もう10月とか。信じられない。
さて、CLの時間がやってきた。リーグフェイズのGW02。アーセナルはホームでオリンピアコスと対戦する。またですか。よくもまあ、こう何度も当たるものである。
アーセナルは先日のPLニューカッスル@SJPでの劇的勝利もあり、ムードは悪くない。2週間前のCLビルバオでもしっかり結果を出した記憶もまだ新しい。
今回は、エミレーツということで楽しい試合が期待できるんじゃないか。
今日の試合をプレビューしてゆこう。
アルテタの試合前コメント「選手たちはここでキャリアをつづけたがっている」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。今回は契約更新したばかりのサリバが同席。
(ウィリアム・サリバの新契約について……)
- ビッグニュース。とてもうれしい。ウィリーにはおめでとう。彼は新契約にまったくふさわしい
- ここ数年、彼のクラブとチームへの貢献はとてつもない
- わたしも彼がチームに残ってくれてとてもうれしい
(選手たちはここでトロフィを勝ち取れると信じて、アーセナルに将来をコミットしている……)
- 彼らは自分たちがこのクラブに属していると感じている。とても愛着がある
- クラブと同じ野心を共有し、自分たちに価値がある、愛されていると感じている
- 彼らがここでキャリアをつづけたがっていることは素晴らしい
(ニューカッスルでの逆転勝利のインパクト……)
- 素晴らしいエナジー。ドレッシングルームでは全員で祝っていた
- とくにあの勝ち方があったから
- だが、ここからはすぐに気持ちを切り替えて明日のタフなオリンピアコスに準備せねばならない
(オリンピアコスに向けて全員フィットしている?……)
- イエス。ニュースはない
- ヒンカピエとノニがまだアウトなだけ。あとは大丈夫
(オーデガードはスタートできるフィットネスがある?……)
- 彼はニューカッスルでもとてもよかった
- 彼が入るとただちに渇望や責任が見えた。試合を変えようとした
- 彼の意思決定、ボールへのアプローチ、それが勝利するための違いになった
(今年のCLでは大きなプレッシャーがある?……)
- 同じ野心がある。試合ごとにやっていくだけ。相手より強くあろうとする。できるだけ勝つ。CLではそれが難しいのだが
- 明日はじつに難しい試合になるだろう
- このフェイズではホームでのフォームが重要になるとわかっている
- 明日からまた始めていく
(選手の契約管理について……)
- わたしが確実にわかるのは最後だ。2-3のパーティが合意して、全員が同じ意図や意志を持つこと。これは云うほど簡単ではない
- これまでは極めてポジティヴ
- アンドレアと彼のチームがいて、スタンとジョッシュからの支援があり、それを可能にしている
- 彼らとこれからも旅がつづけられることが非常にうれしい
(今週話題になっていたRAFとの話。どこからそのようなアイディアが?……)
※訳注:アルテタがチームのコミュニケイションを改善するために英国空軍のパイロットに相談したというThe Telegraphの報道があった
🔴 Mikel Arteta has come up with another left-field idea to give team an edge, adding to ‘light-bulb’ team talk and blaring out music in training
Read about it ⬇️https://t.co/xSpmoGpNw9#AFC | #COYG pic.twitter.com/7Q34N5egz2
— Telegraph Football (@TeleFootball) September 29, 2025
- ちょっと遅いね。もう2年前のことだ。飛行機はもうとっくに飛んでいってしまったよ!(一同笑い)
(サリバが契約更新しない恐れもあった?……)
- 契約の長さのほうにあったかもしれない。それは選手の意志だから
- 選手には夢がある。それがPLでプレイすることだったり、あるいはアーセナルでプレイすることだったりする。違う国、違うクラブもある
- だから、それは尊重しなければならない
- われわれはとてもとてもラッキーだ
- しかし、これが示すのはこのクラブの力。どれだけみんなに愛されているか。ここに来たがっているか
- 彼らがどこかほかの場所へ行くことができたとしても、誰もそれをしなかった。彼らはここに残りたがった
(サリバは現在の自分の姿に納得している?……)
- それは素晴らしい事例だと思う
- たどり着きたい場所へ行くために、道筋はひとつではない。いろいろなやりかたがある。道もあるし、ローンもある
- だから、たくさんのことが起きる。ウィリアムもたくさん乗り越えるものがあった。クラブもわたしも彼も同じ。それでいまがある
- そして、それがその美しさなのだ。ときに思い通りにいかないこともあるが、起きたことがベストなこともある
(あなたはクラブの周辺にある「もういい訳はできない」というような雑音に気づいている?……)
- この椅子に座ったときから気づいている
- わたしがこのクラブといっしょにほしいのは大きなトロフィだ
- 誰から強制されるわけじゃない。これは野心。初日からある
- それにいい訳は、わたしの人生にはないものだ
(マネジャーとしてオリンピアコスと初対戦したときのこと……)
- それもフットボールの美しさ
- オリンピアコスに決めたゴールも、決められたゴールも、勝ち抜けのための試合終盤も、わたしは完全に思い出せる
- そのあとに起きたことも。Covidですべてが打撃を受けた
- だから、それも自分たちがここに来るまでの旅の一部だ
(初年度の仕事が自分の成長をどれほど促した?……)
