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アーセナル2025夏の移籍ウィンドウまとめ【Departures編】

Hello hello.

今日は昨日のエントリのつづきで、アーセナル2025夏ウィンドウのまとめ放出編。

結局アーセナルでは、この夏12人もの選手の退団があったのだが、そのほとんどがフリーかローンであり、それで得た金額は雀の涙。アーセナルの商売ベタをまたしても浮き彫りにすることになった。



アーセナルは2025夏も売却ビジネスははかどらず

TMによると、アーセナルがこの夏に放出して得た選手の総額は、€10.30m(£8.9m)。もっとも、ローンについている来年夏の買取(オプション/義務)の金額はここに含まれないため、実際の収入はもっと増えるはずなのだが、それでもクラブが望んだビジネスはできなかっただろう。

おかげで夏の収支(Net支出)は、アーセナルがリーグワースト。実質移籍市場でもっとも金を使ったクラブとなった。

Sky Sportsのまとめ(※アドオン含む)。

オーナー投資が皆無の時代からすれば隔世の感があるっちゃある(皮肉)。

アーセナルが2025夏に放出した選手まとめ

まとめてゆこう。まずはフリーエイジェントで去っていった選手から。

フリートランスファー

  • ジョルジーニョ(フラメンゴ)
  • トーマス・パーティ(ヴィヤレアル)
  • キーラン・ティアニー(セルティック)
  • タケヒロ・トミヤス(※契約解除)

これらの選手は、そもそもアーセナルもビジネスができるとは想定していなかっただろう。高齢、あるいは極端なケガがち。

なかでもトミヤスについては、まだ契約が残っていたにも関わらず、本人とクラブが合意のうえで契約解除となった。リハブ期間に安くない給料だけ支払って在籍されるよりは、クラブのほうはだいぶ都合はよかった。彼はケガで年末まで復帰できない予定だし、すでにチームは彼を戦力としてカウントせずにスクワッドビルディングを進めている。

実際トミーはどうなるんだろうね。いまは所属クラブなし状態はしかたないとして、ケガから復帰したあとのクラブはもう内定しているんだろうか。まだ26才なので、日本に帰るには早すぎるし、あのクオリティなら彼をほしいクラブはヨーロッパにいくらでもありそう。

彼はアーセナルに来るまでは、そこまで極端にケガがちというわけでもなかったし(いまケガ履歴を確認したら、まあまったくケガしないというタイプでもないか)、もしアーセナルでケガさえなければいまも重要な選手としてアーセナルでプレイしていたかもしれない。悲しいことだ。

トミヤスについては、アーセナルファンにほんとうに愛されたという気がしている。今回の移籍ウィンドウの振り返りでも彼の退団を嘆く声もよく見かけた。Always Gunnerとして今後の活躍を祈らずにいられない。

パーマネントトランスファー

※金額はTMより

  • ヌーノ・タヴァーレス(ラツィオ)€5m
  • マルキーニョス(クルゼイロ)€3m
  • アルバート・サンビ・ロコンガ(ハンブルガーSV)€300k(0.3m)

That’s itである!

ヌーノは、イタリアでけっこう活躍していたときもあったのでもっといい金額になってほしかったが、PLクラブ以外が相手ではまともな商売にならないという好例に思える。ただしアーセナルは彼の契約に25%のセルオンを加えたということ。これは悪くない。ケイオス・マーチャントのこれからに幸あれ。

売却された3人のなかでもサンビ・ロコンガは、わりと意外だったのではないか。

彼は夏のあいだほとんど噂もなく、さらなるローンか、残留あるいは契約解除くらいしか想像できなかった。しかし、後述するようにファビオ・ヴィエラとセットでブンデスリーガのハンブルガーSVに決まった。バイエルンじゃなくて?? ちきしょうコンパニに騙された!

アーセナルと彼の契約はこの夏で期限切れだったが、アーセナルは一年の延長オプションを行使してこの取り引きを行ったということ。ナイス。

彼の移籍金については諸説あって、€3mという説と(ソースはTMというがTMでは0.3mである)、€10mあたりという説がある。

後者についてはSky Germanyなどのドイツメディアがそのように報じているようだ。しかも、アーセナルはその契約に大きなセルオンをつけたとも。それが事実なら、想定外にいいビジネスかもしれない。とはいえ、ほかの案件のように定説がないので、その信ぴょう性もわからないが。だいたい€0.3mってなんだよ。ハヴァーツの週給か。

ローントランスファー

  • ヤコブ・キヴィオール(FCポルト)※ローンフィ€2m+買取義務?
  • ファビオ・ヴィエラ(ハンブルガーSV)※買取オプション
  • オレクサンドル・ジンチェンコ(ノッティンガム・フォレスト)
  • リース・ネルソン(ブレントフォード)※買取オプション
  • カール・ヘイン(ヴェルダー・ブレーメン)

全員現金化したかったグループで、全員ローン。OMG.

