アーセナルがPLのシニアCBではなくモスケラを選んだ背景
The Telegraph(サム・ディーン)が、アーセナルがこの夏にクリスチャン・モスケラを獲得することになった経緯について伝えていた。
Arsenal came into the summer with plans to spend big on a centre-back. They wanted Dean Huijsen & showed strong interest in Marc Guehi. Here’s why they pivoted towards the cheaper Cristhian Mosquera (initial £13m) instead. A hugely exciting talent. #AFChttps://t.co/KYHJOb7JRb
— Sam Dean (@SamJDean) July 24, 2025
この記事によると、アーセナルではこの夏ウィンドウでは、CBは補強プライオリティとしてかなり高いものがあり、そのターゲットとして、当初はボーンマスのDean Huijsen(※RMへ移籍)と、パレスのMarc Guehiの獲得を目指していたという。
しかし、それがうまくいかなかった理由は、まず金額。Huijsenには£50mのRC、Guehiもパレスが安売りする気配はなく(1月にToTの£55mオファーを拒否)。スターターでもないDFにその金額は難しい。
そして重要だったのは、そのふたりがどちらも毎週プレイするレギュラーフットボールを求めたこと。これは、サリバとガブリエルというPLのベストCBがすでにいるアーセナルでは約束はできなかった。
そこでアーセナルが目を向けたのが、クラブとの残り契約が一年で安価なオプションだったモスケラだった。
2022年の時点でスペイン紙が「ヴァレンシアの歴史上もっとも早熟なCB」と評した。21才にしてラ・リーガでの豊富な経験。高身長でクイック。アーセナルに完璧にフィットするプレイスタイル。サリバとの類似性も。
だそう。
モスケラのプロファイル
以下TMより。
- Name in home country: Cristhian Andrey Mosquera Ibargüen
- Date of birth/Age: June 27, 2004 (21)
- Place of birth: Alicante Spain
- Height: 1.91 m
- Citizenship: Spain Colombia
- Position: Defender – Centre-Back
- Foot: right
- Player agent: INVSPORT
21才。また若いのがやってきた。マドゥエケより2才年下。
身長が191cm。でかい。奇遇にもサリバ(192cm)、ビッグガビ(190cm)の中間。
右足のCBで、ポジションは左右を問わずCBでプレイするだけでなく、RBでもプレイできる。アルテタは「両サイドでもプレイできる」と云っていた。
基本的にはアーセナルのスクワッドのなかではサリバのバックアップということになりそうだ。
これまでのキャリアは、ユース時代からヴァレンシア一筋の生え抜き。だったら、せめてもうちょっと移籍金残してやれよという気がしないでもない。すまんなヴァレンシアの民。
2023年1月に正式にヴァレンシアのファーストチームへ。
NTは、スペインのユース、それとシニアチームにも一度招集された記録がある。1キャップ。コロンビアU-20への招集歴もあるが、もうスペインで決まった。
基本スタッツだと、残念ながらすごい優秀には見えんね。Dribblers Tackled %だけやけに高い数値。
<追記>
Opta Analystのモスケラの記事。ラ・リーガのベストOne on one DF。
La Liga’s best one-on-one defender has joined Arsenal.
We took a look at Cristhian Mosquera’s impressive data from his time at Valencia ⤵️https://t.co/FFizot9xXO
— Opta Analyst (@OptaAnalyst) July 24, 2025
モスケラ、経験豊富すぎる21才
直近2シーズン、モスケラはヴァレンシアで70のリーグ試合、6400分ほどプレイしている。
これは、U-21の選手としては、ヨーロッパのトップ5リーグでも最長のプレイ時間ということ。
これはつまり、彼がケガが少ないことも示している。Top availability. 素晴らしい才能だ。
プレイのスタイル
ハイライン背後の大きなスペイスをカヴァできるほどのスピード。1 v 1も非常に強力ということ。サリバ二世。
ただし、彼にはひとつはっきりした弱点があり、それが空中戦。191cmの高身長ながら、空中戦が目立って弱いらしい。
上のスタッツを観ても、空中戦の勝率がなんと「6」パーセンタイル。比較したCBのなかでほとんどワースト。CBでヘッダーが弱いというのは、ちょっとまずい。
まあ、それを補ってあまりある才能があると、思っておくか。
がんばれクリスチャン・モスケラ
競争を恐れないといって、勇ましくアーセナルに来てくれたモスケラ。だが、残念ながら当初はおもにカップ戦などをプレイする期間がつづきそうだ。CBはあまりロテイトするポジションでもなく、攻撃の選手に比べ試合中のサブも少ない。サリバやビッグガビになにかないかぎりは、PLやCLでプレイする機会は限られる。
ただ、彼らになにかが起きることも当然ある。去年はガブリエルが離脱したし、サリバだってケガをした。そして虎視眈々とプレイ機会をうかがっていたキヴィオールがステップアップした。あれが理想のバックアップ。モスケラには、PLはおろかヨーロッパのベストCBたちからポジションを奪うつもりでハードワークしてほしい。21才には可能性しかない。
あらたなCBを加えて、これでまたアーセナルのデプスは盤石になった。万が一の事態に備えるのは、まさにわれわれがここ数シーズンで得た教訓に違いなく。ちゃんとレッスンを活かしている。
モスケラにはぜひがんばってほしい。とりあえず、プリシーズンで観るのが楽しみだ。週末のニューカッスルもありそう。
クリスチャン、Welcome to The Arsenalだっ!
おわり