こんにちは。
まだ5試合めという、このシーズン序盤にして、またまたやってきたビッグマッチ。PLマンシティ@エミレーツ。
今シーズンもここまでの4試合ですでに2つも敗けているシティは、リーグのなかでももはや以前ほどの圧倒的な強さはないとはいえ、チームもコーチもトップクオリティであることは変わらず。彼らもここでアーセナルに勝って、タイトル候補としてバウンスバックしたいと目論んでいるだろう。
いっぽうアーセナルは、タイトルを競う直接のライバルに痛い敗戦を喫したものの、3ポインツ差で彼らを追いかけている最中。目標達成のためには、どんな相手だろうとここで立ち止まるわけにはいかない。キープレイヤーをケガで欠いているものの、チームをめぐるムードもまったく悪くない。
現在のアーセナルは年々進化しているし、この夏の補強で、スクワッドは量・質ともにさらに先へ進んでいる。この2シーズン、コミュニティ・シールドを含めてわれらが一度も敗けていないシティに、あらためて強さを示すときが来た。
日曜の試合をプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「ティム(ルイス)にはとても感謝したい」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(自分たちはいい場所にいると思う?……)
- イエス。とても重要な2試合で勝った。とてもいいフィーリングの試合でもあった。いまは日曜のビッグマッチのために準備をしている
(ホワイト、サカ、オーデガードはフィットする可能性はある?……)
- チャンスがあるとすれば、明日のセッション以降になる
- 彼らはまだなにもできていない。明日になればもっとわかる
(CLで頭を負傷したメリーノとヨクレスは問題ない?……)
- 彼らは大丈夫
(サリバはスターティングラインアップに戻る?……)
- どうなるか観てみよう
- 彼はずっとケガをしていて、前回の試合に戻るために努力してきた
- 誰がスタートするにふさわしいかは、明日決める
(ボードルームに異動があったことであなたも影響を受ける?……)
- ノー。わたしがクラブに来てからもたくさんの変化があった
- まず、ティム(ルイス)が去ることになり、わたしからも彼にかけたいことばはある。彼との仕事はわたしもとても楽しんだから
- この数年のあいだクラブでやってきたことのすべてに彼は多大な貢献をしてきたと思う
- そしてリッチ(ガーリック)。彼にはおめでとうだ。このクラブのCEOはとても大きな役職
- 新しいボードメンバーも歓迎する
- これがチームとクラブをこれからもっと良くし、もっと助けてくれることを願う
- これは完全にスタンとジョッシュの決定だ。彼らはずっと完全に協力的。ここからあらためて前に進んでいく
(タイトル争いにおいてこの試合がどれほど重要か……)
- われわれにとってはまた勝つことであり、またいい時間を過ごすこと
- 一貫性にとっても、ワールズベストのひとつと競うことも、われわれにはいいテストになる
(ペップ・グアルディオラ……)
- 彼が自分自身に課す要求、周囲にいる全員に求めるスタンダード。勝利への意志、進化、進歩
- 彼をつねに観ていれば、彼が最良の人たちから学びたがっていることがわかる
- わたしにとって彼は世界最高のコーチだとずっと云ってきた
- 彼とともに働くのは喜びだったし、彼の隣でたくさん勝ってきた。彼と会うのはいつでも素晴らしい
(マドゥエケについて……)
- わたしが確信していたのは、彼がわれわれのスクワッドにはない才能とクオリティをもった選手だったということ
- あの脅威のレベル、あの素晴らしい能力はチームをもっとよくしてくれる
- わたしが電話で彼と彼の父親、代理人と話したとき、3人ともがここにとても来たがっているという印象をわたしに与えてくれた。彼らはここの特別なものを見出し、ここの一員になりたがっていた
- そのあとここに来てからは、チームも彼のことをじょじょに知り始め、チームもまた彼を理解し始めた
- わたしは、彼がここまでチームにもたらしているインパクトは非常にポジティヴだと思う
(ズビメンディと彼の定着について……)
- 彼もそのもうひとり
- 海外からくるときはつねにとてもトリッキーになる。とくにリーグの要求と、特定のポジションではその責任。チームのやるすべてに意識的でなければならない
- 彼はとても賢いボーイ。大いに存在感があり、クオリティがあり、フットボールをプレイする勇気がある
(モスケラがあのようにソリッドな理由は?……)
- まずなにより、彼は非常に優秀
- わたしが思うに、それはスカウティング部門とアンドレアの功績。彼らが彼に機会を提示した
- そして選手として、彼は極めて集中力があり、とても決意がある
- ここに来たいことをとても明確にしており、ここに来てプレイし、自分の場所を確保したかった
- 彼があのポジションでやっていることは、こんなにも早いのに、とても素晴らしいと思う
(ホワイト、サカ、オーデガードのフィットネス?……)
- すべては彼らのために調整されている。まだはっきりさせるにはいくつかのことが必要で、スクワッドに入るかどうかは明日わかるだろう
(日曜はどんな種類の試合になると思う?……)
- いろいろな時間があるはず。過去の数年間もそうだった
- 彼らもかなり変わっている。とくにバックライン。Erling [Haaland]も取った
- われわれも、ミドフィールドのクオリティもあるため、いくつかのことは調整しているが、それはふつうのこと。チームの守備のやりかたもあるので、フットボールではよくあること
- だが、彼らに対しチームとしてどう反応するかで、特定のやりかたはある
(サブのインパクト……)
- たくさんの試合に勝つトップチームの歴史を観れば、フィニッシャーズ(※サブを含めて最後に残っているチーム)のインパクトはとてもとても高い
