チャンスを掴んだのは誰だ?
プレヴューで、バックアップの選手やアカデミーの選手たちは、この試合でやっと得るだろうわずかなチャンスをつかまねばと書いた。
明暗が別れたように思う。どうだろう。
もっともチャンスを活かしたのは、もちろんエディ・エンケティア。
彼がここで平凡なパフォーマンスに終わって、誰の印象にも残らなかったらと思うと、この試合のインパクトは彼にとってもやはりかなりありそうに思える。アーセナルでのキャリアに影響するかどうかまであるか。もしかすると、将来彼がAFCでブレイクし、われらファンも、この試合のことをあとでターニングポイントとして懐かしく思い出すときがあるかもしれない。
パティーノはたしかにチャンスをつかんだが、あれ自体は、彼のMFとしての能力とかスキルを発揮したとか、類まれなセンスを見せたみたいなプレイではなかったので、そういう意味でチャンスをつかんだとは云いにくい。むしろ、スター選手が持つカリスマ性みたいな側面のほうがフォーカスされそう。彼はこの試合どうこう関係なく、今後も大事に育てられていくだろう。
この試合でチャンスを得て、アルテタを見返さなきゃいけなかったのは、ぺぺ、レノ、セドリック、ホールディングあたりか。
とくにぺぺ。彼は今回もやっぱりぺぺらしいぺぺだった。
試合後、ぺぺについて同意せざるを得なかったのがこのtweet。『Telegraph』のフットボールライターSam Dean。
Pepe’s Arsenal career summed up in one minute. Loses the ball stupidly at one end (Arteta literally covered his face with his hands) and then gets a glorious assist at the other.
— Sam Dean (@SamJDean) December 21, 2021
ペペのアーセナルでのキャリアが1分に凝縮されている。一方では愚かにもボールを失い(アルテタが文字通り両手で顔を覆った)、他方では輝かしいアシスト。
今回の試合の彼はまったくこれの連続だったなと。良いプレイと悪いプレイが交互にやってくる。
雑なプレイで簡単にボールを失ってスタンド中のため息を誘ったらと思うと、そのつぎは才能あふれる素晴らしいナツメグでチャンスをクリエイト。みたいな。最低のプレイと最高のプレイを同時にやる漢。
この試合の彼はG1 A2で結果はすばらしい。でも、これでアルテタの評価がなにか変わったかと云えば、まあそれはないだろうと。だって、いつもとほとんど同じだ。
もっと以前なら、彼の守備貢献(この試合でもいい守備はいくつかあった)も評価しなくちゃいけなかった。でも、いまはもうそういうフェイズではない。
とくにいまはブカヨ・サカとの競争に勝たねばならない。彼には非常に高いハードルだ。
セドリックとホールディングはふたりともよかったと思う。ただ、それぞれトミヤス、ガブリエルと競えるかというと、それはさすがにどうか。
セドリックは見せ場もたくさんあって、悪くないオプションではあると思う。ただ、あのポジションはいまはほとんどチームプレイの中心なので(フルバックが最多タッチの試合が当たり前に)、もう特別な選手ではなければならない。トミヤスが特別な選手になりつつあるなかで、セドリックが直面しているハードルも非常に高い。
ということで、この試合で確実に少ないチャンスをつかんだと云えるのは、エンケティア。彼にはよかった。
ヌーノ? うーん彼もいつもどおりの花道? 試合の最初でバロガンと合わない、ESRと合わないみたいなシーンが連続して、やっぱり期待を裏切らないなと。全体的には悪くなかったとしても、アルテタの評価にとくに影響を及ぼしたということはなさげ。彼はこれまでどおり、KTと高いレヴェルでポジションを競えれば。そして意外性あふれるプレイでファンを楽しませてくれれば。
その他試合について
- アーセナルがスペイスを与えすぎもあったが、サンダランドは思ったよりよかった。ラフプレイはいただけない
- 試合のプレイでちょっと気になったのは、セドリックのオーヴァーラップ。ぺぺがボールを持ったときに背後に走り込んでいくやつ。トミヤスは基本的にうしろに残ってサカと連携してワイドを攻略するみたいなプレイをほとんどしないが、ウィンガーがボールを持ったとき、やっぱりふつうにFBのオーヴァーラップが効くなと。セドリックが深く侵入してクロスボールを入れたりとチャンスをつくっているし、ぺぺはそれでゴールまでしている。左サイドではNTのオーヴァーラップも何回かあった(彼はどちらかというと内側に走り込みたがるが)。ぺぺも毎回孤立させるよりは、ときどきでもFBの協力があったほうがプレイのヴァリエイションも増えて相手も出し抜ける。レギュラーのチームでもあれをもっとやればいいのに
- この試合のアーセナルのなかで唯一乗り切れなかったのは、バロガンか。カードもフラストレイションの結果という気がした。試合後にはやっぱりローンに出してレギュラーフットボールを与えるべきという声が多数。アルテタがエンケティアにかなり期待しているところを見るに、やはり1月にローンか
- 最近のアーセナルはバックからのプレイで相手をわざとひきつけてビルドアップする余裕も出てきた。あれがうまくいくとゴールまでいく。今回はならず
- オーデガードがどんどんよくなっている。エンケティアの3点めのプリアシストのスルーボールにはしびれた。あれがぺぺの足元ではなく、DFの背後スペイスというのがセンス
- ベンジャミンの落ち着き
- Oooohhh Charlie Patino!
