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残り契約2年。オバメヤンの去就がアーセナルの補強を決める

5月16日にEPLの移籍ウィンドウが開いてからすでに一ヶ月以上がたつが、契約満了で退団する選手たちの発表を除いては、いまだに誰の獲得も放出もアナウンスされていないアーセナル。

ウィンドウが閉まるまで(※今年のデッドラインデイは8/8)、まだ一ヶ月以上はあるものの、トップ4およびELタイトルを逃したアーセナルでは補強が熱望されているためか、ファンベイスからもだいぶイライラしている様子が伺える。

この補強のスロースタートぶりについては、一部では、その原因は選手の売却/放出が進んでいないからではないかという指摘がある。なるほど、Net(※選手売却益含まず)で£40~45Mと云われる補強予算では、アーセナルが必要としている選手の多くを買うことはできない。先立つものがないという理由はたしかにあるかもしれない。

また当然ながら、選手の登録は人数が限られるため、新しい選手を迎え入れるためにはその場所を空けなければならない。売却/放出の停滞が、補強の進捗を妨げているという説は大いにありそうだ。



残り契約2年の選手たちをどうするか

ところで、ヴェンゲル氏がマネージャーを退いて以来アーセナルが新体制になってから、もっとも大きく変革が加わったポリシーのひとつに「選手契約を最終年(残り1年)まで持ち込まない」というものがある。

ラウル・サンレヒは先日の公式インタヴューでこんなふうに語っていた

われわれの優先すべきことのひとつは、まず契約の最終年に到達させないこと。契約の最終年まで行く唯一の道があるとしたら、それは契約満了でその選手を放出する準備ができているときだけだ。しかしもしほんとうにその選手をキープしたいのなら、最終年に差し掛かる前に契約を更新せねばならない。なぜなら、自分たちをとても弱い立場に置くことになるからだよ。だからもう最終年まで契約を引っ張ることは無理だ。その前に契約更新できないのなら、そのときは売らなければならない。

つまり、残り契約が2年になった時点でその選手を手放すかキープするかクラブの考えを決めるということ。

現時点(2019夏)で、残り契約があと2年、2021年までとなっている選手たちは以下となっている(TMより)。

※右の欄はエイジェント

ソクラティス、エジル、ミキタリアン、オバメヤン、それとムスタフィ。

このうち、エジル、ミキタリアン、ムスタフィはクラブは放出したい意向だということは各所で伝えられており、それが可能かどうかは別にしても、まあおそらく売りたいのはほんとうだろう。彼らの売却/放出は今夏の補強戦略にもかなり大きな影響がありそうだ。

ソクラティスはPLのデビューシーズンでの高評価もあり、彼にはおそらく単年延長をオファーするのではないかと思われる。

問題はこのなかでダントツに市場価値のあるオバメヤン(※TMの最新6/13アップデートで€70M)で、以前にチャイナクラブからのオファーと、アーセナルが彼をキープしたい意向だという報道があったばかり。補強戦略に直接的に及ぼすという意味では、彼の去就が一番影響が大きいだろう。

オバメヤンの契約更新問題

補強の遅れ、とくにウインガーについて、アーセナルはオバメヤンとの契約延長交渉の状況を見ているという説がある。

予算だけでなく、左右のウイングでプレイすることもあるオバメヤンだけに、彼がいるといないではそのポジションの補強の重要度や選択肢が違ってくる。

仮にアーセナルがオバメヤンとの契約延長をあきらめ、この夏に売却するとなると、ウインガーのターゲットがフレイザー/カラスコから、ぺぺ/ザハのような選手にステップアップするかもしれない。まあ、これはたとえ話でそこまで極端じゃなかったとしても、そういった皮算用は当然あるだろうと。