- 今日日、試合をアンロックするにはそうしたクオリティが必要であり、3日ごとの試合でもっとキツいときにこそ一貫性が必要。それこそがわれわれに必要なものだった
- われわれが幸運なのは、チームにインパクトをもたらす選手がいること。先日彼らはまさにそれをやったので、今後は安定してそれをやる必要がある
(試合前にサブたちに話をする?……)
- 目標や責任については、プリシーズンのときにすでに議論をしている
- 試合、シナリオ、スケジュール、多くの要素でも目標がある
- だが、スタートするしないに関わらず、このクラブではクオリティ、それをもたらすこと、インテンシティ、その努力をつねにしなければならないことは疑問の余地がない
(ペップはマンシティを再構築しているのか?……)
- わからない。それは彼にする質問
- だが私見ながら、彼がすでにこのリーグでやってきたこと、彼がこのリーグにもたらしたスタンダードはかつてないもの
- それを10年にも渡り維持しているのは、驚異的なことだ
- そして自分への要求があってもさらに続けようとしている。それは彼が自分にはそれができると考えているから
(ペップのチームに5戦無敗に挑む……)
- この試合への準備は勝つためにやっているのは間違いない
(試合の日にメンタルヘルスの相談窓口を開設する件……)*Suicide prevention service opens on Sunday
- あらためてクラブをとても誇らしく思う
- 困難を受け止め、イニシアチブをとり、われわれの社会にある深刻な問題に解決策をもたらそうとしている。サポーターのために安全な場所と手を挙げて助けを求める機会を与えている
- これは素晴らしいことだと思うし、できればより多くのひとに同じことをしてほしい。助けを必要としているから
(ティム・ルイスが去ることはあなたも気づいていた?……)
- ある時期にはわたしも気づいていた。わたしはとくにジョッシュや彼のチームとも何度も話をしているから
- それに、それはわたしがクラブに来てから初めてのことでもない
- あらためて、ティムと彼がクラブにしてくれたことには感謝したい。わたしに個人的にしてくれたことにも
- 誰もが、人生のなかの異なるフェイズで異なる要求があるものだ
(それが勝利に向けて意味することは?……)
- 素晴らしい未来。わたしが云えることはそれだけ
- わたしはポジティヴに考えている。わたしがスタンやジョッシュと話すときはいつも彼らはやる気に満ちている
- クラブに対する彼らの展望、ヴィジョン、周囲にいる人たち。なんの疑いもない。大きなことが待っている
(あなたがマネジャーになってからのエグゼクティヴレベルでの変化について……)
- これはわたしの初めてのマネジャー職だから、これが多いのか少ないのかわからない!
- わたしの経験でわたしが云えるのは、自分が非常に幸運だったということ。素晴らしい人たちから大いに学ぶことができた
- これが悲しいのは、たくさんの時間をともに過ごしたから
- これからとても重要な人たちがこのクラブの一員になる。そしてわたしの人生のなかでも。感情的なつながりになるから。彼らの家族とも
- 前進せねばならない。個人的な関係は間違いなく維持されるだろう
- いろいろな仕事をするためにクラブを去っていく人たちがいる。そしてほかの場所でとても成功するひともいる。彼らのこれからの活躍を祈る
(マルティネリとトロサールからのポジティヴフィーリングを利用したい?……)
- イエス。なぜなら、ああした状況にいる選手は、起用されなければならないし、認識されなければならないから
- とてもいい時期を過ごしている選手がたくさんいる。とてもいいパフォーマンスがある。それがわれわれの望むもの
- われわれが必要としたときはいつでも彼らはベストでプレイすると信じている
(Haalandとの対戦……)
- 正しくせねばならないことがたくさんある
- 彼はあまりスペイスや時間を必要としない選手であり、ビッグチャンスの状況も必要としない。とくにボックス周辺で
- ときに彼への供給を遮断することがベストなこともあるので、われわれはまたそれをやる必要がある
(ここまでの4試合でオープンプレイからの被SoTがわずか2。現在の守備クオリティがベンチマークになる?……)
- それはたしかにいまわれわれがやっていることであり、日曜もそのあともやるべきこと
- チームが進歩するためにやることはまだたくさんあるし、そのことに気づいてもいる
- だが、それはわれわれが望むものを達成するためには、とても重要な基礎になっている
(あなたはエゼにタッチラインウィンガーになってほしいので?……)
- ポジションにも依るし、スペイスにも依る。つねに同じではありえない
- 自分たちがやりたいこと、またそのことで叶えたいことによって、スペイス、相手の難しさは異なる
(それは誰がフルバックでプレイするかにも依る?……)
- イエス。誰が守るかに依る。とくにそれが左なのか右なのか、あるいは逆のサイドかもしれない
- もし彼らがライン間を攻めるなら、それが高いのか深いのか、その決断をする前に検討すべきことがたくさんある
(MLSの昨シーズンのセレブレイションについて……)
- もう終わったこと。あれも試合の一部だったというだけ。多くのチームでセレブレイションはあったりなかったりする
- 学び成長する体験であり、われわれは間違いなくそこから学んでいる
(今シーズンのシティはタイトル候補に含まれる?……)
- わたしは、間違いなくそう思っている
- ペップをよく知っていればそう思うし、彼が選手にする要求、クラブのなかにあるメンタリティ、スクワッドと選手がいる
エゼはタッチラインウィンガーなのか? ナイス質問。
会見の後半。
- Support network:I have fluid support. It’s a lot of people. It’s not an issue.
