この試合は、今回のフレンドリーのなかでもいちばん面白かった。もしまだ観てないひとがいたら、週末にでもゆっくり観るのをおすすめしたい。バルセロナに5点ぶっこめば気持ちはいい。
とはいえ、ぼくはバルサをかなり久しぶりにしっかり観たんだけど、なんだかもうふつうのチームになっていたな。ロングボールもよく使うし。あれだけ強烈な個性を放っていたチームが、大幅に主要な選手が入れ替わっていまやただの<ふつうの強いチーム>になってしまったみたいな。まあ、腐ってもバルセロナなので、勝てばうれしいけどね!
この試合のアーセナル的なみどころとしては、ここしばらくアーセナル界隈で話題になっている「予測不可能になる」があって、その部分でもけっこう興味深いものがいろいろ観られたと思う。
試合を振り返ろう。
Trossard double as Arsenal hit five past Barcelona
アルテタの試合後コメント「もうここはホーム」
試合直後のインタヴュー。AFCオフィシャルサイトより。
アルテタ:とてもいいフィーリングが残った。チームが感謝を述べるいいやり方でもあった。なぜなら、われわれはずっと最高のかたちでホストされていたのだから。グレイトなときを過ごせたし、LAではRamsの施設も使えた。これがわれわれのオーナーシップであり、彼らにとっても特別な日になった。
彼らは、われわれがここに来るために多大な労力をかけてくれた。このアメイズィングなステディアムでプレイするのは素晴らしかった。わたしは、こんなのは観たことがない。選手たちもここに来るのは特権だったと云っている。
もちろん、これはプリシーズンだ。だが結局はとてもとてもコンペティティヴになった。バルセロナのようなチームとプレイするなら、やらねばならない。今日の選手たちは素晴らしいレヴェルを示したと思うし、たくさんのポジティヴなことをした。インテンシティ、渇望、クオリティ。とくに攻撃のときはとてもよかった。
(17万人以上を動員した10日間)これはチャレンジだったと思う。たくさんの移動があり、たくさん適応すべきことがあったから。しかし、チームはいろいろなとき、いろいろなピッチ、暑さ、相手に適応する大きなキャパシティを観せたと思う。とてもいいテストだったが、わたしは結果にはとても満足している。
それと、われわれは来てくれたサポーターたちを観て、ステイツはもうかなり変わってきたと感じている。3つの都市、ワシントンDC、ニューヨーク、そしてLAに行き、どんどん大きくなっていった。だから、みんなに感謝したい。もうここはホームにだと感じているから。
アルテタが「ピッチへの適応」について述べている。どうもこの試合が行われた「So-Fiスタジアム」はピッチ状態が劣悪で、30分ほど試合開始が遅れたのもそのせいだったようだ。ウォームアップのときに、選手たちからボールがバウンスすると苦情が出たとかで急遽、グラウンドの整備を行ったとか。どんだけ。ここは、KSEが所有するLA Rams(NFL)のホームであり、やはりアメフトとサッカーではピッチに求める基準が違うんだろうか。
ポストマッチプレッサー。AFCオフィシャルサイトより。
(必要とあらばフィジカルになれる……)
アルテタ:フレンドリーマッチにしては、非常にコンペティティヴな試合だった。最初のタックルのあと、最初のゴールのあと。もちろん、7万人のファンが雰囲気をつくってくれた。彼らはエリート選手であり、みんなが勝ちたがっている。そして最後には、フレンドリーにしては多少やりすぎになっていった。
しかし、わたしが思うに、われわれはここに試合を観に来てくれたひと全員にそれを観せたということで、それはとてもよかった。
(フロ・バロガンの不在……)
彼は使えなかった。足にちょっとしたケガがあった。チームとトレイニングもしていなかったし。それが理由だ。
(フロはこのチームのなかで役割はあるので?……)
イエス。われわれは観なければならない。まず、彼はフィットせねばならないし、プレイする準備ができていなければならない。
(これが今シーズン観ることになるアーセナル?……)
これがライヴァルに対しやりたいプレイ。われわれは自分たちができるプレイをする。しかし、どの場所に行っても同じようにプレイするだろうし、全力を出す。
(シャビは試合のインテンシティに驚いていた?……)
結局、フットボールというのは選手のものだ。われわれは7-8万人の前でプレイしているし、そういう意味では、試合が始まったらすぐに彼らはコーチに反抗して、最初のファウルのように、彼らのやりたいことをやる。最初の試合で、彼らはよりインテンスになり始めるし、プレイを始める。
