ミッドウィークにはベストパフォーマンスでアトレチコ・マドリッドに勝利して、良好なムードのアーセナル。いつもあんなふうに勝ちたいものです。
そして今週末はPL。好調のクリスタル・パレスをエミレーツに迎える。
今シーズンのパレスはPL8試合でまだ一度しか敗けておらず、テーブルで8位とはいえ、彼らの13ポインツは、2位のシティ16ポインツとたった3ポインツしか差がない。シーズンをかなりうまく始めたと云えよう。
彼らは昨シーズンにはFAカップも勝ち(今年のコミュニティシールドにも勝利)、もうしばらく好調がつづいている。チームのエースだったエゼ移籍の影響は、あまりないようだ。
好調なチーム同士の対戦ということで、この試合はお互いにとりビッグテストになる。
アルテタの試合前コメント「10年前からセットピースについて考えてきた」
昨日行われたミケル・アルテタの試合前記者会見。AFC公式サイトより。
(チームニュース……)
- あまり変化はない
- (アトレチコで)ビッグガビに問題があり交代せねばならず、まだトレインできていない。だからこのあと24時間でどうなるかを観ていく
(マドゥエケ、オーデガード、ハヴァーツとジェズースについて……)
- 彼らはとてもよく回復していて、すでに一部の活動を始めている
- 彼ら全員ができるだけ早く戻ることに超熱心
- だが来週くらいまでは誰も復帰しない
(最初の12試合でわずか3失点。チェルシーの記録を破るモチヴェイションはある?……)
- われわれはそういう記録がほしい。これまでにもそうした多くの記録を得てきた
- それがほしいのはトロフィのため
- だがわれわれがより生み出すようになれば、それだけ自分たちの目標達成に近づいていく。守備の記録はとてもいいが、それを安定してやること
- まだシーズンは始まったばかりで、進歩の余地はまだまだある
(エゼの元クラブとの対戦……)
- われわれにはビッグゲイム。なぜなら昨シーズンはポインツを落としているから
- 昨シーズンにポインツを落とした相手とはこれで4試合連続の対戦で、ここまでは彼らを倒せているので、そこに集中する
- エブズにとって特別な試合になることはみんなわかっている。彼にはパレスでの歴史とやってきたことがある。だが、チームに集中する
(パレスに勝つためには昨シーズンよりももっとうまくプレイせねばならない……)
- もし違う結果がほしいのなら、去年やったよりももっとうまくやる必要がある。とくにこうしたフィクスチャでは
- われわれはパレスがやっていることを知っている。 Oliver [Glasner] がやっていること。結果の取りかた。とてもタフな試合になる
- しかし、われわれのホームで自信もある。自分たちのレベルを出せるなら試合に勝つ大きなチャンスがある
(スクワッドデプスから選手をチームに入れられないこと……)
- ふたつの側面がある
- ひとつは感情的な部分。わたしとの個人的なつながり。わたしも彼ら全員にプレイさせたい
- だがふたつめの側面は、間違いなく、わたしはここ数年の状況よりもいまの状況のほうがいい。人数が足りなくなるよりは
- われわれはとても力強い環境をつくっている。とても競争力があり協力的。それによってどの試合にも挑戦できることを望む
- そこが目標。叶えたいもの。全員でその方向に向かっている
(Matetaのフォームとどうやって彼を止めるか……)
- まず第一に、それは彼らがチームとしてやること。彼らには組織のレベルがある
- 彼らは自分たちがどう攻撃したいかはっきりした意図がある
- だから、その源を断つのがベストなやりかただ
- 彼がそうした状況にはいっていくとき、1 v 1で彼はとても生産的で、とてもとても成功している。とくに最近。だから、それを防ぐつもり
(火曜に2ゴールを決めたヨクレスと何を話した?……)
- 会話は必要なかった。試合後にハグして彼を観て、楽しんでいるしうれしそうなのがわかった
- チーム全体がとてもハッピーだったと思う。完全にわれわれが勝ちにふさわしかったから
(今シーズンはオープンプレイからまだ5ゴールしか決めていないことが心配?……)
- ノー。まったく
- なぜならわたしはフットボールをオープンプレイとかセットピースとかで観ていないから。わたしには試合の違う見方がある
(アーセナルのセットピースはどのように完成させてきた?……)
- ワークによって
- まず第一に、文化をつくり、試合の部分に重要性を与える。それを理解すること。フットボールは進化しており、相手はわれわれに対応しようとする。そしてわれわれはあることをかなり頻繁に起きるよう最大化しなければならない
- だから、なにかが頻繁に起きるのは、われわれには価値が高いのだ。だからそれを最大化し効率的にしようとしている
(セットピースに重点を置くことが賢いと思ったのはいつ?……)
- 10年前、わたしはそうでなければならないと考えていた。わたしはここにいなかったが、10年前わたしはそれをやるのはとてもすごいことだと云っていた
- そして、そのヴィジョンを持ち始め、メソッドを組み込もうとし、それをもたらす最高の人材たちといっしょにいようとした
(いまヴェンゲルのタイトなバック4を再現しようとしている?……)
- フットボールの一般的な歴史を振り返っても、多くの時代でベストな守備記録を持つチームがリーグを勝ってきた。PLでの直近3シーズンを除いて
- だから、そうしたスタッツに抗うことだ
- だが、われわれがその基礎においてより強くなれば、試合に勝つ可能性は大きくなっていく
(うまくいっているときにあまりチームを変更したくないという誘惑がある……)
- 彼らはまだ完璧には程遠い。もっとうまくやるべきことがたくさんある
- もちろん、うまくやっていることもたくさんあるので、それは維持する必要がある
- だから、このレベルのフットボールでは試合に勝つための差はとても小さいことを理解すること
- あるときわれわれは敗け、あるときのわれわれは試合に勝つにまったくふさわしい
