すこし前に、元ガナーで、現在もリーグアンのモナコでプレイするセスク・ファブレガス氏(34)が、twitterユーザにこんな質問を投げかけていた。
What is the biggest difference between the modern day player and the players of the last 10/15 years?
Opinions please.— Cesc Fàbregas Soler (@cesc4official) November 5, 2021
ファブレガス:最近の選手たちと、この10-15年くらいの選手たちとのいちばんの違いはなんだろうね? ご意見をどうぞ。
このtweetをみかけたとき、なかなかおもしろげな問いかけであるなと感じたものだが、その後リプライは大いに盛り上がっていた。
もちろん10-15年前のセスクといえば、アーセナルがもっとも創造性豊かだったときのNo.10であり(※彼は2011年にバルサ復帰)、ある意味前時代を象徴する選手。その時代の変化をダイレクトに肌で感じている彼のような選手が、いまこうした質問を投げかけたこともまた興味深い。
とくに反応の多いものや、目についたリプライを取り上げてみよう。
セスク「この10~15年といまの選手はどこが変わった?」への反応
JuanCarlosGarrido:いまや選手はコーチの命令に従うようになっている。彼らはクリエイティヴではなくなってきていて、リーダーでもなくなってきていて、自主的でもなくなってきている。
彼らは自分のパブリックイメージにも非常に敏感だね。ソーシャルネットワークの影響でポリコレから外れたことはどんなことでも大げさに騒がれる。アピールすることのほうが、実際よりももっと重要になっている。
フアン・カルロス・ガリードは、かつてヴィヤレアルなどをひきいたマネジャー。現在はスペイン2部のCD Castellónのマネジャーを務めている。これはセスク本人もリプライしていたtweet。フアン・カルロス……って、たしかウナイ・エメリのアシスタント??と思ったら、そっちはフアン・カルロス・カルセドで無関係だった。。
Depressed Totti:モダンな選手というのは、ポジショナルシステムの歯車になってる。とくに自分で考えさせないアカデミーとかのせい。だから、システマティックなパターンでないと悪くなる。
もう、誰もキミのように難しいアングルで狭いところにスルーボールを出さないし、タイトなスペイスでボールを盗んだりもしない。とくにパスはミディアムからロングレンジになった。
そのせいで選手たちは未完成にもなっていて、よりポジショナリーに特化されるようになった。キミが適応したことに驚きはないが、それはもっとも効果的なやり方というわけでもない。いろいろなエリアでスペイスを開ける、たくさんあるやり方のひとつというだけ。ピッチ上の開いているスペイスの量に変化はない。使うシステムによって、いろいろなエリアがあるというだけ。こういうアカデミーのコーチたちはみんなネクストペップになりたがっている。
Frank Khalid(※チェルシーファン):わたしが思うに、その違いは、いまの選手たちがこの10-15年間ほど自分を表現することが許されていないということ。もっと戦術的になった。わたしは昔のほうがよかったと思うよ。わたしたちはもうセスクのような選手を観ていない。
Uncle Ekow:英国人が許されてないというだけで、ジャーマニー、スペイン、フランスでは選手はいまでも自分を表現することは許されてるよ。
Galu(※PSGファン):金儲けになったね。以前がそうじゃなかったというわけじゃないが、今日日、すべてに金が関わってくる。選手はパーソナリティを失って、個人は以前とくらべて最小限になった。
PSGサポーターが金について云うかというツッコミのリプライも(笑い)。
AFCAMDEN(※アーセナルファン):べつに違いはない。だが、一般論としては15年前よりも選手はアグレッションは失っていると感じる。ヤングセスクがバラックにやったことを思い出してみるといい。最近のほとんどの若い選手はやんちゃでなくなってる。
(マンUファン):アーティストがいなくなって、システムのロボットばかりになった。
Bhuvan:メイソン・マウントのことか!
