右サイドに新たなオプション。マドゥエケ&ホワイトのケミストリ
あの11分、メリーノのゴールは美しかった。そこに至るまでのプロセス含めて。
右サイドで相手DFと対峙したマドゥエケが、背後をオーヴァラップするホワイトにバックヒールで絶妙なパス。ディフェンスラインの裏に抜け出したホワイトがカットバック、DFのあいだを走り込んでジャンプしたメリーノが地面に叩きつけるヘディングシュート。GKはボールに触ることもできずゴール。まるで流れるような一連の連携プレイだった。
アルテタが、現在の右サイドのレギュラー選手であるサカとティンバーにかえてこのふたりを起用したのは、やはり負荷管理のためだったろう。NLD、バイエルン、チェルシーはさすがにタフだった。
だから、アルテタがこの試合での彼らに100%の信頼を置いていたかはわからない。だが、試合のパフォーマンスを観るかぎりではかなり好印象だったんじゃないだろうか。もちろん、彼らには長いブランクがあり、評価にあたってはそのあたりは差し引く必要はあるだろうが、あのようなケミストリまでは期待していなかったように思う。
マドゥエケはまああんな感じで、サカにくらべるとピーキーというか、安定感は全然ないが(左のネリレオの関係とちょっと似てる)、今後はもうちょっといい感じにマイルドになっていくとして。あ・あと彼にコーナーを蹴らせるのはもうやめよう(笑い)。
ベン・ホワイトについては、やはりジュリティンとは持ち味がだいぶ違うなと、あらためて思う。あのオーヴァーラップからの攻撃参加。あれは、ベンジャミンの個性であり、そしてかなり効果的。サカ・オーデガードとのトライアングルを形成した時代を思い出してしまった。そんなに昔のことじゃないのに、もう懐かしい。
Ben White won more duels (10) and made more tackles (6) than any other player against Brentford.
He also made more clearances than any of his teammates (6) and provided the assist for the opening goal. 👏 pic.twitter.com/bHfh8IUv7k
— Squawka (@Squawka) December 3, 2025
サカとティンバーはいまやこのチームになくてはならないキープレイヤーながら、すべての試合で使いつづけることはできず。プレイ機会がどうしても限定されてしまう右サイドのバックアップの選手には、チャンスが与えられたときに、それでもきっちり仕事をしてもらう必要があった。
今回それを彼らが垣間見せてくれたことは非常にポジティヴ。できれば、そのケミストリにオーデガードも加わってほしかったが、まあ彼もケガ開けでチームにフィットしていくのはこれからだろう。今回のオーデガードも、ややブランクを感じさせるパフォーマンスだったし。離脱期間が長ければ長いほど、ある程度サビつきがあるのはしょうがない。
ライスとモスケラが負傷し、スクワッドにさらなる離脱の懸念
マルティネリ、マドゥエケ、ヨクレス、ジェズースなどフロントの選手が続々と戻ってきたと思ったら、今度はこれまでまったく問題なかったバックラインにケガが出始めた。
ガブリエル、サリバが離脱し、そしてこの試合ではモスケラ。
9のつぎはCB。こうつぎつぎとポジションを選んでケガ人が集中するとは、まるで呪われているみたいだ。
しかし、バック4がこの状況でもまだ持ちこたえられそうなのは、選手のヴァーサティリティがあるから。
いまフルバックでプレイしているティンバー、カラフィオーリ、ホワイトは3人とも、もともとはCBであり、CBでプレイすることはなんの問題もない。サリバも数日のうちには復帰するなら、モスケラの離脱はそこまで打撃にはならないだろう。これ以上ケガ人が増えなければ……
頭の痛いのがライス。彼の状態はアルテタもわからないというが、彼がしばらく離脱することになれば当然チームには大きな打撃になる。とくに彼はいまちょうど調子がかなりいい時期だったから。
彼の故障には過負荷を疑う声も当然あり、アーセナルとして今後の起用法にもさらに気を使わねばならなくなりそうだ。彼のようなトッププレイヤーなら毎試合でプレイできなければと云うものの、それでケガをしてしまえば元も子もない。
ヨクレスが戻り、メリーノをMFで使うようになれば、数のうえでは当面は対応できるとしても、ライスのクオリティはほかの選手では代えがたいものがある。
ふたりが軽症なことを祈るばかり。
アーセナルは、苦しいがここは耐えるよりない。バックアップ選手たちのステップアップが期待される。
この試合については以上









