ブレントフォードについて
The Bees.
アーセナルには、ラヤ、ノーガードがブレントフォードから来ている。AFCのセットピース大王ことニコ・ヨヴァーも元ブレントフォード。いつも、お世話になっております。
ブレントフォードは今シーズンここまでPL13試合で、19ポインツの12位。トップ4まで5ポインツしかない。まったく悪い位置じゃない。なんなら、昨日試合を終えているニューカッスルのひとつ上。
今シーズンは、エースだったBryan Mbeumoが移籍してかなり難しいシーズンになるかと思いきや、Igor Thiago(24)がブレイク。ここまでPLで11ゴールと大活躍。チームのゴールのほぼ半分を彼がひとりで決めている。
彼らは、ボスのThomas FrankがToTへ転職したため、今シーズンからKeith Andrews(45)がマネジャーを務めている。彼はもともとクラブでセットピースコーチだったそうで、これは内部昇格。彼はこれまでアイルランドNTやシェフUでのアシスタントコーチまでしか経験がなく、これがキャリアでもっとも大役ということに。
そして、元セットピースコーチがマネジャーのチームなので、当然セットプレイへの意識は高い。Andrewsは、この試合について「セットピースが大きな役割を果たすだろう」とコメントしている。
ブレントフォードが発明し、アーセナルが完成させた? モダンセットピース
さっき読んだ、このThe Independentの記事がけっこうおもしろかった。Miguel Delaneyの記事。彼はFSA Awardsでベストライターに選出されていた。
ぼくはよく知らなかったのだが、ブレントフォードはセットピース戦術に関しては、PLでも屈指のクラブだということ。云われてみれば、そんな話を以前どこかで目にしたような。
たしかに数年前、アーセナルも当時ブレントフォードにいたラヤ(ロングボール)とIvan Toneyのダイレクトプレイにはだいぶ悩まされたときがあった。しかし一般的には、あのころの彼らはまだいまのようなセットピース戦術の文脈で捉えられることは、あまりなかったと思う。ただのとってもダイレクトにプレイするチームのひとつというだけ。少なくともアーセナルファンとしては気づかなかった。いまアーセナルがこんなチームになり、PLでセットピースが大流行するなんて、そのときは誰も予想しなかったし。
彼らは、2014年Pep Guardioraのポジショナルプレイ全盛期にはすでにセットピースの過小評価を見抜き、データを応用し、セットプレイを戦術としてチームに組み込み、そしてセットピースコーチの育成に務めていったという。ニコ・ヨヴァーも、いまToTのAndreas Georgsonも、Keith Andrewsもそこから輩出された。
そして、その思想の直接的な影響を受けているのがアルテタだという。ニコ・ヨヴァーのシティ行きも、当時Pepのアシスタントだったアルテタが推薦したという。おもしろい。
あいかわらず、フットボールファンには人気のないセットピースであるが、昨今ますます重要性が高まっているのは間違いない。ちなみに先週末のPLの全10試合でセットピースから生まれたゴールは14で今シーズンの最多(タイ)だったということ。このトレンドはまったくもって現在進行系。
アーセナルにはもちろん、ライスとサカという屈指のセットピーステイカーがいて、いっぽうのブレントフォードには、Kevin SchadeとMichael Kayodeというふたりのロングスロー強者がいるという。

フォーム
ブレントフォードはPLの直近6試合で、WWLWLW。悪くない。今シーズンはまだ連敗がひとつもない。
ただし、アウェイフォームがかなり劣悪。ここまで6試合でW1 D0 L5。ウェストハムに勝っただけ。これは典型的内弁慶。
トップチームにもけっこう勝っているが、これがすべてホーム。
ヴィラ(H)、マンU(H)、リヴァプール(H)、ニューカッスル(H)で勝ち。チェルシー(H)はドロウ。
リーグカップはQFに勝ち進んでおり、つぎの相手はマンシティ(A)。
チームニュース
Antoni Milambo、Paris Maghoma、Frank Onyekaがアウト。
