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Arsenal, Arteta, Controversy

アルテタの選手理解と現状への適応

ローンで輝く戦力外選手たち

さいごに少し皮肉なトピックを。

オフィシャルサイトでもLoan Watchなどニュースになっているので、賢明なアーセナルファンのみんなは知っていると思うが、今シーズンにローンに出ている選手たち、アルテタの下でチャンスがなかった選手たちがかなり活躍している。

なかでも目を引くのは、シュツットガルトへ行ったディノス・マヴロパノスか。今シーズン、リーグ8試合でG3 A1。カップ戦でもG1でチームのトップスコアラー。センターバックですぞ。MVも急上昇中。

マヴロパノスはアルテタの下でほぼチャンスを与えられず。今シーズン買取OPつきでシュツットガルトへローンとなったが、アーセナルで彼を獲得したスヴェン・ミズリンタットがつねづね述べていたように、彼はトップDFへの道を歩んでいるのかもしれない。

先日ミズリンタット本人がゲロっていたところによれば、アーセナルとの契約は、シーズン終了後にシュツットガルトがブンデスリーガ残留なら買取義務、降格なら買取OPという契約だそう。その額€3M。。。果たしてこれはアーセナルにとって、いいビジネスだったんだろうか。

そして、リーグ3位と好調マルセイユを支えるゲンドゥージとサリバのふたり組も。

ゲンドゥージはリーグ9試合で、G3 A2と個人でも絶好調。いまアーセナルでこんな実績を出していたら、もうファンフェイヴァリット間違いなしだった。

そして今年はずっと好調が伝えられているサリバ。先週末のとあるtweets。

Matt Spiro(ジャーナリスト):ウィリアム・サリバは今夜もまた完璧かつクラスだった。彼はケガがなく、チームに溶け込んでいて、とてもいいプレイをしている。マルセイユの今シーズンもっとも使われた選手であり、守備のリーダーであり、Payetとともにベストプレイヤーだ。

彼がPLクラブをローン先に選ばなかったことに失望があることは理解できる。だが、マルセイユではかなりチャレンジがあり、簡単なんてものじゃない。

1:巨大なプレッシャー(これに対処できるものは少ない) 2:彼は5人のCBのなかでポジションを勝ち取った 3:サンパオリのクレイジーなガンホースタイルでディフェンスはつねに露出

サリバは云っていた(ロバート・ピレスやほかにもたくさんのひとがこれを支持している)「もしマルセイユで成功できるなら、どこへ行っても大丈夫」。そこはプレッシャー製造機であり、フットボール狂いがいる場所…… 狂信的かつ要求の高いファンがいる。ここまでのサリバはかなり成功している。

サリバはほんとうに毎週のように、マルセイユでの活躍が伝えられている。

ゲンドゥージについては、アーセナルに戻ってくる可能性が絶対にないわけでもないようだ。

先日、プレス会見でゲンドゥージについて問われたアルテタが「シーズン終了時に考える」と答えたことで、買取義務の契約じゃなかったっけ??といぶかしむファンもいた。買取義務がついたローン契約ならそのまま移籍するので、検討もなにもないわけで。

それが、どうもフランスリーグは「買取義務」をつけたローン契約はできないというルールがあるらしく? どうも事情が複雑らしい。

これまでのアルテタとゲンドゥージの関係性からすると、彼が今年いくらフランスで活躍したところでアーセナルに戻ってくることがあるとは思えないが、この先も好調をつづけ評価が高まるようなことがあると、いずれ安価で手放したことを後悔するような日が来るかもしれない。

ディシプリンに問題がある選手を認めなかったアルテタの判断は支持できるが、そういうメンタリティに難ありかつ才能あるフットボーラーというのはたまにいる。個人的にはゲンドゥージのことはかっていたので、アルテタが彼を更生させてくれたらいちばんよかったんだが。いまのアーセナルのなかなら、彼は6/8適性はかなりあるほうでしょうね。

後悔するかもという意味では、もちろんサリバについても、いわずもがな。

彼はこれだけ冷遇されれば(ホワイトも取ったし)、来年夏の残り契約2年の時点で、アーセナルと契約更新するかは非常に疑わしい。

 

いまのところ、アルテタの去就が具体的に取りざたされるような状況にはなっていないとはいえ、今後彼が解任されるようなことがあると、彼に冷遇された選手たちを見て、あらためてひとりのマネジャーに選手評価と判断を任せてしまうことのリスクがフォーカスされそうである。

 

おわり



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9 Comments on “アルテタの選手理解と現状への適応

  1. 連日の興味深いエントリ、ありがとうございます。
    近年の遅攻や拙攻を見てて、アルテタは守備戦術しか指導してない(できない?)のでは?という疑念が頭をよぎったことがあります。まぁ実際、攻め方は教えられても点の取り方は教えられないとは思いますが、そもそも攻め方すら教えてない(方向づけしてない)んじゃないの?と。それは極端にしても、守備面でのルールが全てに優先されて、その結果が遅攻や拙攻になってるんじゃないかと。
    さすがにPLのマネージャーでそんなことはないだろうとは思いますが、攻撃面で選手が思考停止しているような場面が散見されてて、もしかして攻撃は選手任せなのか。。と不安になったりもします。選手のテンションが高いときはやたら良いパフォーマンスが出てるということもあって。。選手が困らないようにする、困ったときに助けになるのがコーチングだと思うので、早く解を見つけて欲しいです。
    アルテタへの不安ばかり書いているようですが、まだ信じていますので早くまた希望を見せて欲しいです。COYG!

