしい。
彼はルーベン・ネヴェスと同様、ジャカと似ているタイプのMFということなので、そこもアーセナルが彼を狙う理由かもしれない。
しかし、そうなるとジャカとの違う点を知りたくなってくる。
狭いエリアでのプレス耐性はあるのか、ターンは得意なのか、カウンターで相手を追いかけるときのスピードはどうか、試合を読んだポジショニングやロングパス能力エトセトラエトセトラ。まあ、この短いブログエントリでそこまで期待はできないけれど。
大変にありがたい記事だった。あらためてリスペクト。
ジャカとほかのアーセナルのターゲットといわれるCMたちの比較
このグラフィックは数日前にtwitterで共有しようとおもって、ぼくがSquawkaでつくったもの。最近またちょくちょくこのSquawkaの画像をtwitterなどで見るようになってきましたな。
ジャカ vs ネヴェス vs ロコンガ vs ビスーマ vs バージ(ベルゲ)の比較。※ロコンガだけベルジャンリーグということは要考慮。
ジャカは、パス関係は圧倒的。
この手のスタッツでは、攻撃・ポゼッション・守備というふうに大きくカテゴリが分けられるが、いわゆるポゼッション部門ではジャカは基本的にかなり高い数字を残している。逆にいうとそれ以外は平……おっと誰か来たみたい。
この比較のなかで、ロコンガが優秀なのは、「ファウル勝ち」と「グラウンドジュエル勝率」。ここは突出している。
あとは、「前方パス」が優れているのは前述の記事が指摘しているとおりで、彼のボールプログレッション能力が反映されていると思う。正確ロングパスも優秀。パスマエストロのジャカと比べてはいけない。
ボールプログレッションという意味では、ボールキャリーズ(ボールを持って運んだ距離)のデータがここにあったらよかった。またこういった比較する機会があったら、FBrefなどを使って比べてみよう。
アーセナルのロコンガへのオファーをどう見るべきか
「いきなりPLでプレイする準備ができていると見ないほうがよい」とベルギーのフットボールをずっと観ていたひとは感じている。
となると、ここでロコンガへ行くのは、すぐに即戦力として期待されるルーベン・ネヴェスを獲得するのとはちょっと意味合いが違うのかもしれない。
アルテタにとってのゲンドゥージ枠というか、基本的にはCMのバックアップでカップ戦などで使いながら時間をかけてリーグとチームに適応させていくのか。あるいは、すぐチャンピオンシップなど国内にローンに出す可能性もあるのか。
そうなるとここで€20Mクラスの資金が必要というのは、金欠クラブにはけっこうな負担になるはずで、アーセナルのこの夏の予算はますますわからなくなってきたようにも思う。
RCBに大金をぶっこもうとしたり、CMのバックアップにいい金額を投資したり。
いや、ホワイトもロコンガもぼくはどちらもワクワクはしているのだが(とくにロコンガはよさげ)、つねに「ワイズスペンディング」が求められるようなクラブのプライオリティ設定としてアリなのかという。
じつはものすごく潤沢な予算があるのかも?
まあウィンドウはオープンしたばかりで、本格的な動きはこれからではあるはずなので、ばっちりメイクスセンスな動きを期待したい。
ではまた移籍関連で進捗あればこのブログでもお伝えしよう。
おわる
アルテタが来てからジャカがアーセナルに欠かせない選手になった、スタッツを見ても間違いない
と正論を言われてもセイロンティやねん(イングリッシュ親父ジョーク)
何と言おうがジャカが来てからうだつが上がらなくなった
パスだけおじさんはもうイラン
パス成功率なんて百本通してもゴールに繋がらないなら意味ない
ウーデゴーなんてレアルの2軍で活性化されるチームなんだから(スミスロウしかり)、ビッグネームでなくてもケミストリーの可能性はある
ナイルズウィロックが中盤救世主になる可能性も僅かにある
アルテタは思ったより頑固で自由がない
ジャカのスタッツで面白いのは、それをアーセナルのすごく遅いビルドアップの中でやってるって事だと思う。いくらバックパスが多いとは言え、あれだけ遅い攻撃で相手をセットさせた上で90%近くパスを通すのは普通じゃない。
もっとも攻撃を加速するのもジャカの仕事なので、これを褒めていいものかどうか(w)。とにかく、すごく尖った選手だ。僕はこういう可笑しさも含めて、ジャカのファンだ。
もしローマに行ったとして、モウリーニョが欲しがったんならジャカを使う明確なプランがあるに違いない。それも見てみたい気がする。