- Direct communication with owners: It will dictate that. We’ll have that communication. They will guide us.
- Gyokeres stitches:I think so. No headband, he didn’t have to head the ball.
- Madueke: I watched him a lot. I sensed the feelings, I was very convinced he could do it. Hopefully he keeps doing what he’s doing.
- Key things Tim Lewis did:With some people, you sit down and discuss and you click. He had a huge capacity to make decisions.
- Know how to beat City: Winning these games gives you conviction. We go there on Sunday to win.
- Stop drawing after UCL games:It’s something we want to improve. We know what we have to do.
- Gabriel:He’s got many qualities. He enjoys the defensive part, the contact and physicality. It’s very needed.
- Gabriel v Haaland: I don’t know. It’s down to efficiency.
- Time spent with boardroom: Club the size of this one. One is coaching the team, another is managing a lot around the football club.
会見の内容は以上。
ティム・ルイスが驚きのAFC離職
今回はビッグマッチではあるものの、この会見の前にティム・ルイスの退職(リチャード・ガーリックのCEO就任)というAFC人事のビッグニュースがあったため、タイミング的にそれに関するやりとりも多い。
Arsenal announces leadership and board update
ティム・ルイスといえば、この夏のアーセナルの積極的な移籍活動でも、ベルタとアルテタと3人で中心的に動いていたというリポートもあり(エゼの獲得成功においてはパレスのチェアマンと彼の個人的な関係も後押しした)、いまのクラブ運営をリードする中心人物のひとりだと思われていた。そのため、クラブから正式に発表される前のオーンステインのスクープは各所でだいぶ驚きをもって迎えられた。
ちなみにこのひとは、AFCで役職についたのは2020年と比較的最近のことながら、KSEとは2007年からの付き合いということであり、もう20年近い。
そして、2020年からAFCということは、まさにCovid時期のクラブの財務と法務を支えたキーマンのひとりであり、いまのクラブの立ち位置を考えれば、彼もまた成功者のひとりと思われていた。
彼がアーセナルを離れた理由については、 ジェイムズ・マクニコラスの興味深い言及がある。このひとこそ、ティム・ルイスの突然の退社に驚いているライターであるが、「彼の無愛想な態度は、アーセナル内外で広く人気があったわけではなかった。雄弁で広く尊敬されてはいたが、ときに攻撃的な一面もあった。おそらくそれが最終的に彼にとってマイナスになったのだろう」と。暗に、これが円満退社ではない可能性を示唆している。
それと、ルイスはスタン・クロンキとの関係が深いことから、彼が去ることで、息子のジョッシュのAFCへの関与がさらに拡大するという見方もあるようだ。
ジョッシュは夏の移籍ウィンドウの期間中もしばらく英国に滞在していたようだし(※KSEの本拠地はUS)、わりと最近は頻繁に試合にも訪れているように感じる。
KSEの主要フランチャイズで唯一ビッグタイトルを取れていないアーセナルに、オーナーシップとしてより本格的に集中していくんじゃないかという。ここ数年の積極補強でもそうした動きはすでに見せているので、これは理にかなう説だと思うし、ファンとしては大歓迎。
そして、この人事に伴って数人の新しいボードメンバーも発表されている。そのひとり、社外取締役として参画するBen Winston(43)は、アーセナルのファンにはあまり人気がないようだ。
彼はアーセナルのシーズンチケットホルダーを30年もやっているという筋金入りファンだそうで、ウキペによるとTVプロデューサー/ディレクター。エミー賞を13回も取っている有名人という。「TV界でもっとも影響力ある漢」 by Business Insider。彼が携わった作品リストには、One DirectionやTake Thatのような名前も。うーん。ハリウッドとかエンタメのひとか。アーセナルが映画とかつくるときに活躍してくれるんだろうか。
TVプロデューサーというと正直ろくなイメージないけど、日本だと秋元康とかテリー伊藤とかああいう? それはたしかに嫌だな(笑い)。
おっと試合プレビューからだいぶ外れてしまった。元に戻ろう。