この試合については以上
カラバオカップQFの結果
ほかの3試合は今日開催。アーセナルはひとあし先に勝ち抜けた。
セミファイナルのドロウは、今晩ToTとWHUの試合が終わってから行われる模様。
またいいドロウになるといいすね。
つぎの試合はすこし時間があく。日曜のPLノリッチ(A)。今シーズンの彼らは圧倒的最下位なので、さすがに結果を出してくれるだろう。心配なのはさらにCovid感染者が増えること。替えの効かない選手だけはやめてほしい。
ところで、カレンダーを観ると、その後の試合がなんと中一日でPLウォルヴズ(H)とある。中一日? つぎは元日のシティ(H)まで中三日。なぜこのような偏った日程になっているのか。
ではまたプレヴューで。
COYG!
エンケティアは狙ってあの位置にいるのがすごいと思う。普通あんな所でグラウンダーを受けようと思わないし、受けたって大したことはできそうに見えない。でもそこからGKのタイミングを外したボールをコンッと。ああいう変な回転のボールが一番止めにくいってGKの話を聞いたことがある。でまたああいうプレーに絶対の自信を持ってるのもいい。
1年くらい見ない間にずいぶん首やら肩が太くなってる。相当体幹を鍛えてるんだと思う。グラウンダー勝負に限れば十分トップレベルで通用すると思うし、またそういうCFが機能するのはウチとシティくらいなんだから、あまり他所に行くメリットがないと思うんだけども。
お疲れ様です!
バロガンは序盤にいくつかチャンスがあっただけに悔しいでしょうね。。周囲の同世代がブレイクしまくってることに焦りを感じないで欲しいです。
ペペは評価が難しいですよね。。得点シーンでも本人の表情が硬いままだったのも気がかりです。終盤には笑顔も見られましたが。
個人的には、レギュラー陣とサブメンバーの差はやはり大きいように感じました。それでも4点目のような美しい得点も見られたし、どんどん底上げしていって欲しいですね。
ンケティアの活躍は正直相手が弱かった、緩かったからの気が。後ろ向きでプレーするのがうまくないと今のアーセナルでは大分厳しい。マルティネッリがCFだと消えるのはそのせいだし。まだ、比べるのが申し訳なくなるぐらいラカゼットが上。アルテタがそのことに気付かず、素朴にンケティアを優先してしまわないことを祈る。
うーん、自分も改めてエンケティアはトップチームのFWとして難しそうと思ってしまいました。
リンクアップ、狭いライン間の攻略、列落ちで周囲を活かす、強度の高いプレス、FW、トップ下に求められるプレーはいずれもエンケティアが得意とするプレーではなく、かといってサイドのマルティネリ的な起用も、、
ただユース時代から抜群の成績を残してる、その素晴らしい得点感覚は既にトップリーグで活躍できるモノと改めて思ったので、うーん、、個人的には放出→アーセナル外での活躍だとやっぱり思います。
ただ前線はエンケティア放出できるほどスカッド厚くないんですよね。
バログンはまだまだ時間かかること見せましたし、ぺぺは、、ぺぺのままですし 苦笑
まあそれでもぺぺ、加入時から比べれば大分改善してますけどね。意図のないタッチ、ポジショニング、ボディシェイプとかホント。
反面守備陣は良かったんじゃないでしょうか?
ホールディングは第3CBとして準備OK、タヴァレスは誰組もうが自分のプレーしますし、ソアレスも富安とは異なるキャラクターですが、なかなかのパフォーマンスを。
とりあえず冬は前線の歪な状況改善できたら吉ですかね。あと守備的な中盤。
パティーノくんおめでとう!!