アーセナルが38試合無敗でリーグタイトルを取った、03/04のいわゆるインヴィンシブルなシーズンからちょうど20年。
そのタイトルを決めた試合が、2004年4月25日のWhite Hart Lane(※2-2)だったということで、ここ数日アーセナル界隈では振り返りが盛り上がっている。
It’s 20 years to the day since @Arsenal clinched the Premier League title at the home of north London rivals Spurs 🏆 pic.twitter.com/vG39CpOj8s
— Premier League (@premierleague) April 25, 2024
そしていま、20年ぶりにリーグタイトルに向かって戦っているチームも、そこからインスパイヤされるものがあるのかないのか。
今回も前回のチェルシーにつづき、すごいタイミングでビッグマッチがやってきた。
このシーズン最終盤で、アーセナルはPLタイトルを、トトナムは来年のCL(トップ4)を追っている真っ最中。ノースロンドンのライヴァル同士、現在の立場は違えど、必死に上を目指しているのは同じ。苛烈なライヴァル関係に加えて、目標のためにお互いに絶対に敗けられなくなっているという今回の試合。
勝てば自分たちの目標達成に近づけるだけでなく、同時に相手の目標達成を阻止できる機会。
いったいどんな試合になってしまうのだろう!
アルテタの試合前コメント「自分たちが歴史をつくる」
昨日行われた記者会見。AFC公式サイトより。
(いまタイトルのチャンスについて思うこと……)
アルテタ:いま、われわれはそこにいる。自分たちのことを観ねばならないし、試合に勝つためにベストにパフォームする必要がある。何が起きるか楽しみだ。それがわれわれが話していること。毎度同じに聞こえるかもだが、それがやらねばならないことなのだ。
(もはや一騎打ち?……)
そうは思わない。このリーグはとんでもなく要求が高く、まだまだどんでん返しがありうると思う。このリーグで勝つことがいかに難しいか、それはみんながわかっている。
(4月のここまでにどれほど満足?……)
グレイト。結果だけでなく、パフォーマンスも。前回チェルシーとのロンドンダービーのビッグマッチがあり、今度もまた大きなやつだ。
スパーズも必ず倒さねばならない。
(今シーズンのスクワッドはタフになった……)
そうだね、availabilityについては、以前もカギになると話した。ジュリアンのほかは全員が準備できているし、彼も復帰にとても近づいている。それがとても大きなブースト。
それがトレイニングセッションを盛り上げ、選手間の競争を盛り上げている。正しいラインナップを選び、試合を変える。とても重要なことだ。
(スクワッドの成長にどれほど興奮している?……)
もちろん、それはわれわれが完全に集中しているものだ。なぜなら、そここそが賭けているものであり、どうしても成し遂げたい仕事だから。
同時に、これはとても明るい将来がある非常に若いチームであり、たくさんの成長の余地を残していることもわかっている。今後もわれわれは、この成長がつづけられるよう努力していく。
(スパースにくらべてこちらのスケジュール……)
われわれは、準備万端になっているだろう。チェルシーの試合からは、回復と準備のための時間も多少はあった。日曜に全力で行けるチームになるはず。
(木曜のシティのパフォーマンスからして、アーセナルはシーズン最後まで完璧が求められる?……)※シティはBHAにアウェイ4-0勝利した
あれもまた、彼らのやりかたで勝利した試合。そして、それはわれわれにはコントロールできない。自分たちのやるべきことをやるだけだ。
(セレクションが頭痛のたねに……)
いい頭痛だけどね! イエス。選手たちには少し申し訳ないように思う。彼らがどれだけプレイしたいか、どれだけスタートしたいか、チームに貢献したいかわかっているから。だから、つねに難しいんだ。それも仕事のうち。
同時に、彼らはチームを試合に勝たせるために、いつだってピッチに出てくる準備はできている。彼らのスピリットはとてもよい。
