アーセナルのネガティヴ材料
せっかくだからネガティヴなことにも少しだけ触れておこう。
まずはおなじみOptaのグーナー、@Orbinhoがスレッドでまとめていたアルテタのアーセナルのデータ。2月28日のツイート。
THREAD
In Mikel Arteta’s opening 12 games, Arsenal have conceded 0.83 goals per game, compared to 1.45 per match under Unai Emery – that sounds good right?— Orbinho (@Orbinho) February 27, 2020
詳しくは一連のツイートに目を通していただきたいのだが、ご多忙を極める皆さんにすごくざっくりまとめると、
- エメリからアルテタになって失点や被ショットが劇的に減った
- だがアルテタはxGAをかなり下回る失点(ラッキー?あるいはレノのおかげ?)
- xGAはエメリよりアルテタのほうが少し悪化しているくらい
- 今後は(いまより)もっと失点する可能性がある
- これまでわりと幸運に恵まれてきた
云々。
つまり、ぼくらがアルテタのチームを見て思っているほどには守備は改善していないと。そう云われてみれば、思い当たるふしはなくはない。
アルテタは「これからドロウを勝ちにしていこう」と話していたが、どうも現実は「敗けをドロウにしていた」。そういう部分があったということ。
ということは、いまの多くのドロウが少しばかり幸運に恵まれていたということは、それを勝ちに転じさせるのはよりいっそう難しいということになる。
この「少しラッキー」については、xPTSにもわずかながら表れている。
下図はUnderStatの現時点でのxPTS(エクスペクテッド・ポインツ=期待ポインツ)でソートしたものだが、テーブル上で9位のアーセナルはここでは12位に後退する。実際の成績(得ているポインツ)が、xGやxGAから想定されるポインツを上回っているということ。実際のポインツとの差はわずかだが、上位チームがもっとポインツを取れていたはずだったため順位が落ちているわけだ。
表を見ればわかるとおり、今回4・5フィニッシュを争っている8チームのうち、アーセナルよりxPTSが下回るのはバーンリーだけだ。
オバメヤンのコンヴァージョンレイトが非常に高いということは以前にも触れたが、アーセナルのいまのポジションは、そういった<実力以上の何か>に支えられている部分もそれなりにあると認識しておくべきだろう。
もしこのチームにオバメヤンとレノがいなかったら、いまごろどうなっているか。個人能力に頼ったチームの成績は持続可能だとは思えない。
エヴァートンやオリンピアコスでも指摘されていることだが、個人+個人だけでなく、チームパフォーマンスの向上が課題になっている。
さいごに、『Five Thirty Eight』の直近のPL予想を。2月29日のアップデイト。
アーセナルのUCL出場のチャンスは「6%」。ちゃんとシティが排除されているので、5位以内に入る可能性ということになる。
最終ポインツは「52」と予想されている。残り11試合で15ポインツ。W4 D3 L4みたいな? 対戦相手を考えれば、なかなかリアリティのある数字かもしれない。
もちろん試合が進み、勝ち続けていけばこの数字はどんどん上がる。
ちなみにこの予想がどういった根拠に基づいているかは、ちゃんと説明がある。
「538」はファウンダー(Nate Silver)の話がおもしろいのでおすすめです。
まとめ
最初に書いた直近フォームによるフィニッシュ予想に戻れば、4・5位フィニッシュを競うどのチームにも大きな差がない。
したがってわれらにもチャンスはある。絶望とは云いすぎた。すまんかった(謝れる大人)。
しかし、厳しい。それは認識すべきだ。
いまシーズンが始まるならまだしも、これまでの結果ありきでのここからだ。いきなり変わることはできない。
アーセナル的には、EL敗退のショックをどっち方面に転がせるかがカギになる。
バウンスバックとはよく云ったものだが、それもまた云うほど簡単ではない。あのショッキングな敗戦では、彼らの自信レヴェルはまた下がってしまったことだろう。
アルテタはオリンピアコスのあと、彼らを励まさなければと云っていた。
ぼくはチームの技術的なクオリティは疑っていない。それだけで競うならもっと上を争えるはず。だがそれをいつも発揮できるチームメンタリティには疑問がある。アウェイで弱すぎることもそのためだろうし、オリンピアコスでもそれを痛いほど感じた。
