さて、批判されたポインツについても。
まずはファウルやカードなどのディシプリン&コンセントレイション問題。
彼のプレイタイムの多さやDMというポジションからすれば、タクティカルファウルを含めたファウルが多くなるのはやむを得ないところではある。
ただ、やはりファンに悪い印象を残したのは、簡単にドリブルで抜かれ相手をあからさまに手で引っ張って倒してしまうような、彼のプレイの「軽さ」にもあっただろう。
イエロー/レッドカード
ジャカと云えば、アーセナル加入当初はもっぱらその「カードコレクター」ぶりに焦点があたっていた。()内はPLランク(※イエローカードのみ)。
- 16/17 Yellow 5 / Red 2(75位)
- 17/18 Y 10(2位)
- 18/19 Y 10(10位)
- 19/20 Y 7(13位)
このうち17/18と19/20はチームトップのイエローカード。17/18にいたってはリーグでもシーズンでワースト2位の数字。
意外なことに(失礼)PLでのストレイトレッドはファーストシーズンのふたつのみであとは、イエローカード2枚のセントオフもなし。いくらカードをもらっても、自分が退場になるような致命的なファウルはやらなかったということ。
ところで彼は、かつてラフなプレイぶりについてプレスに問われ「自分のアグレッシヴなプレイスタイルは変えるつもりはない(アーセナルはそれを知っていて自分を取った)」と答えたことがあった。彼の負けん気をよく示すエピソードだと思う。
ファウル
単純にファウルの数ではどうか。()内はPLランク。
- 16/17 37(50位)
- 17/18 57(6位)
- 18/19 45(20位)
- 19/20 46(2位)
17/18シーズンのプレイタイムを考えれば、カード同様に単純に数が増えるのは仕方がない部分もある。
今シーズンはここまででリーグのワースト2位っていう。。ただし、今シーズンは前シーズンに比べ、おかしたファウルのわりにカードが少ないという傾向はある。これも進歩なのか?
失点につながるエラー
Errors leading to goal。()内はPLランク。
- 16/17 2(7位)
- 17/18 3(5位)
- 18/19 2(10位)
- 19/20 0(-)
同数でランクされる選手の数がかなり多いので、ランキングはあまり参考にならないかもしれない。ただリーグでも数百人の選手がいるなかで、もちろんまったくやらかさない選手もいる(ポジションも大いに関係するが。GKやCBなどゴールに近い選手が多くなるのは自明)。彼がコンスタントに上位にいることはたしかである。
今シーズンはここまでまだやらかしていない。
ただジャカの場合、安定してシーズン何回かは致命傷になりうる危険なミステイクをやっているように思える。
たとえば危険な場所で相手を倒しフリーキックを与えたり、オウンサードでうっかり相手にパスをしてしまったり。味方を危険にさらすプレイは幾度となく目撃されている。
このスタッツには反映されないヤバいエラーがそれなりにあるはずだ。
雑な総括
彼のいいところも悪いところも、チームのクオリティや状態の影響を受けていることは間違いない。
この4年間、彼が悪い数字を残しているからといって、一概に彼ばかりを責められないのは、アルテタ以降の彼のパフォーマンスが見違えていることからもわかることだ。チームの構造やプレイスタイルが変わったことで、その選手が改善するのであれば、使うほうが選手の使い方を間違えていたという見方もできる。
Arsenal have a big summer ahead, and are a long way from the teams of the latter Wenger years.
Here’s a review of the current squad depth + lots more with @gunnerblog https://t.co/IqmUAJhtMd pic.twitter.com/4SlE9kFV3k
— Tom Worville (@Worville) May 25, 2020
チームパフォーマンスがこの5年で下降カーヴを描いているのは明白である。それを選手ひとりのせいにはできない。
ただ一方で、チームの中心選手として彼個人が集団に与えた(悪)影響も見過ごすべきではないと思う。彼のポジションはチームにとり攻めでも守りでも重要すぎるほど重要で、もし彼がそのとき与えられたタスクをより忠実にこなすことができていれば、この期間のアーセナルはここまで悪くならなかったかもしれない。
まあたらればを云っても仕方がない。
彼のアーセナルでの4年を振り返れば、まさに紆余曲折、いいところもあり、悪いところもあった。よりフェアになるならば、悪いところのほうが目立っていただろう(悪目立ちという意味で)。
しかし、いまはアルテタの下で状況は180度変わった。ジャカだけでなく、どん底だったチームパフォーマンスが改善のきざしを見せて、一時は壊れかけていた選手とファンの絆が戻ってきた。お互いを高め合う好循環がある。おそらくは選手のなかでも、アルテタのおかげでもっとも大きく風向きが変わったのがジャカなので、いわば命の恩人である。
気になるのは、アルテタが本来やりたがっているとも云われるシティ風の4-3-3システム(あるいは4-1-4-1)のなかで、単独でのアンカーに心配があるジャカに居場所はあるのかどうか。ジャカのとなりにパートナーを置くなら4-2-3-1を続けることになるが、彼を使いたいがためにシステムまで合わせるということを来シーズンもやるのかどうか。
