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【マッチレビュー】25/26 FAカップR3 ポーツマス vs アーセナル(11/Jan/2026)帰ってきたセットピースFC。渦中のマルティネリがハットトリック

試合の論点

ポーツマス vs アーセナルのトーキングポインツ。

25/26FAカップは快勝スタート

ポーツマスの最初のゴールが3分。あれはびっくり。

試合開始からすぐにホームチームがプッシュしていたので、その流れからでもあった。

冒頭にも書いたように、かなりクオリティ差があるはずのホームチームのエナジーが、だいぶ格上のはずのアウェイチームのクオリティを上回るという、国内カップ戦の早いステージならではの光景だったなと。ああいう小さなスタジアムで(※キャパ2万人)、満員の熱狂的地元サポーターの前で。わりとよくある。

アーセナルは前の試合から10人も変更したことで、レギュラーチームと違ってチームとしての実戦感覚に乏しいこともあり、最初はよけいに戸惑った面もあるだろう。ポーツマスのインテンスなハイプレスにバックラインはギリギリのパス回しを強いられ、けっこう危ないエリアでボールを失いそうで怖かった。

3分の失点は、あのような時間にあのようにはっきりとしたチャンスをつくられたこと自体が問題だが、ケパの過失も多少はあるか。GKとしては、あそこはブロックしたボールは外に出したかったが、ちょうど相手選手の前に。

しかしその直後、アーセナルのコーナーからゴール前の密集地帯でわちゃわちゃしていたら入った。ノーガードのゴールかと思ったら、オウンゴールだった。またか。Own goal FC.

そして、その後もハイエナジーのホームチームと、落ち着かせてプレイのリズムをつかみたいアウェイチームとの一進一退の攻防が繰り広げられるも、25分またしてもコーナーから、今度はマルティネリのゴール。きれいなヘッダー。

彼はアーセナルのチームのなかでは長身選手ではないが、マドゥエケからの素晴らしいボールが彼の動きにぴたりと合った。ちなみに、アーセナルはこのマルティネリのヘッダーがチームとして最初のショットだったらしい。つまりショット1でゴール2。ウケる。Set piece FCの面目躍如。

そのゴールをきっかけにして、アーセナルが次第に試合の主導権を握り始める。

とくにマルティネリにチャンスが集中していたのが興味深い。41分ポストにヒットした場面はかなり残念だったものの、圧巻だったのは31分のシーン。

メリーノ → エゼ → メリーノ → ネリ! なんというワンタッチプレイの連続。メリーノの鋭いラストパスにもしびれたが、ネリの走りながらの完璧なタッチもおみごと。フィニッシュはちょっと右にそれてしまったけど、彼の好調ぶりを示すプレイでもあった。

そのようなアーセナルの時間のなかでマドゥエケがペナルティを得る。彼は右ワイドでずっと脅威になっていた。

右ワイドからドリブルでボックスに侵入すると、相手のフルバックがたまらず彼の身体に手をかけて倒してしまう。PLではなかなかお目にかかれない雑なボックス内ディフェンス。なんだよ素人かよと思ったら、あれは元AFCアカデミーのザック・スワンソンだった。

そして、それをマッヅンが華麗にはずして前半が終了。おい。せっかくGKの動きを読んだのに、あんなふうに外してどうする。プレッシャーもたいしてない場面で。

後半。始まってすぐ51分にゴールが決まる。今シーズン、アーセナルのゴールが集中しているという、後半開始直後のArsenal Time™

今度はフリーキックから。ポーツマスの選手たちの油断を突いて、右ワイドにいたジェズースとマドゥエケワネーリがMLSにボールをよこせと指示。素早くリスタートするMLS。

右ワイドでフリーでボールを受け取ったジェズースが、すぐさまゴール前に低いクロス。DFと並走してファーサイドに走り込んだネリがタップイン。3-1。GKとバックラインのちょうどあいだに入れるお手本のようなジェズースのクロスボール。完璧だった。

あの流れで3-1になればホームチームもさぞや意気消沈するかと思いきや。彼らは最後まであきらめるそぶりも見せず。

いっぽうアーセナルは、68分にいっきに3人を替える。オーデガード、ティンバーのレギュラー選手に、ひさしぶりのハヴァーツ登場。

アーセナルの4ゴールめはその4分後。ダメ押しは、またしてもマドゥエケのコーナーからマルティネリの頭。これでハットトリック。

このあとも概ねアーセナルがプッシュする展開で、最後まで。オーデガードとハヴァーツが入ったことで、さらにアーセナルのチームプレイは円滑に。3点差がついたことで、16才のマルリ・サーモンをデビューさせることすらできた。

