エメリ「エジルはよくなってきている」
昨日行われたシェフィールド・ユナイテッド戦前のプレス会見、オフィシャルサイトのトランスクリプトより。※エジルの質問に関する部分のみ
(メスト・エジルの将来について……)
エメリ:メストについては、今年は彼に取って難しいスタートになった。プリシーズンではよくワークしていて、試合でもいいプレイをしていた。しかし、そのあとセアドとあんなことになってそれが止まってしまった。
そのあとには、彼は1週間病気になってトレイニングができずフィットするためのワークを続けられなかった。しかし、この2-3週間でトレイニングでもよくなってきているし、調子はいいんだと思う。
彼を試合で使うかどうかについては、まだ約束はしなかった。まだたしかではなかったからね。毎日トレイニングして調子が良さそうならプレイできるだろう。それはほかの選手たちと同じことだ。
彼には、つぎの試合でほしいスキルとクオリティがたくさんある。彼の毎日のトレイニングでの進歩には満足している。彼もまたスクワッドのひとりだ。
(先日には彼よりもプレイするにふさわしい選手がいると云いました……)
わたしがそれを云ったときには、彼にフィジカルやリズムの理由があったからだ。試合ごとに要求されることは違う。現時点ではほかの選手が彼よりも前にいたということだ。いま、わたしは彼が毎日トレイニングでよくなってきているといえるし、またスクワッドに戻る可能性があると云える。
エメリは、今シーズンにエジルをほとんど使っていないのは戦術的な理由ではなく、単純にフィットネスの問題だったと云いたいようだ。
エジルのほうでは、体調を崩して多少トレイニングできないときもあったが、プリシーズン以降は試合でプレイする準備はずっとできていたと話しているので、両者の考えには若干の食い違いがあるように感じる。
ところでこの会見について、オフィシャルサイトのトランスクリプトでは省略されている部分があり、それをfootball.london(James Benge)が報じている。引用しよう。
Emery says more and more but offers Ozil less clarity
(エジルはチームのスケイプゴートにされている?)
エメリ:われわれは自分たちのやり方をやっているし、現在を生きている。この現在において、われわれは競争力を持てる、強いチームになれる最良の方法を探している。どの試合でも持っているスキルを発揮してベストクオリティでプレイする。ベストメンタリティも。
メスト・エジルはチームにとり重要だ。ときには、ある選手が重要になったり、またベンチから使ったほうがよかったり、あるいはつぎの試合のために準備するほうが重要になったりするが。
これがわれわれのメンタリティで、スクワッド25人でつくりたいやり方だ。メスト・エジルも同じで、この3週間はトレイニングでよくなってきていると云ったように、彼のことが必要になれば彼を起用する。彼のスキルが必要になる試合があるからだ。
(フィジカルとエナジーに価値が置かれるモダンフットボールの時代でエジルのような選手に居場所はあるか?)
去年われわれは明確なアイデンティティの下でプレイした。ときに前で強くプレッシングするチームになり、ときにプレッシングはさほどせずとも別のやり方を続けた。
状況によるんだ。なぜならまずは自分たちのアイデンティティ、スタイルをつくることから始めるからだ。またピッチ上にどのような選手がいるかにもよる。
ときどきは、われわれはプレッシングでよりアグレッシヴにプレイできるし、ときどきはそうではない。ときどきはポゼッションでプレイし、ボールを持つというゲイムプランをインポーズし、アタッキングサードに入っていく。そして別のときには、相手がわれわれに対してハイプレッシングでインポーズしてこようとする。だから、われわれはそういうときはロングポゼッションを使うよりも、もっと早く攻撃をする必要がある。
どれも状況による。しかしチームには違った状況で使えるいろいろな選手がおり、いろいろなクオリティがある。それを去年はやったと思うし、いいパフォーマンスをしていたときもあった。今年はそれを進歩させて、同時にスクワッドの25人でいろいろな状況に対応していきたい。
ポジションにもよるし……それとスタイルも。わたしはそうしたいんだ。本当にわれわれは進歩していて、前進している。わたしはとても野心があるし、これからもっと先へ進みたい。選手全員を使いそれをやっていきたい。
プレイのアプローチについて説明している部分は非常にツッコミどころが多いように思えるが、それはいまは置いておこう。
football.londonのこの記事中でジェイムス・ベンジは、エメリはエジルについて話すには話すのだけど、チームにおけるエジルの役割(ロール)についてはごまかし続けていると主張している。
この会見でも5回エジルについて問われ、そのたびにエメリは質問をはぐらかして答えることしかできなかったという。その最後の質問にいたっては、ブカヨ・サカの長所について語り始めたのだとか。
たしかに上記のやりとりの部分でも、質問と回答がマッチしているようには読めない。ぼくは毎試合のように彼のプレス会見を訳していて、エメリが質問について、彼流の話し方で、ちゃんと答えないのはいつものことだと思っていたが、わざとはぐらかしていると云われるとそれはちょっと不誠実には思える。
クラブの関係者によれば、エメリはすでに会見でエジルのことを訊かれるのに辟易しているのだという。
エジルはエメリの下で未来はあるのか?
