こんちわっす。
先日のPLマンUの敗けから、世間ではアーセナル批判がとても盛り上がりを見せている。ヘイターたちも、いまだトップにいるわれらについて、ひとつ試合に敗けるくらいじゃうっぷんは晴れないみたいだ。
マンUレジェンドのPaul Scholes「もし今年アーセナルがPLを勝つなら、最悪の優勝チーム」。はあ。さいですか。煽り発言で注目を集めて小銭を稼ぐネットの釣りアカウントみたいなことを云うね。
あとこれね。誰かが「これはもはやフットボールではない」とか云って、万単位のLIKEを集めているの。
これ観たときはマジで批判ポイントがわからなかったよね。だって、アーセナルの4人に対し、マンUはGK以外で7人いるんだよ。攻撃側が3-4人くらいGKの近くにいるのはPLでも珍しくないし、なんか問題あるの? いちおう新ルールにも抵触しないようにやってる(元レフのクラッテンなにがしがルール変更すべきとか云ってるけど)。ただ、この密集が奇妙に固まった瞬間があったというだけじゃない。
それにこれはアーセナルの数あるセットピースルーティーンのひとつに過ぎない。最初からボックスに入っているこのやりかたは、むしろ少ないほうだろう。マンUも必死にそれに対応しようとした結果こうなった。これはアーセナルが悪いの? アンチフットボールなの? ここで攻撃側が責められている意味がわからない。
まあ、要するに彼らはセットプレイが強すぎるチームがいることが許せないのだよね。そんなチームがトップにいることが不快。でも、だいたいマイチーム以外がトップにいるのは不快なのだから、いつだってなにかにつけて文句は云いたいわけで、いまは格好の批判材料があるという。
ぼくはこのScholesのコメントをGuillem Balagueのコメントを読んだあとに観たから、よけいにげんなりした。Paul Scholesは間違いなくかつての名選手だが、だからといってなにか素晴らしい洞察があるわけじゃないという典型。パンディットとしては、まったくパッとしないわけだよ。こんな素人レベルの浅い発言をしているようじゃな。
Balagueのコメントは……、おっとっと。試合のことをすっかり忘れてた。CL。バラゲはあとで。
今回は、25/26UCLリーグフェイズの最終戦。アーセナルはホームにKairat Almatyを迎える。カザフスタンからはるばるロンドンへ。3400マイル(5471km)の長旅。彼らは英国チームとの対戦は初めてらしい。今シーズンはCL初挑戦でレアルともやれて、アーセナルともやれて。さぞやうれしいだろうな。
ここまでリーグフェイズ7試合全勝のトップチームと、7試合でたった1ポイントのボトムチームの対戦。お互いに消化試合。シーズン中、もっとも意味のない試合で、残念ながら平日夜にエミレーツを訪れる観客もぐっと減りそうである。
しかしながら、それでもアーセナルはCLのこの貴重な機会を有効に利用する必要がある。
さて、こういうあまりよくない空気のなか、アーセナルはこの試合をどう使うか。
アルテタの試合前コメント「今後の4ヶ月、クラブに関わる全員が同じボートに乗ってほしい」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(日曜の敗戦のリアクションについて……)
- リアクションはすごく素晴らしいよ
- われわれはあの熱気を下げるためにすこし時間をとった。一時停止し、反芻し、そしてふたつの質問がある
- ひとつは、自分たちがどう感じているか。自分自身をどう感じるか
- そして、このあとの4ヶ月を自分たちがどう生きたいのか
- それはとても勇気づけられるものだったし、美しかった。なぜなら、出てきたものはとてもシンプルだったから
- われわれは4つのコンペティションの現在のポジションを自分たちで勝ち取ってきて、このあとの4ヶ月も楽しんでプレイし、生きていくつもりだ。勝つために勇気と確信を持つこと
- それがマインドセットになり、われわれがエナジーをそそぐところになる
- わたしが望んでいるのは、このクラブに関わる全員、とくにサポーターが、いっしょにボートに乗ってくれること。なぜなら、これがわれわれの今後4ヶ月の生き方になるから。そういう生き方がわれわれにふさわしから
(どのようにその反省をした?……)
- 選手といっしょに、それについて話した
- まず、わたしは彼らに、彼らがいかに優秀かを伝え、毎日の彼らとの取り組みにどれほど感謝しているか伝えた
- そしていまいる自分たちのポジション。そして、これから起きるだろうことに確信を持って、楽しむこと。みんなそれを望んでいるのだから
(ステディアムに来るサポーターたちへのメッセージ……)
- わたしが彼らにいっしょにボートに乗ってほしい理由。それは、これからが楽しいからだよ。興奮、確信、エナジー、意志があるから
- 夢をかなえたいなら、そういう生き方をする必要がある
- 10ヶ月プレイしてなにかを成し遂げたいのは、そこにたくさんの素晴らしいことが起きるから
- 想像すらできないことだってある。そして、わたしにはそれしか生き方はない。すべてを出し尽くす。ベストな準備をして、正しい方向にエナジーを注ぎ、伝える
