アーセナルが2021夏に放出した選手
この夏にアーセナルが選手売却でまともに資金を稼げたのは、結局ジョー・ウィロックただひとり。
ぼくだけでなく、ウィンドウが開く前は、この夏は選手売却でそれなりに補強資金をまかなえると想像したひともいたのではないかと思うが、みごとなほど捕らぬ狸の皮算用になってしまった。
ここまで売れないとは。
パーマネント移籍
- Joe Willock – Newcastle, £26.46m
- Willian – Corinthians, free
ローン移籍
- Reiss Nelson – Feyenoord, loan
- Lucas Torreira – Fiorentina, loan
- Dinos Mavropanos – Stuttgart, loan
- Matteo Guendouzi – Marseille, loan
- William Saliba – Marseille, loan
- Alex Runarsson – OH Leuven, loan
- Hector Bellerin – Real Betis, loan
退団
- David Luiz – contract expired … ※Flamengoに決まった
- Dani Ceballos – end of loan
- Mat Ryan – end of loan
今年も多くの動きがあった。
このなかで、いちおう来年に帰ってくることになっているのは、リース・ネルソン、ウィリアム・サリバ、アレックス・ルナーソン(たぶん)のみ。
あとは、全員が条件に買取義務/買取オプションがついているため、おそらくはローンが終わってももうクラブに戻ってくることはないと思われる。彼らは、本来ならばここで売却したかったが事情が許さず、結局ローンに買取オプションのような条件で妥協した結果というところだろう。キャッシュを持ち合わせていないクラブといくら交渉しても、買えないものはしょうがない。
<ウィリアンについて>
彼は結局アーセナルとの残り2年の契約を破棄して、コリンチャンスへの移籍を決めたと云われている。そのおかげでアーセナルが節約できたコストは£20Mとも。
高額契約よりもフットボーラー人生を選んだウィリアンに幸あれ。
<リース・ネルソンについて>
リース・ネルソンは、2023年まで1年契約を延長してローン移籍したという報道もあったが、TMでは彼の契約はもともと2023年までだったはずで、実際のところはよくわからない。
彼の場合はいずれにせよオランダでの活躍次第では、来年以降もクラブでのチャンスはきっとあるだろう。去年はウィリアンの犠牲になってしまったところが多分にあり、クラブとしても彼を見限ったつもりもないと思う。
ちなみに、アルテタは昨シーズン終盤に彼について「申し訳ないことをした」と謝罪のことばを述べたことがあったが、あれは彼がローンに出ずにアーセナルのファーストチームでポジションを争うと決めた際に、おそらくアルテタは「きっとチャンスはある」みたいな口約束をやったんじゃないかとぼくは想像している。そしてチャンスはほぼなく。
ウォルヴズからエンケティアへのオファーも「彼はプランに入っている」と断りつつ、その後まったく試合で使わなかったり、AMNに対しても似たようなことをやっているだろう。アルテタはそういった見通しの甘さ(楽観性)を省みる必要があるように思う。このような案件を教訓にすべきだ。
<ウィリアム・サリバについて>
彼もいちおうは来年にはクラブに戻ってくるはずだが、来夏に残り契約2年になった時点でアーセナルと契約を更新するかどうか。彼がそれを拒否するならば、アーセナルはそこで決断をしなければならない。ありそうなことだ。
彼はもうアーセナルに3年いるので来年にはHG資格にもなるという(国内でプレイしなくてもスクワッド登録さえしていればいいという、ハックのような話)。来年の世の中の財政状況が少しは改善していればいいが、買ったときよりも高く売れるかどうかは微妙かもしれない。
ぼくが気づいているかぎりでは、彼は今シーズンもほんとうに毎試合フランス(OM)でいい試合をやっているようで、このままアーセナルでプレイすることがなかったら、ほんとうに残念に思う。
以下はアカデミー。Sky Sportsの記事から拝借しているが、漏れている案件がいくつもありそうな気がする。
パーマネント移籍(アカデミー)
- Mark McGuinness – Cardiff, undisclosed
- Trae Coyle – FC Lausanne-Sport, undisclosed
- Zech Medley – KV Oostende, undisclosed
- Ben Sheaf – Coventry, undisclosed
ローン移籍(アカデミー)
- Tyreece John-Jules – Blackpool, loan
- Harry Clarke – Ross County, loan
- Miguel Azeez – Portsmouth, loan
- Daniel Ballard – Millwall, loan
- Matt Smith – Doncaster, loan
- Dejan Iliev – SKF Sered, loan
