こんにちは。日曜。
今日はPLワトフォード(A)、試合を前に、Sky Sportsがアルテタの独占インタヴューを公開していた。
Mikel Arteta exclusive interview: Arsenal boss on Emirates Stadium connection, Pierre-Emerick Aubameyang exit and why this summer is so important
メディアの取材をあまり断らない?アルテタにしては、試合前プレスコンファレンス以外のコメントはひさしぶりかもしれない。
今回もなにやらだいじなことを語っている様子なので、じっくり読むついでに訳そう。
ミケル・アルテタのロングインタヴュー(2022年3月) by Sky Sports ファンとチームとの強いきずなを築く アルテタ: (アーセナルのヘッドコーチ就任時とは「まったく違う」空気)それは感じられるだろう。それを誰かに伝えようとすることもできる。だが、そこにいるのなら、いわずもがな。これはれっきとしたものであり、実際に起きている。そこには、エナジーとエモウションの交換がある。わたしは、サポーターとチームのほんものの団結を感じている。
(パンデミックの困難のときで一体感の醸成は「メインゴール」)ここでなにをやりがっているのか尋ねられたら、わたしはこう云う。イングランドにおいて、わたしはエミレーツを対戦するにはもっともタフなステディアムにしたい。そこへ行けば、肌で感じられるほどのマジでユニークなアトモスフィアが生み出される。
ファンが感じられるアトモスフィア。「チームをサポートできる土曜まで待てない」。エミレーツへ訪れるひとは歩きながら考える。「準備はできてる。あいつらをサポートしたい。彼らはそれに値するチーム。チームとつながっている」。
もしわれわれにそれができるなら、それは大きな大きな勝利になる。
われわれは(ホームでウォルヴズに)結果を出した。(最初の失点後に)すぐにファンのリアクションがあったから。チームをサポートする、チームを応援する。彼らのエナジーはわれわれのゴールの前からあった。
あのゴールは感情が生み出したものではなかった。それとは逆で、そうでなければならない。「彼らは間違いなくそれを返してくれるとわかっていて、チームに何をあたえられるか?」。そここそが、特別なときを築く。
われわれには、クラブに気持ちを込めている選手たちがいると思う。
もちろん、チームにいるアカデミー出身の選手は極めて重要だ。なぜなら、それとはまた別に特別なものがあるから。「ぼくはフットボールがプレイしたい。プロのフットボールクラブをレペゼンしたい。ここで金を稼ぎたい」。
そうした選手は、われわれのDNA、われわれの価値に根付いていると思う。彼らはここで育ち、長い長いあいだここにいるという事実に感謝している。それは、ファンも気づいていることだと思う。
そして、ほかの選手たちもクラブに100%を捧げているし、そうであれば、彼らにはほかのオプションはない……。ファンには必ず彼らのような選手をサポートしてもらう必要がある。
オーバからの前進 オバメヤン後のアーセナルの進歩 そこには、たくさんの理由があったのだと思う。まず第一に、自分たちが望んでいるものへの理解をよりはっきりにさせること。われわれにはフィットしたスクワッドがあり、長期間で邪魔になるものはそれほどない。
それで、一定のチームとしてもっとレギュラーにプレイさせることができた。それによって、チームはよりまとまり、より相互理解が深まった。彼らのクオリティーズが、お互いをよりよくしている。そうなれば、当然結果を得たときに、自信と信念が築かれていき、あとはその結果となっていく。
(オバメヤンの退団によってほかの選手が輝いた?)われわれは、つねにクラブの最大の利益において意思決定する。チームからベストのパフォーマンスを引き出すために。
あの決断は三者のパーティで行われた。ひとつはクラブ、ひとつはオーバ、もうひとつはバルセロナ。この三者が、これは正しいことだと信じた。
オバメヤン前後のアーセナルの平均xG推移 (オバメヤンのリプレイスメントを取らなかったことでファンの怒りを買った)それはあったかもしれない。しかし、明快な方向性といかに決断するかのプロセスがあれば、無慈悲にやらねばならない。
