試合のレフリーは……2年ぶりアーセナル担当のStuart Attwell & Jarred Gillett(VAR)で物議
これはなあ。こういうビッグマッチにふさわしい指名なんですかねえ。
Stuart Attwellはアーセナルの試合を担当するのが2年ぶりで、その最後の試合がなんだったかというとこれですよ。このVARについては、後日アーセナルFCとして公式に声明を発表したほどの事案なのだが、結局PGMOLはこれを明白なVARエラーとは認めなかった。そういうことも含めてアーセナルファンの記憶に残っているといえよう。
【マッチレビュー】23/24 EPL ニューカッスル・ユナイテッド vs アーセナル(4/Nov/2023)アルテタ激怒のVAR判定 | ARSENAL CHANGE EVERYTHING
とはいえ、Stuart Attwellみたいな有名レフリーが、あれ以来アーセナルの試合から遠ざけられていたのは、やっぱりこの事案があったからでしょう? 納得できる説明もないのでは、ファンだって受け入れられるはずもなく。
そうしたほとぼりが冷めるのを待って、もう一度彼を起用するタイミングがこの試合? さすがにPLも気を使わなすぎじゃないか。
またVARレフのJarred Gillettは、先日のPLリーズでの仕事はアーセナルファンにも一定の評価はあったものの、彼がリヴァプールサポーターというのは事実は変わらない。そんなレフリーが、タイトル争いしている直接のライバルの試合に関わっちゃダメでしょう。
ぼくが思うに、こうして偏向疑いを持たれているレフリーが当のチームの試合で仕事をしてはいけないのは、彼らが偏向ジャッジをするからではなく、ジャッジにプレッシャーが発生するからだ。自分はもともとそういう目で観られているという意識があれば、平常心では仕事ができない。これでは正しいジャッジをするのが非常に難しくなるだろう。ファウル判定では、リスタートではかならずどちらかのチームが有利になるのだから。ルールブック以上の試合の「空気を読んだ適切な判断」が求められるような場合はとくにそうだと思う。
試合前からこういういらぬ心配をしなきゃならないのも、興ざめだなあと思う。
試合結果予想
BBC Sport (Chris Sutton’s prediction) 1-0
Sky Sports (Jones Knows) 2-1
WhoScored.com 2-1
3者ともホームチームの勝ちを予想。
BBC Sport(Chris Sutton):わたしは、これにはとても自信がある。アーセナルの勝ち。
マンシティはダービーではうまくプレイしていたが、彼らの相手はプアなマンUだった。アーセナルはレベルが違う。
彼らはシティをボコボコにするだろうし、わたしにはまたしてもErling Haalandが締め出される姿が見えるようだ。今週のFantasy teamでは、わたしは彼をキャプテンにするつもりはないね。
試合のみどころ:「アーセナルとマンシティ。勝負を決める5つのサブプロット」
今回このパートはOpta Analystの記事をざっくり紹介することで替えさせていただきたい。ぼくもなんとなく書こうとしていたことはあったのだけど、記事を読んでいたらこっちのほうがずっと整理されていた。
Arsenal vs Manchester City: Five Key Subplots That Could Decide the Game | Opta Analyst