- たくさんのことがあった。シーズン中に巨大なクラブに入り、ヘッドコーチも初めてだった
- それはもうすでにビッグチャレンジだった
- そのうえ、クラブに起きたことがある。Covid
- 選手たちとも会えないし、それが2年もつづいた
- だがそれも学びの機会でもあった。あれがわれわれをもっと強くしたと思う
(エミレーツの雰囲気を改善するためにトンネルを取り除いた件……)
- クラブとして、われわれはつねにエミレーツにベストな雰囲気をつくりたいという野心がある
- われわれには世界最高のサポーターがいて、あとはその他をよくすること
- チームがサポーターの前でプレイするときは毎回正しいフィーリングをもたらさねばならない
- ステディアムをもっとよくしていく必要がある。意志に火を付ける必要がある。それが違いになるから
- われわれはプレイしたいし、勝ち取りたい。そこは交渉の余地はない
- そういうときをつくれるステディアムが間違いなく必要なのだ
(マックス・ダウマンの才能にはいつごろから気づいていた?……)
- 最初にそれを話したのはたぶんペアとだった。選手の才能やどうやったら必要なレベルに届くか
- そしてすぐに彼の名前が出てきた。そこから彼のことを観始めた
- 彼の成長、ステップ、そのスピード。それは聞いたこともないようなもの
- 彼は完全にわれわれとともにある。チームの一員であり、チームとともにトレインする
- 彼はほかのみんなと同じチャンスを得ている
(そのペアとの会話はいつごろのこと?……)
- 1年半か2年前くらい
(ヴィクター・ヨクレスがニューカッスルで立ち向かっていったこと……)
- 大好きだね。あれは最高
- 彼が悔しさをあらわにしたのは一度きりじゃなかった
- わたしは彼に云ったんだ。キミには決断するときが来ると、ほかの選手にはない。2-3人の選手がつねに周囲にいるだろうが立ち上がれと。空中で挑め。たくさんのことが起きる
- だが、わたしは彼のリアクションが痛く気に入った。あの感情の対処
- それだけじゃなく、彼は危険なときを何度もつくっていた。すごくチームに関与していた
- 彼がゴールできなかったことは残念だった。彼はそれに値するパフォーマンスだった
(ケガで離脱中のカイとはどう役割分担していく?……)
- 自然になるようになる
- 彼はとても自信に満ちたボーイ。彼のワークエシックはすごい。彼が毎日自分に課している要求
- 彼とともに取り組むのは喜びだ
- 彼はチームに多くをもたらす。わたしは彼にとても満足
(中央でプレイするときのエゼをオーデガードとくらべると?……)
- 彼には違うクオリティがあると思う。彼が彼のやることをやると、予想できなくなる。
- 彼は右へ行くのかと思えば左に行き、もうひとつタッチするかと思うとすぐにボールを放す
- それが彼のヴィジョンなんだ。彼はそうしたマジックモウメンツを生み出せる
- ある時点で、誰もできないようなやりかたでボールを奪ったりする
- チームにそういう選手が何人かいるのはラッキーだ。彼を中央で使えば使うほど彼の周辺は脅威になり、チームは彼の強みを活かせる
(彼はアーセナルライフに慣れてきた?……)
- とてもいい
- 彼は個人としてもとても特別なキャラクターがある。とても付き合いやすいし、超賢い
- わたしは彼の考え方の素早さにとても驚いた。彼が投げかける質問、異なる環境でもあんなふうになれるとはどれほど賢いのか
- チームメイトとのケミストリもある。彼の試合への影響力。まだ短期間しかチームにいないのに、とてもポジティヴ
(前回のオリンピアコスからなにを学んだ?……)
- 彼らはとてもいいチーム。とてもとても優秀なマネジャーがいる
- わたしは13才のころから彼を知っている。当時わたしのコーチだったから
- 彼の仕事を知っているし、彼の仕事の効率も知っている
- だから明日はとても難しい試合になると云うのだ
(アーセナルのバック4があんなにも素晴らしい理由は?……)
- ひとつはケミストリ。CBユニットではそれがなければならない。お互いのためにプレイするフィーリングと意志、お互いの弱点を補い、強みを伸ばす
- それが彼らが持つ能力であり、進歩させてきたもの
- 彼らはいっしょにプレイするのが好きで、それはわれわれがバックラインに求めることからもとても重要なこと
RAF(英国空軍)パイロットの件、アルテタはこんなことを語っていたという。
アルテタ:わたしは興味があっていろんなところへ行くんだ。つねに進歩がある。
ある日わたしは朝目を覚ますと、こんなことを思う。「試合の日なのに準備が十分じゃない。なぜわれわれは選手たちとコミュニケイトしているのだろう。コーチから始まり、アナリスト、その他の人たち。どうやったらメッセージは伝わる? これじゃダメだな。誰ならもっともうまくやるだろう?」。
そこで、たとえば英国の戦闘機だ。わたしはその関係者と連絡を取る。彼らがどうコミュニケイトしているか。なぜなら、それは生死に関わることだから。ひとつのことばで済むところを20ものフレイズや単語は使わない。「ナー、風がこっちに来たから、そこは左に曲がって……」そんなことを云っていたら、どっかーん。死ぬ。だから、ひとつのことばだけになる。
つまり、チーム内のコミュニケイションを改善するために空軍の戦闘機パイロットに伝え方を教わろうとしたと。食事会にスリを忍び込ませたり、ミケルはあいかわらず奇抜なことをするひとだ。
会見の後半。
- Saliba: we rarely recruit that position at that age for that price. At the time it wasn’t ideal. We let him leave on loan to get exposure.