今後もアルテタの下でのジャカについて興味は尽きない。彼が今後アーセナルのなかでどういった存在になってゆくのか。注目していきたい。
さて後半は、r/Gunnersなどソーシャルメディアにおける「ジャカ4周年」の反応を見ていきたい。
アーセナルの試合は一年半前ほどからしか観てませんのでヴェンゲル時代はよくわかりません
ただ少なくとも思うのは、あまりにもうまくいかなかったエメリ時代ではオバメヤン以外はみんな上手くいかなったのでジャカも仕方ないのではないでしょうか
アルテタ下では生き生きしてるように見えます
rarely nice, usually not good
これですかね
個人的には、ジャカへの評価を見るとフットボールへの理解度を測れるなぁと思ってます。
ここ数年、常にクラブの重要な中心選手でした。
グーナーは総じて、選手に対してまともな評価ができてないように思います。
見たいものだけを見たり、非効率なものを良いと思い込んだり、事象への原因追求が浅はかだったり、よくも分からず礼賛し扱き下ろす。
ジャカにまつわる批判で、ファンベースに失望しました。その一方で、このクラブ自体は捨てたものじゃないなと改めて感心しました。
クラブや監督達からの評価は揺らいでない
今はたとえ移籍しても、とにかく幸せなサッカー人生を歩んでほしいと思ってます。それがアーセナルなら一番良いのですが。
全くもって同感
興味深く拝見しました。
まず、移籍初年度も結構出ているのが驚きました。
当時、「ヴェンゲルさん全然使わないなー」と思った記憶がありまして。
それも含めて、「みんななんとなく使いあぐねているのに、なんとなく使われ続けている」4年間、って印象ですね。
「単足」「遅い」「エラーが致命的」とか、散々ではありますが、心当たりがないわけじゃない。
ディープライング・プレイメイカーとしての能力は認めますが、守備面を中心とした戦術理解を上げないと、メリットとデメリットの収支を求めづらいのは確かだと思います。
そんな中で、アルテタが希望を見せてくれているのはもちろんとして、
エメリ初年次・前半もかなり出色の出来だったんじゃないかと。
当時はかなり存在感を出していた印象で、たしか彼の怪我以降チームの歯車もおかしくなった記憶です。
こちらで「替えの利かない選手discussion」みたいな企画があったときには、chanさん含めてかなり支持者も多かった。
いや、上げ足とろうってんじゃなくて、実際ジャカは当時すごく良かったと思うし、
どうしてあんなに良かったのか、19-20は何が悪くなっちゃったのか、その辺はもっと論じられても良いと思うんですよね。
個人的には、パーソナリティも含めて思い入れがあるんで、頑張ってほしいんですけどね。
日本と違ってイギリスはコロナが蔓延して一日に何百人という人が亡くなってるような状況なので、以前ジャカを叩いた人たちが自分の気持ちを軽くするために叩いてるっていう感じじゃないですかね。
欠点については批判は当たってるので、僕はジャカのファンだけど言い返しようがない。
chanさんのブログは比較的マトモに扱ってるほうかと。
ただ選手には長所と短所があって、そのピースをチームにどうやってはめるかだと思う。アルテタが使い場所を変えただけでジャカが良くなったわけじゃないという批判は、いい意味でも悪い意味でもその通りだと思う。
適切な使い方をした上で、選手にそれプラス何を要求するか?が大事だと思う。あの頑固で不器用で愛想のない選手が、もう一歩先に進んでくれる日が来たら僕は幸せ。
ジャカについてはまあkey player として扱う価値ないってのが評価かな。
エジルに関してもこの議題が存在したけど、チームストラクチャをわざわざ構築する価値あるほどの選手とは思わない。
野球の指標でいうとRCwinが低い
(RCwin=そのリーグの平均的な選手と比べてどの程度勝利に貢献したか)
アップデート可能ならばして欲しかったんだけど、他に優先すべきポジションあったし、ELだし。。
どっちが先か、、ジャカだからELどまりなのか、ELどまりのチームではジャカが精一杯の選択肢だったのか、、
チームが良いときには良く、チームが悪いときには悪い
普通の選手かなあと
キャプテン風ではあるが、チームの調子が悪いときに圧倒的なリーダーシップを発揮してチームを助けてくれるような能力がない。ヴィエラやセスク・ファブレガスはプレイヤーとしてのタイプは違ったけどチームをグイグイ引っ張っていた。
ジャカは普通にチームの駒の1人として扱えば、より良いと思う。皆さん感じることはいろいろあるんでしょうけども
彼の長所は認めるが、その長所も特別なものではなく往々にして平凡…短所は言わずもガナ…
なにより、前への推進力がないというのが致命的
ジャカは、明確なタスクや役割を与えられないと輝けない典型的な選手だと思う。フリーダムなベンゲル期や、保守的なエメリ期は彼が悪目立ちしていた中で、アルテタになって戦術的なタスクを与えられてからようやく求める最低限の水準のプレーになった印象。
ただ、それでも彼の個人エラーの多さと守備対応の酷さが無くならないのが一番の問題だろう。現代フットボールの最高峰であるプレミアでプレーする選手、特に中盤は欠点が無く、ミスをしないことが最も重要だと思う。(だからこそ、トーマスパーテイが必要とされている!)
そういう意味で、彼は時代錯誤な選手かなと思う。