こんにちは。
PLの6試合め。アーセナルとしては、今シーズンのタフな序盤フィクスチャをしめくくる試合となるニューカッスル@SJP。
NUFCといえば、近年はアーセナルにとってもっとも苦戦する相手のひとつになっているという印象があるが、実際アルテタのチームがアウェイで彼ら以上に敗けている相手はシティ(5)しかいないという。アルテタは、SJPでは4度も敗けている(※すべてのコンペティション)。現在はなんと3連敗中だ。
そういう意味では、ビッグ6との試合にも劣らないビッグマッチと云えよう。
それと今回は、いまアーセナルは「ハンドブレイク」ナラティヴによって、その手堅いアプローチが話題になっていたこともあり、この試合でアルテタがどのようなチームを選び、どのようにプレイするかも注目されている。
日曜の試合をプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「(サリバの新契約)わたしも望んでいること」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(Billy Vigarが亡くなった悲しみ……)
- ショッキングなニュース。昨日の帰り道で知った
- すぐに彼の家族のことが思い浮かんだ。このように突然でどう受け止められるだろう
- 運営には起きたことを調査してもらって、二度とこのようなことが起きないようにしてもらいたい
- じつに悲しいニュース。わたしたちも彼らに寄り添い、支援を惜しまない
(オーデガードは起用できる?……)
- マーティンはこのあとの2日間はチームとともにトレインする
- 試合には間に合うことを期待している
(サカのフィットネス?……)
- ここでお伝えするようなことはとくにない
- 彼は期待どおりに試合でプレイしたし、よくやっていた。いい調子で、このあともトレインしていくだろう
(マドゥエケのケガは検査した?……)
- まだしていない
(サリバが新契約にサインするという噂……)
- 世界中でそう伝わるといいと思う
- そこにはクラブも含まれるし、すぐだろう
- それはわたしも望んでいたことだ。だが、すべて済んだあとの発表はクラブに任せる
(チームにとってサリバの重要性……)
- それは間違いない。ここ数年チームでやっていることにおいて、彼はずっと重要だった
- 多くの選手がやる気になっているのは素晴らしいこと。つまり、みんながハッピー
- 彼らは自分が価値ある存在だと感じ、こここそが野心を叶えられるクラブだと感じている
(サリバのフォームがどれほど誇らしい……)
- 彼があの年齢でやってきたことはとても素晴らしい。そのことを忘れそうになる
- 彼の一貫性はよくなっていきていると思うし、彼は人間としても成熟している。チームのなかでの役割も毎年大きくなっている
- ガビとのパートナーシップはとくにそうだし、彼のバックラインやキーパーとの連携で過去3年のベストな守備記録がある
- 彼はそこで決定的
(アーセナルはリーグでベストの守備がある?……)
- われわれはどの側面でもリーグでベストのチームがほしい
- どの選手の貢献もとても重要になる
- われわれのフロントラインのプレスに始まり、ディフェンシヴラインのワークまですごい
- だから集団でやることが重要。これがチームスポーツであり、われわれがやることのすべてにおいて全員が決定的な役割を果たす
(7試合でまだ2失点しかしていない……)
- そうだね。とくにそのうちのひとつはフリーキックでできることはほとんどなかった
- もうひとつは改善の余地はある
- だが、全体的にわれわれは安定していると思う。そのレベルを維持することがカギになるだろう
(ニューカッスルはIsakを失って完全に変わった?……)
- ノー。彼はバルセロナ戦でもプレイしなかったが、最初の30-40分でまったく違う結果になっていた可能性がある
- わたしはエディと彼のコーチングスタッフの仕事をつねに称賛している
- とくにホームで彼らがつくりだす雰囲気。とてもはっきりしたプレイのアイデンティティ。それが試合をとても難しくする
- この試合が試練だとわかっている。あそこで試合に勝つためには最近やっているよりも、もっと効率的でなければならないとわかっている
- われわれは、この2日間でそこに取り組んでいくつもりだ
(深いエリアに向けて直接外に出す最近のキックオフ戦術について……)
- わたしはスロウインのためにすぐに外に出すよりは、ボールをネットに入れられる場所のほうがいいけどね