(選手だったときとマネジャーとしてのNLDの準備の違い?……)
よりやる気が出る。なぜなら、それがなにをみんなにもたらすかわかるから。もし勝利をもぎとれるなら、大きな喜びと幸せがある。
それがやるチャンスがあるなら、自分たち次第なら、どうしてもそれをやりたい。ことを起こしたい。
(Ange Postecogluのここまでの仕事について……)
彼がやってきたことについて、わたしは非常に感心している。以前にやってきたこともだ。だって、わたしは彼がオーストラリアのNTにいたころも、日本にいたころも知っているし、セルティックにいたころもフォロウしていた。
それに彼のやることはつねに超はっきりしている。チームをどうプレイさせるか、とても明解な方向性とアイデンティティがある。わたしは、彼のチームのプレイが大好きだね。
だから、彼はとてもよいと思っている。
(選手たちにはなにを伝えている?……)
このときを楽しむこと。自然なやりかたでやろうとすること。いま、彼らは超競争力があるし、トレイニングセッションでやっていることは、すべて競うことだ。競って競って競うこと。
そして、そこにとてもいいきざしがある。ここで勝ちたいなら、自分たちがやらねばならいことはわかっている。それだけだ。
われわれは毎日のトレイニングでバーを上げなければならない。そのためには自分たちのゲイムをプレイする。準備はできている。
(カイ・ハヴァーツと契約した決断について……)
わたしの決断ではない。われわれの決断だ。われわれは、クラブのヴィジョンに超同調しているし、そして当然のことながらスポーツ面においては、われわれの推薦もある。
たくさんの人間がそこに関わっており、オーナーシップの支援も必要になる。そしてことを起こす。
われわれにとりとても説得力があったのは、まずは彼らのキャラクター。自分たちのモデル、クラブにフィットする正しいクオリティがある選手であることだった。そして、ときにそれには多少時間もかかる。それは避けられない。
間違うことだってある。わたしはそれを最小限にしたいし、最低限でも環境をつくりたい。それは、選手たちが彼らの可能性をかなえるために必要なすべてのもの。
(このスクワッドはまだまだこれからもチャレンジをつづけていく?……)
そう願う。だが、それはこのリーグで毎シーズン、毎試合で示さねばならないことだ。それをやるのは、極めて難しい。
われわれは、それを2年連続でやってきた。しかし、それに満足はしていない。われわれは勝ちたいし、だから勝つためにできるすべてをやっていく。
もしわれわれがそれを勝つなら、さらに勝つようにトライしていくだろう。もし勝てなくても、間違いなくまたトライする。
(もしタイトルを取れなくても進歩がある?……)
わたしは、それについては話すつもりはない。いまわたしが考えているのは、どうやってそれに勝つかだけ!
(スーパーコンピュータによるアーセナルのタイトルのチャンスは26.6%……)
なにを云えばいいのかわからない。そのコンピューターをこっそりいじって確率を上げたいね! ソフトウェアをアップロードする必要があるのか、その手助けをすればいいのか、あるいはなにかツールを提供するとか。
それを変えられるといいんだけど!
(縦に速いボールを入れるプレイについて……)
それはプレイのフェイズによるし、相手のふるまいにもよる。それがすべて。とにかく相手が何をしようとしてくるかだ。
どうやったら相手を苦しめられるか、スペイスがどこにあるか、相手を罰するときを見極めること。
すべての試合は違うし、どんなプレイでもそこにたくさんのコンセプトとアイディアがあり。われわれにとっては、そのふたつが重要。だが、当然ほかのこともたくさんある。
(今後の試合をどう見ている?……)
どんなタイプの試合になるか想像して、選手たちに説明しようとするような試合がある。こういうことが起きそうだとか、なぜそれが起きるのかとか、こうやってことを起こそうとか。
そして、その後は実際にことを起こすことになる。それを利用していく。
(2年前のトトナムに3-0敗けはあなたの最悪のときだった?……)
わたしも記憶力が落ちてきてるから、去年の試合のほうを思い出すね。そっちのほうがもっとポジティヴだし!
