昨夜のアーセナルVSマンチェスター・ユナイテッドは、おれの予想に反しアーセナルが2-0で快勝するというまさかの結果に。いい意味で裏切られた。
そしてこの試合、英プレミアリーグにおいてアーセン・ヴェンゲル監督が初めてモウリーニョを下した記念すべき試合となった。彼らの初対戦は2004年というから、13年かかってやっと「失敗のスペシャリスト」の汚名を返上した。引退する前に勝ててほんとうによかった。
20年ぶりの3バックへの挑戦といい、ここへきて新しい出来事が重なるアーセナルである。
「アーセナルのファンが喜んでくれてうれしいよ」もちろん、敗れたあともモウリーニョ流の皮肉を忘れない。おれはこの人がだんだん好きになってきた。
手放しでは喜べない勝利
この勝利をアーセナルが手放しで喜んではいけないのは、モウリーニョはすでに「(EPLトップ4フィニッシュよりも)ELのほうが優先順位が高い」と述べており、ライトバックにリーグ戦初出場の10代を入れるなどマンUが2軍あるいは1.5軍のスコッドで、さらに戦意も最高潮とはいえない状況があったからだ。
この試合、とくに前半はいかにも5位と6位の試合という感じでインテンシティを感じない、集中力の欠如した退屈な試合だったのはそういう事情もあったからに違いない。アーセナルが彼らの空気に合わせる必要はまるでなかったのだが……。
ちなみに現在ELセミファイナルを戦うマンUがELで優勝すると、CLの出場権が与えられ、EPLは3位までのクラブしかCLに出場することはできない(※5/10追記:UEFAの既定によるとマンUがELで優勝してもEPLの4位はCLに出られるようだ)。モウリーニョがいまの状況でCLに出場するには、EPLトップ4フィニッシュよりもELで優勝するほうが現実的と考えても不思議はない。
アーセナルが4位力を発揮するが、CL出場権は与えられず。大事な場面でいつも残念なアーセナルらしい非常にありえそうなシナリオである。
アーセナルの今後
とはいえ、戦前の予想を覆してモウリーニョのマンUに快勝したという事実はアーセナルにとって小さくない。リヴァプールがスリップしたことと合わせて、トップ4フィニッシュの望みはまだ消えていない。消えてない。
水曜日(日本時間木曜日の早朝)のサウサンプトンとのアウェイ戦に勝利できれば、リヴァプールにかかるプレッシャーは俄然大きくなる。
もちろん、サウサンプトン戦の次にはストーク戦が待っており、アーセナルにとっても予断を許さない日程となっている。他人の心配をしている場合じゃあない。
興味深いのは、リヴァプールの最終戦の相手がミドルスブラであることだ。ミドルスブラには、今季のEPLで個人的にもっとも注目しているアダマ・トラオレという選手がいる。
アーセナルが残り全勝し、マンUもELを敗退。リヴァプールがダダスベリして残り2試合のうちどちらか1試合でも負けあるいは引き分ければ、アーセナルは4位に浮上。これが4位力。来季のCL出場権を獲得でAWも心置きなく契約を延長。めでたしめでたしとなる。
多くのグーナーにとっては喜んでいいのかどうか複雑な心境であろうが、CL出場権は移籍市場にも影響が大きい。出れるなら出れたほうがいいに決まってる。
リヴァプールがこれから対戦するウエストハム、ミドルスブラのみんなにはぜひともがんばってほしいね。