つまりオバメヤンの去就によって、ターゲットが変わってきたり、補強の方針に影響を与える可能性があるということ。

少なくとも、いまフレイザーやカラスコがこんなに騒がれているのは「アーセナルの少ない予算で手の届く範囲」という限定された条件があるからで、もしアーセナルの予算がもっとあれば、より幅広いターゲットが取り沙汰されていてもおかしくはない。

これは今夏の移籍ゴシップ全般に云える。今回はとにかく若い選手の噂が多いのはアーセナルがそういう方針を公に打ち出したからでもあるが、現実的に獲得可能なのがエスタブリッシュメントではなく、そういったブレイク前のヤングプロスペクトに限られるからでもあろう。

オバメヤンの去就がどうなるか定まるまでは、ウインガー(アタッカー)のリクルートで最終的な決断ができないというのはありえそうな話だとは思える。

もしオバメヤンが契約延長しなかったとき

実際問題、オバメヤンが契約延長するかどうかについては、わりと微妙なところかもしれない。

というのも、いまのアーセナルが30才になったオバメヤンに、たとえばチャイナクラブのような破格の条件を提示する/できるとも思えず、慰留もむなしく選手が退団を選ぶ可能性は100%否定できないからだ。

アーセナルとは、クラブに在籍しつづけたときのロイヤルティボーナスの存在も伝えられているが、それでもチャイナクラブのオファーは破格なのだろう。なぜなら、そもそもそれを上回らなければチャイナクラブがロンドンクラブに勝つ要素がないのだから。

アーセナルは、残り契約1年になったエジルやサンチェス、ラムジーのときのような選手サイドに主導権を握られた交渉はおそらく教訓(トラウマともいう)になっているはずである。

昨シーズンのゴールデンブーツをここで手放すなんてことはまったくもって愚策に思えるが、エジルのように、どんな犠牲を払ってもキープするみたいな考えはアーセナルにはないのではないだろうか。

仮にこの夏に契約延長を拒否されたとしても、彼のような特別な選手をアーセナルが契約最終年(来シーズンいっぱい)までキープしても誰も驚かないだろう。それほどにチームにとって重要な選手だ。

しかしここでポリシーをさっそく曲げているようでは、サンレヒやヴェンカテシャンのリーダーシップが問われかねない。

この夏にアーセナルがオバメヤンを手放すという重大すぎる決断をほんとうにできるかどうか。

クラブの覚悟が試されているんじゃないかな。



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3 Comments on “残り契約2年。オバメヤンの去就がアーセナルの補強を決める

  1. いつもブログ拝見させていただいております。
    オバメヤンに関しては、経済面、フォーメーションを考えると(エジルは残ると予想)売却してもいいのではなどと考えたりしています。でも来季得点力不足となりそうでなんとももやもやしています。
    この件に関してはどちらを選んでもフロントを尊重します。

  2. お久しぶりです。
    オーバメヤンが放出ってなったらそれなりに痛手にはなるとは思うけど、エメリのやりたい4-2-3-1ではラカゼットがトップ下をやってくれない限り、オーバメヤンとの共存は厳しいかと。
    オーバメヤンを売ってぺぺ、ザハよりカラスコとフレイザーの両取りの方がウインガーの足りないアーセナルには良いかもしれません
    昨シーズン悔しい思いをした分、今シーズンこそはCL出場を決めたいですね

  3. 下り坂のコシェルニー、ソクラテス、膝靱帯をやったホールディング、未知数のマブロパノス、ミスの多いムスタフィ
    33歳のモンレアル、守備に不満のあるコラシナツ
    戦力外のエルネニー、ラムジーの抜けたCMF
    攻撃の停滞を避けるためのドリブラー
    オスピナが移籍、マルティネスの去就が不明な第2GK

    最低でも補修したい上記のポジションを全て獲得するにはどれだけお金が必要だろう
    ユースで賄うとすれば、ネルソンWG、メーシーGK、チェンバースCMF、ビエリクCBはベンチに入れるかな
    期待はしたいけど、なかなか難しいだろうなあ

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