- しかし、それが全シーズンを通して同じ軌道とは限らない。それに備えておくこと
- より警戒していれば、より切迫していれば、つぎの試合への渇望があればあるほど、われわれはよくなっていく
(タイトル争いにおけるエミレーツの雰囲気の重要性……)
- それがカギ。もっとも重要なことのひとつ。
- わたしがそれを大好きなのは、われわれはサポーターたちがステディアムにただ来るだけとは思っていないから
- われわれは彼らといっしょに試合をプレイする。そこがとても違う
- それをやるためには、シートに座り、ある振る舞いをし、あるボディラングエッジが必要。そして日曜の午後2時、いいテストになる。CLのビッグゲイムのあとでどうなるか
- もしわれわれがさらなるステップを踏み、去年やらなかったことをやるなら
(古巣との対戦とはどんなもの?……)
- 腹の底になにかがある
- 歴史があり、たくさんの感情があり、とても親密な関係があり
- いつかそこに行くことを考えるかもしれないし、そういうマインドセットかもしれないし、むしろもっと勝ちたくなるかもしれない
- なぜなら、決断は成功するために自分でしたものであり、キャリアでべつのことをしようとしたのも自分
- エブズはその準備ができている
(10年前、セットピースで試合はどこへ向かっていくと思っていた?……)
- わたしはシティへ行き、世界ベストのマネジャーと働いた
- そこでチームのどこを進歩させられるかがはっきりしているように見えた
- そして、どこかの時点でわたしがそれをやったが、世界ベストの人間ではなかった。その進歩のさせかたというものはあった
- その後すぐにわかったのは、それが起き始めたとき。だが、それにとらわれるだけでなく、トランジションにおける守備パートでも同じだった。わたしはベストになりたかった
- ケイオスに関して、わたしはベストになりたい。ポジショナルアタックに関しても。ロウブロックについてもそう
- チームを発展させるための道をコンスタントに見つけようという意志
- チームを進歩させ、選手にはより道具を与え、より予測不可能になること。より効率的になること
(ライスのセットピーステイカーとしての能力……)
- 彼が今シーズンにポジションを多少変えているという発言も聞いているが、わたしはそれには同意しない
- なぜなら彼のポジションは進化しているのであって、彼はトータルプレイヤーになりつつあるということ
- トータルプレイヤーは、できるだけたくさんのことができなければならない。彼にはそれをやるキャパシティがある
- だから、それは選手を進化させるためのもので、チームに違うものをもたらしてもらうためのもの
- そしてとくにゴールについては、彼はもっとよくなっていくし、その部分ではチームの進歩にとても重要な存在になっている
(ズビメンディがミドフィールドにもたらすもの……)
- どの選手も違う。われわれにはすごいMFが何人もいる
- 彼がもたらすのは、ある種の階層であり、落ち着き。それを身につけるのはとても難しい
- そして、彼が試合のなかで集めた情報や学びがあり、それが試合のなかで実際に起きる。スピードが際立っている
- 彼はあるスペイスを開放し、遠くを観るキャパシティがあり、チームメイトたちが彼よりもボールから離れているときポジションを維持する
- あとはそう、彼がゴールもできるようになればもっといい
(彼はまだまだこれから?……)
- まだまだこれから。彼がもっとチームメイトを理解するようになり、とくにタイミングがわかるようになれば、より関係性も築かれる
- 彼にはさらなるスキルのレベルがあると思う
(あなたはオープンプレイやセットピースのように試合を観ないと云いましたが、オープンプレイへの取り組みは……)
- その逆もまたしかり。フットボールとはそういうもの。
- フットボールは止まらない。すべてがつながっている
- あなたたちはそういうふうに試合を観る? Ok、わたしはそうは観ない
(PLの最近のトレンドはあなたの考えているほうに向かっている?……)
- わからないが、それがより重要だということではない。同じように重要ということ
- だが、試合のなかでそれが頻繁に起きるようになったというだけ
- 重要なことは試合を支配することで、相手を傷つける機会があるということ
- だから、われわれは自分たちにとりよいことが、とても頻繁に起きるようにトレインしなければならない
- なぜなら、それは相手にとってはとても困難をもたらすから
- だから、わたしは全員が同じことをしようとしているだけだと思う
(10年間もセットピースについて考えてきて、ようやくその時代がやってきた……)
- ノー、ノー
- そういうフットボールのことではない。そうしたときを利用して、ほかのときをつくれないなら、そのうちのひとつを使うということ
- しかし、それはコーチ文化に関係することだと思う。環境、そして自分たちの選手。それらすべてが同調していなければならない
- つまり、試合のプレイのしかたにあるアプローチがほしいのなら、たとえば、われわれは超アグレッシヴですとなれば、そこにはそのチームがもたらせるものへの教育とトレインといういい兆しがあるということ
- なぜならもしそれがなく、とてもいいハイプレスのチームになりたいなら、トラックバックで世界ベストになるべき。ある時点ではプレスを破られることもあるのだから
- だから、それをもたらせる選手がいなければならないのだ。その方向に選手を導き進化させる必要がある
(いまはフェイズ5?……)
- ノー。フェイズとかじゃない。フェイズはべつのもの
(シーズン15失点のチェルシーの記録を破る可能性……)
- あなたは質問のなかに「if」という単語を3度使った。そしてフットボールではあまりにもたくさんのifがある。もうすでに予測できない
- そのうえ、そうしたifがあると、われわれがいまやっていることに集中することが極めて難しくなる
- われわれは一貫していまやっていることをやっており、選手を進歩させられる
- シーズン終了時にどうなっているか観てみよう
