PLも残り6試合。アーセナルのMD33は、ウォルヴァーハンプトンへ。
アーセナルはいまだに接戦でタイトルを争うなかで、PLヴィラ(H)、CLバイエルン(A)と2連敗し、かなりタフな状況にある。フォーム的には逆風が吹いているところながら、ここで踏ん張ってタイトル争いにとどまれるかどうかが問題だ。
今回対戦するウォルヴズはまた、たいへんにトリッキーな相手。現在の場所こそミッドテーブルではあっても、今シーズンもビッグチームに強いところを観せている。まったく油断できない。
アルテタの試合前コメント「残り6試合に完全に集中」
昨日行われた記者会見。AFC公式サイトより。
(この一週間を振り返り……)
アルテタ:最高とは云えない経験。リーグで敗け、CLで敗けた。だが、わたしは今後の6試合に完全に集中している。シティには1試合差しかないし、マジで挑むつもり。
(ウォルヴズのアウェイという試合のコンテクストについて……)
コンテクストははっきりしている。勝てばわれわれがトップオブザリーグ。それがコンテクスト。それ以外にやる気を求める必要はないし、頭をはっきりさせて試合に臨む。われわれの目的はとてもとても明快である。
(Sir Chips Keswickが亡くなってしまった……)
彼の家族にも、わたしはとても感謝している。彼がチェアマンだったときわたしはキャプテンで、彼の人となりはとても尊敬されていたし、クラブ周辺でとても愛されていた。彼は、このクラブを前進させつづけるために、たくさんのすごいことをやった。安らかに眠ってほしい。
(チームの精神的な成長についてはどう観ている?……)
これは非常にずっとインテンスな旅だった。このようなレヴェルでトップで戦うにふさわしいチームだ。だから、そういうことも経験していく必要がある。
この仕事、この業界は、コンスタントにレジリエンスとエゴを試される。ものごとがうまくいくときもあれば、うまくいかないこともあるし、それを操作して、そうした時期を自然にやりすごさねばならない。コンテクストを理解し、ポジティヴ面を観る。
それが自分たちにできるベストなこと。学び、前を観る。
(ティンバーがチームに戻ったときの役割について……)
彼は試合や選手状況に応じて、左右のフルバックでプレイする。
(サカとオーデガードが標的になることにどう適応する?……)
彼らは、すべてのベストプレイヤーたちがそうであるように、つねに標的にされている。だから、われわれは彼らを助けるために、つねに試合を準備している。
もし相手がわれわれを止めようとして、あることをやってくるのなら、違う道、スペイス、コンビネイションを探すことになる。
これは旅。なぜなら、そこにはいつだって相手の挑戦があり、こちらはそれに適応してワークさせねばならないから。
(この試合はティンバーには早すぎる?……)
早すぎる。彼はU-21の試合をプレイすることになるだろうし、そのあとは彼の様子を観る。
彼はトレイニングでは非常に良いが、ここからはラストステップだ。彼が準備できているか、その確実性を観ていく必要がある。
(ほかのみんなは大丈夫?……)
ほかは全員よい。
(最近のつまづきを昨シーズンと比較すると?……)
見ての通り。それは受け入れねばならない。とくにホームでのバイエルンは、とても違う結果になっていた可能性がある。アウェイであっても、こちらのほうが良いチームだったとわたしは思う。われわれが、試合に勝っているべきだった。だが、それをせず。後半に代償を支払うことになった。そこから前へ進まないと。
そのことばかり話す必要はない。ウォルヴズで、われわれがこの状況をひっくり返すために何を考えているかを示すことだ。とてもポジティヴに見える。
(もし明日勝てなければ?……)
わたしはそれは考えない。明日勝つことを考えている。もしもはないんだ! 悪いね!
(ギャップを縮めたい、脱落したくない……)
結果がよくなかったのはたしかだ。ほかで経験してきたことや、ほかの状況ではとてもよいし、とてもうまくやってきた。明日のウォルヴズで、われわれがどれだけいいかなど誰にもわからない。わたしにもだ。だから、誰も知らないのだ。
(FAカップが再試合を廃止……)
そこだけを単独にして観ることはできないが、この先の数シーズンのカレンダーで、選手たちの試合量を考えれば、それはとてもよい可能性がある。
(FAカップの再試合が廃止されたことに抗議しているEFLクラブには同情する?……)
わたしはどの観点も理解する。わたしの観点は、選手を守ること。この2シーズンで選手たちがプレイした試合の量はよくなかった。
もし彼らがこのあとの2年もまたそんなにプレイしなければならないなら、健全でないのはたしかだ。だから、そこかでカレンダーを削減する必要はあった。
(アーセナルはKloppのリヴァプールと似たような足跡をたどっている?……)
それがわかるのは、もっと強くなって、このリーグでかつてないベストチームともっと接戦をするようになってからだろう。それはいまじゃない。しかし、PLの歴史的に、マージンがどれくらいかはわかる。
そして、この24ヶ月でわれわれがトップにいた時期はとてもとても長い。そこにはとどまるか脱落するかのふたつの道しかない。
勝者はひとりだけ。だから、その混戦のなかで勝ちたいのなら、どんな状況にも対処できなければならない。なぜなら、すべてのことが失望ではないから。しかし、7年も遠ざかっていたCLにいたいのなら、2年連続でリーグを戦っているなら、それはいったいどんなチームなのか、ということ。
(ゲイムタイムを与えていない選手がいることに後悔はある?……)
それも可能性だ。試合に敗けたときはつねにそれを云われる。われわれがブライトンを倒したとき、信じられない週になり、みんながわれわれがリーグを取るんじゃないかとうわさした。誰もそれは問わなかった。
だから、それはこの産業の一部なのだ。
(Gary O’Neillのウォルヴズでの仕事……)
信じられないほど素晴らしい。彼らがどれほどよくコーチされているかわかるだろう。チームにはスピリットがあり、どの相手にも困難を強いている。とても強いチームだ。明日はとてもタフな試合になるだろう。
われわれもこの2日間はとてもいい準備をしている。今日も素晴らしいトレイニングセッションがあった。
(4月の悪い結果への批判について……)
かなりされているね。なぜなら、それはマージンのおかげであり、競っているものがこの月と5月で決まるからだろう。だが、それ以前、9ヶ月間のあいだは極めて安定していた。ここから、われわれにできることを観てもらおうじゃないか。われわれは、PLを勝つために戦っている。
(試合に敗けたあと何が悪かったかわかるまでどれくらいかかる?……)