問題は、結局エメリは今後エジルをどのように扱うつもりなのかということだ。
今回エメリは、エジルをこれまで使わなかったのはフィットネスに心配があったからで、準備ができてきた今後はプレイするチャンスがあるだろうと述べている。
一方で、現実問題としてエメリのシステムのなかには、エジルをプレイさせたい場所というのがほとんどない。
たとえばNo.10がいるシステムだと4-2-3-1だが、そこは今シーズンここまではセバーヨスかウィロックの席になっていて、どちらもピュアNo.10というよりはNo.8/10のハイブリッドのようなプレイをさせている(4-3-3的に)。要するに記者からの質問にもあったように、エジルのようなフィジカリーでもエナジェティックでもない古典的No.10の居場所はあるのかと問われれば、エメリのシステムのなかにそれはないとしか答えようがないのだ。
そのことをエメリはなんだかごまかしている。知らないふりをしている。そして表面上はキミが大事だ大切だ重要だと云いながら、結局試合では使わない。これからもそんな扱いがつづくのではないか。
もしそういったことが起きるなら、この先エジルとアーセナルの関係は素晴らしいものにはなりそうもない。
あと2年弱、これからも起用されないエジルが契約を全うするというのなら、クラブは必要のない選手に無駄なコストをかけ続けるという苦しさがあるし、エジルのほうはキャリアの晩年で大好きなフットボールがプレイができないという苦しみがある。誰もハッピーにならない。
なによりチームの若い選手たちへの悪影響が心配だ。彼は誰もが一緒にプレイしたがるような憧れのフットボーラーなのだから。誰もスーパースターのそんないざこざは見たくないだろう。
皮肉なのは、このブログでも何度か書いているように、いまのアーセナルの戦術的な問題点のひとつにセントラルエリアからの攻め筋がないという考え方があって、その論とエジルの不在がリンクされていたりすることだ。エジルをちゃんと使えばこれ解決じゃね?ってゆう。まあそんな簡単な話しでもないんだろうけど。
ぼくはこの件でどちらの肩をもちたいという気にもなっていないけれど、いまの状態はとてもよくないとは思う。なんだかいろんなところで無益なすれ違いがあり、グダグダしている。ものごとをはっきりさせて、お互いハッピーになれるよう前向きな決断をすべきだ。たぶん一番いいのは、エメリが正直にエジルに戦力外を伝え、エジルがハッピーになれるクラブになるべく早く移籍することではないか。
エメリがエジルをうまく使ってくれて、ついでにセントラルエリア経由の攻撃という問題を解決してくれたら、それ以上に素敵なことはないわけだが、いまのところそれはいろんな解決策のなかでももっとも起きなさそうなことだと思える。
フロント3とエジルですんごいプレイを見せてファンも大熱狂のアーセナル。それを最後に見たかったんだけどな。
シェフィールドでは……観られないかあ。
おわり
ジャカを使い続けるより、エジルを使い続けた方がいいと思うんですけどね。がんこだなぁ。
エジルを使うポジションはあるのか?チームでの役割は?
