驚いたよねえ。何がってお給料。
ちょうど昨夜は変な時間に目が覚めてしまってからどうしても再度眠りにつくことができず、諦めてツイッターを見るとちょうどオーンステインがブレイキングしていたところで。
その後には、本人、AFC、ユーヴェの三者が同じくらいのタイミングでSNS上でこの件を公表し、ラムジーの夏のフリーエイジェントでの退団は決定したのだった。
ラムジーがユヴェントスで受け取る驚きの高給
行き先はもちろんみんなが知っていたから驚きはない。驚いたのはその契約内容だった。
Aaron Ramsey today signed pre-contract agreement to join Juventus in summer. 28yo penned 4yr deal after passing 2-part medical late Jan. Wales midfielder leaves Arsenal 30 June after 11yrs. Set to become all-time highest-paid GB player (basic salary), just over £400kpw #Juve #AFC
— David Ornstein (@bbcsport_david) February 11, 2019
オーンステイン:今日アーロン・ラムジーは今夏ユヴェントス加入のプリコントラクトにサインした。この28才は1月末の2回に分けたメディカルをパスしたのち、4年契約にサイン。ウェールズMFは11年過ごしたアーセナルを6/30に退団する。ベイシック・サラリーで週に400kポンド以上の給与は、グレイトブリテンの選手で過去最高になる見込み。
£400kpwだど。
まさかのエジル超え。しかもベイシック・サラリーってのもポイントで、出場給やインセンティヴ・ボーナスなんかは別ということがほのめかされているのだと思われる。下手すりゃサンチェスに匹敵するのでは。アーセナルが200kpwを渋ってるとか渋ってないとかそんなの世界の話しじゃねえ。いったい何が起きたのか。
ちなみにSky Sportsでは325kpwポンドと報じられている。
いずれにせよ、われわれの想像を遥かに越える金額だった。。
以前に、イタリアでは税引き後の金額で報道されるという件についてブログに書いたが、今回のこれはさすがに税引き前だろう。それでもヤヴァい。
ラムジーの夏のユヴェントス行きが決定と報じられる。アーセナルにとって彼の放出は本当に正しかったのか?
この金額は先日ぼくがRTした高給選手トップ10(エジルが10位だった)のなかに当然入ってくるくらいの金額だ。
📊 | #AFC
Football’s highest wage earners (€)
1.) Messi 99.6M
2.) Ronaldo 56.4M
3.) Griezmann 39.6M
4.) Neymar 36.7M
5.) L. Suarez 34.8M
6.) Bale 30M
7.) Coutinho 30
8.) Alexis 27.3M
9.) Mbappe 20.7M
10.) Özil 19MMesut Özil makes the list at no.10
[L’Equipe] 🥈— afcSource™ (@afcSource) February 8, 2019
あの鬼畜に足をぶち折られてキャリアが危ぶまれた少年が? アーセナルではファンからずっと賛否両論の存在だった彼が?? ケガばっかしてたあいつが??? 本物のスター選手の仲間入りである。
アーセナルはラムジーの価値を見誤ったのか?
このブログでも何度も書いているように、ラムジーはアーセナルのオファーを受け入れるつもりだったと云われていて、そのときのオファーは180kpwあたりだったと云われている。
それが400kpwだ……と……?