(そのときのチームよりいまのチームのほうを信頼する?……)
わたしはいつも自分の選手たちを信頼してきた。それで彼らもパフォームできる。ベストなやりかたでチームを勝たせるために、わたしも正しい判断もするし、間違った判断もする。
あれは、とても独特な試合だった。たくさんの事情もあった。しかし、間違いなくわれわれは学んだ。あそこから進化しようとしてきた。よりよりスクワッドにしようとしてきた。
われわれ全員が経験し、それが進歩に役立ったことを願う。日曜はそのことをあらためて示す必要がある。
(20年前にインヴィンシブルズがそこで引き分けてタイトルを取った……)
それはわたしも知っているが、算数的には、今回もしこちらが勝ってもそれは起きない。
われわれの歴史上、とても重要なときがいくつかある。多くの選手もそれを知っているはずだ。スタッフも、ここに長くいるひとたちもそれを知っている。
自分たちの歴史をここでつくるということ。
(数日ごとにプレイしてきた有利がある?……)
わからない。わたしが云えるのは、選手たちは日曜にグレイトな相手とのプレイにも、完全に準備ができているということ。
相手はわれわれにとても困難を強いるだろうし、こちらも相手を倒すためには、とてもいいプレイをする必要がある。
(ジュリアン・ティンバーは起用できる?……)
トレイニングセッションのあと明日決断せねばならない。彼はとても近い。これが早すぎるのかはわからない。だが、彼はもうかなり近づいている。
(フィクスチャスケジュールに差がありすぎ?……)
イエス。だが、それは知っていたことだ。ほかのチームにも起きる。スケジュールの都合で、いくつかのチームは試合なしで数日過ごす必要があった。
それがベストなやりかたなのかどうかは、わたしにもわからない。しかし、そういうものだ。われわれにできることは、日曜の準備だけ。
(あなたも2週間のオフがほしかった?……)
わたしは、われわれが4試合もプレイした事実のほうが好きだね。このとても要求される週に、グレイトな経験を積んだ。
われわれは、この2試合でとてもよい結果を出せたし、当然みんなの自信にもなった。われわれはいい場所にいる。
(Postecogluは戦術調整すると思う?……)
彼らがやることはわからない。彼らはあまりそれを変えていないし、それでずっと安定している。そこが彼らの最大の強みかもしれないと思う。だから、われわれも準備しなければならない。
試合のなかでは、ものごとは変わっていくものであり、必要あれば調整することもしなければならない。
(敵対的雰囲気を知る選手たちがいる……)
信じられないほどの雰囲気だと思う。美しいステディアムであり、われわれもすでに何度かそこでプレイしている。フットボールをプレイするには、グレイトな雰囲気だ。
われわれもライヴァリーはわかっているが、それは置いておいて、要求されるインテンシティとパッションで試合をプレイする必要があると思う。
そのうえ、われわれは自分たちが何に向かってプレイするのかわかっている。だから、なにか特別なものは必要ないんじゃないかと思う。なぜなら、この試合には選手としてほしい、プレイしたい、楽しみたい、すべてのものがあるのだから。
(スパーズより上位でフィニッシュすることはもはや話題にもならない……)
わたしは、自分たちのことを見つめる必要があると思う。なにを達成したいのか、目標がなんなのか。そしてそれを評価する。
もちろん、リーグのコンテクストのなかにいるし、多くのクラブやチームが超強くて、困難を強いてくる。そして、わたしが思うのは、その評価は自分たちがやってきたことや、いまやっていること、まだ進歩できる部分と関係していなければならない。そして、それに関連して、決断をしていく。
(アーセナルはこの週末で来シーズンのCLが決まる可能性がある……)
まずはそれをやる必要がある。それについて言及すること、おぼえておくことは重要だと思う。そして、そのつぎだ。
会見のつづき。
Unity of players partners: It’s great to see. It’s needed because we have a lot of foreign players and they need support.
Involvement in this cohesion?: We do certain things to try help connect.
High defensive lines: It’s a question for them but puts demand on them. You have a choice to make. There’s pros and cons to everything.
Encouragement from you?: There’s a limit because there’s an offside line. We want the ball as much as possible.
Feeling of first Derby: It’s been a while but there’s so much history. It’s a big one and it’s needed.
Did you learn about the history?: We had certain members of the staff who were passionate.
Odegaard’s role: It depends on the game. We’ve demanded him to be closer to the opponents box, he keeps running and wants more.
Driven by him or you?: At the end of the day something needs to inspire him. He needs to faith with the people around him.
Believing in himself?: Probably. No one is against his talents.
Chance to speak to Wenger?: I’ve spoken to him on certain topics.
What have you taken from him?: It’s about finding a way to win the game.
Impressive Odegaard’s leadership qualities: It’s not only about him, but that role has to be given with a blessing. The team is happy to give him that responsibility.
