今年もいつのまにか6月。PLの再開までおよそ2週間と少しになった。
先週はいくつかのトピックでブログエントリを書いたが、今回はそこに漏れたニュースをざっくりとまとめておこう。
ヨーロッパのメイジャーリーグが続々再開
ジャーマニーのあと、イングランド、イタリー、スペインのビッグリーグも再開を決定し、ヨーロピアンフットボール世界もにわかに活気づいてきた今日このごろ。
もちろんこれを待ちわびていたファンにとっては大変に喜ばしいことながら、コロナ危機がいまだ終息していないなかで多くの懸念が払拭されたとは云い難く、現状ではやや見切り発車と云えなくもない。
一方で、早々にシーズンのキャンセルを決めたヨーロッパの一部のリーグ(※現時点でキャンセルを決めているのはフランス、オランダ、ベルギー、スコットランド)、たとえばフランスなどで「決断が早すぎたのではないか」という批判の声も聞かれ始めたようである。
All alone. pic.twitter.com/wrzA0aVZWS
— Get French Football News (@GFFN) May 30, 2020
気持ちはわからないでもない。みんな再開しているのにと。
ただ、個人的な感想としては、羨ましがるのはそれこそ時期尚早に思える。いまだって、このあとの世の中がどのような状況になるかまだ誰にもわからないのだから。それが適切な判断だったかどうか評価できるのはこのあとで、とくにセカンドウェイヴやサードウェイヴが懸念される現時点では、これからどんなひどい状況だって起こらないとは云えない。「なんでフットボールを再開したんだ」と彼らの決断が非難される未来だってありえるのだ。
このあと、もし仮に再開したリーグがつつがなくシーズンを完了できたとしても、安全を優先してシーズンをキャンセルしたその国のFAの判断は批判されるべきじゃないとおれは思いますね。各国事情を詳しく知らないくせにこんなこと云ってもアレですが。
PLが再開してもアーセナルのみんなに悪いことが起きませんように。なむなむ。
I’ve seen more tweets about 0 positive tests among Premier League clubs players/staff (which is excellent news & shows that strict control works) than about another 215 people dying from the virus, 2,000 new cases/day and the infection rate edging towards the dreaded 1 in the UK.
— Philippe Auclair (@PhilippeAuclair) May 30, 2020
フィリップ・オークレーは「PLの感染者ゼロが大きなニュースになっているが、UKではまだ1日に215人が亡くなって2000人の新規感染があきらかになっている」とTweet。
AFCチェアマン、サー・チプス・ケズウィク(80)がリタイヤ。AFCはますますプライヴェイトクラブへ
先週、アーセナルFCボードメンバーのひとり、チェアマンのサー・チプス・ケズウィク(Sir Chips Keswick)がその職を退くことが公式に発表された。80才。
Chairman Sir Chips Keswick retires
2005年にアーセナルに来て以来、チェアマンは2013年から務めていたということ。15年間お疲れさまでございました。
このニュースにファンからは「アーセンを呼び戻そう!」と盛り上がっていたが、アーセナルは、このあと後任のチェアマンを選任するつもりはないそうである。そして、その結果、現在のAFCオフィシャルサイトのボードメンバーを見ると、4人中ふたりがKSE(スタンとジョッシュ)になってしまった。
また、以前にはクラブ内におけるラウル・サンレヒの影響力が強まり、サー・チプスが「意思決定に関われなくなってきた」と不満を漏らしているという報道もあったように、予定通りシーズン終了をもっての引退だったとはいえ、そのあたりのパワーバランスのシフトも少なからず影響していたかもしれない。
KSEが大株主となり、実質クロンキファミリーのプライヴェイトクラブとなっているアーセナル。サー・チプスのリタイヤでますますその傾向は強まりそうだ。
ちなみに、アーセナルは2018年にKSEがオーナーシップを掌握してから、£300Mほど価値が下がっているらしい。
Arsenal are valued at £300million less now than the £1.8billion Stan Kroenke’s share purchase in 2018 set their worth at.
