マッチスタッツとコメント集に続き、フルアム・アーセナルの試合の論点を。
フルハム vs アーセナルの論点
エメリ初の4-4-2。エジル不在でアーセナル輝く
試合を見ていた感じでは守備時以外はいつもどおりの4231だったようにも見えたが、試合後のボス本人のコメントからアーセナルが442で試合に臨んだことは確定だ。
先日ソクラティスが褒めていたように、エメリは前回のバック3といい、フォーメーションの調整を試合ごとに行ってくる。
ラカゼットとウェルベックというハードワーカーふたりが2トップということで、このフォーメーションは想像以上にうまくいったのではないだろうか。
フラムがアーセナル相手でも攻撃をしてくるチームだったため、アーセナルにとっては与しやすい相手ではあった。
攻められる時間もそれなりにあったが、失点の危険があったビッグチャンスは数度あったくらいで、この試合ではこれまでの試合と違いアウェイながら守備面でも改善が見られたと思う。失点シーンはまああれはしょうがないというように見えた。
The narrow positioning of Iwobi and the wide runs of Monreal brilliantly stretched and exposed the Fulham backline down that side. Arsenal overloaded and combined to great effect and scored the first goal by using this. pic.twitter.com/UNOdomOpzB
— Arsenal Tactics (@ArsenalVids1) 7 October 2018
@Arsenal Tactics氏のツイートでは、ジャカがディフェンスラインに落ち、イウォビが中央寄りにポジションを取ることで相手をひきつけ、左サイドでモンレアルの走り込むスペースをつくるという動きが頻繁に見られ、その作戦が功を奏したのではないかと指摘されている。
今シーズン、エメリが来てからのファンベイスにおけるアーセナルの442論では、トレイラをウルグアイでもサンプドリアでもやっていたようにアンカーに置いた「ダイヤモンド442」を支持する声もあるが、中盤で幅がないと反論されることも多い。が、ここではまさにその幅がない状態を故意につくり出して攻撃していたことになる。
この442は今後エメリの有力なオプションになっていくのだろうか。
ただし、ファンが覚えておかなければならないのは、このフォーメーションがあくまでエジルとラムジー、それにオバメヤンがいないシステムだったということだ。2トップも両ワイドも4人全員がハードワーカーだったという点は見過ごすべきではない。
オバメヤンとラカゼットの2トップだった場合、エジルを右ワイドに置いた場合、ラムジーを誰かと変えた場合などを想像するに、今回の442以上に安定したバランスが保てるかどうかは疑問がある。
今回またエースのエジル不在でアーセナルが輝くところを観ることになったのは皮肉なものだ。この試合の結果と内容は今後「エジルは贅沢品」論を強化しそうだ。
トレイラ効果
🔴⚪ Lucas Torreira (22) vs Fulham:
66 touches
40/48 passes
8 ball recoveries
6 interceptions
4 fouls won
2/3 long balls
2/2 tackles
1/1 aerial duelKicked a lot; carried on. This was his best Arsenal performance as a starter. pic.twitter.com/8CvoQT3xKu
— Scouted Football (@ScoutedFtbl) 7 October 2018
この試合がアーセナルにとって今季のベストなら、トレイラにとってもこの試合がベスト。彼はいったいどれだけチームに貢献するんだ。
まるでエンゴロ・カンテである。
試合の流れを先読みできる嗅覚。安定して正確なパス。味方のカヴァーリングにボール奪取。そして闘志。。アーセナルはどれだけ長い間彼のような選手が来ることを待ち望んでいただろう。
コクランが警官なら、トレイラは戦士。ガラ・チャルーア。
トレイラは彼個人の貢献度ももちろん高いが、彼がアーセナルのバックラインや中盤に及ぼしている影響は計り知れない。
まずトレイラがいつもCBの前のスペースをケアしていることで、ジャカがより余裕をもってボールをさばくことができるようになった。相棒がラムジーだった時代を考えると、いかにジャカが孤立していたか、気の毒な環境に置かれていたかがわかる。
センターバックのふたりへの影響はいうまでもなく、また、このところのベレリンの好パフォーマンスにも影響を与えているともいわれている。
彼がアーセナルが長いこと欠いてきた中盤のバランスを安定させていることは、アーセナルにとってはかなり明るい兆候だ。そこはほとんど泣き所というか積年の課題であったのだから。
新チャントも納得のファンフェイバリット。
🎶 Torreira, wooooah 🎶
8️⃣ recoveries
7️⃣ duels won
6️⃣ interceptions
2️⃣ tackles@LTorreira34: The Transformer 💪 pic.twitter.com/ppmpE9fNR9— Arsenal FC (@Arsenal) 7 October 2018
セレブレイションの輪に加わろうとして頭をぶつけるトレイラ。。これだけでおれのMOTM。
ラムジーのゴールはチームのゴールだっ!
