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【マッチレビュー】24/25 UCL QF レアル・マドリッド vs アーセナル(16/Apr/2025)レアル・マドリッドを退けSFへ勝ち抜け

CL QFのレアル・マドリッド。勝っちゃいましたね。ホームとアウェイで2連勝。

今回はファーストレグほどのカタルシスこそなかったものの、アウェイできっちりお仕事を完了。みごとにSFファイナル進出を決めた。ホーム・アウェイ2試合のアグリゲイトスコアはなんと5-1。これは、昨年のチャンピオン相手に、対戦する前なら想像もできなかったほど大きな差をつけた。

しかし、QFが終わってみての正直な感想は、思ったよりあっけなかったなと。ファーストレグのアレから、ホームのセカンドレグは彼らもさすがに本領発揮するものだと思っていたら。

彼らはSF進出のためには、この試合で3ゴール以上を決めねばならなかったにも関わらず、アーセナルの強固なブロックを前に繰り出す攻撃はどれも単調で、われらが慌てる場面もほとんどなかったのでは。先週のエミレーツでの試合にひきつづき、サンチャゴ・ベルナベウでの彼らも、とても世界最強チームの攻撃には見えなかったのだった。われらは、レアル・マドリッドという名前だけで彼らを買いかぶっていたのかと思うほどである。

しかしそれでもレアル・マドリッド。アーセナルがレアル・マドリッドに勝ったという事実は残る。これは、クラブの歴史に刻まれるだろう。たいへんに誇らしい。

試合を振り返ろう。

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アルテタの試合後コメント「とても誇らしい夜になった」

試合直後のアルテタのインタヴュー。AFC公式サイトより。

アルテタ:わたしは、コーチとして初めてここに来た。そして今日、わたしはこのステディアムでも何でも可能なんだと実感している。なぜなら、彼らはあのようなケイオス、勢いをつくっているのだから。観客の後押しもあって、彼らもなんでも起こせそうだった。

しかし、わたしが思うのは、ブカヨがゴールできなかったとき、それと失点したあとの対処のしかただ。若い選手たちはこのような舞台にたったことはない。だから、それは際立っていたのだ。

われわれが、この3日間に話していた唯一のことは、ここでいかに勝つかだった。それはQFを勝ち抜くだけでなく、それをどのようなマナーで行うかだ。なぜなら、われわれにはそれができるから。そうした要求を自分たちに課していたため、チームにとってはマインドセットが非常に重要だった。

それはチームのキャパシティを示していたと思う。どんな相手でも、自分たちがベストな状態でなくても、われわれはパフォームできる。とくに、この逆境で、多くの選手が関わることすらできなかった。だからこそ、われわれがやったやりかたは特別なのだと思う。

ここからは、われわれがよく知る相手とのSFだ。彼らとはもうすでに対戦している。美しい試合になるだろう。

ミケルは、TNT Sportsのポストマッチショウにも出演していた。「キャリアで最高の夜のひとつ」。

試合後の記者会見。AFC公式サイトより。

(選手のことがこれ以上ないほど誇らしく感じる……)

アルテタ:おそらくそうじゃない。クラブの歴史的に3回めのSF進出だからというだけでなく、われわれのやりかたがあったからだ。われわれのプレイだけではない。状況やケガ人の数があるからこそだ。

それが示すのはチームとクラブのキャラクター。とても誇らしい夜になった。

(デクラン・ライスのパフォーマンスについて……)

今日の彼は違うやりかたで決定的だった。すごかったと思うよ。彼の存在感、パワー、ボールがあるときないときの落ち着き。わたしは、彼がチームをいろいろな場面で助けていたと思うし、それがわれわれの思い通りの試合にさせた。

だからこそ、われわれには彼のレヴェルにステップアップする選手が必要なのだ。大きな貢献をするもの。彼は間違いなくそれをやった。

(この結果がもたらすもの……)