残りシーズンは、アルテタが彼らをどれだけ自信を植え付けられるかにかかっていると思う。
つぎのウェスト・ハム(H)、ブライトン(A)、セインツ(A)。アウェイふたつを含む3試合。もしここで3勝できたら。信じられるかも。
COYG
こんにちは
私は悲観的とは思わなかったですよ。アーセナルが5位ならともかく、間に複数チームがある状況での現状のポイント差は数年前にスパーズとの10p差をひっくり返しとのは難易度が違うと思います。だからこそ、この連戦のピークをELに持ってこられなかったことが残念でした。
誤解があると嫌なのでコメしときますが自分の前エントリのコメは「悲観的すぎワロタ」というような意図はないですよ。
僕も悲観的に考えてますね。そもそもサッカーに限らず、こういうのは1ポイントでも上にいるチームが有利なわけで。
シティのCL除外の件は、とことんまで争うだろうから、来シーズンは推定無罪で除外されない可能性が大いにありますしね。
やはり自力でのトップ4確保が必要ですが、それらを争うスパーズ、ウルブズ、欲を言えばレスター。この辺に勝つことが必須になるでしょうね。
そのうえで、下位のチームには必ず勝つ。
ここからさらに5連勝くらいしたらかなり現実的に感じられるでしょうけどね。
がんばってほしい。。COYG
アルテタ最初の試練ですかね
センターをラカゼットからオーバに変えるだけで得点増えて割と勝率上がりそうですが、ラカゼットの存在がチームを難しくしてます
個人的にはネガティブ
何度も言って、うるせえよと思ってる人もいるだろうけど、リーグ戦こそ守備が固いチームが勝ち点を取るので
ポロポロ失点してたら無理だろうし、そのために守備寄りにすればエメリの時のようにチグハグになる
固いバックを用意できずに勝ち点に差がついた時点で追い付けないと思う
ここから攻撃大爆発みたいなことが起こればいいけど、ラカゼットとオーバのバランス問題が解決しそうにないので無理だろう
個人的にはネガティブ
何度も言って、うるせえよと思ってる人もいるだろうけど、リーグ戦こそ守備が固いチームが勝ち点を取るので
ポロポロ失点してたら無理だろうし、そのために守備寄りにすればエメリの時のようにチグハグになる
固いバックを用意できずに勝ち点に差がついた時点で追い付けないと思う
ここから攻撃大爆発みたいなことが起こればいいけど、ラカゼットとオーバのバランス問題が解決しそうにないので無理だろう
重複してました↑
消してください、すいません🙏
リーグ戦は一貫性が大事ですからね、それがなくて沈んでいるチームがどうこうできる問題じゃないですよね、そもそも。
信じるとしたら、ウィンターブレイク後の4-0、3-2で打ち勝った事実のみかな。
私も仰るように今後3試合で3連勝できなければジエンドかなと。
わりとポジティブな性格なんですけどね、普段は笑
複数チームと争っててポイント差があるのは見た目以上にキツイと思う。強敵のとの対戦も残ってるし、確率としては決して高くない。
僕はこのチームのメンタルが弱いとは思わないが、フィジカル面は他のチームと比べて大きく劣ってると思う。特にFBはウインガーとしてすら小柄なサカやスピードが戻ってないペジェリンを使わざるを得ず、サカは状態が悪くても替わりはいない。
それを全員が少しずつ無理してお互いにカバーしあってるが、3日おきの連戦でずっと相手を上回れるほどこの世界は甘くない。オリンピアコス戦の最後選手が疲れ切った表情を見せてたのは、あれが本当に限界だからだと思う。
その意味で言うと、FAカップの優先度を下げるのも手だと思う。アルテタは選手に100%を出し切らせることに成功してるが、今の段階でそれを3日おきにずっとキープさせるのは難しいんじゃないだろうか。
ほんの少し前まで降格の心配をしていたチームですからね。いまは、トップ4の可能性が少しでもあるところまで戻れたことを喜ぶべきなのかなと思っています。ファンとしての贔屓目を抜きにしたら、選手のクオリティは上位のそれと比べても物足りないわけですし。短期的な結果に対してネガティブにならず、長期的な視点でポジティブになるべきなのかなと。
…というショックアブソーバーを作らないと、試合のたびにネガティブになっちゃいますね。グーナーにとっては、まだまだ修行の日々が続きそうです。
COYG!!
まだ負ける余裕がある。
全勝が必要という訳でもない。
直近PL無敗。
ライバルチームも苦戦。
オーバがいる。
ポジれる要素は十分にあり、ファンはみんな成功を期待していて、選手はきっとこんな試算を無視して1試合1試合全力でプレイする。
まだまだ今シーズンも楽しめそうです。