おはよう。
今朝起きたら、アーセナル界隈はわれらがキャプテン、マーティン・オーデガードのケガで大騒ぎだった。
Martin Odegaard went off injured in Norway’s game against Austria.
Arsenal’s injury list is growing… and these are their upcoming fixtures😳#BBCFootball pic.twitter.com/YfLwcz8g43
— Match of the Day (@BBCMOTD) September 9, 2024
このIBが開けると、アーセナルには、PLトトナム(A)、CLアタランタ(A)、PLマンシティ(A)と、シーズン最大級のタフな一週間が待っているところ。オーデガードの状態によっては、少なくとも今週末のToTは、メリーノ、ライス、オーデガードというアルテタが今シーズン考えていたであろうレギュラートリオが全滅という危機的状況に陥ることに。
天変地異か?
IBでマーティン・オーデガードが足首をケガ
オーデガードはノルウェイ代表として、ネイションズリーグのオーストリア戦に出場、63分あたりで相手のボールの競いに行ったときに足首をひねった様子で、途中交代を余儀なくされたという。
Ødegaard off with an nasty injury. Screaming in pain. Doesn’t look good at all.
Hate internationals with a passion 🤬🤬pic.twitter.com/SfRgnRoEAn
— 🇳🇴 kimmoFC (@kimmoFC) September 9, 2024
映像を観てわかるように、相手選手とボールを競ったときに、左足の足首を内側にかなりひねっているようだ。そして、この痛がりよう。オーデガードは、ふだんから痛みをアピールするようなタイプではないので、よけいに真実味がある。
Worrying scenes at Ullevaal Stadium. Seems that our captain Martin Ødegaard twisted his ankle. Just had to leave the pitch unfortunately … pic.twitter.com/JEPoT0KUi8
— Jan Aage Fjørtoft 🇳🇴 (@JanAageFjortoft) September 9, 2024
フィジオに連れられてピッチをあとに。いちおう歩いてはいる。
ノルウェイチームのボスコメント「ロッカールームでも痛そうにしていた」
試合後のStåle Solbakken。
Solbakken:(彼はかなり痛そうでした)ロッカールームでも痛そうに見えた。
(彼は痛みで地面に足をついて歩けなかった?)彼がフィジオに囲まれているところを見たし、もうつづけることはできなかった。
おそらくは足首の捻挫で、フットボールをプレイしていたひとならわかるだろうが、靭帯断裂がなければ大丈夫な可能性もある。
アルテタがお褒めの電話をくれるかはわからないがね。
冗談を云っている場合ではない。
チームドクター。
Ola Sand:マーティンはいまは大丈夫。彼は多少足首を捻挫した。今晩と明日どうなるか見ることになる。今後どうなるか、われわれが何をやれるか。超音波を使うかもしれない。それでもわからなければ、明日MRIになるだろう。
ロマーノによれば、アーセナルも即座にノルウェイチームに問い合わせを行ったとのこと。
Dr. Rajの見立て
おなじみのグーナードク。
Looks like left ankle inversion (lateral ankle sprain) for #Arsenal captain Martin Odegaaard. Hard to tell severity of these based on video or pain response but at best case (grade 1), he’s day to day and race to fitness for the NLD. Was able to walk off which very likely rules… https://t.co/ek1XRWGt3m
— Dr. Rajpal Brar, DPT (@3cbPerformance) September 9, 2024
Dr. Rajpal Brar:オーデガードは、どうも左の足首が裏返っているように見える(足首側面の捻挫)。動画や痛みの反応から、それがどの程度深刻なものか判断するのは難しいが、もっともよいケイス(grade 1)であれば、NLDに向けてフィットネスを日ごとに整えていくことになる。
歩いてピッチを出ていけたということは、腓骨骨折の可能性はかなり低い。
よりくわしい情報を待っている。何事もなければいいが。
Dr. Rajはこのケガについてもうちょっと詳細な説明をredditにポストしていた。
もうtwを見てくれたひともいるかもだが、もうちょっと詳しく説明しよう。
<当初の見立て>
足首捻挫の裏返り(内側に足首をひねる)は、足首の外側側面の靭帯(主要な3本がある)に圧迫を与える。
彼は体重を耐えることはできた(彼自身4歩あるき、そのあと部分的な介助を受けながら、それでも体重は支えられた)。これは通常は骨折の可能性は排除される。詳細はOttawa ankle rulesを参照のこと。
足首のケガに関しては、動画や痛みの反応は頼りにならない。
<その後>
医療チーム(Dr. Sand)は、「小さな捻挫」だと述べ、骨折については言及せず。超音波の実施と、明日のMRIの可能性についてはあるかもしれないと云っていた(これは通常は症状が予想外のときに行う)。
「小さな」とは漠然としているが、私見では、それは大きなケガは免れていることを意味しているように思う。
足首の捻挫は、初期の段階では評価が難しいことがある。すぐに状態が変化するときがあるし、診断は複数の要素によって行われる。それは、痛み、機能不全、腫れ、触診、画像処理など。 後者は足首外側部ではそれほど信頼できるものではないため、複数の要素に頼ることになるし、場合によりMRIの実施を決めるのもそうした理由から。
マーティンはよくなっているという、新しい記事もあった。よい兆しではあるが、カギは明日の朝に彼が起床したときにどう感じるかだ。
<復帰までに要するタイムライン>
- Grade 1:数日から2週間までさまざま。ケガの度合い、処置への反応、活動の進捗に非常に依存する。だから、NLDでプレイできる可能性もある
- Grade 2:通常2-4週間
- Grade 3 (完全な骨折):通常4-6週間。もし4-5週間たっても足首がまだ不安定なら、そのときは手術も
Gradeというものは、タイムラインを思い描くにはナイスなものであるが、ケガとはつねにはっきりしないもの。ほかのものより、もっとスペクトルなものと考えるべき
もっと詳細がわかれば、アップデイトしよう。
選手の年間スケジュールは、こうした状況を生み出しやすくするだけだ。
一日たって、本人の様子を見ないとわからないということやね。ここからの試合は、NLDだけでなく、CLアタランタやPLシティも控えているので、Grade 1のもっと軽いケガであることを祈るよりない。
ところで、ドクターの説明の最後にもあるように、フットボール選手の仕事量の多さについてはいまちょっとした注目を集めていたトピックなので、今回のことでそれが想起されてもおかしくはない。
というのも、先週FIFPROという団体が、過密スケジュールによるフットボーラーの過負荷について詳細なリポートを発表し、話題になっていたのだ。日本のメディアもすでにそれを取り上げているかもしれないので、知っているひともいるかもしれない。サイトではリポートのPDFもダウンロードできる。
#FIFPRO’s latest workload report reveals the troubling impact of expanding competitions on men’s footballers.