これはまごうことなきゴール・オブ・ザ・シーズン候補。ジャックのアレを想起させるファイン・チーム・ゴール。ヴェンゲル・ボールの再来。これがエメリ・ボールである。
Ramsey finishes off a brilliant Arsenal move with a stunning backheel finish. 3-1 pic.twitter.com/5BJhct3yN8
— Terje (@TerjeMedia) 7 October 2018
これもうちょい前から見たいんだけどな。
1 ベレリン → 2 ラムジー → 3 ラカゼット(ポスト) → 4 ラムジー(フリック) → 5 ラカゼット(ワンタッチ) → 6 ベレリン(ヒールでフリック) → 7 ラムジー(頭トラップ) → 8 ミキタリアン(ワンタッチでスペースへ) → 9 オバメヤン(ダイレクトでクロス) → 10 ラムジー(ヒール) → GOAL!!!
ラムジーとかパスに加わりながらほとんどピッチ縦断ですよ。。まさにボックストゥボックス。
本人も手のひらを上げて信じられないというジェスチャー。
このゴールの何が素晴らしいかって、チャレンジしてるってことに尽きると思うのだよね。ベレリンのヒールのフリックとかワンタッチプレイが連続してるところとか、自信とか相互の信頼がなければああいう思い切ったプレイはできない。それを即興でやるアイディア、勇気。それが報われた。
いやあフットボールのエクスタシィを目撃しちゃいましたな。
ラムジーはアレだな。残ってガナーズの伝説になったほうがいいかもな。27で新天地に行ってまあどっかでタイトルでも取って? そこそこいい選手でしたねで終わるより、ノースロンドンで死ぬまでリスペクトされる選手でいたほうがいいのではないかな。
このゴールは歴史に残るゴール。
ちなみにラムジーとオバメヤンは、この試合で別の記録もつくっていて、PL史上で交代選手がふたりゴール&アシストをやった例はないのだとか。
2 – Both Aaron Ramsey and Pierre-Emerick Aubameyang scored and assisted for Arsenal against Fulham – this is the first time in Premier League history two substitutes have scored and assisted for a team in a single game. Impressive. pic.twitter.com/FmjKEOs1XE
— OptaJoe (@OptaJoe) 7 October 2018
どんだけ。
イウォビの覚醒はつづく
As requested: GIF of Iwobi’s mad skill passed 2 Fulham players
byu/joey_arema inGunners
このフォームが続いたら、バルサ、バイエルンあたりがリストアップしちゃうぞ。
モンレアルが疲労
今回唯一ネガティヴな話題。
ぼくはこの試合のモンレアルにそんなに悪い印象はなかったのだけど、どうもサンチェス並みにボールロストをしていたそうな。まあ失点の直接の原因になるパスミスもやったしな。
Nacho Monreal has given away possession 13 times today – more than any other player in the match
— Orbinho (@Orbinho) 7 October 2018
で、彼はなんだかんだ出ずっぱりだと。もちろんコラシナツとAMNが離脱していた影響なのだけれど。
問題はコラシナツが復帰したはいいが、LBとしてあまりボスに信頼されてないみたいってことなのだ。彼はウイングバックとしていい選手だが、LBとしては守備が不味すぎると。それが前回のバック3の理由でもあったんじゃないかと思う。
今回モンレアルはスペインNTに呼ばれていないはずなので、2週間充電できるだろうが、今後のことも考えるとコラシナツとAMNでしっかりバックアップできる体制をつくらなければならない。
試合については以上。ラカゼットとかホールディングとかについてもまだ書けそうだけど、なんだか切りがない。みんなよかったよ。ほんと。
波に乗るアーセナル。プレミアリーグ、上位争いが加熱
そして9連勝。なにこれすげえ点取りまくってんな。ボスがやりたかった「5-4で勝つ」をちゃんと実現してるよ。クリンシートなにそれ?おいしいの?