基本的には、われわれにあるフィーリングは自分たちの現実だ。そしてそのフィーリングのなか、試合前の選手たちにもそれは伝達され、チームが準備されていると感じることができた。どんな相手とも競えると。

ここからは、それを継続していく必要がある。われわれにはいま勢いがあるから。

(アーセナルは挑戦者から勝者になれる?……)

それは、さらなるとても大きなステップになる。去年の自分たちがフィニッシュした場所と、今年のわれわれがやっていること。われわれを観ているチームとコンペティション、それはすごいものだ。

(RMを)称賛する。このダグアウトにいることはわたしがコーチになってから初めてだった。そして、わたしはこのステディアムに3分いただけで、何事も可能なのだとわかった。

彼らは、そのようなケイオスと信念をつくるスペシャリストであり、試合のなかで何が起きるのか理解するのはかなり難しいこと。どうやって自分たちがコントロールできるかも。彼らはそうした成熟を見せていたと思う。

(ブカヨ・サカのキャラクターについて……)

個人については、いろいろな場合でいくらでも話せるが、わたしは同じように答えよう。ブカヨは、ステップアップした。もちろん彼は(ペンで)ゴールはしなかったし、あれが試合のなかで感情的なターニングポイントになったかもしれない。なぜなら、それが彼に大いに信念をもたらしたから。

そのあとの彼の状況の対処のしかたはどうだ。その後の彼のプレイ、彼があの年齢にして見せたパーソナリティ。彼もこのステディアムでプレイするのは初めてだったのだ。すごい。

(今晩チームが進化において示したことは?……)

これまでとはかなり違うことだ。なぜなら、クラブは7年間もCLから離れていたためそれは不可能だったから。したがって、それが示すのは転換だ。クラブのなかで多くの素晴らしい決断があり、いまわれわれがここにいるのはたくさんの人たちの貢献のおかげ。

今日のチームに感じたことは、いかにハングリーかということ。いかに今後に向けて覚悟と野心があるかということ。われわれは、間違いなくもっと先へ行く。

(あなたにとってのこの結果の意味……)

安心はしている。わたしは、こういう試合の経験を積むためにここにいる。わたしも、勝つことも敗けることもあるのはわかっている。だから、今夜は自分自身にもとても厳しくいようと思う。われわれもまだまだ改善できる部分があるし、わたしももっとチームがよくなるように助けていかねばならない。

もっとも誇らしいことは、わたしが彼らを観て、話し、彼らがいかに確信しているか感じるとき。そして、それはわれわれの仕事の一部なのだ。だからこそ、コーチたちや彼らとともに働くことが喜び。

(ベルナベウでの試合に向けては選手たちの精神面を準備した?……)

われわれには、それをやるあるツールがある。しかし、ライヴで実際にそれをやろうとすれば、それがいかに難しいかを理解することになる! われわれは、それをやってきたと思うし、いろいろな場面でとてもはっきりとしたかたちでそれを行ってきた。

試合によっては、彼らにとってまったくうまくいかないシナリオになることもあるし、われわれはそれを排除する必要性にはとても自覚的だ。

(アウェイサポーターの声援……)

すごかった。マドリッドのここまでチームといっしょに来てくれたすべてのサポーターに感謝する。ホテルの周辺でも、彼らのフィーリングとチームへのサポートを感じることができた。

わたしは、クラブの目的はみんなを喜ばせることだと考えている。彼らが選手とチームをとても誇らしく思ってくれたらうれしい。これからはもっとやっていこう。

(アーセナルがベルナベウで最初の2試合に勝った史上初のチームになった件……)

そのスタットは知らなかった。それも歴史の一部になるのは素晴らしい。われわれは、今夜とてもハッピーだ。しかし、まだまだ満足はしていない。これからPSGとの素晴らしい勝負が待っている。彼らはわれわれがよく知るチームであり、すでに対戦もしている。その準備をしてゆこう。

アルテタは、こういうときCLの派手な試合よりも、目の前のPLの地味な試合の重要さを説くひとなんだが、今回はさすがに週末のイプスウィッチの話は出なかった。それだけ、浮かれているということか。まあ、無理もない。

アルテタは、この試合の朝に電話でペップ・グアルディオラと話したことも明かしていた。彼が特別なRM対策を伝授してくれたのかも?