今からちょうど一ヶ月ほど前になるがGuardianがユーヴェとラムジーの契約について、かなり具体的な内容に言及していたときがあって、そのときの金額が週給245kポンド(イタリア報道で140kpw)だった。そこから状況がかなり変わったということになる。
つまり、その後に起きていたことを想像するなら、世間がユーヴェで決まりと思われていたあいだにもじつは彼の獲得を望むクラブのあいだではずっと駆け引きが行われていて、各クラブによるオファー合戦のすえ、結局そこまで釣り上がってしまったということだろうか。
でもこれ以外には考えにくい。代理人すげえ。
BBCでは、ユーヴェのほかにはレアル・マドリッド、バイエルン・ミュニック、パリサン・ジェルマン、インテルが獲得を望んだと報じられ、Sky Sportsではバルセロナやチェルシーの名前も挙がっていた。要するにヨーロッパのトップクラブのめぼしい勢力のほとんどが手を挙げたようなものじゃないか。
そして、ユヴェントスが今回ラムジーに用意する待遇を考えると、残り契約1年の段階(去年の夏)でもアーセナルが売却に本気だったら、どこかのクラブが出したというオファー50Mポンドを遥かに越えるオファーになった可能性もある。
50Mだって破格だったけれど、たとえば、それが60M~とかいう金額だったらと考えるとラムジーとの契約延長を望んでいたアーセナルでも考えは揺らいだかもしれない。残り契約1年の選手にずいぶんクレイジーな額ながら、この400kpwという給与からするとそれもあながち非現実的とも云えない。
これほど多くのクラブが欲しがるアーロン・ラムジーという選手をどうしてアーセナルはフリーエイジェントで手放すことになったのか。ビジネスとしても信じがたい判断ミスだ。
エメリのプレイスタイルとラムジーのプレイスタイルの齟齬
そんな選手がアーセナルではベンチウォーマー。エジルの件といい、超高級な選手たちを使いもせずただ手元に置いているだけという不可解。
ぼくはずっと、ラムジーのようなハードワークする選手はエメリにとって理想的な選手だとばかり思っていたので、50Mポンドのオファーを断ってまで残した選手をなぜなかなか使わないのか疑問に思っていた。
しかし、オーンステインの見立てによると、エメリとラムジーはお互いにやりたいプレイやポジションがマッチしていなかったという。
Aaron Ramsey: Arsenal midfielder signs £400k-a-week deal to join Juventus
ラムジーとユーヴェの契約を報じた記事のなかで彼は、ラムジーが本来やりたいのはNo.8(ボックストゥボックス)でMFの深い位置から前線に飛び出していくプレイであるのに対し、エメリはそもそもNo.8を置かないシステムを採用していることで、ラムジーとエメリの意向は合わなかったという。
実際にエメリのラムジー起用法はといえば、今シーズン序盤に見られたNo.10起用、あるいは前に行くことを禁じたNo.6(DM)起用がほとんどだった。それ以外はベンチである。
これもまた想像だが、エメリは夏以降ラムジーの契約延長交渉を真剣にしているくらいのタイミングではまだ彼のベストポジションを探っていた。
しかしアーセナルがオファーを取り下げたという9月の時点で、エメリは自分のシステムへの適性と彼の要求する高給を鑑みてオファーを取り下げる決断をしたのではないだろうか。
それがラムジーサイドがアーセナルのオファーを受け入れようと決めたまさにその神がかったタイミングだった。。絶妙。。
彼との契約延長をあきらめた理由は、思ったよりスポーツ面でのミスマッチが大きかったのかもしれない。
ユヴェントスのリスキーな賭け
ぼくがこの件でまっさきに思ったのは、ユヴェントスの思い切りの良さだ。というより、アーセナルのファンとして彼の10年を見てきたうえでいえば、ちょっとしたギャンブルに近い。
28才の選手に4年間400kpwポンドという金額を払い続けることは、クラブにとってもかなり大きなリスクが伴うことは云うまでもない。
ひとつのリスクは事実上の転売不可だ。
リセイル・ヴァリューという意味では28才という年齢がすでに危険だが、われわれがエジルの件で痛いほど思い知らされているのは、超高給選手の引き取り手のなさである。ここから軽く10年はキャリアが残っているキリエンバッペのような選手に大金を費やすのとはわけが違う。
たとえば、1年か2年かわからないが仮にラムジーが想像以上に悪いパフォーマンスやケガを繰り返し、損を覚悟して放出してしまいたくなったとして、そのときいったい誰が29才か30才の選手に400kpwポンドを払うだろうか。しかも、その時点ではパフォーマンスが悪いというマイナスポイントがついているのだから、なおのこと買い取り先は現れない。一気に不良債権化である。