と質問されてるのに、毎回エメリはその点だけは答えない。
「いろんなオプションがある、エジルは良い選手だ」は当然の話なので、実質ノーコメントなんだと思う。
そんな重要な話をノーコメントにするメリットは。。。と考えると売却の予定(大金が動くので価値を下げられない)としか考えられないが。
実際、今の4-3-3にエジルの居場所はないだろう。
ウィロックですら使わない(代わりに使うのがトレイラ!)監督が、エジルの起用に踏み切ると考えるのはムリがある。
エジルが本当にエメリの起用を信じてるんだとしたら、ファンとしてはいくら何でも気の毒だ。
このまま飼い殺しにするなら出してやるべきなんじゃないだろうか。
エメリの戦術的アプローチや内容に疑問符が付く状況だとはいえ、選手の価値がクラブを超えるようなことはあってはならない。言いたいことはあるが、今のマネージャーはエメリであり彼の決断は尊重する必要がある。
エジルにしか出来ないことより、エジルでは出来ないことの方がエメリにとっては重要だということだろう。チェンさんのこの間のエントリみたく、基本的には守備的に戦いたいエメリのコンセプトには居場所がないんだろう。変化を付けるためのオプションとしての価値も見出してないのかというのはファンとしは寂しい限りだが。
長い目で見ると今エジルを重用したとして、エジルの年齢的に彼の代わりになる選手を見つけることは相当に難しいのではないか。エジルのスキルはそれほどまでに特殊だと個人的には思う。そういう風に考えればエメリの判断もまぁわからんではない(スタメンはともかくとして、短い時間でインパクトを残せる実力はあるはずなので、そういう使い方してもいいと思うが)。
エメリのコメントに関しては、エジルのことに限らず、質問に対してはっきり答え(Yes/No)を言わない傾向があるなとは思っていたので、特段驚くことはなかったけど、あーいう言い方しか出来ない程度の関心だということだろう。
こんな風に物議を醸すんだったら、どうしてキャプテンに選んだんでしょうね?その辺は記者会見などでは聞かれてないんでしょうか。ツッコミどころ満載な気が。
何だかんた言ってエジルを使いたがらないエメリと高給取りなので切りたいフロント
昨シーズンとまた同じ問題ですね
本当に使わないのであればムスタフィと同じ様に戦力外通告するべきです
キャプテンに選んではぐらかしたりと優柔不断なエメリの性格がよくわかります
エメリには選手起用の権限があるので、エジルを使わない権利があります。しかし、エジルを使わないことが正しいと思えないパフォーマンスが続いているからこそ、いつまでたっても騒がれ続けているのではないでしょうか。チームが保有する素材をうまく活かしてこそのマネージャーだと思うのですが、エメリにはどうもそういうスキルが欠けているように思えてなりません。
ChanさんがTwitterでシェアしていた過去の動画を見たら、アーセナルはこうであってほしいのになあ、とため息をついてしまいました。ああいう攻めて攻めて攻め倒す、ボールは絶対手放さない、そんなアーセナルをエジルを使わないことで観られるのなら、きっと誰もが納得すると思うんですけどね。
もうエジルのアーセナルでの時間は終わりだろう。個人成績も年々落ちてきてるし。
今でも加入1年目の変態スルーパスをバンバン通していた勇姿が忘れられないのですが。
さよならを言う時でしょう、ヴェンゲルの時のように。
サンチェス抜けた後、エジルが契約延長してくれた時、彼には死ぬほど感謝しました。
エジル抜きだったら冗談でなく中堅クラブに成り下がっていたと思います。
だからこそ、年齢的にもそろそろ厳しくなってくる彼に、最後の輝きを見せてほしいというのが正直な想いです。
ただ、チームが若返って世代交代を進めるのなら彼の出番がなくなるのは仕方がないこと。
でも今のエメリの起用の仕方や、不良債権だとか言ってる一部の人は、彼に対するリスペクトがあまりにも欠けているように感じる。
都合の良い時だけ持て囃して、都合が悪くなると
チーム不振のスケープゴートにする。
これってエジルがドイツ代表を引退した理由そのものでは…。
僕はエメリが心の底からエジルを嫌いなわけではないと信じたい。だからこそ彼が必要な試合では彼を使ってほしい。
アーセナルの中心で輝いていた彼を、せめて温かく送り出してやってほしいばかりです。
まあ、今のエメリの態度はファンに対しては不誠実だと思います。
わたしも色々な選手がアーセナルを去る中で、残ってくれたエジルに心から感謝する一人です。
ホームの先発、アウェイの70分から、局面打開のオプションとして、中央のエジルを持つ、というのはタフなPLを戦う上で有効な手段だと考えます。細かなパス交換が得意なサカやAMN、ウィロックの創造性を育てたり、ペペを活かしたり色々あるでしょう?複数の戦略を操るエメリであれば、そんなことぐらいは考えるでしょうに・・・。ジャカもエジルとの交代なら不満いわなそうじゃない?
全く同感です。
サカ・AMN・ウィロックはあくまでもショートパスの交換で突破する「ベンゲルの子供達」であり、エジルは直系ではないにしても従兄弟のお兄ちゃんなんだと思ってます。
彼らがエジルを追い越していくのは仕方ないにしても、同じ土俵にも上げないのはこの不世出の天才に対して失礼なんじゃないかと。。
あと、ジャカの良さが一番分かってるのもエジルだと思います。
あの2人のパス交換は常人にはマネできないものが一杯詰まってて面白いのに。。。
いつも楽しく拝見しています。
どうしても納得いかないのですが、プリシーズンのUSツアーは何だったんでしょうか?