デクラン・ライスの試合後コメント「あれはペナルティじゃないとわかっていた」

先週のファーストレグにつづき、今回もMOTM。間違いなく、SF進出の立役者。試合後のインタビュー with MLS。

ライス:クラブにとって、なんて特別な夜になったのか。クラブには歴史的な夜だ。ぼくらには、このコンペティションで目標がある。ぼくらはベストチームとプレイしたいし、このコンペティションを勝ちたい。

彼らのカムバックについては、あれこれ云われていたのは、それは彼らがこれまで何度もそれをやってきたから。でも、ぼくらにはファーストレグからの信念も自信も十分にあった。ここで勝てると。

苦しむこともあるとは思っていたが、最後には勝つ。そのことが頭にあったので、それを実際にやった。

(ペナルティ&カード)あれは、ペナルティじゃないとわかっていたよ。誤解しないでほしいのは、ぼくの腕は彼にかかっていたけど、ボックスではあれはやらなきゃいけない。ああして相手を止める必要がある。でも、あれはペンじゃない。彼にもすぐに云ったし、 [Lucas] Vasquezにもそう伝えた。

ぼくが彼を引っ張って倒したのかと訊かれるなら、彼は勝手にころんだと云うよ。だからペンじゃないし、あれは覆されると完全に自信もあったので、ただ落ち着いている必要があった。

ときどき、ああいうナイーヴなことがある。ぼくらはもうちょっとだけうまく試合をコントロールすべきだった。しかし最後には、お仕事完了した。クラブには歴史的な夜になり、ぼくはことばもない。とても特別だ。

ブカヨ・サカの試合後コメント「(ペナルティミス)それも起きること」

驚きのペナルティミスにもめげず、ゴラッソで1ゴール。きっちりエースの仕事をした。試合後インタビュー。

サカ:ぼくらもソーシャルメディアでのことは観ていたよ。彼らが絶対カムバックすると云ってるとか…… でも、ぼくらは自分たちのメンタリティを示すことができていた。

(ペナルティをミス)それも起きること。トライはしたけど、うまくいかなかった。今夜はゴールできると自信があったんだ。

ぼくはどんなときも学ぶ。今日はこの勝利を楽しむことに集中するよ。そのあとしっかり見返すことにする。

ぼくらは、ヨーロッパでもベストのチームと競えることを示したし、世界でベストのひとつであるチームを、ホームでもアウェイでも倒すことができると示した。このチームがとても誇らしい。

今夜は大きな宣言になる勝利だ。とてもうれしい。

ぼくらは楽でもあったと思う。ロウブロックをやるときのぼくらはとても上手にやるし、走る量も多くなるけど、なんとかそれもやれた。

(PSGについて)彼らはより自信をもってプレイしているように観える。ぼくらも準備するし、とてもいい試合になるはず。

(CLを勝てる?)イエス。そう信じたい。

ガビ・マルティネリの試合後コメント「あれがタンクに残っていた最後」

この試合、予想どおりカウンターアタックの機会はかなりあり、マルティネリの見せ場も少なくなく。そして最後は素晴らしいランからのファインゴールでRMに引導を渡した。試合後インタビュー。AFC公式サイトより。

GM:(ゴールについて)あれがタンクに残ってた最後の一滴だった! 裏へ走っていこうと狙って、メリーノがぼくを観ていてボールを寄越してくれることを祈った。彼はぼくを見つけてとてもいいパスをくれて、ぼくは走り抜けた。あとは落ち着いて、ゴールのなかへ入れるだけ。すごくうれしいよ。