そうした決断においては、ある種の勇気と一貫性がなければならない。もしひとつ決断するならば、われわれが買える選手だけになるし、すぐにチームをもっとよくしてくれる選手だけになるし、われわれにとって将来性ある選手だけになる。それならば、やるべきだったろう。
だから、もし何かしたい欲求にかられたときでも、それが数ヶ月か数年後にはトラブルになる可能性も考えなければならないし、それはやるべきではない。わたしは、われわれがそれを「しない」勇気を持っていたと思うよ。
われわれはやらねばならないことをした。それがこのクラブをマネジするものたちとしての責任だ。
しかし、それがいいことだろうが、悪いことだろうが、シーズンが終わってみないとわからない。そして、それはわれわれが十分試合に勝っているかどうかに依る。
(ウォルヴズにOGを強いたラカゼット)ラカはとても重要なクオリティを持っている。それが彼の周囲の選手たちをよくしている。彼はゲイムをとてもよく理解している。とても知性ある選手で、ワークレイトはマジヤバ。
思うに、彼はこの期間、4、5、6ゴールズくらい取れなかったのはとてもアンラッキーだった。われわれは彼に自信を与えたいし、彼ならそれをやってくれる。しかし、わたしにとってウォルヴズでのあれは彼のゴールだよ。彼はあの試合に勝つファイナルアクションをやるためにあそこにいた。
なぜ夏が決定的になるのか (AFC就任当時18人いた選手のなかで残っているのは6人のみ)それは前代未聞のことだった。これは説明するのがかなり難しいと思う。そこから何を得て、必要だった決断の背後にある考え、必要だった不人気な決断。
しかし、われわれの責任は、もっと遠くの未来を見ることなのだ。こう云える。「わたしはここにいたい。しかしわたしは後ろを向いて取り組まねばならない。なぜならそれが目標だからであり、それをいまやらねば、われわれは決してそこにたどり着けない」。
それは説明が非常に難しいが、わたしたちのなかでは、オーナーシップをはじめ、ボード、エドゥ、スクワッドで最終決定を下すものたちのあいだでは、とても一貫し、団結している。
なぜなら、ふつうは、こうして転機が訪れたとき、そこには内部では必ずコンフリクトがあるものだから。100%だ。2年間で36人もの選手たちの全員から同意を得るのは不可能なんだよ。
(エドゥともなにか確執があった?)それは確執じゃない(にっこり)。いいことは、われわれには思ったことを云える人たちがいるということ。そうなれば、それを止めて取り組めるし、なぜそう思うのかも表明できる。それがほかのひとの考えにも及ぶ。
とても重要なことは、それが何であれ、このテーブルで決めることを決めることだ。そうして、われわれは部屋を去る。それがわれわれの決定だ。それはあなたのでも、わたしのでもない。「われわれの」決断であり、それに従う。もしそれがミステイクスだったとしても。
(この夏は昨年のような重要なものになる?)よりいっそう重要になる。わたしは、いまこそ違うレヴェルへ行かねばならないときだと考えている。
われわれは、スクワッドバランスをよりよいシェイプにできてきた。財政的にも、より安定したポジションにいる。ピッチで時間を過ごせる選手に金を使った。そのバランスはスクワッド全体でよくなっている。
そして、いまがクオリティを上げるとき。
(ストライカーへ行く?)ストライカーがボールをネットに入れる。ナンバーワンプライオリティだ。ゴール脅威。どんな成功するチームでも、スクワッドには十分なゴールが必要だ。それがなければ、なにも得られない。いいフットボールはプレイできても、チームに必要なのは十分なゴール脅威だ。
ほかには、ストライカーはいまいる選手たちと補完しあわねばならない。そのために、正しいプロファイルが必要だ。
われわれに必要なプロファイルは、いますでにチームにあるクオリティと同時に、自分のクオリティを利用できること。だから、われわれはまた自分たちのプレイのやりかたを、特定の選手に適応させるよう変化させる必要はない。
それと、ある年齢であることが必要だ。一定のレヴェルの経験があり、ここでアーセナルの選手としてのプレッシャーのなかで出てこられるもの。
われわれがやっているリクルートメントのなかでは、より柔軟になれると思う。われわれは現状リーグでもっとも若いスクワッドなのだし。バランスというものには、注意せねばならない。