もうひとつは、チーム内の序列の問題がある。誰だってチームメイトが自分より高い給料をもらっているのはうれしいことではないだろう。
一説によると400kという金額は、ピャニッチ、ケディラ、チャン、マトゥイディという現在のファーストチームのMF4人の週給を合わせたのと同程度らしい。
彼らはどのような気持ちでラムジーを迎えるのか。そして、期待どおりのパフォーマンスなら問題ないが、もしそうじゃなかったら。
また高給の前例となることもクラブにはやっかいだろう。
新しい選手が自分をロナウドやメッシに比較して給与交渉することはなかなか難しい。でもラムジーのクラスの選手なら、自分と比較して彼があれだけもらっているじゃないかと交渉のダシに使われる可能性はあるんじゃなかろうか。
パフォーマンスの問題に、ケガの問題、それともうひとつラムジーが入ってクラブにコマーシャル的な利益がさほどあるとも思えない。たいしてフットボールに興味のない一般人がおみやげにラムジーのシャツを買うか? 少なくともロナウド、メッシ、エジルくらいの知名度はない。
したがって、相当なリターンを見込まなければこの契約はできないはずだ。
つまりこの巨大な契約は、逆に、ラムジーを獲得することによってユヴェントスが相当なリターンを見込んでいるということの証左となるのである。まじか。
ラムジーがユヴェントスで得るもの
まあいろいろネガティヴなことを書いてしまったが、ラムジーが実際イタリアで得るものはかなり多いだろう。
リーグタイトルはもちろん、各種のカップタイトル、そしてユヴェントスの一番の目標はもちろんヨーロッパのタイトル、ずばりチャンピオンズの優勝である。当然ユヴェントスはラムジー加入でCLのタイトルまで考えているはずだ。
トリノではアーセナルでは決して得ることのできなかった名声、キャリアが待っている。彼が彼の持っている本来のパフォーマンスを出しさえすれば未来はバラ色といってもいいくらいだ。
アーセナルがマネジメントの失態によって、失ってしまったものの大きさをあらためて認識するのはきっと来季以降のことだろう。
そしてもちろんファンにとっても。彼は、いま大きな話題となっているファンベイスの不寛容さの犠牲になったひとりだと云っていいと思う。ぼくらはいつだって彼を責めてきた。なぜあのとき、もっと彼をサポートしてやれなかったんだと悔やむことになるんだろうか。
今シーズン残り、ラムジーはどんな顔をしてアーセナルでプレイするのだろう。
たぶんいままでと同じだろうな。彼はプロだもの。
— Aaron Ramsey (@aaronramsey) February 11, 2019
グッド・ラック&サンキュー、アーロン。
フラミニがミランに行ったときと似てるような気がしました。あのときは確か当時ミランにいたロナウジーニョあたりと同じサラリーで話題になったような…。フリーつまり移籍金なしの恩恵をがっつり受けたケースだと思いましたが、今回もそうなんですかね。
アーセナルから出ていった選手が移籍先でこれまで以上の活躍をしたってゆうのはあんまり記憶にないような…。チェンバレンが若干それに当たるかとゆう印象でしたがケガしたし。あ、ニャブリとかどうなんだろう。
ストーク戦は見てましたよ、ベルマーレンめっちゃきれてたなぁ。あれから復活して一年だけ覚醒して、でも毎年1、2回はセンセーショナルなゴールを決めるとゆう記録よりも記憶に残るアーセナルらしい選手でした。
もちろん大好きで、だからこそ心配でもあり、もやもや感は否めませんが、決まった以上は最後まで応援するし、是非来期のCLで対戦できるようよろしくお願いいたします。
よく覚えてますね。さっき向こうのアーセナル系ブログでやっぱりフラミニのケイスに触れてるのがありました。
2008年でフリーエイジェント、ミランとの契約は100kpwだったそうで、当時ではかなり高給だったとか。
良くも悪くもラムジーはここ10年のアーセナルを象徴する選手だと感じます。無駄にボールをこねくり回し、必要無い所でお洒落ヒールをかまし、いよいよ本格的ブレイクかというタイミングで離脱を繰り返し。それでもここ一番での決勝ゴールや起死回生の同点弾、もやもやするけどなぜか嫌いになれない。かと言って大好きでもない。。今シーズン、常時スタメンでなくても出た時には全力でプレーし、文句の一つも言わないプロフェッショナリズムは賞賛されて然るべきかなと。エミレーツでのビッグロンドンダービーでジョルジーニョをマンマークして仕事を完遂した時はやっぱり必要な戦力なのでは、と思いました。それにしてもいくらボスマンプレーヤーとはいえこの週給は。。
怪我前は、すごい選手になるのかなと思いましたが、正直ムラッけがありすぎて微妙。
出ていくのは構わないけど、フリーで手放す事になったフロントには怒りしかありません。
前シーズンは、うまい具合にサンチェスをトレードで放出したので、今期も上手く売却か交換をしてくれると信じていたのですが。