みんな興奮しているね。マドリッドのような相手にベルナベウで勝てたことはとてもよかった。とてもうれしい。

ぼくの意見としては、エミレーツでもここでも、ぼくらが勝ちにふさわしかった。ぼくらは自分たちのクオリティを知っているし、チームのことも知っている。このチームとファミリー、ぼくらが勝ちにふさわしい。これはぼくらのハートにずっと残るものになるだろう。

(サポーターについて)彼らがぼくらのパフォーマンスに喜んでいるのを観るのはとてもいいものだ。試合のあと彼らのところにあいさつに行けたのもよかった。今シーズンはみんながすごくいいから。ぼくらは、彼らを喜ばすためにベストを尽くすよ。

ぼくらはこれからもベストを尽くすし、プッシュをつづけていく。CLのセミファイナルに到達するのはどんな選手にとっても夢。でも、自分たちは地に足をつけて、これからもワークしていく。まだ何もかなえていないのだから。

ぼくらは自信がある。クオリティもチームもわかっている。今後もがんばります。

TNT Brasilのインタビュー。

Carlo Ancelottiの試合後コメント「アーセナルのほうが強かった」

試合後はミケルを称えて、アーセナルにCLタイトルを取ってほしいと伝えたという。いいひと。🤨

CA:アーセナルがわれわれよりも強かった。われわれもベストは尽くした。ペナルティが覆ったのがターニングポイントだったかもしれない。それが試合の流れを変えた。

しかし、アーセナルはよく守った。スペイスを見つけるのが難しかった。インテンシティのレヴェルはふだんよりもよかったが、十分ではなかった。

昨シーズンのわれわれはとてもうまくやっていたが、今年は苦しんでいる。自分たちの思うようにいかないことがあるのも、スポーツだ。これも起きる。敗けないチームなどないのだから。

Ancelottiは、今シーズンの結果には自身の首もかかっているようで、今回のアーセナルとの2連敗は、彼自身にも引導を渡すことになるのかもしれない。勝負はともかくとして、2試合ともファンが誇れるような試合ができなかったのは確かだろう。

Thibaut Courtoisの試合後コメント「あまり個人に頼るべきじゃない」

いつもは相手選手のコメントは紹介しないが、今回の彼のコメントはけっこう彼らの敗因について的を射ていると思ったので。RM公式サイトより。

TC:アーセナルはよく守るし、よくプレスするチーム。こじ開けるのは難しかったし、ボックスのなかにボールを入れてもあまり成功しなかった。今年のぼくらにはJoseluのように、そういったデュエルで勝てる選手はいないのだから。

自己批判をしなきゃいけないときもあるね。ぼくは、ぼくらがチームとして、クロスを放り込むだけでなくもっとチームムーヴをすべきかもしれないと思ったし、あまり個人に頼るべきじゃないと思う。なぜなら、Vini Jr.やMbappéにダブルマークがつけば、一度は抜けたとしても、それ以上は難しいから。

後述するように、このコメントは彼らの問題をよくあらわしていると思う。

ちなみに、サブで登場した元ガナー、ダニ・セバーヨスも「フットボールが足りない」と、このチームについてCourtoisと似たような問題意識を持ってるみたいである。まあ、みんなそう思うよな。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

2 Comments on “【マッチレビュー】24/25 UCL QF レアル・マドリッド vs アーセナル(16/Apr/2025)レアル・マドリッドを退けSFへ勝ち抜け

  1. マドリーはあまり強くない。先入観無く試合を見れば分かります。チェンさんのおっしゃる通り。

    一方、今のPSGはめちゃ強い。試合を見れば分かります 笑

    正直アーセナルでも分が悪いと思いますが、彼らにも隙があるとヴィラが示してくれたので、勝ち抜けを信じて応援します!

  2. PSGもバルサも攻撃力は凄まじいですが、脆さも結構ありますね
    インテルとアーセナルはその逆。堅守で勝ち残ったクラブ
    矛盾対決。楽しみですね

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