(サリバとティンバーは起用できる?……)
- 彼らは起用できない
(先ほど熱気を下げると述べたのは外野での騒ぎもあるから……)
- ノー。それは過密スケジュールのせい。4つのコンペティションで4つのアウェイ試合をプレイしたのだ
- 一時停止したのは、自分たちがなにものか振り返るため。自分たちがいまなにをやっているか
- このあとの4ヶ月間には、美しいものが待っている。だからそれを大いに楽しむつもりだ
- わたしはとても確信している。なぜなら、チームと選手がわたしにそれを信じるあらゆる理由をもたらしているから。今後はとてもいい結果があると思う
(ユナイテッドの試合後のMTGは予定されていたもの?……)
- イエス。それは3-4週間に一度行われるもの。IBのときとか
- 非常に重要なことは、現実とそれに対する見立てを理解すること。その見立ては、ときに顕微鏡で観たり望遠鏡で観たりするもの
- それらの全体をはっきりと観る必要がある。なぜなら、最終的にはエナジーがもっとも重要で、それを正しく使う必要がある
(ひとりの突出したゴールスコアラーがいない件……)
- わからない
- だが、われわれがミラノで勝ったときには、チームと個人に対してたくさんの賞賛があった。それがたった3日前のこと
- それがこのゲイムの美しさだね。同じ選手、同じチーム(でこうも違う)
(チームは攻撃選手の良さを引き出す必要がある?……)
- われわれも数字はもっとよくしたいが、同時にわれわれはベストチームから3ゴール少ないだけとも思う
- だから、われわれはそこまでさほど遠くない。差はとても小さい
- われわれはどのスタットでもベストになりたい。しかし、スタッツの読み方がとても重要。チームや選手のためになる読みかた
(サカのゴールなし試合がつづいている……)
- そうだね、直近200試合を観てみるといい。単純なこと
(そろそろ最終日を観始めるとき?……)
- わたしは、まだとても早いと思う。われわれの試合の量もある
- それをやるのは、最後の5-6試合になるだろう
- PL、CL、セミファイナル、それについて語るとき、それはとてもとても近い
- そして、セミファイナルのもう1試合あるチェルシー。これもまた違う話になる
- しかし、それまではわれわれは自分たちがもっとよくなるためにエナジーを使う
(タイトスケジュールの挑戦……)
- 最初の7ヶ月はずっとこんなで、国内リーグ、CL、代表選手はその試合もある。だから目新しいことはない
- いいニュースは、チームに何人かの選手が戻ってチームを助けられること。われわれはそれにも慣れている
- だから、そこは決して言い訳にはならない
(サリバとティンバーは休養なのか、あるいはケガなのか……)
- 彼らにはややnigglesあるので、今回の休みはいい機会になる
- 彼らにはベストコンディションを取り戻してもらいたいので、違うワークを行う予定
(今後4ヶ月はおもしろくなると述べたが、試合をおもしろくすることの難しさについて……)
- それは楽しみのひとつだ。もしそうでないのなら、べつのことをやるべき
- つまり、もしわれわれがクラブとして楽しまないのなら、6年前とか10年前のほうがいいと思うなら
- だから、このときを楽しもうと。それを受け入れようと。そして、最高のものを引き出すこと。それしか道はない
(今シーズンのPLではエラーで差が大きくなっている?……)
- あるいは小さくなっているか。それは、どのチームも相手を倒せるということであり、PLで毎試合に勝つことの難しさ
- だから、それをどう観るかによる
(このようなビッグスクワッドがあって楽しい?……)
- とても楽しめる
- 彼らのいろいろなキャラクターで楽しくさせてくれる
- しかし同時に、それがわれわれの仕事のやりかたであり、いかにチームと勝ちたがっているか。それしか道はない
- それは数字ではない。数字のクオリティであり、選手のクオリティ。それはスタッフにも云える
(なぜアーセナルのFWたちのゴールは少ない? どうやったら変えられる?……)
- はっきりしている。どの状況、どの選手も違う
- もちろん、われわれが特定のアクションで見せている効率のレベルとしては、そうした数字には貢献していない
- そして、同時にほかの選手たちが数字をつくっている
- だから、それはさまざまな要素の混合になる
- しかし、それをポジティヴに観ることもできる。そういうものがなくても、われわれはトップにいるから
- だから、われわれはそれをやり直し、そのエリアで進歩する。そうすればもっと差をつけられるだろう
(Kairat Almatyについて知っていること……)
- これはCL。どんな相手もタフ。つねに相手は勝ちに慣れたチームだから
- まずなにより彼らは、国内リーグのポジションもありコンディションがとてもいい
- たとえば、わたしが観たレアルやインテルとの試合を観てもそうだった。彼らはとてもとても困難を強いられていた
- だから、明日も似たような試合になると思う。われわれも勝ちたいのならベストである必要がある
(サポーターにはこれまでのシーズンの傷が残っている……)