A N Emsley:ウィンガーと内側に絞るウィンガー。サラーは15年前に右にいたか? ない。サラーはいま左にいるか? それもない。昔のスタイルのウィンガーがなんだか懐かしいよ。相手のフルバックに勝負をしかけて、No.9にクロスを送る。
Connor:スタイル・独自性がない。ネイマール、ロビーニョ、ロナウジーニョのような選手はもはや絶滅危惧種。いまはスタットに執着するようになって、いい数字を出すKDBとかハーランドのような選手を好むようになった。おもしろくない。
20.10.20™:90分プレイしたあと。
Don(※リヴァプールファン):10-15年前の選手は賭けに勝たせてくれたのに、最近の選手は賭けを台無しにされる。
これはPLのことかね。たしかに、PLでも以前はもっと強いチームと弱いチームが固定化されていたのに、いまでは下位チームの競争力がぐんと高まって、もうどのチームが勝つかわからなくなってる。
Mod(※チェルシーファン):この10-15年間の選手はもっと自分自身を完全に表現することができたと強く思う。いまの選手は、もっとやれることが制限されていて、システムのなかで活きるようになっている。
B(※アーセナルファン):このひとTLを観ていたのか、なんだか洞察があるみたいに云ってるけど、これは間違いだから。いまでも好きなように自分を表現してる選手というのはいる。エンバッペ、ネイマール、ASM、ESR、グリーリッシュ…… まだつづける? 流動性が限られたチームというのはあるが、それはいつでもそういうチームがあるというだけ。
²⁹(※チェルシーファン):クオリティのレヴェルは落ちてきてるね。最近観ていて楽しいのはハヴァーツだけだ。
F10K Productions:Ha ha ha。キミはなにを吸ってるんだい?
Cole A:10-15年前の選手は豪華なフットボーラーたちだった。純粋に技術的な才能とスキルがあって。いまは、もっとアスレチズム(ペイス、強さ、スタミナ等)になっている。
Jonjo:最近の選手はスキルフルでなくなってる。天性の才能もなく、クリエイティヴィティ/ヴィジョンもない。いま優先されるのは、120分走れて、1週間に2回プレイできるフィットネス/強さ。だから結局は、スターリング、ラシュフォード、ヘンダーソンみたいな選手たちが「ワールドクラス」なんて呼ばれてる。
Nemo:10-15年前だと、守備をしたがらないスキルのある選手が生き残れた。いまのNo.10は8のように戻ってプレイしなければならない。また8は6のようにタックルしなければならず、ストライカーは守備の最前線になった。プレッシングと守備はもはや避けられない。
それと選手たちは、実際のフットボールよりもSofaScoreとかFotmobの評価を気にするようになった。リスキーなパスはもうなくなってしまった。
以上。まだまだたくさんあるが、似たようなリプライが多いのでこのあたりで。
たしかに面白い投げかけですな笑
まあ、アーセナル的に(プレミア的に)言えば
10〜15年前なら、ウィルシャーは今でもプレーできてたろうし、どことも契約できないなんて状況にはおらんでしょうな、、
ただ、プレミア以外ならって意見のリプもなんだか結構、見受けられたみたいですがロベルトバッジョなんかは、かなりセリエの中でもあの当時から(稀代のプレーヤーなのにもかかわらず)いきづらそうにしてたし、なんならベルカンプもインテルではその傾向にあったし(ヴェンゲルがアーセナルに連れてきて、自由を与えるまで)
今だと、マドリーのイスコやバルサのコウチーニョなんかもそうかな、
決してプレミアだけでは、ないでしょ?笑
あぁ、ゲッツェのバイエルン在籍時なんかもある種そうかもねぇ、、
ハメスなんかも昔なら、もっと評価されていただろうねぇ、
昔のように、コイツがボールを持ったら何かしてくれるっていうワクワク感をもたらす選手は確かに減ったように思います。
今のプレミアは組織化されたテレビゲームのような戦い方を目指しているクラブが多いのかなと。
それはそれで見ていて別の面白さがあるとは思いますけども。
僕個人としては、モロにヴェンゲルボールに魅了されていた側なので、所謂アーセナルらしいゴールも今後少なくなっていくのかなと一抹の寂しさがあります。
アーセナルのゴールの美しいところって単に上手く崩してだけじゃなくて、「そこに出す!?」っていう天才的なインスピレーションが含まれていたように思います。
以上、時代遅れの独り言でした。
確かによりチャレンジングなパスは減っていると思います。だから、たまに見せるパーティやウーデゴールの予測外の鋭いパスに感嘆が漏れますよね。
言うのは簡単だけど、最終ラインとGKの間にバス出せばいいんだけどなぁ。DF後ろ向くから、カウンターきても遅らせられるから。
悪いときのアーセナルはDFが前向きの状態で取られてカウンター食らうっていうイメージ。
前の試合はサカがそういういいパス出してましたよね。サンビあたりにもチャレンジしてもらいたいところ。
お疲れ様です!まさかまさかの!(以下略)
良く聞く議論ですが、私は単純に選手みんながハードワークするようになってサッカーのレベルが上がっただけだと思ってます。戦術というよりはハードワーク。現代的な戦術は全てハードワークがベースにあると思っているので。
その結果、ボールスキルよりも頭の情報処理能力(状況把握と判断力)の方が優位になって現代は独善的なボールプレイヤーの居場所がなくなっているのだと思っています。
往年のレジェンドプレイヤーだって、もし現代に降り立っていたら大部分は普通に現代サッカーに順応してスタープレイヤーになってたと思いますけどね~
ただ野球(MLB)で全体のレベルがあがって4割バッターがいなくなったように、サッカー界全体のレベルが上がったせいで突出した天才が出にくくなったというのはあると思います。
いつも駄文を長々とすみません、でも自分の感じているところを吐き出す場所として利用させていただいて感謝しています!