期待のプロスペクツのひとりミゲル・アズィーズについては、先日彼のポーツマスとのローン契約には、リコールクロウス(呼び戻し)が含まれるという報道があった。1月はAFCON期間のはずなので、パーティとエルネニーがおらず、残りのCMに何かあったときに備えているのだろう。
追記:U-23からは、Jordi Osei-TutuとNikolaj Mollerもローン。
アーセナルが2021夏に売れなかった選手
*は、残り契約1年。5人もいる。これは痛い。
- Alexandre Lacazette*
- Sead Kolasinac*
- Mohamed Elneny*
- Calum Chambers*
- Eddie Nketiah*
- Ainsley Maitland-Niles
- Granit Xhaka
※チェンバースは積極的な売却対象ではなかったと思うが、残り契約1年だったのでこのリストに入れた。
高給のラカゼットは、残り契約が1年になった時点でクラブももう売却は諦めたのではないか(本人も来年の夏にフリー移籍をする意向だと伝えられていた)。
しかし、まともな移籍金を得られそうなエンケティアの残留は痛恨だったろう。8月に一ヶ月離脱するようなケガをしてしまっていた影響もあったかもしれない。
コラシナツとエルネニーは、ターキー方面からの引き合いがウィンドウ終盤でもあったが、結局高給が仇になって頓挫したというようなことが伝えられていた。仮にPL基準、ビッグクラブ基準では控えめなサラリーでも、外国クラブはなかなか払えないという。
ANMについては、ソーシャルメディアを通した悲痛なメッセージが話題になり、彼の境遇に同情するひとも多かったと思うが、あの案件はアーセナルが彼に意地悪をしたとかではなく、単純にエヴァトンのオファーした条件(ローン限定)をアーセナルが受け入れられなかっただけというシンプルな理由だとも云われている。エヴァトンがまともなオファーをしさえすれば、アーセナルがそれを受け入れることにはやぶさかではなかったと。
結局、AMNはアルテタが説得し、ひとまずは納得?したようだ。ノリッチでもスタートからプレイした。
彼の契約は2023年まで。この夏に売ることも、契約延長もできなかったため、来年夏はまたしても残り契約1年の選手に。
アーセナルは冬のウィンドウは、残り契約1年未満の選手を売る最後のチャンスながら、まああまり期待はしないほうがよさそうだ。
冬に放出があるとすれば、ベルント・レノのような選手のほうがよほど確率が高いかもしれない。彼がこのままNo.1ポジションを失ったとしたら、当然移籍希望をいまよりもっと明確にするだろう。あのような金額でラムズデイルを取ったのだから、もとより自分の将来がアーセナルにあるとも思っていないだろうし。
ということで、何か忘れているような気がしつつ、2021夏の移籍まとめでした。
業務連絡:先日エドゥのエントリで、アーセナルの移籍舞台裏のエントリを書くから楽しみにしてねと書いたのですが、その後書き始めてみて、あまりにも有料記事の情報に依存した内容になりそうだったので、やっぱり止めることにした。ごめんなさい。
おわり
ふりかえれば夢のあるマーケットだったのではないでしょうか。ノリッジのバックラインにはその夢がたくさんつまってたと思いますし。
どのチームにも代えのきかない中心選手とゆうのはいますが、うちの場合、パーティになにかあったらチーム力半減、いやそれ以上とゆうのはやっぱ見逃せないですよね。ケガしなければそれでいいですが、アフリカの大会があるみたいですし。
オーデガードをあのポジションで使うのもありかもですね、ラムジーの強化バンみたいな。
どちらにしても、ヨーロッパがないぶん今のチームでスタメン固定してチーム力をどんどん高めてほしいです。
将来のためにも、エディかバログンの覚醒を期待します。
スミスロウは今なら50mでも売れるだろう、しかし今は売りたくない
誰も買い手がなくなった頃に、「50mで……いや、40mで良いから買わないか」と言うのがアーセナル
ホワイトに限らず、選手の価値を上げるにはチームの成功が必要だが、今のスカッドは若過ぎて、成功するほどの実力がない
ホワイトもまた、このままズルズルと価値を下げていくと可能性がある
不必要なカタカナ英語多すぎ
ウケるw
?
放出に手間取りまくったのはマズかったですね。
選手の売り時がいつも遅いせいで足元見られる癖がついてる。
ただ、だからといって主力レベルを手放すのは有り得ない(最終目標がリーグ優勝なら育てて売るクラブになってはならない)ので、手放していい選手とダメな選手の線引きを早めに決めて、契約残り2年になったら基本的に売る姿勢じゃないとダメかなと。
更新お疲れさまです。
移籍金高すぎという印象がありましたが、給料という点ではそれほど高額では無いのですね。
いずれにせよ、今回の移籍マーケットは、今すぐトップ4に返り咲くというものではないのは明らかだと思うので、そのへんは覚悟しておかないといけないのかなと。
オーナーは、ぺぺやパーティの時も金出していたような。クラブの運営にズバズバ切り込んでいくことはないけど、クラブ側がこういう理由でこれだけの資金が必要と訴えれば、お金は出してくれているのだとすれば、(希望的すぎる想像?)金は出して口は出さないって最高なんですけどね。クラブ内部がしっかりしてさえいれば。