ちょうどセルタ・ヴィーゴのスタニスラフ・ロボツカに関するブログ記事を読んでいたところでこのツイートに出会った。
TMW: Another clash between #AFC and Napoli in this transfer market could be happening. In the past few hours, Arsenal have made enquiries about #Lobotka https://t.co/a5cpig8TRu
— Arsènic™ (@MrArsenicTM) 2018年6月23日
アーセナルとナポリの対決がまたしても起こるか。数時間前にアーセナルが、ロボツカに対して問い合わせを行った模様
CMの補強でもしトレイラに行かなかったらロボツカ全然ありだなあと思っていたところだったので、すごい偶然だった。
ロボツカについては、以前にこのブログでもトレイラの件で、同じようにトレイラを欲しがっていたナポリがジョルジーニョの代役にロボツカの獲得を決めたという報道をお知らせしたことがある。こういう噂が出るということはまだナポリに決まってなかったんだな。
そのときは名前も聞いたこともないし、へえそうですかという感じだったんだけど、今日たまたまこのブログを読んでいたら俄然興味が出てきたというわけ。
Stanislav Lobotka – Celta’s star midfielder
動画もいっぱい貼ってある。
スタニスラフ・ロボツカのプロファイル
WhoScored.comより。1994年11月生まれの23才。身長170cm。DM/CM。17/18シーズンからセルタ・デ・ヴィーゴ。ユース時代はAjaxにいたこともある。17/18シーズンはリーグ38試合に出場、ゴール/アシストなし。契約は2023年まで。
TMによると、市場評価額は15Mユーロ。
スロヴァキアNTには2016年にデビュー。11試合出場、2ゴール。
スタニスラフ・ロボツカのプレイスタイル
いくつかのハイライト動画を観た感じでは、とにかくテクニックのあるMFで、いろんな意味でトレイラに似ているタイプかもしれない。
まずはこちらをご覧いただこうか。
Will post properly later but here’s a small comp of Lobotka doing what he does best – evading pressure.pic.twitter.com/7YYDrhJiVr
— PM (@ThatGooner) 2018年5月29日
ぴったりマークにつかれていたり密集地帯でもピヴォットターンでクルッとプレスをいなして、相手の走ってくる勢いと反対の方向にドリブルで抜け出すプレイが印象的だ。これは尋常でないプレッシング耐性。両足のテクニックと瞬発力がすごい。まさにクレイジースキル。
相手の意表を突くちょっとずる賢いようなプレイはジャック・ウィルシャーを彷彿とさせるところがある。しかし、ロボツカはもっと足が速く運動量があるように見える。17/18シーズンはリーグ戦で34試合出場というから怪我がちでもない。これはヤヴァい。170cmと背格好はカソルラに近いものもある。キミがほしい。
この元ネタのリンク元ブログでは、縦パス(Vertical-Passing)をテーマに優秀な選手についての考察を行っていて、さまざまな角度から選手を見つけ出そうとしているのだが、そこでもロボツカが非常に高いスタッツを見せている。
縦パス企てでルーカス・トレイラが2位、ロボツカが5位。
縦パス成功でロボツカは3位(ジョン・ストーンズと同じくらい?)。
トレイラに比べるとより縦パスの成功数が多く、セルタではポジション以上にもっと攻撃的な影響力を持っていたといえる。
ちなみに24才以下でフィルタリングしないと、トレイラの右上平均を超えたくらいのところにグラニト・ジャカがいる。そしてまるで別格のようにグラフの右隅にぽつねんといるのが、ナポリのCBカリドゥ・クリバリ。今晩日本と戦うセネガルのCB。アーセナルが取ればよかったのに2.0。
ロボツカとアーセナルMFの比較
いつものSquawkaコンパリゾンマトリクスより。Squawkaがメンテ中だったのか挙動がおかしくて顔写真が来ない。
左から、スタニスラフ・ロボツカ、ルーカス・トレイラ、グラニト・ジャカ、モハメド・エルネニー。
ロボツカのスタッツで目を引くのはやはりドリブルで圧倒的(92.5%)。ドリブルを仕掛ければほぼ勝つという鬼ドリブラー。トレイラも負けていない(82.5%)。
それとデュエルの勝率も悪くない(49.49%)。