1分以内にわかることもあるし、1年後のこともある。なんとも云えない。
そして視野も変わる。試合直後の印象が、2週間後3週間後には全然違うようになることもある。
間違いなく、それはやらねばならないことだ。それが学びを促進し、改善されるから。次回の決め手となるよき道具になる。
(このカレンダーで選手たちにかかる要求への不安……)
イエス。あきらかにカレンダーは、要求が高くなりつづけている。より多くの試合、コンペティション、少ない休息。
だから、われわれにはふたつのオプションがある。それを拒否するか、あるいはそれについていくためにスクワッドに選手を増やすか。それをやるには、財政的なキャパシティももっとよくなければならない。レヴェルを落とすことはできないから。
われわれには、PLの信じられないようなレヴェルがある。チームが競い合うなかで、レヴェルを落とすことはできない。
われわれは解決策を見つけねばならないし、選手たちもより注意深く耳を傾けねばならない。なぜなら、主役は彼らなのだから。
(困難な週を過ごした選手たちにかけることば……)
彼らを完全支持。ともにここまで来た旅への大いなる感謝。4月を迎えられたことにありがとう。CLのQFもとても惜しかったし、PLの歴史上でもベストチームと競っていること。この8年でもベストなコンペティションでリヴァプールとともにそこにいて、それを勝ち取るチャンスがある。
つまり、彼らがやってきたすべてのことにとても感謝している。信じられないようなことだ。
(日程による疲労が大きな影響を与えている?……)
相手だってそういうこともある。相手がとてもいいプレイをしたら、それを称賛せねばならないし、チームがプッシュしないのは、正しい決断をしなかったわたしに責任があることもある。選手にスパークがないこともだ。
だが、もしわれわれがヴィラの前半に2ゴール、3ゴールしていたらそれは起きなかったのだ。あるいはバイエルンで、われわれがブライトンでやったように2-3決めていたら。
そんなの誰がわかる? フットボールではそのようなゲイムステイトがとても重要なのだ。それを認識する必要があるし、そのときだけを切り分けずに評価をすること。単純なことだ。
(最近の試合結果は選手たちのプレイ時間の量のせい?……)
わからない。バイエルンのスケジュールとわれわれのスケジュールを観れば、彼らの試合の量、9日前に10人を休ませたこと、3日前の試合の結果、それは違う。
しかし、こうしたリーグでは、相手はやるべきことをやる。試合をキャンセルするとか、CLのために選手を温存するとか。そして、われわれはそれをやっていない。われわれは、それどころか、もっともっと自分たちにプレッシャーをかけている。
これが、われわれにあるものだ。いい訳じゃないよ。現実だ。
(PLもほかのリーグと同じようにスケジュールの変更が許されるべき?……)
同じコンディションで競いたいとは思う。われわれも、少なくとも試合間で同じ量の回復ができていたら。それが、われわれにできる最低限のこと。
会見のつづき。
- Perspective on a wider scale: I showed my son the newspaper from two weeks apart, Brighton then Bayern, it looks like it was 3 years apart.
- Found the words for the players and staff: At the end it’s difficult to say. Keep moving forward.
- You could be four points clear when city next play: That’s a great question keep going. All we can focus is winning our games.
- Keeping pressure on city: if we win we will put pressure on them.
- I don’t know how long it’s going to take. We earned the right to be in the UCL.
- Closer to doing that: We were close. Look at how Bayern behaved against us? That’s credit to us.
- Different psychologically?: they should be grateful for the weekend we’ve had. We want to be leading in these weeks.
- Focused on the target?: Yes. We deserve to be in the best state on Saturday.
- premier league putting itself in trouble?: I’m sure the players will squeeze all the energy out.
- At the end it’s about winning football matches. It’ll be down to who’s the best.
- Squeeze the most out of the city?: That’s what we’re doing with them!
以上
さすがに今回の試合は、例のローテイション問題に関するやりとりが多い。論点は昨日のエントリにだいたい書いたと思う。
アーセナルのシーズン終盤のガス欠とローテイション | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
アルテタは、試合に勝っていれば、誰もそんなことは問題にしなかったはずだと云うが、その試合に勝つ確率を上げるためにどうするかという話なのだよね。単試合だけでなく、シーズンを通して。
ある時期に、選手たちに極端に高負荷の影響が出てしまわないように、チームの競争力を保ちながら、どう負担を分散して平準化して、疲弊のリスクを回避するか。
まあたしかにヴィラもバイエルンもそこまで差のない試合だったから、どちらも勝って我が世の春を謳歌して、いまごろやっぱりアーセナルは選手たちも経験を積んでタフになったねなんつって喜んでたかもしれない。だが、現実はそう甘くなかった。
「それがこのゲイムの美しさ」。むしろ、ミケルが云いそうなこと。