- その可能性はある。しかし、それはわれわれにはコントロールできない
- 過去に起きたことは、未来のためのパワフルな学びにせねばならない
- そこにしか道はないし、人生のなかではその例がたくさんある。ほしいものを達成するには、トライをつづけ、ベストを出すこと。ときに相手のほうが優れていることもあり、それは受け入れねばならない。それがこのスポーツ
- 今後4ヶ月、われわれ全員でチャネルを共有し、ときを生きる。もっと楽しめるはず。もっと美しいし、結果もとてもよくなる
(オーデガードがキャプテンシーを失う可能性がある?……)
- ノー
- 彼のプレイ時間が少ないのは、2度肩をケガしたり、ヒザのケガもあったから
- われわれにある可能性は、試合を変えること。試合のなかで、なにか違うものを要求されるかもしれない。そこで、どの選手も重要になる
会見の後半。
- Meeting: it’s normal. We had a big meeting in Milan. It’s something required.
- Someone you can talk to during these parts of the season: I can talk to Josh, Andrea, staff, to players, they have the best information. I’m very lucky because I can be open.
- Players have the belief now?: Yes. Because when I asked them how the felt, it was like “Vamos let’s go” that conviction is required. There’s going to be bumps in the road.
- Zubimendi needs a rest, big role for Norgaard?: Yes. I wouldn’t put the error from Zubi down to tiredness. Martin was fresh and conscious about the mistake.
- Norgaard: he’s playing a big role. He hasn’t played much but a much bigger role around the team.
- Atmosphere after defeat: It’s nothing to fault attitude. It’s tough to accept losing the game. You have to and use that pain to move on.
- Psychologist at club?: Excitement, joy. We have people around the club. Psychology is very different on the pitch.
- Which players stand up in meetings?: a lot. It’s not about raising their voices it’s about talking about what’s relevant. When you have a defeat, you talk about yourself.
- Who’s the person?: It’s the team as a whole. Someone might lead it, but someone took ownership. Act in the moment.
- It’s very difficult to distinguish competition. We went to inter and it was a joy.
以上
会見の後半部分に、チームのPsychologistについてのやりとりがある。興味深い。正直、このチームに必要なのは心理カウンセラーより催眠術師だと思うけど。
今回の会見のやりとりのなかでも、やはりアーセナルをめぐる最近の外野の騒音についてのトピックがいくつかある。それで、チームがプレッシャーを受けているんじゃないかとか。冒頭に書いたああいう批判とか。
Guillem Balague「アーセナルはヨーロッパにおけるエリートフットボールの観察対象」
ではあらためて、ジャーナリストGuillem Balagueの昨日のコメントを紹介しておこう。彼もおそらくここ数日加熱していたアーセナルをめぐるネットの喧騒に反応したのだろうと思う。TWでも長文。
Now that Arsenal fans are booing their own team and former players are lining up to criticise, let me offer the bigger picture, the one you hear across Europe.
