アーセナルの公式ストアで背番号入りシャツの販売が始まっている。ラカゼが9番に決まり、昨シーズン9番を付けていたルーカスが28番に格下げになったことも話題だ。ざっと見た感じ、移籍濃厚と見られている選手も一応シャツは買えるんだね。
このショップには移籍(放出)が噂されている選手が含まれたり含まれなかったりしている。含まれなかった選手で意外だったのは10番ジャック・ウィルシャーだ。(この並びは一体何順なのか? 人気順?)
来季シャツ販売から見るアーセナルの人員整理
移籍が確実だと思われる選手のシャツは売らないのに(アクポンなんかのようにファーストチームに入れない可能性という理由もあるか)、ほぼ戦力外・構想外で放出濃厚にも関わらず新しいシャツが販売されているというのも不思議な話である。
そんな選手がこちら。
- 2 マテュー・ドゥビュシー
- 3 キーラン・ギブス
- 13 ダヴィド・オスピナ
- 28 ルーカス・ペレス
ドゥビュシーは。普段のトレーニングに参加していた様子はあったのでフィットしていないということはないはず。しかしメディアでの彼に関する移籍の噂はこれまでほとんどない。まだ枯れるには早すぎる年齢だろう。
ところでこれも話題にならないがドゥビュシーなき後のRBのバックアップはどうするんだろうか。ジェンコでは不足だしまたガブリエルでお茶をにごすつもりなのか。本職のRBがベレリンしかいない状況というのは果たしてどうなんだろう。3バックだから必要ないと思っているのか。コラシナツを獲って盤石のLBの状況とは対照的である。
ドゥビュシー、ギブスといなくなると2とか3とかDF選手用の結構でかい数字が空く。明らかにファーストチョイスのベレリン(24)あたりはもっと大きな番号を付けても良さそうなんだが。No.2のベレリン。
そして、ここに含まれていないということはつまり……という選手。
- 1 ヴォイチェフ・チェズニー
- 10 ジャック・ウィルシャー
- 21 カラム・チェンバース
- ジョエル・キャンベル
1と10が同時に空くという珍しい事態に。
チェンバースは期待も大きかったんだけどなあ。キャンベルかあ。結局最後までベンさんのお気に入りにはなれなかった。おや?ジャック?
ジャックはまじでどうするんだろう。もちろんキライな選手ではないが怪我が多すぎてフットボーラーとしてはまさに致命的。いっときはシーズン最後まで大きな怪我なしで行くのかと思われたボーンマスでも結局怪我をしてしまった。これがアーセナルのDNAなのか。イングランドほど当たりが激しくないといわれるスペインとか行くのもいいか。彼には幸せになってもらいたいのだ。
いくつかのメディアでも今夏ウィルシャーは売るべきという論調を見かけるが、長らくフォローしてきたファンとしては、期待を一身に背負った生え抜きの選手が落ちぶれていくさまを見るのは本当に悲しい。なんとかならんもんか。サイボーグ化とか。
結局チェフは1、エジルは10を着けるんだろうか。シャツを買ってしまったファンにあとから無料で背番号を付け替えるとかよく聞くもんな。
ここにリストしただけで今夏いなくなるのは8人。あとはもちろんサンチェスも。Oxも? レマールやマレズとかちょっと欲張りすぎないかと最近のゴシップを見ていて思っていたのだけど、これだけ抜けるのなら全然問題ないな。というかむしろ足りない?
足りているのか足りないのかアーセナル
薄いところと厚いところとがある。ポジション別にざっくり見ていこう。
GK
いま一番気になるのがチェズニー、オスピナがいなくなり来季エミ・マルティネス(24才)がセカンドGKになるという噂である。エミマルはU17、U20アルゼンチンでもプレイしており、アーセナルのファーストチームでも何度か無難にプレイしているように素材は間違いないのだろうが、いかんせんEPLのトップクラブで地味な印象は拭えない。トップレベルの試合経験が少ない彼がNo.2というのは正直非常に心もとない。イタリアNo.1GKチェズニーを逃したのは本当に痛い。アーセナルは10年も育ててきていったい何をやっているんだろう?
