どうも。
昨日、ウィリアム・サリバの件が界隈でだいぶ盛り上がっていたようで。
『L’Equipe』などフランスでの各種報道によると、アーセナルはサリバのサイドに、選手は来年のプランに入っているし、契約延長も希望していると伝えたということ。
これまでアーセナルは来シーズン以降のサリバについてどうしたいのか、態度をはっきりさせていないと云われていたので、これで少なくとも親クラブとしての意向を選手サイドにはっきり伝えたということになる。
また、アルテタもあらためてサリバはわれわれの選手だと述べたということで、最近うわさされていたサリバが来シーズンもOMに残留するという憶測は、終了したようだ。
ウィリアム・サリバは22-23シーズンは、アーセナルでプレイする
ファブリツィオ・ロマーノが、アルテタがRMCに語ったというコメントを紹介。
Arteta tells RMC: “William Saliba has to come back. He has the experience to be competitive with us. We sent him to Marseille for his growth”. 🇫🇷 #AFC
“William wanted to be regular starter as you know but now we want him back at Arsenal”.
— Fabrizio Romano (@FabrizioRomano) May 24, 2022
アルテタ:ウィリアム・サリバは戻ってこなければならない。彼はわれわれのなかで競える経験を得た。われわれが彼をマルセイユに送ったのは、この成長のためだ。
ご存知のとおりウィリアムはレギュラースターターになりたがっているが、われわれは彼にはアーセナルのチームに戻ってもらいたい。
『RMC Sports』のサイトでも伝えられている。
Arsenal: “Il faut qu’il revienne”, Arteta compte sur un retour de Saliba
アルテタ:(サリバをローンに出したことを後悔している?)われわれは正しい決断をした。彼はここにいたのでは、(成長に)必要なプレイタイムは得られなかっただろうから。
彼は戻ってこなければならない。
彼は、われわれのなかで競争できるようになるために必要な環境で、経験を得てきた。もし彼が今年ここに残っていたら、一週間に一度のPL試合しかないなかで、ベン・ホワイトとガブリエルがいて、マルセイユでの半分もプレイできなかっただろう。
これ(ローン)は間違いなく、彼の成長のためであり、来シーズンの彼にできることのためだった。それがなければそこまでうまくはいかなかった。
ウィリアムがチームにいなかったのは、つまり彼が経験を得るためのプレイタイムを得られそうになかったからだ。それだけさ。ほかには何もないよ。
他意はない。アルテタはサリバとの不仲説をツッコまれたのかな?(笑い)
ということで、サリバはひとまずは来シーズンはアーセナルのファーストチームに含まれるのは確実になった。
ただ、この夏で彼の契約は残り2年だが、契約延長については、いまの状況で彼がすんなりサインするとは思えない。彼がこのままフランスに残りたがっているというのは、ほんとうだろうし。なにしろ、アーセナルに3年も在籍してファーストチームでは、ほとんどプレイしていないのだから。
ホワイトとガブリエルが現在のファーストチョイスだということは、彼も当然知っているはずで、チームでどれほどのチャンスが与えられるのかは観ていきたいところだろう。
来シーズンの一年間が、サリバとアーセナルにとって、お互いにテスト期間になるんじゃないか。
誤訳疑惑の『GFFN』が大不評
ところで、このサリバの件では、このブログでもちょくちょくネタ元にしている、フレンチフットボール情報を英語で発信している『GFFN』ことGet French Football Newsが、アーセナルのファンにかなり不評を買っている。
というのも、数日前にGFFNが報じた「サリバは移籍したがっている」という情報が、アーセナルのファンには、意図的な(悪意ある)誤訳であると認識されているようなのだ。
Classic mistranslation.
Not once did he say he wants to stay.
Reporters have asked Saliba thrice if he would want to stay after securing CL. He responded to all by saying “We will see.”
He also said he would like to play Tuesday/ Wednesday like any other ambitious footballer. https://t.co/LCH8cV6Ull
— Haych (@HaychhAFC) May 22, 2022
マルセイユのリーグ最終戦(本人はサスペンションだった)のあと、サリバが「OMに残りたがっている」と語ったというGFFNのニュースについて。
典型的な誤訳だ。彼は一度も「残りたい(I want to stay)」なんて云っていない。
リポーターがサリバに、OMがCLを確保したので残りたいか?と3回も訊いたが、彼はその都度「どうなるか観てみよう(We will see)」と云っただけ。彼は、ほかの野心的な選手と同じように火曜/水曜(※CL)にプレイしたいと云っただけだ。
リポーターがむしろ冗談めかして(3回めの質問で)クラブに残る必要があるんじゃないかと訊いたときにも、サリバは「なぜ?」と答えた。リポーターは、キミは約束したゴールが取れなかったじゃないかとしつこく訊いたが、そのときも彼は笑って「知らないよ。どうなるか見よう」と答えた。
彼のオプションがオープンというのは、どんなほかの選手だって同じだろう。
彼は、いずれにせよ(OMに)戻るのはうれしいと云っているが、2ヶ月の夏のウィンドウに依るとも繰り返している。
OMがひさしぶりにCLを決めたときだったのだから、(水をささないよう)彼は賢い受け答えをしたとぼくは思うけどね。
GFFNは、ぼくもこのブログでもちょくちょくネタ元にさせてもらっているくらいだから、あまり気づいていなかったのだが、どうもアーセナルのファンの多くは、GFFNがアンチアーセナルのメディアだと考えているようだ。そして、今回のことがあったので、小さく炎上したという。
日々ブログで英語の翻訳をやっているものとしては、「戻るのはうれしい」と「戻りたい」は、英日でも意訳の範囲としてうっかり気軽にやってしまいそうなので、ちょっと身が引き締まる。気をつけないと。
あと、空気を読んでGFFNをネタ元にするのは、しばらく自重しよう(笑い)。
ということで、サリバの去就は、ながらく議論になっていたが、ひとまずはこれにて終了としよう。まあ、もちろん今後なにがあるかわからんけど。
おわる