しかし、ときには年齢は関係ないこともある。23か24才の選手だって、とても若いときからスタートして29才のようなキャリアを持っていることもある。
つまり、パーソナリティの問題だ。22、24あるいは34でもリーダーシップクオリティが問題。34でもそれを持たない選手もいる。われわれは、年齢よりもそのことをもっと重視するときもある。
サカの重要性 (サカはチームでもっともプレイタイムが多い。最初はWBで起用)彼のことを知るのにわたしも時間がかかった(※とアルテタが述べたのは2021年4月)。
彼の最大の成長は、一貫性のレヴェル。彼らが自分の時間のときなら問題ない。多くの選手にそれができる。しかし、あのレヴェルで一貫してプレイするのはとてもむずかしい。
相手は彼を知っているし、みんなが彼に期待している。しかし、彼はいまだに謙虚。コミットしているし、初日に会ったときと変わらずハングリー。いま、彼はゲイムをよりよく理解するようになり、わたしが彼に必要だと思っている選手としての激しさのレヴェルが違ってきている。
アルテタの下での選手のプレイタイム わたしはとても満足しているし、それはとても珍しいこと。とくにビッグクラブの攻撃的な選手では。しかし、彼はそれを当然のようにやっている。彼はそれができることを見せているし、やっている。彼はフロウしなければならない。
「彼は注意して観ている必要はないし、質問を投げかける必要もない。なぜなら、彼はアカデミー出身だから」。わたしはそれは大きな間違いだと思う。彼はやっている。もしわれわれが彼に£70Mを払ったとして、継続してプレイさせる。それが、なぜアカデミー選手だからという理由でやらないでいいのか?
以上
アーセナルはつぎのレヴェルへ行くとき。夏の移籍ウィンドウが決定的に重要に こういうことをクラブ(マネジャー)がついに云ってくれたという気がする。
これまでだって、ファンは毎年それを求めてきたはずだけれど、「十分な予算が……」とか「先にスクワッドを整理しないと……」みたいな歯切れの悪さがつねにあった。
アーセナルは、これまで中途半端なクオリティの選手を抱えて、しかも契約に縛られるかたちで、ずっと苦しめられてきた。自分たちのかつての判断に苦しめられてきたと云ってもいい。
だから、いまはその反省を今度こそ活かそう、というミケルとエドゥの強い決意を感じる。
ふたりのコンビでは、ウィリアンでいきなり大失敗してもいるが、それすらも教訓として、ちゃんと反省しようとしているんじゃないか。
そうしたことを踏まえての、オーバのリプレイスメントなしを始めとした夏と冬の大量放出であり。そのことが今回はっきりとミケルの口から伝えられている。「(中途半端を)しない勇気」。
もっとも、それも極端すぎた面はあった。必要最低限のギリギリのスクワッドでシーズン後半に臨むのは、たしかに危険な賭けではあった。しかし、いまシーズンも残り14試合というところまで順調に来ているのも事実。まさか、この若いスクワッドでチャンピオンズにまで手が届きそうになっているというのは、クラブにとっても望外の状況に違いない。
この状態で夏の移籍ウィンドウを迎えると、きっとアーセナルはこれまでになくアグレッシヴに選手を探すことができるだろう。なんら後ろ髪引かれることなく獲得だけに集中できるとなれば、そのようなウィンドウはほんとうに貴重な機会になる。しかも、KSEからのオーナー投資も期待できるため、チームがほんとうに必要としている選手に向かうことができる。
夏に、そうした状況に自分たちを置ける可能性があったからこその賭け。それをやるだけの価値があったという判断。
まだシーズン中で答えは出ていないが、大きな事故でもないかぎりは、あのチームならやってくれそうな期待はある。都合がいいことに、トップ4を競うライヴァルたちも盤石ではない。
今日の試合もすごく楽しみになった。
おわり
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ツイッターでも見かけましたが、ストライカーの要件について put the ball in the net という表現がすごくかっこいいなと感心しました。「点を取れ、手段は問わない」みたいなクールな印象を受けて、そこにシビれる あこがれるゥという感じです。笑
こんな反応をしておいて、英語でフツーに使われている表現だったら恥ずかしいのですが。駄文、失礼しました。
間違いなくチョー楽しみですね。