1. Rodriがターゲット?
- Rodriは先週のPLマンUでは相手のプレッシャーに屈し、ボールを奪われたり、パスミスすることが何度かあった
- 前シーズンの長い時間をケガで棒に振っており、やや疲労した様子もあった
- その試合の彼のパス成功率は82.5%で、彼のPLキャリアのなかではワースト2位の数字
- またハイプレッシャー下でのパス成功率は73.7%。同ワーストの数字
- マンUが意図的にそこを狙ったかどうかは定かではないが、誰がそこを有効に攻められるかといえばアーセナルである
2. アーセナルの鉄壁守備
- アルテタのチームが、ときどきかなり守備的にプレイすることはよく知られている
- そして昨シーズンのアーセナルはPLでわずか34失点(内ペナルティ4)でリーグベスト、またxGAも最低(35.1)でリーグベストだった
- ホームでマンシティに勝った試合では、彼らに0.81xGしか許さず
- アーセナルの守備はビッグゲイムでも優秀。トップ6のミニリーグでもxGAが12.8とベストの数字
- 今シーズンのアーセナルはxGAが2.4でニューカッスルに次ぐ2位。唯一の失点はリヴァプールでのフリーキックのみ
- また今シーズンのPLではアーセナルだけが、いまだにBC(ビッグチャンス)をつくられていない唯一のチーム
- アルテタのチームは24/25には、ロウブロックを多用した。彼らよりもロウブロックが多かったのはブレントフォード、サウサンプトン、イプスウィッチ、ウェストハムの4チームしかいない
- アーセナルがどんなアプローチであろうと、シティはそれを攻略するには苦労するだろう
3. Haalandに託す希望
- Haalandは今シーズンもいきなり爆発。ここまですべてのコンペティション5試合で6ゴール。PLでは4試合で5ゴール決めている
- 彼のPLでのショッツは19で、2位よりも7も多い。xGは5.74で、2位のAntoine Semenyo (2.67)のほぼ2倍
- 先週のノルウェーでは11-1で勝利したモルドバに5ゴール
- CLナポリでもゴールを決めて、わずか49試合で50ゴール
- ただし、日曜の対戦相手はおそらくヨーロッパでももっとも硬い守備
- Haalandは2022年にシティ加入以来、アーセナル戦で8試合4ゴール。ショッツ22、xGは3.8。したがって彼のアーセナル戦の1試合平均xGは0.48。彼が対戦した試合で、平均xGがこれより低いのはニューカッスル(0.38)、アストン・ヴィラ(0.44)、リヴァプール(0.45)のみ
- 昨シーズン、シティがアーセナルで決めた3ゴールのうち2ゴールがHaalandによるもの
4. ドリブラー特攻隊長
- Pepもアルテタもドリブラーを重宝してきたわけではないが、その傾向は変わってきている
- シティではSavinho、Oscar Bobb、Jérémy Dokuの重要性が高まっている
- アーセナルも夏にエゼとマドゥエケを加え、シティと似たパターンを踏襲している。エゼはただのワイドプレイヤーではないが1 v 1で相手を抜き去ることを好む
- 先週のPLでは6人の選手が7回以上のテイクオンを試み、その中にはマドゥエケ(9)、Doku(8)、エゼ(7)も含まれた
- もちろん、それは対戦相手にもよるが、彼らの重要なスキルセットであることはたしか
- Dokuは、過去には判断力やラストパスが批判されてきたが、今シーズンはスタートから4試合を終えた時点で、彼がつくったチャンス(7)はチームベスト。PL全体でも彼の2アシストを上回っているのはふたりのみ
- 彼はまたCLナポリでもドリブルから素晴らしいゴールを決めた
- マドゥエケもチェルシーでは批判の絶えない選手だったものの、アーセナルでは好調を維持、ノッティンガム・フォレスト戦では試合のベストプレイヤーだった
- 彼らが日曜の試合に決定的なインパクトを与える可能性はある
5. トップストッパーたち
- この試合では、ラヤとDonnarummaというヨーロッパのトップショットストッパーたちがプレイする
- ラヤは昨シーズン、クリンシートが13で、今シーズンはここまでの5試合で失点がわずか1。彼の今シーズンのPLでのセイヴ率91.7%を上回るのはひとりのみ
- Donnarummaはまだシティに移籍してから日が浅く、ここまでの2試合は無失点、セイヴは3
- 前回のエミレーツでの対戦で、7つのSoTで5失点したシティは、Donnarummaに期待している
- Opta Analystの最近の分析では、彼のバックからのプレイには疑問があるが、チームではそれよりもショットストップを期待されているようだ
- Donnarummaの評価は去年のCLでもとても上がった。ノックアウトラウンドで、リヴァプール、ヴィラ、アーセナルを破ったから
- しかし去年のCLでは実際はラヤ(76.9%)はDonnarumma(71.4%)よりも高いセイヴ率で、プレイした試合は2つ少ないものの彼と同数のクリンシート(6)だった
- この試合ではどちらもビッグセイヴを求められる可能性が高く、GKが勝負を決めるかもしれない
以上。
ちなみに以下がマッチデイ5のOpta予想。いちばん下。ホームチームの勝利が52.5%、アウェイチームのそれが23.4%。これ、この10年レベルでシティの勝ち予想はもっとも低いんじゃないの。
勝たねばなりません。
キックオフは、日本時間で9月22日(月)0:30。日曜の夜。
いやあ、楽しみっす。
COYG!