⚠️ 54% of players face heavy workloads
📅 31% played 55+ games last season
🛌 <1 full day off per week for some
🚨 80+ games projected by 2025— FIFPRO (@FIFPRO) September 5, 2024
選手のウェルフェアというテーマでは、これまでも選手サイドから過密スケジュールの弊害については長らく改善が訴えられてきたが、このリポートはその訴えを強力に支援するものになるだろう。
ほんの一部だけ紹介すると、以下はリポートPDFからの引用。21才になるまでの負荷の比較。
イングランドでは、ベッカムとベリンガムで5倍という大きな差。これは試合数。まあベッカムもケガのイメージはあるので、比較対象ではフェアじゃないかもだが、ジェラードやランパードの倍以上と聞けば負担の度合いも想像できる。この手の話題でよく取りざたされる、非常に早熟だったウェイン・ルーニーに比べても、ベリンガムの負荷はもっと大きい。
ドイツも。こちらはプレイ時間比較。
フランス。25才まで。キリエンバッペと比較すべきはアンリだろうか。
日本。シュンスケやホンディ、カガワらとくらべてもタケクボが突出。
フットボールの中心であるヨーロッパからの物理的距離という意味で、よく南米選手の移動距離の負担への不満を聞くことがあるが、そんなことをいえば、日本や韓国のような極東もたいがいである。
PLで急激にケガが増えているというエントリは以前も書いた。
**********あわせて読みたい**********
23-24プレミアリーグでケガが急増中。増え続ける負荷に選手の身体は限界か | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
どうするアーセナルのMF??
それにしても、今回のオーデガードも不運だったと思う。相手に悪意があったようには見えないし。そういう意味では、先日のカラフィオーリの空手キックをくらったやつも不運だった。あんな不運あるのかという。
しかし、こうしてただでさえ選手の過負荷が長く問題になっているなかで、本来はアーセナルもそうした事故も想定したスクワッド計画をしていなければならなかったように思う。
だから、この夏の移籍ウィンドウでのやりかたは、シーズンを甘く見積もっていたんじゃないかと思わずにいられない部分もある。ネルソンからスターリングはいいとして、エディの代替は取らなかったのは、少々ギャンブルに思えた。ケガのリスクに備えるというようなことはアルテタも云っていたはずなんだが。
ともあれ、喫緊の問題はMFである。週末のNLDは、メリーノをケガで欠いていた状態で、ライスもレッドカードのサスペンションであり、ただでさえ誰にMFをまかせるかは議論になっていたところだった。
そこでさらにオーデガードのケガ。ライスとオーデガードは、いまのチームが絶対に失えないコアのなかのふたり。ライスのレッドカードや今回のオーデガードのケガを考えても、われらはなんて不運なんだろうか。
いま残っているMFは、パーティ、ジョルジーニョ。8にカウントするならハヴァーツも。トロサールも? MFではワニエリもいるが、アルテタが彼をどれほど頼りにしているか正直わからない。
最新の報道では、ジェズースがNLDに間に合いそうということで、やはりハヴァーツのL8がもっとも無難であり可能性が高そうだ。
問題はR8。オーデガードがもしだめだったときの代替。個人的にはワニエリ大抜擢&大活躍の流れがチームにとって怪我の功名で最高だと思うが、アルテタがアウェイのNLDのようなビッグゲイムでそうしたことをやるかどうか。
サカをそこで使ってほしいという声もある。サカはどこでもプレイできるから。そして、RWにスターリング。ToTは極端なハイラインなので(今シーズンは知らない)、マルティネリやスターリングのワイド起用は相手の脅威になれるのは確か。
ファン界隈では、ティンバーのMF起用、あるいはジンチェンコのMF起用も期待されているようである。フランス戦のカラフィオーリを観て、彼のInverted LBはとても見たい。
いちおう代替案は豊富にあるっちゃある。だが、アルテタがこれまでレギュラーをばっちり固定してきたおかげで、レギュラー以外の組み合わせは試合ではほぼ観たことがないものになる可能性がある。そこは正直不安。
いまはマーティンのケガが大したことがないことを祈るしかありませんね。
おわり