- そこにはいくつかのパターンがあり、ここ数年でいくつかのチームがやってきたやりかたがある
- しかし、どんな試合を想定するかでそういう傾向があるということだ
- 試合の始まりでプレッシャーを避けるためにできることがある
- そこはどんな準備をしているかによると思う
(アーセナルがキックオフからボールを外に出すのはアウェイのときだけ?……)
- 場合による。前半か後半か。すでに失点しているか。残り2分か
- 試合と結果の状況で、そのときなにをやるのがベストなのかが変わってくると思う
(将来ほかのキックオフ戦術もあるかもしれない?……)
- おそらくはイエス
(サリバはどれほど期待を上回っている?……)
- おそらくは誰の予想よりも上回っていると思う。とくにチームとの関係性
- われわれも、彼のポテンシャルを叶えるためのベストな道についての考えはあったが、それも違っていた
- しかし、ある時点ではわれわれも同じ結論にたどり着き、そこからのワークを始めた
- そこから、コーチと選手の全員の助けもあり、すべてが開花しはじめた。ポテンシャルははっきりしていたのだから
- あとはタイミングの問題であり、彼がもたらせるよう正しい環境をつくることだった
(サカのつぎのゴール関与はPLで100コめになる……)
- 100、101、102。日曜にそうなるといいね
- たしかまだ200試合に達していないと思う。素晴らしい記録
- それが物語ること。われわれは攻撃やクリエイティヴな選手の一貫性について話すが、それを見つけることは非常に稀有
- そして、それがわれわれにいるタレント
(Eddie Howeのチームと最大の挑戦……)
- 多くの試合があり、彼らと対戦するときは支配しなければならない
- 今回われわれは準備万端でなければならない。とてもインテンスな試合になる
- われわれはそれを十分に承知しているので準備する
- だが、われわれには効率がとくに重要になる。具体的なふたつのカギが試合に勝つベストチャンスをもたらす
(最近は多くの選手が新契約にサインしている……)
- 極めてうれしい
- わたしが選手と話すとき、クラブについてと彼らの考えについて聞くが、まず最初に彼らが云うことはこのチームとつづけたいということ
- 彼らはこのチームとともに勝ちたい。この環境のなかでチームとともに成長をつづけたい
- それは素晴らしいこと。つねにそうはなるわけではないから
- われわれはそれを当然だとは思わない。だが、つまりそれはクラブがとてもうまくやっているということ。ここにいる人間たちをとても価値があるものとして、ハッピーにしている
(あなたがここでプレイしていたときからクラブはどれほど進化した?……)
- 状況は違うが。わたしが選手としてここに来たときには、クラブにはほかのニーズもあり、くらべるのは難しい
- わたしが云えるのは、選手たちがとてもコミットして、チームとつづけたがっていることが超うれしいということ
- それはわれわれ全員が同じことをしたがっているということだから
(サカの新契約についてニュースは?……)
- わたしもそうなってほしいと思う
- わたしが知るかぎりでは、彼はここで超ハッピーな選手であり、ここにいることやここでの役割を誇らしく思っている選手
- いつもそうしているように、自然になるようになるだろう
- チームにとってブカヨがいかに大切かは全員が知っている
- 契約が成立することを願う
(サリバがここに残りたがっていることが誇らしい……)
- わたしは彼から直接聞いている
- 雑音も聞こえるのは、期待もあるからだろう
- 結局、選手には彼の家族のなかでの育まれた感情がある。いつかそれが叶えられると夢見ているかもしれないし、それはとても自然なこと
- わたしがウィリアムに質問したとき、彼はノーと云った。ここにいたい、ここでプレイしたいと云った
- わたしはとてもうれしかった
(サリバにはレアル・マドリッドからの興味が伝えられている……)
- そういう具体的なことは話したくない
- だが、そういうたくさんのクラブと雑音があるのは当然だ
- われわれはチームの名前を挙げることはしないが、多くのクラブがウィリアムをアーセナルから連れていこうとする
- そして彼は最初からはっきりしていた
(SJPの雰囲気について……)
- 非常に美しい。この国でもベストな雰囲気のひとつと思う
- 選手として、ファンとして、コーチとして、ああいうところで生きたい
