アーセナルのディシプリン問題が再燃
“North London is Red”ってうっさいわ。
PL8試合で3回め。アーセナルがまたレッドカードで10人になったことで、チームのディシプリンの問題が再燃したかっこうである。思えば、アルテタが来てしばらくしてから、レッドカードの多さは特筆すべき時期があったのを思い出した。
タイトルを追うアーセナルが度重なるレッドカードに悩まさているとBBC Sport。
Arsenal’s red card problem: Will discipline problem cost Gunners the title?
アルテタがアーセナルのボスになってからのレッドカードは、リーグでダントツのトップ(18)。今シーズンここまでの3枚がなくても、そもそも多かった。
下は、過去10シーズンのリーグ優勝チームのレッドカードの数との比較。今シーズンはアーセナルはたったの2ヶ月で、これまでの優勝チームの最多と同じ数(3)になっている。
もちろん、ここまでのアーセナルのレッドカードでは、さんざん議論になっているような理不尽なものは少なくないだろうが、ほかのチームも多かれ少なかれ似たようなことは起きているとすれば、やはりアーセナルはとくに多いのだろう。レッドカード未満という意味では、先日どの試合だったかカラフィオーリもギリギリで2枚めカードを免れている。あれも危なかった。もしあれば見逃されていなければ8試合で4枚だった。
したがって、このことに関して、われらはもっと気をつけねばならない。アルテタが云うように10人で不可能なら、それはもう持続可能ではないのだから。ましてやタイトルを狙うチームで。
アルテタはシティでペップ・グアルディオラの下、タクティカルファウルのようなカード覚悟のdark artsをさんざんやってきて、それをアーセナルにもインストールしているはずだが、同じようなことをやっていてもカードの数が違うのは、そのやりかたがまずいということなのかもしれない。ファウルをしても致命傷以前で済ませる技術が足りていない。セットピースコーチのように、dark artsコーチも雇うべきかもしれない。黒い技術を学ぶために。
アーセナルは、今シーズン受けたレッドカード3枚は、22/23、23/24の2シーズンを足したレッドカード(2)よりも多いという。このうちのライスとトロサールの2枚は今シーズンからとくに厳しくなっているルール(リスタートの遅延)の影響もあるが、いちおうどのチームも条件は同じはず。
これにはすぐにでも対処しないと。レッドカードのせいでタイトルを逃すなんて、考えるだけで腹が立つ。
マルティネリの自信をそぐ痛恨のショットミス
この日の、アーセナルの最大のチャンスはもちろん69分のマルティネリ。相手GKのミスから、ゴール前でボールを奪いシュート。ファーサイドに蹴ったボールは、相手GKに阻まれてしまった。0.36xGは、入れないとため息がでちゃうやつ。
このショットを決めていれば、この試合の流れは変わっていただろう。10人のアウェイチームが1-0でリードする。アツい展開で、チームも盛り上がったはず。きっと、信念は何倍にも膨らんだ。勝ちが信じられた。
ウォルコットはあのネリのショットについて、「彼は身体を早く開きすぎて、GKに読まれてしまった。考えすぎた」と指摘。それが、彼がゴール前でいま抱えている課題かもしれないとも。ああいう場面では、もっと本能的でいいという意見は、彼もかつての自分の姿を重ねているようで説得力がある。たしかに、ゴール前で判断を間違う最近の彼は、以前と違って、考えすぎのきらいがあるようには見える。
相手の1点めは、この手痛いミスの1分後だったからよけいに痛恨だった。アーセナルとしてセットピースでやられたのも痛恨。ボーンマスはうまくやった。
マルティネリは、いまがこれから自信を回復させていこうというたいせつな時期だ。彼はアーセナルでの初年度19/20(G10 A4)や、22/23(G15 A6)のような輝きを見せておらず、とくに昨シーズンは不本意な結果に終わった。
彼が自分で自分に目標を課しているとすれば、GAでシーズン20以上というのが現実的な数字だろうか。だが、それをやるには2試合に1回くらいはゴール貢献をやる必要があり、いまの彼には非常に高いハードルになる。
IB直前までは徐々によくなってきていたこともあり、なんとか復調のきっかけをつかもうともがいている彼には、つらいミスになった。あれを決めていればたいそう自信になり天国だったのに、決めなかったらまた自信を失って地獄になってしまった。フットボールとは怖いものですね。
彼やジェズースといった精神面で課題がある選手には、自信を取り戻すことに成功した選手に助言をしてもらいたい。たとえばカイ・ハヴァーツ。今回10人になってからの彼はいかにも孤軍奮闘という感じでハードワークをつづけ、たしかにあれはアルテタのいうように模範だと感じたものだ。みんながお手本にすべきふるまい。あの精力的なパフォーマンスには、自信という裏付けがある。
それでもダメなら催眠術で(これひさしぶりに云った)。
ミケル・メリーノがアーセナルでフルデビュー
メリーノが初めてスタートからプレイした。そこでこういう結果になったのは残念。
彼のパフォーマンスはどうだったろう。タッチマップを見るに、けっこう縦横無尽。試合前ライスがL8、メリーノがR8と云われていたが、こう観ると右に限定されず広く動いているのでNo.10だったのかもしれない。
メリーノは、さすがプレス耐性がかなりあるなあと思いながら観ていた。相手に囲まれた狭いエリアでも、パスをつなげることができる。さすが現役のスペイン代表。
ただ、この試合のパスは23/34(68%)とそこまでは良くない。10人になってからが半分以上なので、こういう試合でスタッツで判断するのはフェアじゃないけど。
守備的な3MFの批判については、たしかに今回の彼の役割なら、もうちょっと攻撃で貢献をしなければならなかったかもしれない。ショッツは1、キーパスが1。
せっかく彼がスタートからプレイしたというのに、まともにそれが観られたのがたったの30分。しかもその30分、アーセナルの動きはよくなかった。
彼のことを評価するには、もっと時間が必要だ。
この試合については以上
あれでVAR介入出来る意味がわからないよ!一発レッドなら分かるけど距離やコントロールを考えても「明確な間違い」とは言えないからレフのジャッジを尊重すべきやつ