Head to head
アーセナルは、ブレントフォードとのPL直近6試合で、W5 D1 L0。
最後に敗けたのがそう、あの試合。21/22シーズンの初戦アウェイ。2-0でブレントフォードの勝ち。ラヤがうれしすぎて、勝った日付のタトゥーを首に入れたやつ。
Keith Andrewsの試合前コメント「これもまたセットピースが大きな役割を果たす試合」
KA:この試合がかなり難しいタスクであることは、明白だ。しかし、そのタスクをわれわれは喜んで受け入れる必要がある。
彼らは間違いなく手強い。ほとんど失点しないし、ほとんどチャンスもつくらせない。だが、われわれは相手に困難を強いることについては、とても自分たちに自信のあるチームである。それこそが水曜夜にわれわれがやりたいことだ。
(セットピースバトル?)セットピースのバトルはいつだってたくさんあるものだ。そして、それが非常に上手な2チーム。
多くの試合で、セットピースは大きな役割を果たしている。それはもう違うレベル。この試合でも大きな部分を占めるはず。われわれがそれを正しく行えることを望んでいる。
ブレントフォードの戦術について by エイドリアン・クラーク
AFC公式サイトより。
AC:ブレントフォードの新しいヘッドコーチ、Keith Andrewsはさまざまなフォーメイションを混ぜて使ってきた。Thomas Frankがより強敵のときにバック4から、5-3-2にスウィッチすることにならっている。
結果がまちまちながら、このアイルランド人は、4-2-3-1に固定したようだ。その大胆なアプローチが功を奏し、ホームでリヴァプールやニューカッスルにも素晴らしい勝利を上げている。今回は、彼らにとりシーズン最初のビッグ6とのアウェイ試合となる。彼らのどのような戦術が合っているかはわからないが、バック4がもっともありそうである。
今晩のアーセナルの相手はカウンターアタックが極めて危険なチーム。25/26シーズンでは早くもファストブレイクからPLで4つのゴールを決めている。平均42%という低いポゼッションのチームとして、カウンターに出る前には、彼らはシットバックするし、プレッシャーを吸収する。
ブレントフォードのベストな動きの多くは、彼らのオウンハーフの深い位置から始まる。MFのJordan HendersonとMikkel Damsgaardが足の速いFWたちに向けて正確なロングパスを出す。アーセナルはそうしたダイレクトプレイに対処する準備ができていなければならない。
ブレントフォードのスタイルの中心は、素晴らしいハートと生産性。選手たちは非ポゼッションでもハードワークして、相手のフロウを寸断し、絶え間ないプレッシャーをかける。これは、ボールを奪い返すためのチームだ。そして攻撃は速くダイレクト。
ライトバックのMichael Kayodeは、間違いなくリーグベストのロングスロウをやる。相手のゴールめがけて猛スピードでボールを放り込むことができ、軌道も低い。その配球からブレントフォードはいくつかのゴールも決めている。
この試合でもニアポストの守備が決定的になる。それがさらに重要なのは、彼ら以上に頭でのショッツが多いチームはないからだ。彼らはボックスに放り込まれたボールに集中し、空中戦にもかなりの力がある。その強みは、彼らの守備も助ける。コーナーやワイドからのフリーキックにも対処できる。
彼らはセットプレイからの失点がたったの2しかない。リーグ20チーム中でも、セットピースからのxGAがベスト(最少)。
個人的には、Jordan Hendersonが素晴らしいと思う。彼らのエンジンルームの中心で、彼のワークレイトと配球でプレイのトーンをセットする。
ウィングでは、Kevin Schadeが公式にもPLで最速の選手のひとり。彼はボールがあってもなくても爆発的なスプリントがある。彼の方向めがけてのロングパスもめずらしくない。
今シーズンのブレントフォードの問題は、リードを守ること。彼らは最初の12試合のうち8試合でリードしたものの、それを勝利につなげられたのは4試合しかない。3試合は逆転敗け。それと、彼らのゴールスコアラーは6人しかおらず、とくにMFからのアウトプットが必要だ。
いつになく長い解説。