(オープンプレイから1失点しかしていない……)
- 当然そこは超ポジティヴ
- われわれの歴史でも初めてのこと
- それをやるのがいかに難しいか想像してみてほしい
- このレベルで、われわれにそれがやれていることがとても喜ばしい
- あとは継続
会見の後半。
- Atletico:difficult and different opponent.
- Best performances since you’ve been here: it’d probably one of the best. Difficult fixtures, new players, the process has been fast and efficient. It’s about continuing the momentum.
- What’s good is the team has the capacity to perform. The rest let’s see.
- Alex Ferguson defence wins titles:when you look at his titles and who’s speaking, you have to really put that big message in your office. He’s right.
- Defending important:we defend to attack better. That’s the intention, not to concede. We have that mindset.
- Gabriel redefining defending:if I want a defence to master both boxes. Gabby’s presence it’s a lot to like. One of the best centre backs in the world.
- Expensive defenders:A few names come to mind. You’re much better than me at data.
- Gabriel:it’s belief. Gaby’s is incredible. It’s a good mix.
- Practicing Set pieces: everything is planned when we want to invest the time.
- Gyokeres and Havertz: I’ll leave that headache a little longer. They can play together but we’ll find the best way.
- Eze:he’s done a lot of things well. He’s not played three games a week that often, but it’s been good. Our understanding of him is better now. I like his willingness.
- Set pieces at City: when I looked at the time we were very far. Others aren’t doing well but we could improve.
- Advice:who were the best at the world, the patterns, processes types of players
- Night out: early dinner. Playing every three days. They came to me and asked for a dinner together, I told them go.
以上。いや長いす。ミケル会見はどんどん長くなっているような。
セットピースを考えつづけてきたミケルの10年
今回の会見のハイライトはもちろんこれ。
10年というのは、要するに彼がシティでグアルディオラのアシスタントになってからここまでの年月ということだろう。
考えてみれば、セットピースコーチの採用もアーセナルよりシティのほうがずっと早かっただろうし、そもそもニコ・ヨヴァーもシティからぶっこ抜いたコーチ。「10年前からずっと」というのは、ちょっと大げさなんじゃないかと思うけど、アルテタのようなコーチがその重要性について早くから自覚的だったというのは、ありえそうに思える。
アーセナルで最初の数年はあまりにもチームがアレでそこまで手が回らなかったんだろう。いやしらんけど。
エベレ・エゼのインタビュー「トトナムへ行くはずだったけど、アーセナルが来たんで」
Arsenal vs Crystal Palace: Eberechi Eze returns to school to talk about his love of chess
エゼ:(クリスタル・パレスで)ぼくはひととの関わりや付き合いかたを学んだんだ。それがなにより重要だということを。ひとのために何ができるか、ほかの場所では再現できないフィーリング。それはぼくにとって一生のものであり、残りキャリアを通してつづけていくことだ。
(日曜のパレス戦)ぼくには特別な日と試合になる。そしてどうしても勝ちたい試合。でもパレスの人たちやファンへの愛情は永遠にありつづける。
(まだアーセナルで本領発揮に至っていない)パレスにいたときとはちょっと違うんだよね。アーセナルでプレイするというのは、もっとこうショウとか劇場みたいな。
タイトルのためにプレイしているプレッシャーもある。でも、それはぼくの子どものころからの夢だった。いまのところまだ100%ではないけど、より楽しめるようになっている。
ミケル・メリーノのインタビュー
スペインメディアなのになぜ英語?と思ったら、YTのAuto-dubbed機能だった。。リップを観ないと気づかない。怖い。