- 彼らはどのボールについても全員でプレイする
- 電撃的。あれだけの応援があるのは、ひとつの町にひとつのチームだからだと思う
- これはなんという挑戦であり機会。素晴らしい試合になる
(彼らのバルセロナ戦から学べること……)
- 戦術的な観点からはふたつの見方がある。音を消すかボリュームを上げるか、わたしは理解するためにボリュームを上げた
- どの決断にも感情的なものがあり、自分たちの試合をプレイせねばならないし、そうプレイしたい。あの雰囲気のなかでそうプレイできなければならない
- それは美しいことだと思う
(サリバとのかつての交渉が現状に役立っている?……)
- それは何度かあっただけで、最後のは残念ながら電話でだったが。あれはCovid期間中だったから
- わたしは云った「聞いてほしい。率直に云って、わたしはキミにここにいてほしいし、キミは試合でプレイしていない。成長をつづけるためにもキミはプレイしなければならない」
- そのときクラブも同調していた
- そしてわたしは彼の目を観てこう云った「わたしはキミはもう準備できていると思う。キミはどうだ?」。そして彼は云った「ぼくは準備できてます」
- そこからすべてが花開いていった
(あの年、何が彼を準備完了させた?……)
- わたしがトレイニングで彼を観始めたとき、これは私見だが、このリーグでCBとしてプレイするために必要な完璧な支配の基礎を持っていた
(あのタフな雰囲気のなかで最初の5分間の重要性……)
- 最初の5分が最重要なのは、最初の5分間
- そのあとはレフリーが笛を吹くまでの5分間
- それがすべて。勢いと傾向、そのときチームがどう感じているか
- しかし結局は、試合に勝つためにどれだけ長い時間支配できるか。それが日曜にわれわれがやろうとしていること
(昨シーズンにホームでニューカッスルに1-0で勝ったときと同じフィロソフィで行く?……)
- どの試合も違う
- その試合でわれわれの最初の時間のプレイは好きじゃなかった。ほかの部分のほうがよかった
- SJPでプレイした試合でもたくさん好きな部分はあった
- だが、とくに失点したあとは、もっとうまくやるべきだった
- レベルは上がっていると思う。彼らのレベルも上がっているし、こちらも
- われわれはベストを出さねばならない。もしそれができるなら、試合に勝ついいチャンスがある
(エゼにはマルティネリにもっと頭上のボールを出すように要求している?……)
- そうだね、とくにもし彼が(シティでやった)あんなふうにボールを通すなら、もっともっとやるように云うよ
「試合に勝つためにどれだけ長い時間支配できるか」。ここはダウトなんだよなあ。このチームはむしろ支配しないほうが、しばしばいい結果を出すから。とくにニューカッスルみたいな相手のとき。
会見の後半。
- Arsenal no longer need to sell: I can talk about what we want. That’s the best players here.
- Any nerves about Saliba noise: I don’t know if that’s the right word. When you want to extend a players contract, it has to be the same with them.
- Captain has to start?: ideally your captain is a starter, and that’s what happens with Martin.
- Martin has the capacity to not train too much but perform at the highest level.
- Newcastle record: we need to do things better. No VR or plans like that.
- Different approach: we need to go on efficiency. It’s the demands we have. We are more than capable to do it.
- Mental block?: No. We have won and lost. The results up there could have been different. We need to be clinical.