Arsenal are not seen here as a team that has stalled. They are seen as a reference point. As the team many look at when… pic.twitter.com/exh0VwVIrg
— Guillem Balague (@GuillemBalague) January 27, 2026
Guillem Balague:いまやアーセナルファンが自分たちのチームにブーを浴びせ、元選手たちが批判を繰り広げている。だが、ここでわたしにより大きな絵図を出させてほしい。これはヨーロッパ中で聞かれること。
ヨーロッパでは、アーセナルは行き詰まったチームとしては観られていない。彼らは、お手本だと観られている。エリートフットボールが向かっている先を理解しようとしたときに、多くのひとたちが観察するチームとして。
ゲイムは変わったのだ。もはやボールを支配するとか、攻撃的とかじゃない。いまのトップチームでは、おもに4つのフェイズで試合が決まる。それができるチームがエクセレント。
- 組織的な攻撃
- 攻撃トランジション
- 守備トランジション
- 構築された守備
最高レベルにおいては、これらのフェイズが、ポゼッション%や美しいかどうかよりも重要になっている。
これがアーセナルが際立っている部分だ。
ミケル・アルテタの下、アーセナルは時間と空間、それにもうひとつの非常に重要な要素であるリズムをコントロールする。彼らはケイオティックにならずにアグレッシヴになり、それでいてケイオスをつくってギャップを見つける。受け身になることなくコンパクトになる。
彼らのプレッシングは隅々まで用意周到で、ボールを失ったときの反応は迅速だ。それで対戦相手は窒息させられる。
ヨーロッパ中で、これがモダンドミナンス(現代の支配)として理解されていること。
今日、カギになる戦闘場所はトランジションである。ボールを持っていたとしても、それを失えばただちに起きるのがトランジション。守備のリズムが攻撃のリズムを上回る。空間はより狭くなり、時間はより短くなる。速くそこに到達でき、デュエルに勝ち、危険が起きる前に順序をリセットできるチームが生き残る。
アーセナルは、この点で誰にも劣らない。
ヨーロッパでは、アーセナルはGuardiolaのアイディアを吸収し、それをさらに推し進めたチームだと観られている。彼らはこのフットボール世界で、もっと速くプレイし、もっとキツくプレスすることで、自分たちを強化してきた。それは、ためらうことを完全に罰する。
いま現在、アーセナルはホームでの試合で疑問にさらされているが、彼らはモデルとして分析対象になっている。
進歩というものは、しばしば落ち着かないものであり、すんなりいくことなどめったにない。アーセナルが迷走しているようには見えない。わたしの目には、彼らはまだ早い時期にいるように見える!
英国で「アンチフットボールを許さない」とプラカードを掲げて顔真っ赤なご意見番たちを尻目に、「フットボールは進化してますし、ヨーロッパでは違う見方があります」と冷静なコメント。こういうのを視野が広いというのでは。
クリスティアン・ノーガードの試合前コメント「名前は英語式とデンマーク式ふたつの発音がある」
今回は選手側からはノーガードが会見に参加していた。当然この試合ではスタートが予想される。
せっかく試合でプレイできる晴れ舞台というのに、注目コメントがこれというのは若干かわいそうな気もするが、彼の名前の発音についてのやりとり。
(シーズンが始まるときのメディアデイで、あなたの名前発音が昨シーズンと今シーズンで違っていた。それは自分で気づいていた?……)
CN:いや気づかなかった。
(名前発音についての議論はもう終わらせて、みんなに正しい発音を伝えたい?……)
ぼくが去年と今年で二通りの発音をしていたってこと? Ok。たぶんそれは、英語式の発音だと思う。それとデニッシュの発音。「クリスティアン・ノーガード」は英語式で、「クリスティアン・ノーゴォ」はデンマーク式になるね。
(なるほど……)
(笑い)だから、もしそうだったとしても、ぼくがデニッシュでふたつ違う発音をしたわけじゃないと思うよ。
おもしろい。ぼくは、選手によってはこの「英語式の通名と、地元のオリジナル式」で発音しようとしていることには気づいていたけど、選手が自分で説明しているのは初めて聞いたと思う。最近だと、ワネーリとヌワネリとか。De Zerbiは「ノワネリ」みたいに発音していたな。
ちなみに、ダヴィド・ラヤも、昨シーズンは明らかに英語式の「デイヴィッド」、今シーズンはスペイン語式の「ダヴィド」と発音していた。ノーガードのケイスと同じかもしれない。