更新お疲れ様です。
スキルフルよりフィジカリー、アーティストよりもアスリートが多くなったというのは常々感じますね。
最近のプレミアはどこもハイプレスやGKからのビルドアップで戦術はある意味似通っているような気がしますね。
デラップがいた頃のストークとかはモダンじゃなくと放り込み特化の戦術で逆に面白かったんですけどねぇ…
自分はtwitterを活用してないので、こういうトピックを拾っていただけるのは有難いです
上に取り上げられてるアスリート気質な/一定以上の技術を持った/戦術理解もある(囚われてる) 選手が増えたってよくよく考えると凄いことですよね。
一昔前は他が劣ってもアスリート能力がある選手は一定の評価がありましたし、反面アスリート能力が劣っていても技術が飛び抜けてればそれもまた評価されてました。
それが今やねー
マケレレロール?カンテなんて1人3役ぐらいしてる。
No10は走らなくていいし、戦術の枠外でいい?ブルーノ・フェルナンデスなんて全てが高水準。
こんなんが差があれ次々と輩出されてるんですから。
その昔のフランス代表の礎を築いたクレールフォンテーヌや、セスクで言えばバルセロナのカンテラ至上主義のように独自育成メソッドでトップチームがぶち抜けるなんて、
今はもう難しいですよね。
勿論模倣困難な部分があるのは承知ですが。
これは情報の伝播/拡散の容易さ/速さが選手育成にもたらしたものだと思います。
フィジカル面もしっかり鍛え上げ、幼少期から技術/戦術をしっかり落としこむメソッドが最早当たり前に存在する。
アルテタがコメントしてましたが全てがアップデートし続ける、、指導者も含め。
戦術だって。
ポジショナルプレーは戦術というよりベースコンセプトですが、それでもこれだけレーンの概念が早く浸透するとは。
可変ビルドアップなんて当たり前レベルだし。凄いことです。
こういうこと考えちゃうセスクは指導者になるのかな?
なんだかんだ紆余曲折ありましたが、自分の1番のアイドルはセスクですんで、いつかアーセナルに関わってくれれば。
長々と失礼しました。
いつの時代も巡るものだし、巡ったときには前の時代を懐古する。そうやって歴史は作られていくんだろうなぁ。と大局的な視点で読ませてもらいました。
戦術やハードワークが全盛の時代に、一石を投じる選手の登場が待たれますね。
ハードワーク自体は悪いことではないと思うので、こちらの場合は選手がしなくなるというよりも、いわゆる社会的風潮(肉体の限界?)に起因しそうな感じもしますが。
逆にベップ以前の監督でベップ並にシステムを構築した監督はいないのでしょうか?