- Newcastle defensive record: we will try to be dominant. To create that threat from various ways. We’re going to try.
- Players carry apprehension?: No. As a player you learn a lot about yourself. The atmosphere has helped us get through games.
以上
今回はサリバの新契約合意が広く伝えられた直後ということで、それに関するやりとりが多い。アルテタもとくに否定もせず、事実上認めたようなものだろう。
それと、最近のアーセナルの消極的アプローチに関するあれこれ。ハンドブレイク、メンタルブロック、違うアプローチ、云々。記者たちから予想通りの質問も出ているが、あんまりそればっかり訊くとミケルは頑固だから、よけいに意固地になってしまいそうで、やめてほしかった。
元ヘイルエンダーのBilly Vigarが試合中の事故により亡くなる
これはさすがにOMG。2003年生まれのプロフットボーラーが突然にこの世を去るとは。さすがにいたたまれない。AFCアカデミーでは、チャーリー・パティーノやオマリ・ハッチンソンの同期だったという。まだまだこれからの人生だった。
Everyone at Arsenal is devastated by the shocking news that former academy graduate Billy Vigar has passed away.
All our thoughts are with his family and loved ones at this time.
Rest in peace, Billy ❤️
— Arsenal (@Arsenal) September 25, 2025
死因について、AFC公式および大手メディアでは直接的な説明を避けているようであるが、どうも試合中にピッチサイドのbrick wall(レンガ壁)に衝突して意識不明の重体だったということ。トップレベルの試合でも、まれに選手がピッチサイドの看板に激突することがあるが、レンガは危険すぎる。
ぼくは、フットボーラー全員ヘッドギアを着けたほうがいいというのが持論だけど(少なくともDF)、この事故でもまさに頭を守れなかった。
先日もリヴァプールのJotaが事故で亡くなっているが、彼らの仕事現場で起きたというのが、ある意味では交通事故よりショッキング。
今回のことで、ピッチのレギュレイションに変更を求める署名活動も生まれている。防げた事故。
こんな悲劇は二度と起こしてはいけない。
エベレ・エゼのインタビュー「(アルテタには)思いもしなかったディーテイルがある」
Sky Sportsの単独インタビュー。
(以前キミはマネジャーが自分をもっとよくしてくれるから楽しみだと云った。もう準備はできてる?……)
エゼ:100%。まだ始めたばかりだけど、もうプッシュされていると感じるし、自分の気持ちが拡げられている(my mind being streched)ように感じる。それこそぼくが望んだ場所であり、そこから得ようが、得まいが、ワークしてなんとかやりきるだけ。そして自分自身でいること。
そういうところにいたかったし、もしそれができるなら、これからも成長していけるはず。
(キミがデクラン・ライスとまったく同じことを云っているのが興味深い。彼がアーセナルとサインした直後、気持ちがストレッチさせられたと述べた。それはどういう意味なんだろう。これまでとはまったく違うということ?……)
ミケルは、こちらが思いもしなかったディーテイルを考えているということ。それを練習に持ち込み、違いを理解させる。そしてそれを習慣にさせるんだ。ひとつのことだけじゃない。5つのことをやる。それでつねに進歩できる。それは自分にとりいいこと。
彼は毎日いっしょにワークしたいタイプのひとであり、自分のベストを引き出してくれる。
(ポート・ヴェイルのあと、アルテタがキミはもっとボールに触れるべき選手だと云っていた。プレイするポジションについて……)
ぼくはポジションの問題だとは思っていない。どの試合も違うし、どの試合でも使えるスペイスやチャンスが違う。だから説明が難しいけど、たとえば、こういう選手だからどの試合でもここにフィットするとは云えない。とくにこのレベルでは。
ぼくはどのポジションでも快適だし、最高の理解力ももたらせる。そのポジションで、どんなふうにすればもっとも効果的か。どのスペイスでも。
だからぼくはイージーなやつなんだよ。