このなかでは縦パスのスコアが4位と低いが、トレイラもジャカも(エルネニーも)かなり優秀なパッサーなので、彼らより劣っていたからといって気に病むことはない。
なお、前方へのパス(Total Forword Pass)が前述のブログの縦パスでふたりの優劣が違うのは、前述のブログでは縦パス(Vertical Pass)の定義がSquawka(あるいはOpta)の前方へのパスと違うためだと思われる。
まとめ
もちろん、アーセナルがトレイラを買ってなおロボツカを取るとはさすがに考えづらい。キャラクターがかぶりすぎなので。
が、もしロボツカに本当にいくことがあるとしたらそれはやはりラムジーが契約更新しないとなったときかもしれない。ラムジーはワールドカップに出場していないのにも関わらず、なかなか続報がなく心配である。交渉はうまく進んでいるんだろうか。。ラムジーを売るとなったとき誰を取るか。どのようなタイプを取るか。それもまた興味深い。
トレイラもロボツカも低身長で、アーセナルがもともと求めていたといわれるエンゾンジやカルバーリョのようなフィジカルなタイプではないが、来季以降ますますプレッシング競争となるだろう強豪との戦いで、彼らのような厳しいプレッシングをかいくぐってビルドアップできる選手が真ん中にいればそれは心強いに違いない。
このふたりが2CDMで並ぶようなことになると、えらい個性的なチームになりそうだなあ。。
おしまい。
蛇足
そういえば今回は「「縦に速いサッカー」という誤解」というツイッターを観たところから”Vertival passing”とロボツカに至ったんだった。ワールドカップ期間中で日本の戦い方も注目を浴びてるいい機会だし、ヴェンゲル・アーセナルの縦に速いサッカーについて書こうかなと思って。
ネットで話題になっていたのでもうこれ読んだ人もいるかもしれないけど、なかなかおもしろかったので未読のかたは一読を勧めたい。樋渡通訳のお兄さん? ハリルホ氏は「縦に速いサッカー」なんてひとこともいってないんですけどみたいな話しである。
Footbollistaとか各所でもさんざん指摘されてるけど、もう日本のサッカーメディアはいい加減に変なキャッチフレーズで悦に入るとか、ポリバレントみたいなあいまいな用語をさも旬のキーワードかのごとくありがたがるのはやめたほうがいいと思う。
ちなみに英語メディアでは「ポリバレント」ってことばはぼくは見かけたことがない。つづりも知らない。同じような意味ではたぶんヴァーサタイル(versatile)を圧倒的に使うと思います。
オシム監督がヴァーサタイルといっていたらポリバレントはヴァーサタイルだったんだろうか? 蛇足以上。
う~ん、まあこういうマスコミとの言葉選び、報道の部分ってそれこそオシムさんが一番就任当初から口酸っぱく言及してた記憶があって、、、日本は発展・進化したけど、お前らマスコミまったくしてねえなみたいな、、、
でもそれでもオシムさんやそれ以外のプロの監督ってマスコミを通して、たまにマスコミそれ本体とも対話し続けた感じはあって、、、
ハリルホジッチさんはそこらへんの配慮が絶対的に足りなかったのかな?って部分もあって、、、
まあでもこの人、その前もそのまた前も代表監督として、マスコミ、協会との関係構築ミスってる前科2犯であって、、
とすれば、もっと保護司(←不適切なワード)というかリエゾンオフィサーというか、マスコミ対策の人やら協会との連絡係の人やらを増員しまくって、手厚い体制をとる必要が絶対的にあったわけで、、
通訳ももっとプロフェッショナルな人とサッカー人(樋渡さん)で見る必要があったんじゃないかとか、、
つまるところ、、個人的にはハリルさんが作り上げてたサッカーはつまらなかったw
ビルドアップやら、再現性のある攻撃アクションとかしっかり作れる人じゃなかったし、守備のプレスにいたってもそう。
ただその未熟っぷりが、今の西野さんの無秩序なチームによる、ジェットコースター的な試合という最高のエンタメにつながってるとも思うしなあ~
わけわかんない長文汚し失礼しました
西野監督は言語化が得意ではないみたいなことを中西哲生さんにいわれてたけど(笑)、プレスカンファレンスなんかのコメント見ても、たしかになんだかふんわりしてる。ライターにいちいち語尾を補足されたりして。
こういう感覚派って戦術の話しとかが好きなサッカーファンは認めづらいんじゃないかと思うので、今回の躍進は皮肉だなあと思っております。
でもそういう理不尽なことが起きるのもまたサッカーなんだよなあ。
いやあ、サッカーってほんとうにいいもんですね。