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【マッチレビュー】24/25 UCL QF レアル・マドリッド vs アーセナル(16/Apr/2025)レアル・マドリッドを退けSFへ勝ち抜け

アーセナルのおもな勝因はレアル・マドリッドにある?

ところで、ファーストレグでも似たような印象を持ったし、その試合レビューでもそんなふうに書いたけど、セカンドレグをプレイして、あらためてこのレアル・マドリッドはちょっとひどいのでは?

この2試合の彼らは、アーセナルが今年これまで対戦してきたチームのなかでも、クオリティはベスト10に入らないんじゃないかとすら思える。世界最強チームだと思ってたのに。あのプレイっぷりなら、もしPLならトップ4フィニッシュすら危ういだろう。PLのミッドテーブルチームには間違いなく苦戦する。あれでは、Ancelottiの仕事ぶりが問われてもしょうがないというか。

なんだか、今回の彼らの攻撃はとくに、悪いときのアーセナルを観ているような気分にまでなってしまった。ひどく予測可能なワンパターンの攻撃。

この試合のお互いのプレイの構図は、多くの時間でこんな感じだったろう。

  • レアルがボールを持つ
  • アーセナルは4-4-2/4-5-1ブロックで引く
  • レアルがブロックの外側でボールを回す
  •  サイドを大きく変えるスウィッチングパスを多用(※チームの決め事はこれだけなんじゃないか疑惑)
  •  ワイドアタッカーがブロックの攻略に苦しむ/カットインサイド/無理めなシュート(※ここに頼りすぎ)
  •  ワイドエリアで深く縦に侵入する前に成功率の低そうなクロス
  • アーセナルがボックスで跳ね返す

以下、繰り返し。

アーセナルがボックスでボールを跳ね返さずキープした場合は、そこからカウンターアタック発動。今回もアーセナルにしてみればボールを奪ってから攻撃のためのスペイスがたっぷりあり、毎度のトランジション状況が気持ちよかった。そこから何度かいいチャンスもつくった。

あとは、彼らがバックからスタートするとき、メリーノやオーデガードのハイプレスがあれば、GKからのロングボールもけっこうあったように感じた(2/10)。ちょっとリヴァプールを彷彿とさせる部分もあった。かなりダイレクト。アーセナルと彼らとどっちが英国のチームかわからないくらい。でも、リヴァプールよりだいぶ出来が悪いと思う。

この攻撃があまりにもワンパターンに思えて、彼らのファンのフラストレイションを心配してしまった。アーセナルがクロスマシーンと化したCLインテルで、わがチームに感じたのと似たような感情。とにかくゴールが必要なのに、あんな単調で成功率の低そうな攻撃を見せられたらたまったものじゃない。

こういう攻撃だと、どんなに危険な個人がいても当然複数でマークしているし、どの攻撃も準備万端整っている目の前で起きるから、あんまり怖くないのだよね。想定外のことが起きない。裏をかかれない。予測可能性。これは、守備側としてなるほどと思った。

「人の振り見て我が振り直せ」。アーセナルは教訓にすべきように思われる。

Courtoisの試合後コメントにもあるように、彼らの選手たちですらこれを問題だと思っているのが興味深かった。個人に頼らず、もっとチームプレイをすべきという。あれはチームプレイじゃない。戦術Mbappeであり、戦術Vini Jr.の個人クオリティ任せ。それでここまで勝っているのだから、もちろんそれもすごいのだが、国内リーグはそれでよくても、CLのこのレヴェルになると通用しなくなるということなんだろう。とくにいまの守備が超優勝なアーセナルとは、相性が悪かったこともある。

そういえば、Canal+の試合中継にゲスト出演していた元ガナーのサミール・ナスリ氏もこんなふうに云っていたそう。「今夜はフットボールの勝利。集団ユニットがスター軍団に勝った」。

ぼくはレアル・マドリッドは、いまのアーセナルがヨーロピアンスタンダードのクオリティと比較したときのよいテストになると思っていたのだが、いささか易しかったようだ。これでは、いまのアーセナルがヨーロッパのトップオブトップに対してどれほど戦えるのかわからない。PLではリヴァプールとトップを競っていても、ヨーロッパはまた違うから。

ということで、せっかく勝ってお祝いムードに水を差すようだが、ここであまりはしゃいでもいられない。CLはこのあとはもっともっとタフな試合が待っているはず。PSGも、ファイナルも、レアルほどイージーにはやらせてくれない。

つぎのPSGは間違いなくビッグテストになる。現在のPSGはリーグフェイズで対戦したときよりもずっと強いようなので、いま彼らに互角かそれ以上でプレイできるようなら、きっとそこでアーセナルのヨーロッパでの立ち位置が観えるようになる。

トーマス・パーティが愚かしいカードでPSGファーストレグに出場停止

アーセナルがクラブの歴史をつくったこの試合でも、いくつかネガティヴなことがある。

ひとつはサカのペナルティミス、もうひとつは失点につながったサリバのミス。どちらも残念だけど、まあしょうがない。ミスはあるから。

しかし、これはマジでいけない。パーティのイエローカード。OMG. ぜったいにもらっちゃいけないひとりだったパーさんがやっちまった。この試合を乗り切れば、カードはリセットされたというのに。しかも、試合が終わるまであと数分という時間帯だった。彼は、セミファイナルのファーストレグはサスペンションが決定。

あれは何? カード対象だった相手のファウルに抗議してなにか云ったのか。レフはすぐさま彼にカードを出した。

そりゃデックスも怒るよ。激おこだよ。これは、まったく不必要だった。

これでエミレーツでのPSGは、パーティ不在でプレイすることになった。

そのときまでにもしジョルジーニョが復帰していれば彼が6でプレイするかもしれないし、あるいは、ライスが6にポジションを移動して、メリーノがLCM、9にトロサールかもしれない。こっちのほうがありそうか。

オプションは皆無ではないものの、せっかくうまくいっているチームの変更を余儀なくされた。ただでさえ厳しいスクワッド事情なのに、なんてことをしてくれたんだトーマスよ。

ハヴァーツがPSGまでにサプライズで復帰しねえかなあ。

 

この試合については以上です!

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プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

2 Comments on “【マッチレビュー】24/25 UCL QF レアル・マドリッド vs アーセナル(16/Apr/2025)レアル・マドリッドを退けSFへ勝ち抜け

  1. マドリーはあまり強くない。先入観無く試合を見れば分かります。チェンさんのおっしゃる通り。

    一方、今のPSGはめちゃ強い。試合を見れば分かります 笑

    正直アーセナルでも分が悪いと思いますが、彼らにも隙があるとヴィラが示してくれたので、勝ち抜けを信じて応援します!

  2. PSGもバルサも攻撃力は凄まじいですが、脆さも結構ありますね
    インテルとアーセナルはその逆。堅守で勝ち残ったクラブ
    矛盾対決。楽しみですね

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