こんにちは。今日はちと毛色の違う話題を。
昨日、USの各市で市長選挙が行われ、注目だったニューヨーク市ではもともと超無名だった34歳のイスラム教徒の男性が、トランプ大統領や超富裕層からの大規模なネガティヴキャンペーンにも関わらず市長に選出されたという。
その名もZohran Mamdani。日本語だとマムダニとカタカナ表記しているメディアが多いが、発音はマンダーニっぽい(※マンダニ表記もたまに見かける)。
もちろん世界一の大国であるアメリカの主要都市の新リーダーであり、いまのアメリカの閉鎖的な状況を考えても彼のような人物が当選したのは世界的なニュースなのだが、その彼がなんと熱烈なアーセナルファンだというのですな。
これはわれらファンは全員知っておくべき。
Who is Zohran Mamdani ?
以下ウキペより引用。
ゾーラン・クワメ・マムダニ Zohran Kwame Mamdani(1991年10月18日生まれ)は、ニューヨーク市の市長に当選したアメリカの政治家である。民主党およびアメリカ民主社会主義党のメンバーであり、2021年からニューヨーク州議会第36選挙区(クイーンズのアストリア地区)の議員を務めている。
マムダニは、ウガンダのカンパラで、インド出身の学者マフムード・マムダニと映画監督ミラ・ナイアの間に生まれた。マムダニは5歳のときに南アフリカのケープタウンに移住し、7歳のときにアメリカに移住してニューヨーク市に定住した。
マムダニはブロンクス科学高校を卒業し、2014年にメイン州のボウドイン大学でアフリカ研究を専攻し、学士号を取得しました。
住宅カウンセラーやミュージシャンとして働いた後、マムダニはカデル・エル・ヤティームとロス・バーカンの選挙キャンペーンマネージャーとしてニューヨーク市の地方政治の世界に入った。
2020年にニューヨーク州議会に初当選し、民主党予備選挙で5期務めた現職のアラベラ・シモタスを破った。2022年と2024年には無投票で再選された。
2024年10月、マムダニは2025年のニューヨーク市長選挙への出馬を表明。2025年6月、マムダニはアンドルー・クオモを破り、民主党予備選挙で予想外の勝利を収めた。
11月4日の本選挙では、無所属で立候補したクオモと共和党の候補者カーティス・スリワを相手に、50.4%の得票率で市長に当選した。
マムダニは、都市バスの無料化、普遍的な公的保育、市営食料品店、LGBTQ の権利、家賃安定化物件の賃料凍結、手頃な価格の住宅追加供給、包括的な公安改革、2030 年までの最低賃金 30 ドル実現など、手頃な価格に焦点を当てた政策を掲げて選挙戦を展開した。
また、企業および年収 100 万ドル以上の個人に対する増税も支持している。マムダニは、インド系アメリカ人として初、アフリカ生まれとして初、ムスリムとして初、ミレニアル世代として初、そしてデイヴィッド・ディンキンスに次ぐ2人目の民主社会主義者としてのニューヨーク市長当選者である。2026年1月1日に就任する予定である。
ニューヨークはいまインフレでマジですごいことになっているそうですね。
先日日本でも「NYの家賃は東京の6倍」という報道もあった。こっちで10万の部屋なら60万。5万の部屋が30万のほうがリアルか。東京のかたすみで5万の部屋をイメージしたらそれに30万は出せませんねえ。まさに庶民の生活がかかってる。
でも、トランプや彼の支持者たち、超富裕層、イスラエル、そのあたりから彼が猛烈な反発を食らっているという事実だけで、超推せるよね。まあNY市はおれとは関係ないけど。でも、めぐりめぐってアメリカがまともになるなら、いずれ日本も含め世界に好影響があるかもしれない。
こちらは10月26日支持者集会での彼の演説の日本語訳。彼がどのような政治を目指しているかがわかる。
みんなのための自由を、私たちは勝ち取れる(ゾーラン・マムダニ氏演説) – 月間『地平』
本人。
Thank you, New York City. Together we made history.
