今朝、驚きのニュースをみた。ポルトがファビオ・ヴィエラのローンでアーセナルと合意したと、デイヴィッド・オーンステインが伝えた。
🚨 EXCL: Porto agree deal to re-sign Fabio Vieira on loan from Arsenal. Not in #AFC squad for #AVFC as #FCPorto finalise move to bring midfielder back after 2022 sale. Merino arrival + Nwaneri rise reduces minutes & 24yo needs regular action @TheAthleticFC https://t.co/JG4XCr23p1
— David Ornstein (@David_Ornstein) August 23, 2024
ポルトは彼がアーセナルに来る前の元クラブなので、2年で古巣に帰ることになったという。
フィットしていながらPL初戦のウォルヴズでもチームに含まれなかったりと、こうなってしまえば、その兆しがまったくなかったとは思わないけど、さすがにこれは藪から棒だろう。
ヴィエラのローン移籍がアーセナルのスクワッド計画に与える意味とはなにか。
ファビオ・ヴィエラがポルトにローン移籍
The Athleticの記事(オーンステイン)を引用しよう。
ポルトが、アーセナルMFのファビオ・ヴィエラをローンで連れ戻すことに同意した。
ヴィエラは2022年7月にポルトから、およそ€40m(£34m)でアーセナルに加入、2027年までの契約が残る。
ヴィエラはデビューシーズンにはPLで22試合プレイ、しかしながらファーストチームのレギュラーへの定着には苦しんだ。
レアル・ソシエダからMikel Merinoの加入や、ヘイルエンド卒業生のイーサン・ワニエリの台頭もあり、今後もヴィエラの機会は限定されることが予想されていたが、彼はこの一時的移籍で安定したプレイ時間が得られることになる。
彼は、ポルトとの契約を詰めるため、土曜のアストン・ヴィラとのスクワッドには含まれない。
オーンステインのリポートでは触れられていないが、ロマーノによると買い取りオプションなどは含まれないストレイトローンということ。したがって、来年の夏はチームに戻ることになり、今回のローン移籍=アーセナルライフ終了というわけではない。
ただ、アーセナルで彼の明るい未来が待っているとは、現時点では考えづらい。
ヴィエラは、AFCに加入した2022年時点でも、同じ攻撃的MFのポジションにはオーデガードやジャカらのレギュラーもいたため、スクワッドデプスのための補強だっただろう。そして、そこから22才の彼がPLに適応して、徐々にステップアップしてくることが期待されたはず。それが結局、ならなかったということ。
彼がアーセナルに来ると噂されて、CLのリヴァプール戦のような彼のハイライト動画を観たときには、アーセナルでの活躍をたいそう期待したものだった。ボールを持てばとてもスキルフルで、アーセナルらしいMFの補強と思ったりもした。
彼がいまのアルテタのチームに定着できなかった理由のひとつは、やはりフィジカリティ不足にあると思える。
今週は、あれだけ将来を期待されたチャーリー・パティーノもスペインのデポルティーボに売却されてしまったことも象徴的に思えるが、フィジカリティにおいては、まずPLには英国基準の高いスタンダードがあり、さらにアルテタはその上を目指したチームをつくろうとしている。長身でアグレッシヴなプレイができる、リーグベストのフィジカルなチーム。近年のわれらの補強戦略を見れば明らかだろう。取る選手、取る選手、でかくて強そうなのばっかりである。
いっぽうのヴィエラは、今年もプリシーズンで観たかぎりでは、これまでとあまり代わり映えしているようには観えなかった(誰だよ休暇明けはエジルみたいになってるはずなんて云ってたのは)。
それと、以前このブログでもすこしだけ触れたように、彼の消極的メンタリティも、アルテタが彼を手放すことを決断した理由だったかもしれない。アルテタは、トレイニングでも試合でも、とにかくがむしゃらじゃない選手は好きじゃないから。彼は一時、あまりトレイニングでの姿勢がよろしくないみたいなリポートがあったのだった。
彼がこの2年間、PLで残した記録はG2 A4。プレイ時間(※計793分=約9試合弱)を考慮すれば、非常に悪い数字ではないものの、やはり物足りなかった。少なくとも€40mの価値には見合わない。
ぜひポルトで本来の彼のよさを取り戻してもらい、来年アルテタが彼をどうしようか悩むくらいになってほしいものだ。
まだ24才。がんばれファビオ。
ヴィエラが驚きのローン移籍。アルテタの意図は? ワニエリ??
