と思ったけど、今回の敗者ってそんないないような。
キア・ジューラブシアン
彼が敗者かどうかはちょっとわからない部分もある。もちろん、彼はエドゥのエイジェントであり、獲得が発表されたばかりのウィリアンのエイジェントであり、ダヴィド・ルイスやセドリックといった選手のそれでもある。現状の存在感は揺るがない。
それにもしかしたら、責任の範囲が増すであろうエドゥが、今後エキスパートである彼をもっと頼りにしないとも限らない。そういったことがすべて悪だとは思わない。
彼が公明正大で、アーセナルFCの利益を第一に考えてくれる存在ならば、大いに関与してもらいたいくらいだ。
でもそんなことはありえない。
彼はアーセナルFCのスタッフでもなんでもなく、クライアントの利益、自分の会社の利益を最大化することが唯一の目的なのだから。われわれはそのことを責めるべきでもない。そんなことは当たり前だからだ。当たり前じゃないのは、どうして彼のようなアーセナルFCと利害関係を一にしない存在が、クラブにここまで深く関与しているかだ。
ウォルヴズのように彼をアドヴァイザーとして迎えるというのなら話は別だろうが(それもすごくいやだけど)、中途半端に無関係を装いながら、結果的には大きく関与しているようにしか見えないというのは、非常に気持ちが悪かった。
今後、彼の存在感が薄れるかもしれない理由としては、前述したようにアルテタのステップアップがひとつあるかもしれない。
彼は自分がつくっているチームにほしい選手像というのは明確に持っているだろうから、彼が補強での決定により深く関与するようになるなら、サンレヒの仕事の一部分はアルテタが担うことになる。一介の代理人にはご遠慮いただいて、できれば呼ばれるまで奥ですっこんでてもらいたいですね。
ちなみにアルテタはコウチーニョをとても気に入っているらしいが、それは彼がKJのクライアントであるかどうかはおそらく無関係だろう。
昨日シティを撃破していまかなり注目を浴びているOLのAouarについて、『L’Equipe』がアーセナルがゲンドゥージ+キャッシュでオファーを行ったと報道していたが、AouarはべつにKJ案件ではない。
一エイジェントとして、クラブと健全なお付き合いができれば、KJだってべつにクラブの周辺にいたところで悪くないのではないだろうか。
今回のことで、コウチーニョの獲得が「複雑になった」という指摘もある。それがほんとなら、KJがいかにサンレヒとの特殊な関係性において選手をプッシュしていたかの証拠じゃないか。
今後彼との付き合いにどんな変化が出てくるのか、見てみようではないか。とりあえずKJは敗者と認定しよう。
デイヴィッド・オーンステイン
どうもこの件がアーセナルのTier1ジャーナリストであるオーンステインの第一報じゃなかったということで、r/Gunnersはだいぶ盛り上がっていた。
第一報はこれだったそうだ。日付を見ると正式発表の1日前。
Haven’t posted in a while because I don’t do it for attention. The Gerb has spoken to Raul Sanhelli and is shocked to tell you that you’ll be hearing soon that Raul Sanllehi is no longer employed at Arsenal Football Club.
— The Football Gerbil (@Gerbyfootball) August 14, 2020
ちなみにこのニュースについて、r/Gunnersでも事前にいくつかそれを匂わせるサブがポストされたが、ことごとくmodに消されたらしい。ということは情報はある程度出回っていたものの、クラブから箝口令が敷かれていたのかもしれない。
エイミー・ロウレンスの『The Athletic』の記事がアップされたのもAFCの公式発表のすぐあとで、テキストの分量と内容を考えれば事前に用意されていたとしか思えない。
だからオーンステインは当然情報はつかんでいたが、単純に紳士協定でアーセナルが発表するまで何も公表できなかったということなんじゃなかろうか。しらんけども。
アーセナルがこの発表をしてから、彼はtwitter上ではThe Athleticの記事をRTしただけで何も触れていない。
彼が一番じゃなかったからといって、そこまでがっかりするこたないよな(笑い)。
ここはネタでござる。
サンレヒ辞任で勝者か敗者かわからないのは……KSE
とりあえず以上なんだが、今回の件でKSE(オーナー)はどういう利益、あるいは不利益を被るのかちょっとよくわからない。どうなの?
この一連のことがなければ、KSEとサンレヒはとてもうまくやっているように見えたし、彼のKJとの付き合いや気前のいい金の使い方など、とくに不満を持っているだとかそういうふうに伝えられたことがあったろうか。ぼくが知らないだけかもしれないが。
しかし、サンレヒの辞任がエドゥのペペ調査が引き金になったのだとしたら、そこについ一ヶ月前にボードメンバーに送り込まれたというティム・ルイスを後押ししたのはKSEなわけで、間接的にKSEがサンレヒを追い出したようなかたちになっているような。
もしKSEが何かをきっかけにして、サンレヒに不満を持つようになり彼をストラクチャから追い出したかったのなら、KSEは勝者だろう。みごと成し遂げた。
しかしオーナーが気に入らなかったDoFを追い出したとして、それが果たしてオーナーにとって勝利だと云えるだろうか。
もっと長いスパンで最近のアーセナル、もっと云えばポストヴェンゲルの期間を振り返るに、正直なところクラブストラクチャの再構築にはかなり苦しんでいると云える。
- ヴェンゲル/
ディック・ロウデイヴィッド・ディーン - ヴェンゲル/ガジディス
- ガジディス/サンレヒ/ミズリンタット
- サンレヒ/ヴェンカテシャン
- ヴェンカテシャン/エドゥ?
これはもう、ヴェンゲル末期以降ではプランはことごとく頓挫していると云ってよいのではないだろうか。
もちろんクラブにとって最重要だっただろう、ウーナイのアポイントは今では失敗だったと評価できる。
ガジディス、ミズリンタット、サンレヒ。一時はクラブの将来を任せたキーマンがつぎつぎにいなくなっている。ここにカジガオのような人材を加えてもよい。
KSEはこの事態をいったい誰に責任転嫁できるか??
22年という長期すぎる体制を変えることがそれだけ難しいということかもしれないし(マンUの25年?という事例もある)、ひとことで云えばいまも迷走している。リスタートするたびにこれが新しいスタートだと云うが、何度新しいスタートを切ればいいのか。
このような難しい時期にサンレヒを辞任せざるを得なかったオーナーシップは、やっぱりいまのところは敗者だろうか。今回もダメでしたみたいな情けない話である。
要するに、ここに至るまでいろんな悪役が登場しては消えているんだけど、ここまでくると元凶はやっぱりKSEだったんじゃないかと。
#KronkeOut そういう美しい結論にて今回は。
おわる
僕は大体においてよかったと思ってるけども。
エジルは。。。生き残ったとは言えるだろうけど、勝者かどうか?
ほんの2年半前に莫大なコストをかけてチームの中心に据えたのに、結局エジルのためのチームは作られなかった。今のチームも決してエジル向きのチームではないと思う。
試合に出れる可能性があるとしたら、ラカが放出されてCFオーバ・左サカ・右ウィリアンになるケース?。あり得ない話ではないけど、1stチョイスではないだろなあ。