- Atmosphere: we’re starting to create a story
- Everyone wanting to be here: It’s exactly what we needed as a club. A sense of belonging.
- Saliba wanting more: That was the conversation we’ve had with everyone who wants to remain here.
- Growing belief: It creates belief and momentum. It was done in a special manner.
- Madueke: He needs to wait. Still in a protective stage.
- I had a talk with the players. Some will play until the end and some won’t play. The attitude of every player has been really good.
- Early conversations with Saliba: You’re telling a player that the best thing is a loan. It means right now isn’t the right place for you. He did it with incredible maturity.
以上
ウィリアム・サリバの試合前コメント「まだクラブで何も勝ち取っていない」
会見には、選手側から契約更新したばかりのビッグウィリーが登場。
- so happy to have the new deal.
- trophies: the only thing we miss is the trophies. We are close.
- this year the year?: we didn’t give up against Newcastle, we pushed and scored.
- tempted to leave Arsenal?: I was just focused on Arsenal. I waned to stay here.
- Journey: When I arrived in 2020 and didn’t playing six months, of course you have some doubt but I told myself I cannot leave without playing.
- Who helped you?: Arteta helped me. They sent me on loan to improve. It was good for me.
- hard mentally: of course. At the end of the day it’s football. You always need to believe in yourself.
- Belief: We have a the squad to compete in any competition. We want to win the champions league.
- What do you miss in Paris: I prefer the food, but it’s not that bad here.
- Thierry Henry: it was my first Arsenal shirt. Class player to watch. I was following the team and him.
- Arsenal player without him?: I don’t know. You’ll never know.
- Spoke to him?: I did when he was a French journalist.
- what makes Arsenal special: Trent won titles at Liverpool. I haven’t done anything for this club to think about leaving.
- I cannot leave here without giving something to the fans.
- What’s missing?: We’re always close. Every year we’re getting better. We’re always close. We have to prove we’re ready.
- Belief growing?: Of course. finding second and being angry. You want to go on holiday celebrating winning the trophies.
- Arteta talks: he told me I wasn’t ready. I was playing with U21 and then it was better to go out on loan.
- What did loans teach you?: I signed for almost £30m so expected to play. I was angry but that’s football. I never gave up.
- being remembered for trophies: Of course. We have a good team and just miss trophies. The team and I will give everything to win titles. It’s trophies, trophies, trophies.
- Ankle: I’m feeling better and hope to not have pain.
- celebrations: normal for me. Hard to win games in premier league and if you win at the end you go crazy.
- connections with fans: without them we are nothing.
- Evolving role: I play here for 3 years. I have experience, i now have to be a leader and example.
- arsenals legend: win trophies
このやりとりのなかで、リヴァプールからレアル・マドリッドに移籍したTAAのことを訊かれた場面がある。それについてサリバは、彼の場合はリヴァプールでいくつかトロフィを勝ったあとのことで、アーセナルでまだ何も勝ち取っていない自分とは違うと答えたのだが。
今回アルテタが「選手には夢があり、それを尊重する必要がある」と述べていたことと合わせて、やっぱりサリバはいずれレアル・マドリッドあたりに行きたいんじゃないかという気がする。
もちろん、彼はいまはアーセナルにコミットしているが、ここでいくつかトロフィを勝ったあかつきには、やはりフットボーラーなら誰もが夢みるクラブへ行くんじゃないか。彼が、子どものころからアーセナルファンだとしても、サカやワネーリといったローカルボーイのように骨を埋める覚悟があるみたいのとはちょっと違うかなと。
でも、それでもいいかとも思う。彼がいつかいなくなるのは寂しいが、PLとCLを何度か取ったあと、28才とか29才くらいでCBとしては史上最高額でレアル移籍とかなら許せる。€150mとか。
そんなことを憂う前に、まずはこのチームでタイトルを取らなきゃだけども。