アーセナルのファンにとっては長く待った甲斐があってようやく才能の片鱗を見せ始めたThe Oxことチェンボことアレックス・オックスレイド・チェンバレン23才。
将来への期待が大きいにも関わらずエジルやサンチェス同様、残り契約1年となって契約更新のための交渉が続いているという。
獲得を希望するクラブから魅力的なオファーも受けている現在、それなりの高待遇を約束しなければならないアーセナルにとっては芳しくない状況といえるだろう。
SKY SPORTSにそんなOxの移籍にまつわる記事がきていた。
What next for Arsenal’s Alex Oxlade-Chamberlain?
おもしろかったのでざっくりまとめてみよう。
まだ23才のチェンバレンにはこの先に輝かしい未来が待っている。しかし17才からアーセナルにいるがこれまで「期待の若手」以上の評価を受け取れていなかった。
SKYBETのオッズ:アーセナルに残る確率8/11
- チェンバレンの16/17の活躍は記憶に新しいがそれはウイングバックとして
- 4-2-3-1ならポジション確保は難しくなる
- チェフやジルーに並ぶ週給100k以上の給与を23才に支払うべきか悩みどころ
- 「彼にはいてもらいたい」ヴェンゲル
- ヴェンゲルは17才から成長を助けてきた彼に愛着を持っている
- ただ、まだ一貫した活躍をしたことがない彼に対して大きすぎる契約はどうか
SKYBETのオッズ:リヴァプールに移籍する確率11/10
- チェンバレンは25Mポンド程度でリヴァプールに移籍する可能性が取り沙汰されている
- リヴァプールはアーセナルにないCL出場がある
- ヨーロッパで戦うためにはローテーションもしたい
- ディフェンスではLBはミルナーで安泰だがRBのクラインは不安定が続くならそこが空く
- ミッドフィールドと攻撃陣ではヘンダーソンがいつ戻るかわからない今深いMFに彼のポジションがある
- CMFは本人希望のポジションでもある
- 「個人的にはMFが好きだね。もっと中央でプレイしたいんだ」チェンバレン
- どこでプレイしようがチェンバレンはヴァーサタイルでストロングでクイックでエナジェティック。クロップが大好きなやつ
- ゴール・アシストの少なさや怪我の多さは気になるが25Mポンドはリーズナブル
- より成長するためにクロップの元でプレイできるのも彼には魅力だろう
SKYBETのオッズ:他クラブに移籍する確率25/1
以上。
オッズは拮抗しているが、アーセナル残留がやや有利か。移籍するならリヴァプールの一択。それがSKYの見立てである。
アーセナルはチェンボに出場機会を保証できるか
契約条件で一番の問題はやはり出場機会の保証だろう。アーセナルは今夏大きな投資でスコッドを強化するのは間違いなく、既存の選手にもすでに大きな競争が待っている。
もちろん大金で獲得した選手をベンチに置いておくようなことはないだろうから、彼らの出場が優先されると思ってよい。
そう考えていくと、まずCMでジャカのとなりに誰を置くかといえば、いまのOxをラムジーより優先するとは考えにくい。中盤の構成は3-4-2-1でも4-2-3-1でも基本的に同じである。
Box to Boxスタイルで中央でプレイするのがおそらく本人の希望だろうが、ラムジーにだって全幅の信頼を寄せているとは思えず、攻守の「要」のポジションでときに軽率なプレイをしてしまうチェンボのような選手を使うには勇気がいる。
3バックシステムのウイングバックが一番ポジションを得やすいところだろう。だが、同じポジションで重なるのが今夏バルセロナへの復帰がしきりに噂されているベレリンである。彼もまたウイングバックで才能を発揮しているひとりであり、来季どちらをメインで使うかはけっこう悩ましいと思う。
4バックの場合、この記事でも4-2-3-1の場合は3の右にはおそらくウォルコットが使われるだろうと指摘されているように、チェンボが攻撃ポジションを掴むにはますます厳しい。さらに右にはリヤド・マレズを獲ろうとしているのだから、このポジションでのチェンボには将来性を感じていないのかもしれない。
つまり、アーセナルはチェンバレンに出場機会の保証は実質できないと思う。ボスも「競争に勝ってくれ」としかいえないのではないだろうか。
ここまで懇切丁寧に育ててきてようやく花を咲かせようかという時期にたったの25Mポンドでかっさらわれるという大失態。大いにありそうだ。そう、アーセナルならね。