個人的にはグアルディオラってバルセロナとそれ以降で異なる感じがして、戦術的バリエーションに富んだ今のスタイルはバイエルンからだと思ってます。
ガチガチにシステマチックでやるって感じだと当時のビエルサのビルバオはビルドアップ〜崩しのパターン化は見てて惚れ惚れしました。今のリーズでも動きのパターン化は見れますね。守備もマンツーマン傾向の特殊ですし。
また現代においてポジショナルプレーと双璧を成すコンセプトであるストーミングなら、
グアルディオラ・バイエルンより少し前にクロップがドルトムントで恐ろしいチーム作りあげましたね。
これも今リバプールでその発展系見れますね。
システム構築って今の基準とは違いますが、90年代ラストのファーガソンのユナイテッドは恐ろしいまでの完成度だったと思います。
とにかく幅広くめちゃ速くボール動かすし、
守備シンプルに対人に強いし。
あの爺さんそれ以降割とユルユルになったけど、またテベス+ルーニー+クリスティアーノのチームの時、ようまたあんな別個のチーム作ったもんだと感心した覚えが。アップデートだねぇと。
再度長々と失礼しました。
セスクのプレーは見てるだけで「心地いい」って思えるボールタッチとか、俯瞰して見てるはずのファンが「その手があったか!」って驚く視野の広さとか、人間ってこんな事ができるんだ!って思った。僕にとってはあれがヨーロッパサッカーの見始めだった。
ただボールプレーに限って言えば、今のサッカーはだいぶ誤解されてると思う。
特にアルテタが選手のプレーを1から100まで全部決めてるという説、そのせいで選手がロボットになってるからアーセナルは弱いんだという説は、僕は前提がおかしいと思う。そもそもポゼッションサッカーってそういうプレー原理じゃない。アルテタがそんなことすら知らない(=IQがゼロだ)って言いたいんだろうけど、さすがにそれは言い過ぎだと思う。
おそらくこの話の根っこはハイプレスの話じゃないかと思う。ハイプレスによってスペースも時間もなくなり、双方がそれをやるから攻撃はバリエーションが少なくなる。極端な戦術も取りにくい。それじゃつまらないじゃないかと。それは僕もそう思う。
しかしそれじゃあハイプレスをウチだけやめられるだろうか?例えば次節のリバプール戦で。
きっとリヴァプールは吐き気がするくらい強いだろうが、彼らが強いのは偶然でもチートでも何でもない。そういうチームを作ったからだ。グアルディオラはそれに対抗するために、さらに高度なチームを作ってる。
ショーとして多少の不満はあるけども、僕はトップレベルで切磋琢磨してるこの2チームをリスペクトすべきだと思う。それは追従するという意味ではなくて、等身大に評価するべき(re-spectだから2度見る=よく見る)という意味で。なぜなら彼らを倒さなきゃならないから。
ショーとしての不満は、きっとベンゲルがオフサイドのルールを変えてくれるからそれまで待つことにしたいw
dance classic…
私は、ESRとぺぺがボール持った時は、ロナウジーニョのトリックプレーやロベカルのフリーキック助走の時と似た高揚感はあります。
より洗練されたモダンフットボールはつまらないのか否かは難しいところですが、プロスポーツにおける「競技の完成形」をリアルタイムで追っている感覚はあり、クラシックなNo.10とはまた別の愉しみはありますね。(何を言ってるか私も分かりませんすみません)
再建中さんに激しく同意ですね。
ヴェンゲルの時代でも決め事はあった。両SBを高く上げて幅を取り、CFが真ん中で相手CB1人をピン留め、残りの選手が中盤でパス交換とポジションチェンジを織り交ぜ相手を崩す。
コレってペップのチームでも行われてる事ですよね?10〜15年前のチームは、攻撃だけはペップのチーム以上だったと僕は思っています。攻撃に特化させた結果(せざるを得なかった)、常に4位以内をキープ出来ていたんだと思う。
クリシとサニャ(時々エブエ)がサイドで幅を取り、アデバヨールが相手CB1人をピン留め、後はセスク、ロシツキー、フレブ、ファン・ペルシーが中盤で自由にプレイする。
アルテタのチームも、オーバが相手CBをピン留め、サカとティアニー(タヴァレス)がサイドで幅を取り、スミスロウ、ラカ、パーティが中盤を崩して相手を攻略する。
ヴェンゲル、ペップ、アルテタのチームでほぼほぼ同じ事が起きてるのに何が違うのか?圧縮された中盤で、守備に備えてポジションを相手に合わせ修正するしつつ攻撃をサポート出来る”選手”が配置されている事。ヴェンゲルはより低予算でそれを実現しようとしていたに過ぎない。そんな完成度高い奴皆欲しいんだから高くて買えねぇよって思いながらw
仕方ねぇからそれが将来出来そうな原石(ディアビ、ソング、デニウソン…etc.)買っとくか!
みたいな?w
つまり何が言いたいかって言うと、
アルテタアーセナルには期待とワクワクしかないよねって事です♪