こうして理想的なかたちで、アーセナルは試合を終えたのだった。

しかし、試合全体を振り返ると、アーセナルに気持ちのよいチームプレイがけっこうあったのは、ポーツマスの皆さんのおかげだなと。彼らは、アーセナルの多くの対戦相手がするように、シットバックしてカウンター狙いみたいな姿勢はほとんど見せず、むしろ前掛かりになって積極的にプレッシャーをかけてきた。

最初こそ、アーセナルの選手たちもその勢いに圧倒されそうになったものの、それに慣れ始め落ち着いてしまえば、逆に彼らの積極的なパフォーマンスに刺激を受けたように、自分たちも積極的なプレイを見せるようになった。これは、第三者の目線でも楽しめるような試合になったんじゃないだろうか。けしてboringじゃなかった。

このラウンドで早くも敗退しているPLクラブもちらほらあるなかで、われらは気持ちよくつぎのラウンドに進出できた。めでたし。

ハヴァーツの復帰。ヨクレスとの違い

ハヴァーツは、8月のPL初戦マンU以来の復帰ということで、戻って来るまでにほぼ半年もかかってしまった。長かった。

そして、ひさしぶりに観た彼のパフォーマンス。これはファンを唸らせるものがあったんじゃないだろうか。もちろんいい意味で。

試合後のアルテタが、彼についてこんなふうに述べていたそう。

アルテタ:最後の数分、わたしはカイの動きを観察していたんだ。彼の嗅覚、動き出し、動くべき場所。われわれが彼を失っていたのは、とても大きい。

ボスが云いたいことがわかるよね。このチームの9に必要な動き、足りなかったもの、あってほしかったもの。きっと、半年ぶりの彼がボスの目にとても新鮮に見えたのだろう。

もちろん、対比の対象はヨクレスで、彼はいま苦しんでいる真っ最中。選手だけでなくアルテタもいっしょに苦しんでいるはず。

彼は、まさに暗中模索といったところで、アルテタとしてはずっと彼とチームの適応を待っていたはずだが、シーズンが半分終わった時点でいまだブレイクのきざしがない。いや、ささいなことでも、それを彼とチームのブレイクスルーの兆候だとなんとか認めようとしてきたのだけど、実際のアウトプットになかなかそれが反映されない。

いっぽうこの試合のハヴァーツは、水を得た魚と云ったらさすがに云いすぎかもしれないが、あきらかにチームと彼がクリックしている感覚があった。彼はMFとしての存在感もあるため、ビルドアップではまるでピッチにひとり人数が増えたみたいに感じるし、ボックスの動きも最近のヨクレスを見慣れた目からすると、やはり新鮮だった。

こんな気の利いたスルーボールは、申し訳ないがヨクレスには期待できない。

それと、マルティネリのハットトリックが決まる直前だったか、彼がボールをもってボックスに侵入し、苦し紛れの体勢からマドゥエケにバックヒールでパスを送ったシーン。まったく器用な漢である。

彼はストライカーとしての本能とか、フィニッシャー、ゴールハンターとしては物足りない部類の9だが、それ以外ではかなりハイレベルの能力をいくつも持っている万能型。結果、チームプレイにとってはプラスの効果がとても大きい。もし同じようにゴールが重要じゃないFWというのなら、ヨクレスとハヴァーツでどちらがよりチームに貢献できるかは、現状ほとんど議論の余地がないだろう。

この試合では、マルティネリがジェズースのクロスにばっちり合わせた動きをしたことで、それもヨクレスに足りないものだというファンの声も少なくない。最近のヨクレスは、ああいうボックス内でのDFとの駆け引きや動きについて批判をされていたから。

もちろん、ヨクレスとハヴァーツではまったくタイプは違う。先日ライスが指摘していたような複数のDFを引き付けて味方にスペイスを与えるなど、ヨクレスにはハヴァーツにはない長所もある。今後も試合数は多いので、相手やコンディションによってプレイ時間はシェアされるはず。

だが、今後アルテタがどちらかをPLやCLの重要な試合でスタートさせるメインストライカーとして選ぶのなら、やはりそれは今後ハヴァーツになってしまいそうに思える。

この試合のハヴァーツを観ていて、そう思った。

まあ、たとえそうなったとしても、ヨクレスがスーパーサブとしてゴールを決めるようになってくれたら最高だと思う。ジェズースを含めたストライカーユニオンのなかで、切磋琢磨して高めあってくれることが理想である。

※コメントくださるかたにお願い
プレヴューエントリでは、試合の結果がわかるようなコメントはお控えください
お互いリスペクトしあって楽しく使いましょう

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