A piece on years of financial stagnation and how Mikel Arteta offers a route out of the mire. https://t.co/slc6mTtDPs
— James Benge (@jamesbenge) May 29, 2020
すべてオーナーシップの責任だとは云えないだろうが、それにしても随分と悪化したものだ。
彼らが認めるサンレヒとヴェンカテシャンのリーダーシップで、今後クラブは正しい方向に進んでいけるだろうか。とくにサンレヒは、彼のスーパーエイジェントとの付き合い方などはこれまでを見ているとちょっと心配になる。
※偶然にも今日のArseblogがサンレヒがアーセナルに来て以降にやったことを(批判的に)まとめた記事を書いていた。大変に興味深い。
PSGのワンダーキッド、アディル・オウシーシュにアルテタがお熱
お熱。
先週水曜の『ESPN』によると、フランスU17で5試合9ゴールを上げたというPSGの17才MF、アディル・オウシーシュ(Adil Aouchiche)が、クラブがオファーするプロ契約を固辞しており、フリーエイジェントになる可能性のある彼にアーセナルが熱視線を送っているという。
PSGの契約オファーを受け入れていないのは、プレイタイムに不満を持っているから(今シーズンPSGのファーストチームで3試合)で、成長のためには移籍したほうがよいと家族は考えているとかなんとか。
Adil Aouchiche, 17 years old. Set to leave PSG on a free this summer. Arsenal’s policy of signing a promising player for very cheap like Guendouzi and Martinelli couldn’t be taken a better talent. The quality is evident! 🇫🇷 pic.twitter.com/cvFjHM18at
— Eduardo Hagn (@EduardoHagn) May 28, 2020
プレイ動画を見るに、かなり良さげな選手ではある。
アーセナルのほかにはASSE、リール、ボルドーなどが関心を持っているとされるが、選手サイドが要求する€4Mの契約ボーナスに€25kpwのサラリー(※年俸にして1.7億円)がネックになっているとも。
その後のニュースでは
- セント・エチエンヌ(ASSE)のクラブ施設を訪れており、軽くメディカルを済ませた
- ASSEとメディカルはガセ。施設を見に訪れただけで何も決めてない
- ASSEはオファーもしてない
- レンズ、リール、レスター、アーセナルが興味
- レアル・マドリッドも興味
- PSGが魅力的なオファー。プロ契約か
といった具合で、ぼくの観測範囲ではこのニュースが伝えられた当初の盛り上がり以降、アーセナルと話が進んでいそうな感じはない。
今夏アーセナルは財政難のなかでの補強を余儀なくされており、フリーエイジェント、ローン、スワップあるいは激安物件を求めていると云われている。17才のプロスペクトでフリーエイジェントとあっては、アーセナルにはゲンドゥージやマルティネリの再現を狙うには理想的な選手ではあるが、現時点では実現はなさそうに見える。
インテルがラカゼットに向かうも本人はイタリア行きに興味なしと『L’Equipe』。どうなるラカゼット
夏に残り契約2年となり、オバメヤンとともに去就の注目されるアレクサンドル・ラカゼット。
バルセロナ移籍が噂されるFWラウタロ・マルティネスのリプレイスとして、インテルがラカゼットを狙っているが、本人は乗り気じゃないと『L’Equipe』が報じていた。via Mail
Alexandre Lacazette is not interested in signing for Inter Milan
一方で、ラカゼットは以前より彼に興味を持ち続けているアトレチコ・マドリッド行きの噂も根強い。
一週間ほど前にはアーセナルがトマス・レマールとのスワップをオファー、アトレチコはそれを受け入れるというスペイン報道も。そこはレマールじゃなくてパーテイだろうと……
El Arsenal vería con buenos ojos un trueque Lacazette-Lemar
ラカゼット本人の意向については伝えられていないようだが、彼がアーセナルに来る前にはアトレチコ移籍が決まっていたというくらいだから、条件さえ整えばスペイン行きについては問題ないかもしれない。いまのアーセナルからアトレチコなら、選手としてもかなりのステップアップと云えそうだ。
ラカゼットといえば、ロックダウン中に風船あそびスキャンダルがすっぱ抜かれるなど、クラブでのパフォーマンス共々私生活も不安定な様子。友だちは選んでほしい。
どうなるか引き続き注目しよう。
ルイスに対する高い評価やマリを連れてきたところを見ると、アルテタはCBにあまりスピードを要求してない気がする。少なくとも短期的には。
ボールを保持することでカバーできるという考えなのか、トランジション局面はファウルで止めてしまえというシティ以来の割り切り(w)なのか。
素人目にはスピードで苦労しそうに見えるんだけど、アルテタのやることはいつも僕の3歩くらい先なので。。。何か明確なプランがあるんだろう。
クラブがルイスの契約で手間取ってるのは、コロナ後の給与体系の模索なんじゃないかと思う。バブリーな年俸ゆえに追い出されそうな選手が多いので、妥当な年俸で残留という先駆になってくれると嬉しい。