おとといのこのニュースには大変に驚いた。
Arsenal are considering a new contract for Granit Xhaka. #AFC https://t.co/TEOL0OQfOM
— Amy Lawrence (@amylawrence71) July 30, 2021
珍しくエイミー・ロウレンスがスクープ。「アーセナルがグラニト・ジャカへ新契約のオファーを検討中」。
ローマがジャカにいま以上のオファーをするつもりがないということがわかってきて、売却を断念。アーセナルはジャカに新契約をオファーするのだとか。
この件は、同僚のオーンステインやロマーノもフォロウしているので、信ぴょう性の高いニュースだ。
どういうことなのか。
ジャカのローマ移籍は頓挫したのか
夏のあいだ中ずっと報じられていたジャカのASローマ移籍。
新シーズンからマネジャーのジョゼ・モウリーニョが熱心にジャカをローマに勧誘していたということで、本人も移籍に乗り気、ローマと選手サイドではすでに個人条件で合意も済んだ。あとはアーセナルとローマとのあいだで合意を残すだけで、移籍は時間の問題だと云われていた。しかしながら、なかなか進んでいなかった。
ローマの最後のオファーは€12M+3Mボーナス。アーセナルの要求は€20Mだったと云われている。
両者の考える選手の評価額にはそれなりにギャップはあるにせよ、選手自身がこの移籍をほのめかしたり(「アーセナルはぼくの希望を知っている」発言)、アーセナルも売却に乗り気だったことなど、すべての状況を鑑みれば、ローマはさらなるオファーを用意していると誰もが思ったし、金額によってはアーセナルもいくらか譲歩するかもしれなかった。
それが、このステイジで交渉が終わってしまう? なぜだ、なぜなんだ。。
アーセナルがジャカに新契約オファーの怪
ジャカがこの夏に移籍できない(いいオファーがない)とか、彼がチームに残るというのはまったく想像できなかったわけではない。彼のリプレイスメントも、ターゲットの名前こそ頻繁に取りざたされているが、それなりに苦戦していそうにも見える。だからしょうがない、そういうこともある。
だが今回の件でもっとも解せないのは、アーセナルがジャカに新契約をオファーするということ。
新契約??
ぼくは以前に移籍エントリでも書いたように、ジャカのもう1年残留はアリだと思っている。まだ契約は2年残っているし、いいオファーがないのなら、ここで無理をして売る必要はないと。彼がいてくれれば、AFCONでパーティやエルネニーがいない時期も安心できる。
ただ、契約延長はまったく理解できない。
アーセナルはこの夏に、エンケティアやネルソンら、本来はいま売却したいが売れない選手について、選手価値を落とさないために新契約をオファーしているという報道があった。契約延長して選手価値をキープしつつローンに出そうという作戦。
ジャカに契約延長をオファーするのもそれと似たような計画かもしれない。だが、28才のジャカには現状でも30才までの契約があり、仮に1年だか2年だか契約延長したとして、このあと彼の<価値>がどれだけ保たれるかは疑問がある。
Arseblogでも指摘されていたことだが、「28才で残り契約2年」の時点でまともなオファーがないのだ。それが「29才で残り契約2年」「30才で残り契約2年」になったときに、果たしていま以上あるいは同等のオファーが期待できるだろうか? 価値は保たれているだろうか?
さらに、アーセナルは今回ローマと合意しているよりもいいサラリーの契約をオファーするという。彼の現状のサラリーは£100kpwらしいので、それ以上だろう。そうなれば、高齢に加えて高給と、さらに移籍市場での魅力は減る。
たしかに、Covidの世の中で今夏はとくに市場が冷え込んでいるという事実はあるが、もし今年から状況が改善していったとしても(まあ現状を見るかぎり難しそう)、そこから1年か2年でそのような状況が劇的に改善されているとも思えない。
つまり、契約を延長したとて、いずれにせよ選手価値を保つことなど期待できないのではないかということ。
仮にジャカをこれからもチームで使いたいという意向があったとしても、ここでサラリーアップの新契約を結ぶ必要性がどれほどあるか。疑問だ。
来年夏に残り契約1年だと彼を安価で手放さなきゃならなくなる? 安価とはどれほどだろう。5Mとか7Mとか? それほどの安価ならそれこそ争奪戦が起きて、€12Mに近づいていきそうに思える。
いきなりの方針転換で混乱
このクラブの動きからは、クラブがジャカを今後どうするつもりなのか、新チームのMFのセットアップをどうするつもりなのか、よく見えてこない。それが問題に思える。
ジャカもアーセナルもこの移籍には乗り気で、つい最近まで、新シーズンからは別々の道を歩むはずだった。この夏のジャカの退団というのはほとんど既定路線として、クラブも動いていたはずだ。
ルーベン・ネヴェス、マヌ・ロカテッリ、ブルーノ・ギマラエシュなど、ジャカのリプレイスメント獲得に動いていたことも事実だろう。「ポストジャカ」の時代を見据えて、チームの未来予想図を描いていた。
それがここへ来て一転、ローマに売れないからと方向転換??