もちろん、このローン移籍の決断は、ヴィエラを今年もベンチに置きつづけて彼の価値をこれ以上損なうわけにはいかないという、クラブの意向はあるだろう。ポルトで活躍すれば、価値はキープできるし、年齢的にも彼はいまレギュラーのプレイ時間が必要だ。いまのアーセナルではそれは無理だった。
しかし今回のヴィエラの移籍にかなり驚いたのは、この夏はESRがすでに移籍していたから。ふたりともチームのレギュラーではなかったし、Merinoの加入もあるとはいえ、ここで攻撃的MFを同時にふたりも放出するとは思わなかった。ただでさえ、アルテタはいつも人数が少ないと嘆いている。
だから、アルテタが彼の移籍を許した理由は興味深い。
Merinoはともかく、ヴィエラの移籍が圧倒的福音となるのは、やはり彼とポジションがかぶっているイーサン・ワニエリ。ぼくはこのニュースを観たとき、今シーズンのアルテタがそこまでワニエリに本気なのかと、ヴィエラには悪いけど、ちょっとうれしくなった。
PL初戦のウォルヴズでもチームに入ったように、アルテタが今シーズンのファーストチームの戦力としてワニエリをカウントしていることはもうはっきりしているように見えるが、実際にこのあと彼のプレイ機会がどれほどあるかは疑問に思っていた。若い選手に慎重になりがちなアルテタが、同じポジションのヴィエラよりワニエリを優先するか? アルテタは彼を15才デビューさせておきながら、その後はここまでほとんど彼を使わなかったのだし。
つまり、ヴィエラの移籍は、ワニエリにその役割を託したというメッセージに違いなく。本人がいちばんそれを感じているはず。
Sanctioning Vieira’s departure certainly shows big belief from the club/Arteta in Nwaneri. I know Vieira has hardly lit things up since arriving, but it’s a big call to let him go ahead of such a demanding season fixtures wise.
— Charles Watts (@charles_watts) August 23, 2024
それと、もうひとつ、ヴィエラがしばしばRWとして起用されていたことを考えると、やはりウィンドウが閉まる前にRWの補強があるんじゃないかという。まあ、こちらは希望的観測だが。
ちなみに、Nico Williamsについては、最近の報道を観るにどうもビルバオに残る可能性が高まっているようだ。彼を欲しがっているというバルセロナは、現時点でもFFP理由で給与総額から€20mを削減しなきゃならないそうで、Williamsを買っている場合でもなさそうだし(逆にアーセナルはRaphinhaにチャンスがあるという説も)、本人はまだ若いのでビッグクラブでベンチに座るくらいならもう一年クラブに残るという選択をしたとしても、それは理解できる。
昨日、オーンステインがアーセナルのRW補強について、「喜んでバックアップの立場を受け入れる必要がある(から難しい)」のようなことを述べていた。いかにもアルテタがRaheem Sterlingに向かってしまいそうな悪い予感が(笑)。でも実際ローンなら悪くないけども。
そういう状況があるため、リース・ネルソンがこのまま残留しそうにも思える。彼もレスター行きなど噂はあるが、移籍ウィンドウが閉じるまで一週間を切ってまだ具体的なニュースはない。
今年の夏ウィンドウが始まる前、ESR、エディ、ネルソンのヘイルエンダー3人は、HG理由もあるので3人同時に売却することはないとも云われていた。ESRがフラムへ行き、エディもフォレスト行きが近づいている今、ネルソンが残ってもおかしくはないのかもしれない。
ただ、それは仮にそうなったとしても、売りたいのに売れなかったという消極的理由という気がする。ネルソンはアルテタがとても信頼を置いている選手ではないので、彼がチームに残ったところでプレイ機会も限定されるだろうし、選手としてはあまりハッピーな状況ではなさげ。
彼は、今年の12月でもう25才。本来は、彼こそベンチでくすぶっているときじゃない。
ということで、超重要なPLヴィラを前にびっくりニュースでした。
おわり
イーサンも年齢が年齢なのでフィジカル不足なのは明白なのでは。結局余裕ある試合で10分くらいしか使わないかと
アルテタは交代遅いからそれすら願望ですけど