(すでに強いスクワッドがあるなか移籍の可能性は……)
われわれには30人の選手がいてこれは維持できない。そしてもちろん市場はまだ開いているし、ことも起きうる。われわれは備えている。
われわれは、いまのスクワッドにもたいへんに満足している。試合のなかでやりたいことにおいては、もちろんわれわれにも進歩の余地があるし、それをしなければならない。全体的にわたしはチームにはとても満足しているよ。
(スクワッドでゴールをシェアしていることが大きなインパクトになる?……)
わからない。われわれはできるだけ多くのゴールをする必要がある。もしチームに25、30、40ゴールできる誰かがいれば、それはグレイト。今日はガビーはゴールしなかったが、数ヶ月ぶりに観る彼のベストだった。
繰り返すように、彼にはエナジーがあり、信念があり、たくさんのケイオスをつくり、たくさんのいい時間をつくる。彼はみんなをよくし、そのことがわたしはとてもうれしい。
カイの貢献もある。なぜ彼がプレイするのか。彼はレオとともに、あのポジションのなかと周辺であのクオリティがあり。われわれにはアプフロントでたくさんのオプションがありつつ、お互いに競うことになる。そしてわたしに難しいときをもたらす。
(ライスとジンチェンコの不在……)
デクはトレイニングでしたたかに足を打って、リスクをかけたくなかった。彼は昨日と今日ふつうにトレインできず、だからわれわれは彼をプレイさせないことにした。
アレックスは、残念ながらまた筋肉のケガだ。彼は回復していたし、すぐに戻ると考えていたが。ツアー全体で彼が使えなかったのは残念だ。
(今日のトロサールのプレイについて……)
彼がゴールしたのはグレイト。彼はずっとハードワークしていたから。彼は、このプリシーズンのためにとてもいいコンディションで来ていた。彼は、チームのウィンガーたちとはかなり違うものをもたらせる選手であり、素晴らしいヴァーサティリティを持ち、複数ポジションでプレイする予測性(predictability)もある。グレイトだったし、彼の自信にもいいはず。間違いない。
今回の試合が「インテンス」だったという件。試合終了直後に、バルサのボスがアルテタに「CLの本番じゃないんだから(激しすぎる)」と伝えたという。
この試合については、正直バルサのほうが危険なタックルをやっていたと思うし、そこまでお互いのアグレッシヴさに差があったとは思わないが。彼らはこのオフシーズンで初のフレンドリーマッチだったのに対し、われらは4試合めということもあって、フィットネス(フィジカリティ)はたしかにそれなりの差があるようには観えた。ファウルも22 v 12と、先日のマンU戦を想起するような対比的なスタットになっている。
あるいは、それがリーグの差という声もある。PLでは当たり前のことがラ・リーガではそうじゃない。マンU戦はあんな内容でも、試合後のアルテタは「コントロールするのはレフの責任」として、ETHには文句ひとつ云わなかった。
それにしても、彼らとはCLの本番であたりたいですねえ。
レアンドロ・トロサールの試合後コメント「素晴らしい10日間だった」
G2で大勝に貢献。MVPの試合後インタヴュー。AFCオフィシャルサイトより。
(パフォーマンスにどれほど満足できる?……)
トロサール:イェア。もちろんとっても満足してる。ポジティヴな調子で終えたかったし、それを世界最大のクラブのひとつに対してやれた。だからこの勝利はみんなとても喜んでる。
(もっとゴールできた?……)
そうだね。でも、もうたくさんゴールしていたし、それには満足しないと。いくつかナイスなゴールもあった。だからそれを楽しもう。
(アーセナルで初めてのプリシーズンだった……)
みんなとフルのプリシーズンがあれば、それはいつでもとても役立つものだ。素晴らしい10日間だったし、云ったようにポジティヴな調子で終えたかった。ぼくらはそのことに満足しているし、これでロンドンに帰れる。
(USAツアーではどれほどハードワークした?……)
たくさんだね。ぶっちゃけかなり。ぼくらはできるだけいいかたちで準備したいし、チームは正しい道を進んでいると思う。それを継続したい。
(またエミレーツでサポーターたちに会える興奮……)
とてもワクワクしている。ステディアムで彼らがぼくらになにをもたらしてくれるか、みんなわかっている。楽しみにしているよ。
アメリカなのでMVP。
This evening’s MVP ❤️ pic.twitter.com/WWzsSy4sVE
— Arsenal (@Arsenal) July 27, 2023