しかしキヴィオールだけは、ローンに買取義務(※前にも書いたようにAFCの会計理由で表向きはオプションのはず)がついているので、実質的には後払いの売却。これは悪くなかった。

彼で得た金額も報道によってばらつきがある。まずローンフィが€2m。来年夏の買取金額は、ポルトガル報道では€17mにアドオンやセルオンがついて総額で€24mまで。イングランドではSky Sportsがその金額を£24m(€28m)と伝えている。ちなみに€28mという金額は、現在の彼のMVと同じ。フェア。

(ところでちょっと話がずれるが、この€と£はもしかしたら英国人や欧州人も混乱してるんじゃなかろうか。いろいろなニュースで同じ数値で単位違いというのは、けっこう見かける。現在のレイトで£1は€1.16なので16%分差があるのでその差は小さくない。こっちも混乱するのでやめてほしい)

ということで、この夏にアーセナルがまともな移籍金を得られたのがほぼキヴィオールだけ。昨シーズンはバックアップ扱いにも腐らず、チームのピンチを救い、移籍金まで残してくれた。最後までクラブに貢献してくれたナイスガイ。ありがとう。キミを忘れない。

 

サンビ・ロコンガとともにHSVに行くことになったヴィエラ。ポルトやシュツットガルトと長らくリンクされていたが、結局ブンデスリーガのべつのクラブへ行くことになった。

彼のローンには買取オプションがついているようだ。

Sky DEのひとによるとその金額は€20m以上。以前アーセナルは、彼には€30mを要求しているとしてポルトからの€20mオファーを断っていたと報じられていたため、より多くの移籍金を見込んでいたはずながら、結局それ以上の高値はつかなかったということ。

アーセナルと彼の契約は2027年まで。来年夏は残り契約一年で、もし一年後ハンブルクが彼を買わないのなら、そのときアーセナルはより安価で彼の放出を迫られることは必至。なんとかドイツで活躍してほしい。

 

今夏の放出で最大のサプライズはやはりジンチェンコか。アーセナルではほぼ戦力外で、高齢+高給で引き取り手がない状況がつづき、本人のフットボールへの愛情とは裏腹に、ベンチにすら入れないアーセナルに残る可能性も高いように思われた。

それがデッドラインデイに、PLのノッティンガム・フォレストへのローンが決定。OMとのリンクも広く報じられていたものの、このローン移籍が明るみに出る直前まで、彼はアーセナルに残ると云われていたのだから、何が起きるかわからないものだ。

ただし、彼のアーセナルとの契約は来年夏で切れるため、これはクラブとしては彼の扱いににっちもさっちもいかなくなった結果のように思える。このタイミングでのローンは、来年夏のフリーエイジェントは当然覚悟のうえで、ほかに取れるオプションがなく、せめて彼の高いサラリーの負担を軽減したかった。みたいな。

この結論には、ジンチェンコの意向も強く働いたかもしれない。仮に彼がウクライナ人でなくサラリーを維持する動機がそれほど強くなければ、移籍先のオプションも少なくなかったはず。しかし、故郷が戦時下である彼や彼の家族にとってはあらゆる意味で不安定な状況があり、できるだけ金は必要だった。

この移籍で皮肉なのは、彼の行き先がフォレストであること。アーセナルで彼に高給を与えたエドゥしか、引き取り手がいなかった。

フォレストはちょうどアーセナルのつぎの対戦相手。さっそくフォレストの一員としてエミレーツにやって来るであろうジニー。温かい歓迎を受けてほしい。いまのチームになるために、彼の貢献は間違いなくあったのだから。

 

ネルソンもデッドラインデイにブレントフォードへのローンが決まった。

こちらも、ブレントフォードの買取オプションがあるといわれるも、来年夏の具体的な買取金額を報じているメディアはないようだ。ちなみに彼の現在のMVは€16m。安い。

ネルソンについては、去年ローンでプレイしたフラムが積極的に彼の獲得に働きかけていたようだが、結局ブレントフォードに決まった。

これについてはアーセナルとブレントフォードの良好な関係性を指摘する声もあるし(ラヤやノーガードの取り引き)、また本人がプレイ機会を重視した結果かもしれない。

云うまでもなくこの夏のブレントフォードは、Bryan Mbuemo(マンU)やYoane Wissa(ニューカッスル)といった攻撃のコアを失っており、ネルソンにかける期待も小さくないだろう。

ネルソンも12月には26才。まだ子どもだと思っていたらなんと。いまのアーセナルのスクワッドでは最古参であり、フットボーラーのキャリアとしても、もうそろそろ本格的にステップアップしなければならないとき。

彼の最大の問題はフィットネスなので、ケガさえなければPLミッドテーブルクラブでレギュラーでプレイできるくらいのクオリティはあるはず(あるはず)。成功を祈る。

 

以上、2025夏にアーセナルが放出した選手まとめでした。

 

しかし、あらためてこうして今年の放出選手リストを観るに、まともな収益にならなかったのは残念ながら、チームとして整理すべき選手を全員なんとかした。ジェズースだけは、ケガでどうすることもできなかったものの、彼とてハヴァーツがケガをしたいまとなっては、復帰が期待されている。

  • Nuno Tavares
  • Marquinhos
  • Jakub Kiwior
  • Albert Sambi Lokonga
  • Jorginho
  • Kieran Tierney
  • Thomas Partey
  • Karl Hein
  • Fábio Vieira
  • Oleksandr Zinchenko
  • Reiss Nelson
  • Takehiro Tomiyasu

そして、スクワッドはかつてないほどに贅肉を削ぎ落としたソリッドなものになった。

2025夏の移籍ウィンドウは、アーセナルファンにとってはやはり記憶に残るものとなりそうだ。

 

後半は、おまけとしてアーセナルの商売ベタについての記事をざっと紹介しよう。

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