さてPLも8試合目が終わって順位がどうなったかというと。
昨日シティとリヴァプールが分けたのがでかい。
GDで4位浮上。1位から5位までポイント差が2しかないっていう。。なんかいつもの1チームがいないような気もするけど、まあそれはいいか。
いやあこれだからイングランドのフットボールはおもしろいよね。PSGとかお山の大将で遊ぶ友だちがいないみたいでむしろ気の毒っていうか。
このあとはばっちり2週間のインターナショナルブレイクを挟んで、10/23早朝のレスター(H)。随分長いな。耐えられるかしら。
こんな感じで続く。
Arsenal v Leicester City (H) October 23, 2018 • 4:00
Sporting CP v Arsenal (A) October 26, 2018 • 1:55
Crystal Palace v Arsenal (A) October 28, 2018 • 22:30
Arsenal v Blackpool FC (H) November 1, 2018 • 4:45
Arsenal v Liverpool (H) November 4, 2018 • 2:30
おれたちはどこまで行けるのか。
以上。
おまけ
このひとのマブダチのサンチョがBVBでブレイクしまくりなのはなんとなく知ってたんだけど。
CHEERS, MATE!!! 💥
🔵 1-2 ⚪️ (82) #TSGSGE pic.twitter.com/QKcsgxLhco
— TSG Hoffenheim (@tsghoffenheim) 7 October 2018
おいおい。ネルソンもベンチが多いと思ってたけど、出たら出たでしっかり結果を出している。未来明るいよこれ。
ここしばらくなかった大量得点での勝利!
とはいえ相手も前半はかなり積極的に来てたしいいサッカーはしていましたね。やはり失点はしてしまうのか、、、笑
トレイラ、ジャカ、グエンの同時起用も興味深かった。
正直なところ代表ウィークはいらないからアーセナルの試合観たいなぁ笑
こんばんは。
ラカとオーバ、二人のストライカーがとても頼もしくなによりですね。
オーバは途中出場から2点とれちゃうとか本当にアーセナルの選手なのか?と今でも思っちゃいます。
昨シーズンあれだけ苦戦したアウェイでこの勝利。
ユナイテッドがつまずいてるうちにしっかりポイント取れてるのはデカイですね。
あとは、冬に向かって怪我人が出ないことを願うばかり…
やはりジャカとトレイラのコンビが良いですね。昨季のジャカは、守備があまり得意でないとはいえ、攻守においてファンからわりと理不尽な叩かれ方をしていたので、トレイラはまさに救世主。
役割的にも良い補完関係に見えます。
しかしエジルとラムジーは起用法が悩ましいですね。カチッとハマれば素晴らしい選手達なのでしょうが。なんとなく2人の同時起用は難しいような…
もし2トップを続けるならFW要員の枚数が必要なので、もうラムジーはトップということで…
最近のイウォビは昔の誰かさんを彷彿させるキープ力とエロさがありますね。
このままスターリングのように覚醒して欲しい