Chan が当時おっしゃってた通り、エジルはこのツアーでの勝者だったと思います。
そして、シーズン直前のあのツアーは、本番に向けての大事な RM 等の強豪との試金石。
いくら襲撃事件があったとしても、エジルの評価が変わるわけではないはず。
機会さえ与えられず、このまま干されるのは悔しいです。
エジル抜きのアーセナルが、素晴らしいサッカーを見せているわけでもないのに・・・
エジルがRMから加入したときから彼のファンです。エジルがボールをさわるたびにどうなるのか魔法のようなプレイにワクワクしながら観てるのですが最近プレイ自体見れないのですごく物足りない思いで試合を観ています。
スパーズにはエリクセンがトップ下で居ますがエジルがそんなに守備力で劣っているとは思えません。エメリにはスパーズの守備戦術は無理なんでしょうか このままエジルが退団してしまうのは納得いかない思いです
そもそもエジルは古典的な10番なんでしょうか。天才的なセンスとフィジカルバトルを嫌う繊細さ、得点力の低さから勝手にそういうイメージになってる気がします。スペースを見つけて自分が走る事もするし、足だって速い。ヴェンゲルはサイドやセカンドトップとしても使ってたし、エメリだって昨季ラムジーを真ん中でエジルを右に置いてた事もあった。ファイトする姿勢がイメージから外れるけれど、それ以外のパーソナリティだけならむしろセバージョスの方が古典的な10番タイプだと個人的には思います。
今のアーセナルは、ゲンドゥージとペペという2つの資産価値を上げる、落とさない事を優先していて、その割を食っているのがエジル(あと苦手な事を強いられてるジャカも)だと感じます。ゲンドゥージを3セントラルの1枚、ペペをRWGで使う事を前提に考えるから、他のバランスを考えた時にエジルの居場所を作れないのではないかと。それでうまくいってるならしょうがないとも思うんですけどねぇ。
ロナウドの凄さはボックスに入るタイミングです
自分でタメを作ってあえてスペースに入らずタイミングとみるや凄い強度とスピードで入りシュートのインパクトも強く正確
ヘディングも強くフリーキックもあった
オーバはより速いプレー、相手より速く動いて相手より先に触る
同じく速いテンポを好んだミキとは相性が良かった
セットプレーはほとんどファーサイドでフリーになる動きは秀逸で捕まえられない
ボールが来ても動きにまったく淀みがなく、シュートの振りも小さい
ミスリンが言うオーバの長所「ペース」というのは、そういった動きを90分続けることです
余談でしたが、
パスを出す側のエジルのタイミングはやはり非凡です
ほんの少しタメを作って出したり、逆に若干速く出したり
ファンが俯瞰でソコに出ればチャンスと気づいた瞬間すでにパスが出てたり
その才能はチームプレイで活かすものです
エメリが言うように出番は相手や自分達の状況次第なのでしょうが、状況が複雑過ぎます
エメリのサッカーでは強度不足で使い勝手悪い上に、クラブの意向も大きい、メンタルの問題もあります
アシスト量産した1516ベンゲルは好調とみるやマスコミて必要以上に絶賛してどんどん乗せていきましたが、入団以来カレはナイーブです
そこがファンを惹き付けるのでしょうが
エジルのアーセナル愛は自身の状況によると思います
エジルサイドとしては前向きな姿勢をアピールしながら、今シーズンまで待ってエメリの結果次第で決断するでしょうね
エジルのこのインタビューには素直に好意は寄せられません。なかなかに小賢しいなあと。ただエジルが21年夏まで残るのならそれまでに結果が出ずにエメリが首、後任者がエジル起用で復活なんてことになるのかもしれません。とにかくエジルにとっては厳しい時期が続きますね。
まさに仰る通りですが、
その頃にはエジルは32近い年齢ですし、
契約延長なしで残り1年という状態をクラブは許さない方針です。
また紳士的ではあるが使わないエメリとの対決姿勢を取り一歩も引かないというこの宣言は、
ファンやメディアを煽り成績不振を前提にエメリを追い出す為の政治的判断と言えます。
苦しいスタートから持ち直そうとするチームに対して、メディアを使って監督に対してプレッシャーを与えるとはいかにも彼らしく、またそれに乗るファンも同様に彼ららしいですね。
クラブとしてはこの彼のインタビューでデメリットはあれど、全くメリットがありません。
1週間に5000万円もらえる状況だったら、おれならどんだけ干されても残りたいって思う。
最高じゃないですか?クラブとの関係を悪化させる必要なんてどこにもないから、ファンを必要以上に煽るようなことはせず(今回のインタビューでエジルはクラブやエメリを批判するようなことは何一つ言っていません)、ただこの状況を受け入れています。というアピールをするだけ。
内心は試合に出れなくてウズウズする気持ちもあるでしょうし、エメリふざけんなって思ってるかもしれないですけどね。