Now let’s get to work. https://t.co/G7F2sbda74 pic.twitter.com/GQABMqJHgn
— Zohran Kwame Mamdani (@ZohranKMamdani) November 5, 2025
カメラワークが70年代映画っぽい。これも演出か。
MamdaniとHip Hop
個人的に興味深かったのは、彼と音楽とのつながり。ウキペにも「ミュージシャンとして働いたあと~」とあるように、彼はかつてラッパーとしても活動していた時期があるという。高市早苗もびっくり。
で、これはまったくの偶然なんだけど、市長選投票日の数日前(動画内ではあと2日と云ってる?)、ぼくが気に入ってよくみているYTチャンネル“ARI at HOME”の、その日の動画に彼が出ていた。
Mayor mayorと云っているしSP的なひとも彼についているので、彼が市長選の候補者のひとりだとはなんとなくわかったが、まさかこの時点で当選の有力候補だとはつゆ知らず。というかNYの市長選挙なんてまるで興味なかった。
ARI at HOMEは、おもにマンハッタンを舞台に、ARI氏が即興でビートをつくりながら練り歩き、その場で出会った市井のラッパーやミュージシャンとセッションしていくという番組で、これがめっぽうおもしろい。わしが観始めたときはそれほどでもなかったけど、チャンネル登録者もぐんぐん伸びていまやミリオン超え。そして土地柄もあってか、ラッパーとの遭遇率がめっちゃ高くて笑える。残念ながら東京じゃこうはいかんでしょうね。著名フリースタイラーHarry Mackと遭遇するエピソードもある。
いまあらためてこの動画を観ると、Mamdaniがラップをせがまれているのは、彼がかつてラッパーだったことが周知されているからか。彼は結局それには応じなかったものの、周囲に集まった群衆を前に演説みたいなことをしていた。ニューヨーカーに愛されてる。
ちなみにMamdaniは、この選挙期間中にめちゃくちゃ精力的にこの地域を歩き回っていたそうで、いつも数時間もずっとストリートを練り歩いているAriと彼が出会うのも不思議はなかったかもしれない。
Zohran Mamdaniは熱心なアーセナルファン
さて本題。
New York City’s new Mayor, Zohran Mamdani, is Gooner through and through 🔴⚪ pic.twitter.com/iy4xxwtoC1
— CBS Sports Golazo ⚽️ (@CBSSportsGolazo) November 5, 2025
NYのグーナーといえばスパイク・リー。このひとたちはよくここに集まっているのは、スポーツバーみたいなものがあるのかね。Do The Right Thing前。
Arsecast(Arseblogのポッドキャスト)をよく聴いているというコメントも。
Zohran Mamdani, mayor of New York City! pic.twitter.com/F0k8a38SKe
— Jamie Spangher (@jamiespangher) November 5, 2025
こやつ……われらの同士である!
Zohran Mamdani talks soccer: World Cup ticket prices and the Premier League title race
The Athelticの記事から引用しよう。アメリカ人だからフットボールはサッカーでよし。
まず第一に、彼は本物のサッカーファンである。
選挙スタッフによれば、イベントに向かう車中でアーセナルの試合を断片的に観戦しているという。スピーチライターのジュリアン・ガーソンは、ある演説で他のトップ選手への言及がマンダニによって差し替えられたと明かした。
彼がアーセナルの選手の中で特に好きなブカヨ・サカとウィリアム・サリバを言及したかったためだ。
多様性に富むこの都市において、マムダニの個人的なサッカー愛は、彼の支持基盤の鍵を握る若い世代にも好印象を与え、さらにニューヨーク五区に広がる移民コミュニティとの接点となるもう一つの手段となっている。
東アフリカのウガンダで生まれたマムダニは、7歳の時に家族とニューヨークに移住し、その後、1998年から2004年の間にプレミアリーグで3度優勝したアーセン・ベンゲルのアーセナルに夢中になった。
「叔父がアーセナルのファンなんです」とマムダニは説明する。
「叔父が僕をファンに導いてくれました。ウェンガー監督はアフリカ人選手をプレミアリーグに本格的に招き入れた最初の監督の一人でした。僕はコロ・トゥーレ、カヌ、アレックス・ソング、ローレン、エマニュエル・エブエと共に育ったんです」
「冷蔵庫にはインヴィンシブルズ(2003-04シーズンのプレミアリーグで38試合無敗優勝を果たしたアーセナル)のマグネットを貼っていました。デイヴィッド・シーマンやシルヴァン・ヴィルトゥールら、あの選手たち全員が大好きでした。叔父と何度も観戦し、何度かスタジアムにも足を運びました。アーセナルは私の人生とアイデンティティの大きな一部なのです」
彼はアーセナルファンというだけでなく、ワールドカップのチケット価格問題について要求するなど、サッカー全般に関心が高いようだ。アメリカ人にしてはめずらしく。
まあ、つまり彼自身がアメリカ社会のなかではマイノリティのひとりということだろう。トランプ的価値観では排斥されるほうの。アフリカ(インド)系アメリカ人であり、イスラム教徒であり、政界を牛耳る年老いた白人男性でもない。イスラエルを支持しない。そんな彼がNY市民から50%以上の支持を勝ち得た。そしてアーセナルファン。いいね。
新しいNYの市長はグーナー。おぼえておきましょう。
おわり