以上
アーセンからの助言
後半のやりとりのなかにある、ヴェンゲルさんにNLDの助言を得たという話。
アルテタ:彼(AW)とは何度か話した。どうやってそれに勝ったのかとか、シーズン終盤にどうしたとか、そういう話題。わたしが選手だったときも、よく彼はそんなことを話してくれた。ハードドライヴのなかに、いつもそれがあるから。
今回はシーズンのこのタイミングで、結局はどうやって試合に勝つ道をみつけるかになる。それだけなのだ。彼らがタイトルを勝ち取ってきたやりかたを見れば、いろんなやりかたでやれる。
そして、とてもとてもとても小さなマージンで、彼らがどうやって試合に勝ってきたか。彼はいつもそれについて話す。僅差であったこと、そうしたときに誰がステップアップし、ことを起こしたか。
わずかな差。おれが知っているヴェンゲル最強時代は、多くの試合で僅差どころか圧倒的に観えたけども。。
しかしそう考えると、この20年でPLの全体的なクオリティの底上げはほんとうにすごい。トップチームがボトムチームに苦しまされるなんて、まったくめずらしくなくなった。
それはともかく、誰かがステップアップし、make things happenしなきゃならないのは、いまも昔も同じ。そこに教訓がある。
タイトル争いから最初の脱落者はリヴァプール?
今回の会見でも「もう(シティとアーセナルの)一騎打ちになったのか?」という質問があるように、先日PLエヴァトンでリヴァプールが敗けるという波乱があった。
3チームのなかでは最初の脱落者という感じで、この試合直後のOptaのタイトル予想ではリヴァプールは2.7%という低確率になってしまった。
アルテタは、タイトル争いの状況はまだひっくり返る可能性があると述べているが、残り試合数を見れば、大きな変動はなさそうに思える。
リヴァプールのスリップについては、アーセナルのチェルシー戦の結果がプレッシャーになったという見方もあり、あの試合は勝っただけでなく、やはり大勝したことが大きかった。
ちなみに、このあとさらにシティがBHAに(八百長で)勝っているので、この数字にはさらに変動がある。
エディ・エンケティアの試合前コメント「去年の勝ちを再現できる」
エンケティア:(NLDでの初ゴールをめざす)できれば! それが目標だ。ぼくだけでなく、みんながチームをプッシュして助けようとしている。シーズンを力強く終えて、何かをお祝いしようと。
アーセナルはダービーはわりといいので、ぼくもたくさんの勝利を観てきた。ぼくも何度かプレイしたことがあるし、スタートした昨シーズンの試合は記憶に残っている。チームはよい勝利をしたし、パフォーマンスもよかった。とてもナイスなフィーリングだったし、今回もまたそれを再現できると完全に自信があるよ。なぜできない?
ワクワクする。クラブのファンとしても、アカデミー出身の選手としても、これがファンにどんな意味を持つのか知っている。ぼくらがどうしてもほしいものだ。ぼくらはプッシュしている。どの選手も全力でやっている。スタッフもそう。シーズンの終わりに何かを持ってカムバックしているために。
(あまりプレイできていない)ぼくは、自分でもかなり高みにいると思うんだ。レギュラーでプレイしていたとき、ぼくは自分のパフォーマンスにもとても満足だった。2回イングランドのキャンプにもいったし、デビューもした。初めてPLでハットトリックもやったし、CLでもゴールした。自分が設定したランドマークのいくつかは達成した。
もちろん、シーズン後半は望んでいるほどにはスタートできていない。でも、こういうことは起きるし、チームはずっとうまくやっている。だから、ぼくも違う役割を担わないと。これもフットボールであり、ものごとはすぐに変わる。
でも、それでもぼくはこれは誇れるシーズンだと思う。自分もどんどんよくなっている。今シーズン得たすべての経験は、ぼくが前進するのに役立つはず。
(サブでも重要性を感じる)ぼくら全員が必要になる。全員が違う機会がある。もちろん、時間もいろいろなのはタフだけど、シーズンのこのステイジで自分の個人としての強みとエゴを出すだけ。チームにとりベストなことはなんでもやる。
そして時間を得たら、ベストな時間にしなければならない。10分だろうが、スタートだろうが、全員が準備できていなければならない。いずれぼくら全員が必要になるし、貢献するときがある。
(ファンのサポート)素晴らしいと思う。今シーズンはさらに一歩進んだと思う。選手とファンの交流も観られるだろう。それがチームの役に立つ。ぼくらのホーム記録はすごく力強いものだ。ここに来れば雰囲気を感じ、その逆もある。だから、それはとてもよいものであり、これからもつづくことを望んでいる。
すべての選手たちの功績だ。みんなが貢献している。スタッフもそう。ぼくらがやってきたすべてのことに。この期間にささげてきたたくさんの取り組みがあり、ブレイクのあとにはそれがとても報われてきている。いまはシーズンの終わりに向けて自分たちのことをやっている最中。全員がそれに貢献する準備ができていなければならない。
ミケルがつねに称賛するメンタリティがここにある。