足りない
CB
コシエルニ、ムスタフィ、ホールディング、モンレアルといて、バックアップにガブリエルもメルテザッカーもいる。サウサンプトンのファン・ダイクを狙っているという噂もあるが、欲を言えばきりがない。センターバックは比較的足りているポジションである。キープレイヤーはホールディングだろう。彼が活躍するかしないかでアーセナルのシーズンは違ったものになる。間違いない。
足りてる
RB/RWB
先に述べたとおり、個人的にはベレリンのバックアップ(純粋なRB)がいないのが心配である。仮にベレリンが怪我をしたとなるとRBはどうなるのか? ガブリエルのRBは「無難にこなしている」以上の印象はなくあまり見たくない。ジェンコは残念ながらアーセナルのレベルにない。いざというときはプレシーズンツアーにも帯同しているメイトランド・ナイルズがファーストチームに入ってくるということもありえるのか? なんという危機的状況。
3バックの場合、右ウイングバックはOxもいるが、いましきりに移籍が取りざたされているし、残ったとしても彼もまた怪我がちな男である。右サイドが危機に陥る。いかにもありそうなシナリオである。そんなことをいい始めたらキリないけどな。
とにかくベレリンの重要度(依存度)が非常に高いエリアである。もう契約更新するべきだろう。
やや足りない
LB/LWB
レフトバックにはおれたちには16/17ブンデスリーガベスト11のコラシナツがいる。見た目も強そうだから怪我もしないはず。モンレアルもいる。問題なし。そう考えると、モンレアルという選手は本当に便利。右にも彼のような選手がいればよかったのに。
足りてる
CM/DM
ジャカ、ラムジー、エルネニー、コクラン、(Ox)がいる。このメンツで満足できるなら補充は必要ない。しかし客観的にはアーセナルのCMは問題ありと見られているだろう。カソルラの成功があったからだ。
No.8のターゲットとして噂になっているインテルのブロゾヴィッチ、ナポリのジョルジーニョあたりを、ヴェンゲルがカソルラの後継として補強したいと考えていても不思議はない。注目されていたベティスのダニ・セバーロスは結局レアル・マドリーが獲ったらしい。安く手に入った可能性のある選手だったのでアーセナルはずいぶん惜しいことをしたな。数年後にほぞを噛む事態にならなければいいが。
その他、毎年噂になるスポルティング・リスボンのウイリアム・カルバーリョはそろそろ本気で行けよという気がしないでもない。エルネニー、コクランといったやや中途半端なバックアップ選手の今後の扱いも気になるところだ。
足りない?
AM/FW
当然サンチェスOUTで考える。
ジルー、ラカゼ、エジル、ウォルコット、ウェルベック、イウォビ。ここにトマス・レマールとリヤド・マレズが追加。このポジションのスターティングは3-4枚と考えると、若干過剰気味である。イウォビはベンチにも入れないかもしれない。イウォビがベンチに入れないところにジェフ・レイネ・アデレードが入る余地はもちろんない。
ここにさらにもう一人獲得、あるいはサンチェスを残そうものなら、イウォビ、ウォルコットあるいはジルーあたりを放出(ローン)しなければならないんじゃないだろうか。やっぱりレマールとマレズの両獲りってのは現実味がない。ヴェンゲル監督はドリブルが得意なウインガーどちらかを獲りたいということだろう。
足りてる?
まとめ
トップトップクオリティのCFラカゼットが来たいま、意外にもコマは揃いつつあるという印象はある。
個人的に一番気になるのはやっぱりラムジーのポジション(CM)。攻守の要というより、アーセナルがしばしばやるようにボールを持って相手を押し込み遅攻をするときには、むしろ攻撃の要といってもいい。CMでラムジーの攻撃力が上がるようならアーセナルは優勝してしまうかもしれないが、ラムジーがこれまで通り並のレベルの選手で有り続けるならアーセナルは優勝できない。