  2. いやー、ポゼッションやプレスなどの成績が酷いことになってますね。数字は正直。

    それにしてもchanさんの言語にする力は素晴らしいなと改めて思いました。この、思ってることをほぼすべて代弁して文字化してくれる感じ。恐れ入ります。そして読むとスッキリしてだいぶ心が軽くなります笑

    私(たち)はもう、アーセナルを色眼鏡なしで見ることはなかなか難しいのですが、フラットなファンが見たらさぞたまらなく内容がないサッカーなんでしょうね。そういう意味では一周回ってファンで良かったとも思います(ポジティブシンキング)。

  3. 間違いなくビッグスカッド。
    クロップやペップでなくても、ブライトンやブレントフォードの監督でもトップ4に入るワークするチームをつくるでしょう。2,3試合で。2年あればヨーロッパでも地位を取り戻してるはず。
    オレたちのアルテタは39才なんですね。若いなぁ。
    選手のキャリアでゆうと、悪くはないけどワールドクラスだったわけでもない。national呼ばれてないし。それが引退後にあのペップにアシスタントとして呼ばれたのだから、そりゃあえらばれし人材と思ったことでしょう。あたしも思ったし。
    うちに来てくれて、そのままサクセスストーリーの始まりと信じて見守ってきました。
    でももう2年たち、このありさま。
    考え方とかアーセナルを思う熱い気持ちとかいいところもあるけど、監督はチームを勝たせてなんぼ。
    前のシーズンうちに負けたランパードは解任されてチェルシーは完全復活。ボロボロの連敗スタートで粉砕したスパーズ戦。どっちかで負けてたら違った運命だったのだとすると、何がよかったのでしょう。
    オレグが先かアルテタが先か。
    次のアクションでチームが生まれ変わることを期待したいです。

  4. アルテタが勉強熱心であり、最新の戦術を取り入れていることは分かる
    規律があり、選手の支持が高いのも分かる
    戦術家であり、モチベーターだ
    恐らく同年代ではアーセナルの監督という経験も踏まえ、トップクラスだろう
    今季の試合でも驚くほど綺麗な5レーンでゴール前に迫るシーンを見て驚いた
    どれほど練習で繰り返しただろうか、というほど見事な5レーンだった
    ゴール前に5レーンで並んだら1点という芸術点がサッカーにあるならいいが、どんなに綺麗に隊列を作ってもゴールにボールを入れなければ意味がない
    見事な5レーンの隊列は相手DFの強引なタックルで弾き返されていた
    勉強家のアルテタはこの傾向がある
    どんなに素晴らしい戦術落とし込んでも、実際の場面は机上の想定のようにならない
    アルテタの想定は、グラム単位、調理時間、火加減すべてが書いてあるレシピ
    現実は塩少々、30秒オーブンに入れっぱなし、数度油の高温でも大丈夫である
    科学研究のようにいちいち測量していては完成しない
    同時に、答えだけが書いてある攻略本である
    その答えになぜたどり着くのか、という過程がない
    最新の戦術を勉強するが、その戦術が何故効率的なのか、どういう思想でたどり着いたのか、トライアンドエラーを経験したわけではなく答えだけを導入している
    答えしか知らないから、修正はできない

  5. 完全に本文に同意です
    前線でボール奪取出来ても結局バックパス、攻撃はクロス一辺倒しかも殆どティアニー
    アルテタのサッカーは弱くて単調な上にboringと言う事実を受け止めるしかなくて辛い

  6. 今シーズンは昨シーズンと同じく8位とかそれくらいだと思う。
    若い選手と若い監督がPLをどこまで登れるか楽しみなのは来シーズン以降
    アルテタは変えずにやり方も変えないに一票です

  7. アルテタが着任して最初にやった左方上がりの戦術や343の可変を見ていれば、考えなしの監督ではないし、現代的なフットボールに適応した思考を持っているのだと思いますが、ここ最近は彼自身のなかでなにが適切なのか判断出来なくなってしまっているように見えます。昨シーズンアルテタの結果が出なかったとき、選手の役割を限定しすぎだ、もっと自由を与えたほうがいいという意見が書かれていたことを覚えているのですが、今必要なのは選手の役割をもっと限定することだと思います。あの時よりもいろんな役割ができる選手が揃ってしまったあまり、プレス、ビルドアップもいくつかの方法を用意している。それ自体はいいことですし、スパーズ戦のように11人全員がそれを演じきれれば強いんですが、ぺぺ(ニューキャッスルとかに売りたい)やロコンガのような選手にも同じことを要求するのは酷だと思います。スカッドに合った戦術をその通りだと思います。

    アルテタが批判され、解任を要求されるのは当然だと思いますが、彼が無策であるとか、ただ自分の理想を押し付けようとしているとかいう指摘は否定しておきたい。ピッチで起きていることを見れば、問題はたくさんあるけれども、あるいはうまく機能していないけれども、具体的になにをしようとして失敗しているのかが見えるから、森保やスールシャールよりはだいぶマシ。というか比べてはいけない。怖いのは、ヴェンゲルの頃のサッカーから考えをアップデートできていないファンが、印象だけで試合を判断してしまうことです。そうして無根拠な批判が集まることによってペースを落とす選手が出てきたり、目先の結果だけでいい監督を解任してしまったりが起こり得る。この場合は他にも問題があったわけですが、たとえばバルベルデ以降のバルサみたいに。
     ヴィエラに一定の評価が集まっているようだけど、今季最悪の監督の一人なので、OBだからといって後任候補にあげるファンが出てこないことを祈ります。後任をあげるなら、ロベルト・デゼルビ、Erik ten Hag、ポッター、バルベルデあたりがいいです。コンテは、アーセナルファンとして、チェルシーのお下がりというのが嫌です。そこは感情的に。

  8. 近年稀に見るビッグスクワッドであることは間違いないですね。

    ベンゲルさん時代にこんなスクワッドだったことが一度でもあれば、と切に思います。

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