エイミーの記事によると、ジャカ本人もローマ移籍を希望しながらも、いっぽうでアーセナルに残ることにもいつでもやぶさかでなかったということだが、アーセナルはジャカがチームに残るならどう扱うつもりなのか。
昨シーズン同様、パーティのパートナーとしてレギュラー扱いなのか。あるいは、やはり新規にレギュラーのCMは取って、ジャカをリプレイスしていくのか。
後者の場合、個人的にはそれが理想的な展開だと思うが(新CMとパーティがレギュラーで新しいアーセナルになったときに、ジャカがバックアップにいたらだいぶ心強い)、ジャカがそれを受け入れるかという問題がある。
仮にロカテッリのような金額の選手が来ればレギュラー待遇は確実で、彼がいまさらバックアップという立場を受け入れるだろうか。そうは思わない。
そもそもバックアップとして考えるなら、残り契約1年になることを覚悟して、契約延長はせずシンプルに彼をチームに残すほうが合理的だ。
したがって、ジャカとアーセナルが新契約に合意するということは、一定以上のプレイタイムやチームでの立場は保証されるはずで、ジャカはひきつづきアーセナルでレギュラーとしてプレイする可能性が非常に高いんじゃないかと思う。
つまり、ジャカが契約延長してチームに残るということは、アーセナルは今後もジャカにミドフィールドを託していくということ。
まじで?
その決断は、クラブが犯してきたこれまでのさまざまな過去のあやまちを踏まえたものになっているかどうか。短期だけでなく、ちゃんと中長期、大局を観た判断になっているかどうか。
ローマとの交渉はつづいている?
もちろん、まだローマとアーセナルの交渉が完全に終わったわけではないだろう。
ローマはCMに別のターゲットもいるようなので(名前わすれた)、これから彼らがそのターゲットを獲得するようなことがあれば、実質ジャカのローマ行きは終了だろうが、それもいまのところまだわからない。
だから、この件はアーセナルのブラフかもしれない。
アーセナルにとってジャカは売却するオプションしかないと思われるよりは、複数のオプションズがあると思わせたほうが交渉には有利になるはずで、そのような交渉術の一環である可能性は否定できない。
しらんけど。
ジャカにはなぜオファーがないのか問題
ところで、この夏のジャカの移籍の件でもっとも腹立たしいのは、なぜ彼のような選手にもっとオファーがないのかという。
EUROであれだけ活躍して、すばらしきリーダーシップも見せて、5年もアーセナルのメインマンで、28才のピーク年齢で。
ローマが金がないのはまあいいとして、ほかのクラブはどうなんだ。この交渉は誰もが知っているわけで、「そんなに安いならうちが買う」となぜならなんのか。解せぬ。
彼ほどの選手に€20Mというのは、そんなに高額なんだろうか?
いまが選手売却には最悪のタイミングだということを差し引いても、想像以上に人気がなさすぎて、つらい。
ベレリンにも新契約をオファー?
そういえば、ジャカに新契約をオファーするように、ベレリンにもそれをオファーするというニュースがある。
Arsenal sign £50m Ben White and want Bellerín and Xhaka to extend contracts
ベレリンはインテルと交渉中で、アーセナルがローンのオファー(買取オプションつき)を認めるかどうかが移籍実現のカギということで、ベレリンへの契約延長オファーもまた現行契約を浪費して選手価値を落としたくないということのようだ。
ただ、こちらはジャカと違うのはヘッキーがまだ26才と若いということ。
アーセナルは同時にインテルと、いま話題沸騰中のLautaro Martinezの件でも交渉中ということで、ベレリンはこの案件に関連した動きがあるかもしれない。
しかし、こうして見ると、すべての案件がうまくいかないのは、やっぱり選手が売れないからなのよね。
ジャカが希望通りの金額で売れていれば何も問題はなかったし、ジャカが売れればMFの補強ももっとはかどっていただろう。Lautaro Martinezもエンケティアやラカゼットが順調に売れれば躊躇はなかったかもしれない。
冷え冷えである。
PS
今晩チェルシー戦。有料配信。チャリティ。観よう。
ジャカが争奪戦にならないのはやはりそこまでのプレイヤーじゃないと言う事じゃないでしょうかね…
これまたコメント欄が荒れかねないような…笑
個人的には、ガツンと言ってくださるチェンさんは気持ちがいいです
さて、他のチーム、例えばサッスオーロにジャカがいたとして、欲しいってなりますかね…
はっきり言って、微妙でしょうね。
クラブもファンも、ジャカとベジェリンを売ればそれなりの移籍金になると想定してたと思う(僕もだ)。でも実際には2人で1200万ユーロ。。。ハキミを売って大金を得た直後のインテルが1ユーロも払わないくらいだから、他は推して知るべしだと思う。
とはいえどうするか?
ジャカを残したとしても、攻撃時3バックのジャカ・マリ・ホワイトという並びはあまり見たくない。左サイドに大穴を作る割にはメリットが少なすぎる。マリは2CBで左に開かせても上手いんだし。
ジャカをこのチームに残すとすれば、やっぱりスイス代表みたいに完全なレジスタにするしかないんじゃないかと思う。IHとしては足が遅いんで限界のあるやり方だけど、ジャカが関わってるチームの中ではあれが一番機能してる。
僕はジャカが好きなんでずっとこういう布陣を夢見てきたけど、それはジャカがもう一回り成長してこその話で。。。とても微妙だ。全然喜べない。
個人的にはジャカは今のアーセナルがやってるように
手取り足取り介護してあげるような価値のある選手だとは全く思わないけど
セリエならいかにも活躍しそうなタイプだとは感じる
延長とか意味不明だから売るべき
ジャカは契約延長した上でローマにローンなんじゃないでしょうか
あるいは交渉上のブラフ・・・?
あージャカ残留かぁぐらいの受け止め方をしてたらまさか新契約とは…。真面目で熱くて頑丈な彼はとても好ましい人物なんだけど中盤の要としては限界見えてるというか。トップ4に返り咲く為にはこのポジションにクォリティのある若い選手が欲しかった。その若者の成長を後押しするような立場でしばらくジャカが助けてくれるのが理想だった。