ワールドカップを主催するFIFAのIfab(international game rule committee/国際ゲイムルール委員会)という部門が、フットボールの新しいルールについて検討しているとオランダ『テレグラフ』が報じている。
FIFA wil af van rebound bij gestopte penalty
これによると、いくつかのこれまで議論のあったルールについて、ルール改訂の是非が話し合われているようだ。
FIFAが検討する新しいルール
1、ペナルティは一度蹴ったらプレイは続行しない
現行のルールでは、ペナルティではゴールキーパーがキッカーのボールを止めて前にこぼしたり、バーやポストに当てて前にリバウンドしたりするとそこから試合が続行となるが、新しいルールではこれがなくなる。
要するにペナルティシュートアウト(PK戦)のときのようなかたちになると。蹴るときにボックス際で選手たちがセカンドボールを狙おうと準備するシーンももう観られなくなるのか。
これが導入されると、セカンドウェイヴを起こせなくなる攻撃側が不利となるだろう。
しかし、現在のペナルティではキッカーに圧倒的有利という状況を考えれば、試合により公平なバランスを求めようとした場合には、たしかにそこは是正されるべきポイントになるのかもしれない。
2、選手交代時のタイムキーピング(即時交代)
現行のルールでは、レフェリーが試合中に選手交代を合図してから、センターラインで選手同士が入れ替わるまで時間を止めるが、新しいルールでは、選手は即時交代となり、ピッチから退く選手はセンターラインを経由する必要がなくなるとのこと。
交代で入る選手は、退く選手のピッチからの退場を待たずにすぐに入ってくるようになるということだろうか。
これはつまり、勝っているチームの選手交代による時間稼ぎを防止するためのものと思われる。
しばしば負けているチームがレフェリーに遅延行為をアピールするシーンが観られるが、たしかにこれなら交代のために時間を止める必要がないのでそういった悪質行為を防げる。
ぼくはよく遅延行為の罰則はカードじゃなくて、時間の延長にしてしまえばいいのになんて思っていた(遅延行為ひとつで10分延長とか)が、それよりもこちらのほうがだいぶ合理的である。
3、ハンドボールの判定は「不自然な動き」があったときに限定する
ハンボーの判定はいまだに曖昧度が高く、たびたび議論の的になっていて、毎回どうにかしたほうがいいのではないかと思っていた。
これが新しいルールによると、そのプレイがハンボーかどうかは「不自然な動き」によって決定されるということ。
脇を閉めているかどうかといった体勢ではなく、ボールを手で扱おうとする動きや意識がそこにあったかどうかということか。
この記事には詳細は書かれていないが、いずれにせよ、その「不自然な動き」の定義が重要になるだろう。そこに自由に解釈できる余地があるようなら、どうせまたうまくいかないはずだから。
これまでのどのハンボーのルールよりも明快であってほしいものだ。
やるならいつから?
いまのところ、まだ導入の可能性について話し合われている段階ということで、来年の3月のIfabのミーティングで実施が可能かどうか提案されるということらしい。
まだ先ですな。
あとこれFIFAの話しだから、UEFAとか、あるいはFAとか、それぞれの団体が新ルールを受け容れるかどうかについてはまた別の話しなのかも。
なかなかおもしろい試みですね。
なにが実用化されるのか楽しみだ。